観光DX事業の成果報告会 3月15日(火)に配信 Next Tourism Summit2022

2022年3月10日(木) 配信

観光庁は3月15日、観光DX事業報告会「Next Tourism Summit 2022」を開く

 観光庁は3月15日(火)、DXの推進による観光サービスの変革と観光需要の創出事業の成果報告会「Next Tourism Summit 2022」を行う。21年度に採択した17実証事業のうち、6事業者が登壇し成果報告を行うほか、観光や地方創生・地域活性におけるDXについて、ゲストが講演を行う。

 同庁では、旅行者に対する消費機会の拡大や、消費単価の向上を目指し、新しい観光コンテンツや価値を生み出すべく、デジタル技術を活用する。

 21年度は「これまでにない観光コンテンツやエリアマネジメントを創出・実現するデジタル技術の開発事業」と、「来訪意欲を増進させるためのオンライン技術活用事業」の2つの実証事業を行った。

 開催日は3月15日(火)、午後4時~6時半にユーチューブで配信する。事前申し込みが必要となる。当日の申し込みも可能。

 また、同事業の成果報告内容は、NTTコミュニケーションズが提供するVR空間プラットフォーム「DOOR」でも報告している。

〈旬刊旅行新聞3月11日号コラム〉複雑化した人間社会―― シェルター的な世界へ一時逃避も

2022年3月10日(木) 配信

 イソップ寓話に「ウサギとカメ」の物語がある。ウサギとカメが競争をして、走るのが速いウサギが油断して途中で居眠りをしている間に、カメがゆっくりとウサギを追い抜いて勝つという、誰もが知っているストーリーだ。

 

 「自分の能力を過信して油断すると、勝負に負けてしまう」「能力が高くなくても諦めず、地道に歩を進めていけば、最後には勝てる」などの文脈で持ち出されることが多い。この物語は擬人化され、アナザーサイドからの教訓めいたものも数多く散見される。

 

 このカメのモチーフになったのではないか、と言われるいくつかの候補の1つ、ヘルマンリクガメを私は飼っている。だが、何というか、地道な感じは一切しない。歩みは遅く、すぐに途中で昼寝をしてしまう。ウサギとカメの悪い面を両方持っている。飼い主に似てしまったのかもしれない。

 

 

 うちのリクガメは人間との生活に慣れきってしまい、快適生活を送っている。サニーレタスやキュウリ、サラダ菜だけでなく、大好物のコーンや、カボチャ、バナナも食べさせてもらえる。カメ用のお風呂にも毎日入る。ふわふわの毛布の中で、眠ることができる。自然界のリクガメと比べたら、贅沢三昧であり、「キミはとても幸せ者である」と眺めている。

 

 一方でカメにとって、文明の進んだ人間との快適生活と、自分を生んでくれた母親ガメや友人ガメ、恋人ガメとの生活と比べて、どちらが幸せなのだろうと、ときどき考える。

 

 犬は人間に懐く。飼い主に可愛がられ、愛情を注がれると忠誠を誓い、飼い主を裏切ることはない。他の犬を見つけると、吠えまくる。「自分は人間社会の一員だ」という表情をする。犬は自分とは異なる人間の生活に合わせて暮らす方が、幸せなのだろうかと思う。

 

 

 高度な文明を持つ我われ人間だが、多くの人は人との付き合いに疲労を感じる。かく言う私もすぐに疲れてしまう。会社や学校などで、人間としか付き合わない生活が続き、何かをきっかけに不信感を持ったり、絶望したりすると、そのような世界から逃げ出したくなるのが一般的な感覚だ。

 

 私はリクガメを飼い始めてから、リクガメとの世界や関係性をとてもありがたく感じている。言葉も通じないし、何一つ自分から意思を表明しない(ように見える)。それゆえに愛おしく思える存在でもある。

 

