清風荘(あわら温泉)、本陣客室を和洋室にリニューアル 五感で味わう自慢のオープンキッチンビュッフェプラン発売

2023年12月11日(月) 配信

本陣和洋室一例

 清風荘(伊藤由紀夫社長、福井県あわら市)はこのほど、同社は、2間続きの和室だった本陣客室の和洋室リニューアル工事を11月に完成させたことから、リニューアル工事完成記念プランを売り出す。

 「和心伝心」をテーマに改装を行い、ベッドやソファなどを備えた新しいスタイルで配置したほか、七宝つなぎや麻の葉、市松、亀甲などの日本の伝統文様を客室にあしらって、和のおもてなしの心を表現した。現在は、和洋室タイプが34室、和室ツインタイプを9室用意している。

 2022年9月にリニューアルした劇場型ビュッフェレストラン「虹」では、石窯を使った料理を提供する。オープンキッチンの各コーナーに料理人が配置され、ライブ感たっぷりに出来立ての料理が五感で楽しめる。

 鍋物コーナーの「蟹しゃぶ」や、当日の朝に獲れた鮮魚のお造りコーナー、お好みで握る寿司、洋食イタリアン、和牛ステーキとガーリックチャーハン、石窯で作る手作りピザなど、バラエティ豊かなビュッフェを心置きなく楽しめる。

 本陣和洋室完成記念「オープンキッチンで彩る清風荘自慢のビュッフェプラン」は、1泊2食付き1人当たり税込み2万8600円から。夕・朝食ともにビュッフェ形式。

劇場型ビュッフェイメージ

“ちょうどいい町”をアピール 松山市が首都圏で初のミニレクチャー会

2023年12月11日(月) 配信

松山の魅力を紹介する神野智子主査。みかんジュースがでる蛇口も設置してPRした。

 愛媛県松山市は12月7日(木)、東京都内で首都圏の報道関係者を集めて「松山市ミニレクチャー会2023」を開いた。旅行需要が高まっているなか、改めて松山の魅力を発信するため、初めて開催した。同市は人口50万人を超える四国最大の都市だが、田舎の穏やかさと都会の便利さの両方がある“ちょうどいい町”だとアピールした。

 今回は初開催のため、松山市秘書広報部シティプロモーション推進課の神野智子主査が「道後温泉」や「松山城」、特産品の「みかん」など王道の魅力を伝えた。

王道の魅力「道後温泉」、城下町も楽しんで

 約3000年の歴史を誇る日本最古の湯といわれる道後温泉のシンボルである「道後温泉本館」は、日本で初めて公衆浴場として国の重要文化財に指定された。現在は1階浴室のみ営業しながら、保存修理工事を行っている。来年7月中に全館の営業を再開する予定だ。

 また、別館の「飛鳥乃温泉」は道後温泉で一番新しい湯屋で、館内は愛媛の伝統工芸を用いた最先端のアートで彩られ、浴室では珍しくプロジェクションマッピングも行われている。また、来年2月29日(木)までは、中庭に「飛鳥乃温泉インスタレーション」として写真家・映画監督の蜷川実花氏の写真約230点を設置。神野氏によると映えスポットとして観光客にも人気だという。

 同市には温泉文化が根付いており、市民はお気に入りの温泉施設がある。そのなかで、神野氏自身のお気に入りとして「東道後のそらともり」「ていれぎの湯」を紹介した。

 国内に12しかない江戸時代以前に建造された天守を持つ松山城は、四季折々で魅力的な景色を見せるため、神野氏は「何度も足を運んでほしい」と売り込んだ。

 城下の楽しみでは、映画やドラマのロケ地として多く使われるルネサンス様式の洋館「萬翠荘」を紹介。国の重要文化財にも指定されている。また、市の中心部にある「大街道」「銀天街」は松山を代表するアーケード商店街。多くの市民が行き交い、夏には夜市も開催され賑わう。