 この地球上には、数えきれないほどの生き物が生活をしているが、普段コミュニケーションを取っているのは、人間だけだったことに気づく。とくに都市部で生活をしていると、朝起きて、寝る前まで会議があったり、メールでやりとりしたり、人との関係だけで1日が終わっている。

 

 人が人から癒しをもらうことは基本的に難しいと私は思っている。人間同士の付き合いは複雑化し過ぎている。人間社会から逃避し、もう一つ別のシェルター的な世界があれば、救われることも多いと強く感じる。

 

 

 犬や猫、馬、鳥などと親密な関係を築いている人を見ると、人間同士では築くことができない、純粋な関係を別の生き物との間に持つことによって、もう一度人間社会の一員として頑張っていこうと、エネルギーや癒しをもらっているのではないかと思う。

(編集長・増田 剛)

【特集No.605】ゆと森倶楽部(宮城県・遠刈田温泉) 生産性向上と連動して省エネ実現

2022年3月10日(木) 配信

 旅館・ホテルなど省エネに取り組み、大きな効果を得られた企業を取材するシリーズ「省エネへの挑戦!」の第2回は一の坊グループ「ゆと森倶楽部」(宮城県・遠刈田温泉)を取材した。グループの理念「お客様サービスの品質向上と社員の幸福化」実現へ、同館は2012年から生産性向上に取り組み、省エネにもつなげた。19年には大浴場の廃湯の熱を再利用する廃熱利用システムを導入し、20年7―9月の重油使用料は前年同期比で、約34%を削減した。三浦純ゼネラルマネージャーに話を聞いた。

【聞き手=増田 剛、構成=木下 裕斗】

 ――ゆと森倶楽部の歴史を教えてください。

 2009年4月に、厚生労働省が所有し、「ハイツ&いこいの村」として運営されていた施設を受け継ぎ、開業しました。建物は団体向けに設計されていました。

 団体客が年々減少し、原油価格は高騰するなか、コストは増加し、利益が思うように上がらない状況が続いていました。

 こうしたことから、一の坊グループの理念「お客様サービスの品質向上と社員の幸福化」の実現や「社会貢献(地球環境保全)」を目指し、グループ内では比較的規模の小さな「ゆと森倶楽部」から、省エネ活動に積極的に取り組んできました。

 ゆと森倶楽部の成功例から、一の坊グループは17年度に、「快適エコ活動計画」を策定し、各旅館の体質改善を実践することになりました。

 同計画は、グループ各宿の施設品質委員と社長などで構成する「快適エコ活動推進委員会」が、旅館の品質向上とエネルギーの効率化について計画の承認や予算化、評価などを行い、省エネ事業の最適化をはかっています。

 第1次計画(18―20年度)が終了し、成果として、グループ4館の19年の年間光熱費が同計画策定前の16年と比較して約4千万円の削減を達成しました。現在は、第2次計画(21―23年度)を実行中です。

 ――ゆと森倶楽部の個人化による省エネ効果は。

 空調設備はオープン当初、1カ所で館内すべてを賄うセントラル方式でした。使用されていない客室などにも、暖冷気を送ってしまい、客室や共用施設にあるスイッチはオンまたはオフの機能しか備わっていないことからも、常時フル稼働させる必要がありました。

 以前は、冬にお客様から「暖かすぎる」と言われれば、扇風機を出し、夏に「冷えすぎる」と告げられた際は、ヒーターを付けるなどし、ムダな光熱費が掛かっていました。

 今では、エアコンを個別化し、お客様の希望に合わせて温度を調節できるようになり、満足度が上がるとともに、細やかな調整により大幅にムダを削減することが可能になりました。

 さらに、浴場共用場所の冷房は21年、井戸水を使った冷房を導入し、電力消費量を80%抑えることができました。

 ――スタッフの業務量はどのように減らし、生産性を向上させましたか。

 団体客向けの宴会場などと、個人客のレストランとでスタッフのシフトを分けていましたが、個人化することで、宴会場の使用回数が減りました。スタッフは個人客向けレストランに集中させ、40人から20人に削減しました。これは、予約やフロント、事務などと役割を分けていましたが、ムダな業務を無くすことで、マルチ化した結果です。

 業務プロセスも簡素化し、労働時間も管理しやすくなりました。和室をベッド化して定員を5人から2人にしました。客室数は全50室であるため、最大100人までの収容となりました。

 また、電話予約をやめることで、今年1月の予約は、99%がインターネットから申し込まれました。ほかの月も、同水準となり、事務作業は大幅に削減されています。

 宿泊料金が事前決済のため、チェックアウト時の精算業務もなくなり、コロナ禍では取り消しも少なくなりました。

 ――レストランの生産性向上はどのように取り組んでいますか。

 ゆと森倶楽部のレストランのキッチンはホールの壁を挟んだ隣に位置し、調理人とホールスタッフが別々の仕事をしていました。現在は、ホールから見える場所に移設し、料理人がお客様の目の前で臨場感あふれる調理を行います。それだけでなく、ホール専門のスタッフを置かないため、料理人自らが食事を提供し、お客様に声を掛け、下膳もしています。

 洗う手間が掛かる箸を使用する料理は提供しないようにし、簡単に洗浄できるナイフとフォークを中心に提供しています。お客様からの要望があった場合のみ、割り箸をお渡ししています。

 また、バックヤードでは照明の間引きや、解凍する時間と水道代が掛かる冷凍品の仕入れを停止し、地元の新鮮な食材を利用することにしました。下膳した皿は付け置きするために、シンクに水を溜めていましたが、洗い場に下げてくると、溜めずにすぐに洗浄しています。

 これらの取り組みで水道代は約4割削減しました。さらに、従業員は閉店後、食器を洗うために夜遅くまで残っていましたが、現在は30分以内に帰っています。こうしたことで、残業代も減りました。

【全文は、本紙1864号または3月17日(金)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

岡田美術館で特別展「花鳥風月 名画で見る日本の四季」開催中 春夏編と秋冬編の2部構成で

2022年3月9日(水) 配信

酒井抱一「桜図」(部分)江戸時代後期 19世紀前半 岡田美術館蔵〔前期〕

 岡田美術館(小林忠館長、神奈川県・箱根)は12月18日(日)まで、特別展「花鳥風月 名画で見る日本の四季」を開いている。

 四季折々の自然や風物を題材とした絵画や陶磁、漆工などの工芸品約100件を展示し、季節の移ろいがどのように表現されてきたかを紹介する展覧会。

 7月10日(日)までは「春夏編―若冲・御舟・一村―」とし、日本人に最も身近な春の花・桜から始まり、初夏の牡丹や燕子花、そして舟遊びや夏美人といった盛夏の風物詩をテーマにした作品を展示。同館で約3年ぶりに公開される田中一村の「白花と赤翡翠」や葛飾北斎の「夏の朝」、上村松園の「夕涼」、酒井抱一の「桜図」などが鑑賞できる。

伊藤若冲「孔雀鳳凰図」(部分)江戸時代 宝暦5年(1755)頃 重要美術品 岡田美術館蔵〔前期〕

 なかでも注目の作品の一つが、2015年に80余年ぶりに再発見され話題を集めた  伊藤若冲の「孔雀鳳凰図」。若冲に画業に専念する環境ができた40歳頃の貴重な作例で、初夏の花である牡丹と桐を、それぞれ白孔雀、鳳凰とともに描いた大作だ。

 7月16日(土)からは「秋冬編―光琳・歌麿・春草」と題し、尾形乾山の「色絵竜田川文透彫反鉢」や鈴木其一の「秋の七草図」、葛飾北斎の「雪中鴉図」などを展示。

喜多川歌麿「深川の雪」(部分)江戸時代 享和2~文化3年(1802~06)頃 岡田美術館蔵(展示期間:7/16~10/3)