 文化・文学の町の顔を持つ同市は、歌人・正岡子規氏の資料を展示する博物館や、司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」に関するミュージアムなども充実する。市内には80以上の「俳句ポスト」が設けられており、気軽に投書できる。

 のどかな地方部も魅力で、大ヒットドラマ「東京ラブストーリー」の最終回ロケ地として有名な「梅津寺駅」の夕日が沈む瞬間は絶景という。

 特産品といえば言わずと知れた「みかん」。とくに、愛媛県で誕生し、松山市が生産量1位の高級みかん「紅まどんな」は皮が薄く、甘みと水分が豊富でゼリーのような食感が楽しめる。また、会では「蛇口からみかんジュース」も設置し、体験も披露した。

 土産品にもおすすめなのは地元和菓子店、一六とGODIVAがコラボした「GODIVAタルト」。松山のタルトは従来のパイ生地タルトではなく、餡をカステラ生地で巻いて作る和菓子で、お茶菓子や贈答品として定着している。

 さまざまな魅力にあふれる同市だが、野志克仁市長がYouTubeで落語形式のPRも行っており、神野氏は「ぜひご覧いただければ」と紹介した。

〈旬刊旅行新聞12月11日号コラム〉――台湾美食旅 昔ながらの店構えは意識的なのか?

2023年12月11日(月) 配信

 久しぶりに台湾を旅した。最後に訪れたのは、コロナ禍前だったので約4年ぶりだった。

 

 今回の旅の目的は、美味しいものを食べることで多種多様な飲食店巡りもした。メニュー一覧が載っている縦長の紙の伝票に、「正」の字を書いて注文するスタイルが市中の食堂には未だ残っており、少し懐かしく感じた。「鼎泰豊」も以前は紙に書いて注文していたが、さすがにタッチパネル化していた。タッチパネルで料理やビールを注文すると、日本語の堪能なスタッフがその都度テーブルまで確認しに来るので安心だった。「鼎泰豊」の接客スタイルはべたつかず、親切だ。言葉の壁を感じることもなく、心地よい。

 

 

 アジアの街の進化は著しい。数年訪れないと大きく変貌する。良く言えば現代化だが、悪く言えば均質化・無個性化してしまう。以前に気に入っていた古い店を探したが、跡形もなく、原宿などで見掛けるポップな感じの店に変わっていた。台湾の「台北101」周辺も新宿や渋谷、韓国の主要都市、北京やシンガポールなどと区別がつかないほどで、その意味ではあまり魅力を感じることはなかった。東京でひときわ個性が光る浅草が外国人観光客に人気な理由がわかる。

 

 台北の西門エリアも、日本的、あるいは韓国的な店舗が溢れていたが、半熟卵が乗った魯肉飯が安くて美味しい「天天利美食坊」は相変わらず古い店舗のまま長い行列を作っていた。

 

 古いけど美味しい食堂が、ある日突然、今風の外観や内装に変わった途端に、魅力が色褪せることがある。天天利が昔ながらの店構えで営業しているのは、意識的なのだろうか。

 

 

 料理も時代の移ろいによって嗜好が変わっていく。伝統的なレシピに忠実な料理をお客に提供しても、「古臭さ」を感じることがある。だからこそ、人気店は軸を定め「変わらぬ味」を謳いながらも、微妙に時代に合わせて味に変化を加えている。

 

 一方で店舗を一新すると、客層が変わる。従来の常連客は去るかもしれない。そして、新しい客層が訪れる。そうすると、器を変え、盛り付け方を変え、新しい客の意向に沿った方向へと、無意識のうちに軸がズレていく。おそらく店主も日々の小さな変化に気づかないのかもしれない。しかし、久しぶりに訪れた客は瞬時に以前とは大きく様変わりしたことに気づき、「この店はまったく変わってしまった」と足が遠のくこともあるだろう。

 

 

 12月5日に、東京都港区の国立新美術館で「ミシュランガイド東京2024」の掲載店発表セレモニーが開かれた。

 