 7月16日から10月3日限定で、2012年に再発見された喜多川歌麿の「深川の雪」の実物を展示。同作品は歌麿の「雪月花」3部作と呼ばれる肉筆画の傑作。「花鳥風月 名画で見る日本の四季」会期中は同館所蔵の「深川の雪」に加え「品川の月」、「吉原の花」3作品の高精細複製画を展示するが、同期間のみ「深川の雪」が実物となる。

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世田谷にゆかりのある店自慢の逸品106商品紹介 世田谷区産業振興公社などが「世田谷みやげ2022」発行

2022年3月9日(水) 配信

「世田谷みやげ2022 」表紙

 世田谷区産業振興公社と世田谷区商店街連合会はこのほど、パンフレット「世田谷みやげ2022」を発行した。

 2006年から世田谷にゆかりのある店自慢の逸品を募集し、「世田谷みやげ」として指定している両者。今年は新たにRARASAND SETAGAYAの主張しすぎる「もなか」や田舎ごっこのひょうたんランプ体験キットなど16 品を加え、全106の指定商品を掲載した。

 パンフレットでは指定商品の紹介に加え、区民健康村相互協力に関する協定(縁
組協定)締結40周年を迎えた群馬県・川場村の特産品や、世田谷みやげが寄附記念品に指定されているふるさと納税の取り組み、世田谷区内で利用できる地域通貨「せたがやPay」も紹介している。

 「世田谷みやげ」は毎年応募のあった商品を同公社観光アドバイザーの今村まゆみ氏や女優の小林涼子氏ら 6 人が 「 品質や製法等へのこだわりがあり、オリジナリティがあるか」、「世田谷での歴史があるか」など 4 項目で審査し決定している。

 編集者・評論家の山田五郎氏は「創意工夫を重ね、流行に流されない世田谷らし い良さのある数々の商品が出そろいました。きっとあなたのお気に入りも見つかるはずです」と同パンフレットにコメントを寄せている。

山一観光が破産手続き開始 負債は約23億1200万円(帝国データバンク)

2022年3月9日(水) 配信

 観光ホテルを運営する「山一観光」(藤原茂敏社長、大分県日田市)は2月25日(金)、大分地裁日田支部に自己破産を申請し、3月1日(火)に破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約23億1200万円。

 同社は1976(昭和51)年7月に設立。大分県内では別府、由布院と並んで豊後3大名泉に数えられる日田市郊外の天ヶ瀬温泉郷で、観光ホテル「みるき~すぱサンビレッヂ」の運営を手掛けていた。客室数60室、露天風呂付客室を有するなど、インバウンド需要も取り込み、2017年4月期には年間収入高約4億3000万円を計上していた。

 しかし、増改築などの設備投資に伴う多額の有利子負債を抱えていたことから、債務超過で推移。20年に入ってからは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、利用客数が減少するなか、緊急事態宣言の発令で休館を余儀なくされていた。

 加えて、「令和2年7月豪雨」が発生し、さらに業況が悪化した。21年4月期の年間収入高は約7000万円に落ち込み、営業段階から赤字を計上していた。債務超過額が拡大し、コロナ関連融資などでしのいでいたものの、先行きの見通しがたたず事業を断念した。

2月の宿泊業倒産は3件 負債総額、200%増の24億円(東京商工リサーチ調べ)

2022年3月9日(水) 配信 

東京商工リサーチはこのほど、2022年2月の宿泊業倒産を発表した

 東京商工リサーチがこのほど発表した2022年2月の宿泊業倒産は3件(前年同月8件)だった。21年9月から6カ月連続で前年同月を下回り、02年以降の過去20年で最少となった。負債総額は前年同月比198・2%増の24億7200万円(同8億2900万円)で、4カ月ぶりに前年同月を上回った。負債10億円以上の大型倒産が発生したことで、負債総額を押し上げるカタチとなった。

 新型コロナウイルス関連倒産は2件で、前年同月の4件から減少した。形態別では3件すべてが破産。地区別では、北陸(富山)、近畿(京都)、九州(大分)で各1件発生した。