 ミシュランの星の評価基準は、すべて「お皿の上」のみが対象である。「調理技術の高さと味付けの完成度」や「料理の独創性」、「コストパフォーマンス」など、幾つかの世界共通の項目で、調査員が厳しく判断する。あらゆる賞がそうであるが、1つの「物差し」である。

 

 日本を代表するシェフはいつも厨房の中にいる。特異な創造性に富んだ職人の顔や姿を見ることが好きなのだろう。私は可能な限り毎年出席するようにしている。

 

 飲食店の入れ替わりは目まぐるしい。旅先で数年ぶりに訪れた裏道の街角に、以前と同じ佇まいで店が存在し、懐かしい味がしたら、涙が出そうになる。だから食を目的とした旅は面白い。

(編集長・増田 剛)

 

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(155)お客様の質問への応え方 深掘りし的確なオススメを

2023年12月10日(日) 配信 

 

 観光客から、オススメの土産を聞かれることも多いと思います。そのとき、どのように応えていますか。地域の名物商品を、一番におススメすることが多いのではないでしょうか。私自身も、初めて訪ねた場所では旅館や土産店のスタッフに尋ねることがあります。

 その場所には多くの酒蔵があり、日本酒の美味しい地域としても有名です。店のスタッフは笑顔で、一所懸命に日本酒について語ってくれました。ただ、「私は酒が飲めないし、家族のために何か良いものがないだろうか」と考えていたので、笑顔で説明を聞きながらも残念な思いを持っていました。

 同様に、「地元で美味しいお店を教えてください」。あるいは、「観光地で良い場所はないですか」と尋ねることもあります。そのときに「そこは前回行った店だ」「昨夜食べたものと被るなあ」と思いながら、スタッフの話を聞くことがよくあります。

 来春の新幹線開業に向けて、福井県の福井市が2016年度から取り組んでいる「観光おもてなしマイスター制度」の第6回認定試験が、先日開催されました。これまで48人が認定を受け、今回も11人が研修に参加して受験しました。

 研修参加者には、「多くの人はシャイな面を持っています。私たちから積極的に笑顔で声を掛けてあげましょう」と伝えました。そして、「質問者には、知識としての情報を答えるのではなく、どの情報が最もお客様に喜んでもらえるものなのかを、選択しなければなりません」と話しました。

 そこで必要となる大切な行動が、先ずはお客様が声に出された質問に不足している情報を引き出すことです。「一番喜んでいただけるところをおススメしたいので、少し質問をさせてもらっていいですか」と、答える前に聞くことから始めることが重要なのです。

 「そういうことであれば、ここだ」というものが、「見つかるまで、質問を重ねましょう」と伝えています。質問される人にとっては、わずらわしい面もあるかもしれませんが、結果的に「この人に尋ねて正解だった」と思ってもらえるようになるのです。

 さらに、お客様からの質問に的確に応えるため、さまざまなことを幅広く調べたりする人も多いと思います。しかし、詳しく知りたいと思い尋ねてみると、「行ったことがないので」という人も、意外と少なくありません。

 他の人から聞いた話やパンフレット、ネットで調べた情報ではなく、自ら体験をして自分自身の言葉で伝えることが、最もお客様に喜ばれる伝え方になるのです。

 福井市では、こうしたお客様に喜ばれるための質問ができる人たちがマイスターとして誕生しているのです。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

 

津田令子の「味のある街」「うな重」――名取亭(千葉県成田市)

2023年12月9日(土) 配信

名取亭の「うな重(肝吸い付き)」(4800円)▽千葉県成田市寺台575▽☎0476(22)0355。

 先日、NHK文化センター郡山教室主催の現地講座「成田山新勝寺&紅葉の成田山公園&名取亭でいただくうな重」と題して街歩きの企画をしたところ多くの皆様にご参加いただいた。

 

 京成成田駅から新勝寺の参道を15分ほど歩き、新勝寺の総門から入り新勝寺大本堂をさらに進んだところに高さ58㍍の「平和の大塔」が建っている。その眼下には成田山公園が広がっている。16万5000平方㍍(東京ドーム3個半分)という広大な敷地をもつ緑豊かな庭園だ。園内には文殊、竜樹、竜智と呼ばれる3つの池が配され、季節の移ろいを感じ取ることができる。2~3月にかけては約460本の紅梅や白梅が見ごろを迎え、開花時期に合わせて梅まつりも開催され梅の香りが訪れる人々を愉しませてくれる。光明堂の近くの階段を下りると現れる「雄飛の滝」でパワーをいただき、いざ名取亭へ。

 

 龍智池の畔にあるのが、うなぎで評判の名取亭だ。成田市でうなぎが有名になったのは、その昔、印旛沼で捕れる栄養満点のうなぎを成田山の参拝者に向けて多くの旅館や料亭が振る舞ったことがきっかけになったという。

 

 1920(大正9)年創業、2020年に100周年を迎えたという老舗だ。創業時からこの場所で、お店の建屋もほぼそのままに営業されていて、その佇まいや看板、のぼりにも風情を感じる。著名人からも愛され、とくに歌舞伎界の方々に常連客も多いという。

 

 ふわりと薫る至福のうな重、白焼きや蒲焼き、肝吸いに肝焼きなど、どれもこれも絶品と評判だ。今回は予め肝吸い付きのうな重を注文しておいた。お椀の蓋を開けるやいなや香り立つ肝吸い、蓮の茎を酢漬けにしたモノ、名物のきゅうりのお漬け物、いよいような重の登場だ。

 

 箸を入れればふわりとうなぎの香ばしい薫りが立ち上ぼり、やわらかくふんわりと蒸された身と、かりかりと焼かれた食感が絶妙だ。やや硬めに炊き上げた白米に甘さの利いたタレが、ほどよくかかっている。あまりの美味しさに、思わず「来週も、食べに来よう」と思ったほどだ。

(トラベルキャスター)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

はとバス、ANAの機体工場見学と川崎の工場夜景観賞が楽しめるツアーを催行

2023年12月8日(金) 配信

航空機をさまざまな角度から

 はとバス(武市玲子社長、東京都大田区)は12月2日(土)、全日本空輸(ANA)の機体工場見学と川崎の工場夜景観賞が楽しめるツアーを催行した。当日は39人が参加。機体工場見学では、羽田空港や同社グループ整備部門について学び格納庫に移動、航空機の整備のようすや整備を終えた航空機を色々な角度から堪能した。

整備のようすが見られることも

 またツアーが夕方だったため、夕焼けに染まる富士山と離発着する航空機が作り出す絶景も楽しんだ。

貨物船の線路と工場夜景
ツアー後半は神奈川県川崎市に移動し、工場夜景を市民ガイドの「川崎工場夜景ナビゲーター」の案内を聴きながら巡った。コースは、貨物船の線路と工場夜景を一緒に撮影できる「千鳥町 貨物ヤード前」や、「東扇島東公園」など。川崎マリエン10階展望台からは、羽田空港、京浜工業地帯、双方が作り出す夜景を鑑賞した。

 このほか、同ツアーでは、「羽田エクセルホテル東急」のホテルオリジナルハンバーグの昼食や、「川崎キングスカイフロント東急 REI ホテル」のブッフェ形式の夕食を提供した。

 同ツアーは、羽田エクセルホテル東急、川崎キングスカイフロント東急 REI ホテルとの共同企画で、同社催行のツアーで食事を提供してもらっているつながりを生かし、羽田空港周辺と京浜臨海部をはとバスで結ぶことで、エリア一帯の観光振興をはかる目的で行われた。

 はとバス担当者は、「ご参加いただいたお客様からの満足度も高く、同ツアーの再販も検討しています。また東急ホテルズ&リゾーツとも、これまでの関係を生かし、多くの方にご満足いただけるようなツアーを今後も企画していきたい」とツアーを終えての所感を語った。

  なお、機体工場見学は、ANAあきんどが企画・手配業務を受託している。