 2021年度(4~3月)の倒産件数は、2月までに63件となり、前年同期の114件から44・7%減少している。

 おもな倒産事例として、「山一観光」(大分県日田市)が3月1日(火)までに事業を停止し、大分地裁日田支部に破産を申請した。負債総額は23億5100万円。大分県での新型コロナ関連倒産としては、最大の負債額となる。

 同社は、日田市の天ヶ瀬温泉で観光ホテル「みるき~すぱサンビレッヂ」を経営していた。7階建ての客室棟のほか、ペット可の別棟も備え、男女別の大浴場2カ所、プール、大宴会場3カ所と、複数の団体客に対応している大型施設だった。

 ピーク時の1997年4月期には売上高約8億円を計上していたが、近年は年間売上高が2億円台で推移し、赤字となっていた。

 2020年春以降は新型コロナ感染拡大で休業したうえ、「令和2年7月豪雨」で玖珠川の氾濫が起こり天ヶ瀬温泉への観光客も急減した。21年4月期には売上高が約7千万円まで落ち込み、業績回復の兆しが見えないことから事業継続を断念した。

 割烹料理店を経て民宿「日本海氷見小さな隠れ味宿・魚恵」を経営していた魚恵(富山県氷見市)は、20年9月末に営業を停止。22年2月1日(火)に富山地裁高岡支部から破産開始決定を受けた。負債総額は9143万円。

 氷見温泉元湯を引いた温泉や、漁港で仕入れる海の幸と自家製野菜を使った料理が常連客から人気を集めていた。

 しかし新型コロナ感染症の拡大以降、客足は減少し、20年5月期には売上高が約4800万円まで落ち込み、先行きの不透明さから今回の措置となった。

 今年2月の旅行業倒産は、前年同月と同数で4件発生した。21年度(4~3月)の累計件数は2月時点で26件となり、既に前年度の23件を上回っている。

 負債総額は同28・8%増の1億3400万円。

 同社は、外出自粛や渡航制限の長期化による需要低迷などが相まって、「小・零細規模を中心とした息切れ倒産が散発し、件数を押し上げている」と危機感を抱いている。

 

AirJapan誕生 中距離国際線新たに運航へ  ANAHD

2022年3月9日(水) 配信

新ブランドの機体と優しさを表したロゴデザイン

 ANAホールディングス(芝田浩二社長)と同社のグループ会社エアージャパン(峯口秀喜社長、千葉県成田市)は3月8日(火)、新しく中距離国際線を運航するブランドの名称を「AirJapan」に決めた。ロゴは商標出願した。

 価格やサービスなど幅広いニーズに対応することが目的。

 コンセプトは「Fly Thoughtful」。気遣いや思いやり、優しさといった意味を込めた。具体的には、ロゴの「r」と「J」の部分で、手と手が織り成す優しさをイメージした。

 また、ロゴや機体デザインには世界中の人々から、日本のエアラインであることを分かりやすく伝えることに重きを置き、日本の伝統色「藍色」と「曙色」を組み合わせた。

 新ブランドでは、フルサービスで提供されるサービスのうち搭乗客が望むオプションを用意する一方、希望しない利用者には運賃を抑える。さらに、機内は快適に過ごしてもらえる空間を創造する。

 両社は今後、国際線の需要回復動向を注視しながら、2023年度下期の就航に向けて準備を進めていく。

3月26日から上越市・高田城址公園で観桜会 日本三大夜桜の1つ

2022年3月9日(水) 配信

多数のぼんぼりが幻想的

 新潟県上越市の高田城址公園で3月26日(土)~4月10日(日)まで、第97回観桜会が開かれる。同公園の桜は、1909(明治42)年、旧陸軍第13師団の入城を祝い、在郷軍人団が城跡に2200本の桜を植樹したのが始まり。現在、桜は高田城址公園やその周辺を含めて約4000本あり、そのほとんどがソメイヨシノという。

 期間中はぼんぼりの点灯と、高田城三重櫓とさくらロードのライトアップを行う。多数のぼんぼりに照らし出され、お堀の水面に映る様は「日本三大夜桜」の1つに数えられているほか、高田城址公園は「さくら名所100選の地」「日本の歴史公園100選」に選定されている。高田城址公園は、徳川家康の六男・松平忠輝公の居城として築かれた高田城跡に整備された。

 なお、観桜会では臨時駐車場を開設し、公園内駐車場は開放しない。遠方の駐車場からは有料のお花見シャトルバスを運行するが、感染対策のため乗車収容人数制限を設ける。

日旅連、日旅とSDGs共同宣言 持続的な社会に向け課題を解決

2022年3月8日(火) 配信

締結式の様子(左・小谷野社長、右・桑島会長)

 日本旅行協定旅館ホテル連盟(桑島繁行会長、1843会員)は3月3日(木)、東京都内で2022年度通常総会(オンライン)を開いた。同日、日本旅行(小谷野悦光社長)と地域の課題解決や各施設の取り組みを共創する「日本旅行×日旅連 SDGs共同宣言」を結んだ。地域をつなぐ「面としてのサービス提供」を目指す新たな観光産業に、地域課題の解決や、地域産業振興は必要不可欠であるとして、共同宣言を締結した。

 日本旅行はSDGs達成に向け、人・環境・文化の視点から観光資源の保全を中心に活動を行ってきた。同宣言では、地域課題の解決や各施設の取り組みを促進し、地域の観光産業のさらなる発展に寄与することを目的に、各種事業に取り組んでいく。

 また、締結に伴って「SDGs推進特別委員会」を立ち上げ、日本旅行のソリューション、ツーリズム、インバウンドの3つの部門と、日旅連の営業推進委員会の法人、個人、訪日部門の各委員会が連携する。

 委員会では、脱炭素に関わるカーボンニュートラルや、脱プラスチックへの取り組みなどを通して、持続可能性についての社会課題に対し地域・施設としてどのように向き合うべきか、考えをまとめていく。

 締結を受け、桑島会長は、「SDGsは観光業の社会的な存在意義を高めるために重要な取り組み。日本旅行と強いタッグを組んで取り組んでいきたい」と話した。

 これに加え、「それぞれの施設において既に多々取り組んでいることもあるが、それをいかにマーケットに届けるか、連携して活動できる体制を作りたい」と意気込みを語った。

 小谷野社長は、「今般の共同宣言を皮切りに、個々の役割や取り組みをしっかり応援し、地域の取り組みの価値をさらに高めていく。皆様とのパートナーシップがこれまで以上に必要となってくる。日本旅行はまだ死んでいない。ほかの企業以上に元気があるということを伝えていくため、新たな価値を共に創造していきたい」と強調した。

 日旅連の21年中の事業報告では、新型コロナ感染症感染拡大の影響で、リアルでのセミナーやワークショップの開催ができなかったことを振り返った。

 前年4月には日本旅行中期経営計画を中心にオンラインセミナーを開き、日旅連ワークショップは、「本来は東京、名古屋、大阪、福岡それぞれの営業本部と直接商談会を行っていたが、21年は東日本と西日本に分かれてオンラインで開催した」と報告。また、第12回日旅連塾は前年11月、SDGsをテーマにリアルで開いた。

 来年度は改選期に当たるため、「来年こそ会員の皆様のお顔を直接見て、総会を開きたい」と期待を述べた。

中計22~25「覚醒」 旅行・非旅行の両立

 また、日本旅行は昨年の12月24日(金)、中期経営計画2022~2025「覚醒」を策定した。総会において小谷野社長は、会員に向けて計画の内容を説明。同社は、今般の経営計画に関する企業ビジョンを、「アライアンスパートナーとの共創でお客様の求める価値を実現する『顧客と地域のソリューション企業グループ』」と定めた。