観光動向調査を開始、4半期ごとに公表へ

  日本観光振興協会はこのほど、4半期ごとに公表する短期観光動向調査を始めた。地域ごとに一般消費者の旅行実績や旅行意向などを調査し、結果を各地域にフィードバックする。本格的な公表は4半期調査が一巡する12年10月以降。

 観光客の入込み状況など、各自治体が独自に実施する観光動向調査はこれまでもあったが、基準が統一されておらず、他地域と比較するのには適していなかった。

 全国一律の基準で観光動向調査を行うのは今回が初の試みとなる。各地方自治体や観光関連業界・企業などは観光戦略の基礎資料として活用できる。

 調査分析を行うのは、「旅行意向の比較」、「旅行実績の比較」、「居住地から目的地への流動」、「旅行者属性別の意向」の4つ。

 「旅行意向の比較」は、性別、年代別の宿泊旅行意向や、宿泊旅行予定回数、地域ブロック別の旅行目的地を調査。地域ブロックは、北海道、東北、関東、甲信越、中部、関西、中国、四国、九州・沖縄、沖縄の10ブロックに分ける。

 「旅行実績の比較」は、実際の旅行回数、旅行目的地を調査する。「居住地からの目的地への流動」は、旅行意向者に居住地(発地)を聞き、目的地(着地)別に旅行者意向の内訳、変化を示す。例えば、「北海道ブロックでは、同じ道内が4割と多く、関東がこれに続き、前期との比較でみると、関西、中部地方からの旅行意向が強くなっている」といった分析が可能になる。

 「旅行者属性別の意向」は、旅行予定の同伴者(子供連れ、カップル・夫婦、友人、1人、その他)を調査する。

 調査の手法は一般消費者を対象としたインターネットによるアンケート。有効サンプル数は全国4千人以上(男女各15―69歳)。調査対象サンプルの配分は、10年度国勢調査の人口構成を基本とし、都道府県ごとに比例配分する。

東電に強く抗議、旅館3団体が値上げ反対

旅館側からは厳しい意見が飛んだ
旅館側からは厳しい意見が飛んだ

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(佐藤信幸会長)と国際観光旅館連盟(佐藤義正会長)、日本観光旅館連盟(近兼孝休会長)の旅館3団体からなる協議会は4月13日、東京電力が4月1日から企業向け電気料金を平均17%値上げしたことに対し、東京電力の担当者を呼び、電気料金値上げに反対する要望書を渡した。

 旅館団体側からは、全旅連の佐藤会長、山梨県旅館生活衛生同業組合の笹本森雄理事長、東京都ホテル旅館生活衛生同業組合の今井明男理事長、茨城県ホテル旅館生活衛生同業組合の村田實理事長、栃木県旅館ホテル生活衛生同業組合の堀口眞利理事長、群馬県旅館ホテル生活衛生同業組合の市川捷次理事長、埼玉県ホテル旅館生活衛生同業組合の山口賢一理事長、千葉県旅館ホテル生活衛生同業組合の平野勝之理事長、神奈川県旅館生活衛生同業組合の榎本孝弘理事長、静岡県ホテル旅館生活衛生同業組合の萩原勲理事長が出席。(1)人件費を含む経費削減と経営の抜本的見直しによる値上げ中止(2)電気料金設定に関する情報開示と事業者へのきめ細かい説明(3)電気料金値上げに同意しない事業所への電気供給停止に対する抗議と、誠心誠意の話し合い――の3点を要望した。

 佐藤会長は「民間なら、経営が大変なら身を切るのが当たり前。値上げをする前に、人件費の大幅削減や役員報酬の大幅カットなど、皆にわかるような努力を見せてほしい」と強く抗議した。

【特集No.308】会津東山温泉 向瀧 宿を守る“磨き”の文化

2012年4月21日(木) 配信

 高品質のおもてなしサービスを提供することで、お客様の強い支持を得て集客している旅館がある。従業員の職場環境を整え、お客様と真摯に向かい合える仕組みができているのが特徴だ。「いい旅館にしよう!」プロジェクトのシリーズ第2弾は、福島県会津東山温泉で、木造建築が国の文化財にも登録されている「向瀧」の平田裕一社長と、産業技術総合研究所の工学博士・内藤耕氏が「労働時間の有効活用」や、向瀧が実践する「建物を磨くことによって、技を磨く、己を磨く」文化の大切さについて語り合った。

【増田 剛】

平田:当館は江戸時代中期から、会津藩指定の保養所でした。会津藩から明治6年に平田家に委ねられて営業を始めて以来139年で、私は6代目になります。建物は江戸の終わりから明治の初めに建てたものを加えていき、今の姿になったのは昭和の初期。この80年間はほとんど変わっていません。現在、部屋数は24室です。

 1991年に東京の旅行会社から会津に戻った私は、まず番頭からスタートしました。当時は「新しい」ことが魅力であり、鉄筋コンクリートで大型化した旅館を見て羨ましく思ったこともありました。今でも夕食、朝食ともにお部屋出しをしているのが特徴ですが、当時はいくつかの部屋を潰して食事処を作ろうと考えたこともありました。もし、そうしていたら、向瀧の独自性が減っていたと思います。

 ――代が変わって、とくにどの部分を改革しようと思われたのですか。

平田:代替わりは02年ですが、施設を変えることはしておりません。ソフトをどう変えられるのかという部分を考えていました。お客様から聞こえてくる声としては、食事の内容についてが多かった。だから、まずは調理場部門から改革していきました。当時は山の宿でありながら、エビやマグロを出していましたが、それらをすべてやめて、お造りを出すにしてもコイやヤマメやイワナといった山国の素材を集めて加工する方針に変えました。

 調理場が総上がりした時期には、私が自ら包丁を持って料理を出しました。今でも手が足りなくなると、包丁を持って調理します。そうすると、バックヤードから見た旅館の働きやすい環境というものも見えてきて、改善のアイデアが浮かんできます。

 ――経営者が厨房に入って包丁を持つことは大事なことですか。

平田:視点が違ってきますね。たとえば、食材を保管するタッパーは、買い足しにより多種類のサイズが氾濫して、蓋を探すのに時間がかかっていました。従業員は会社が購入した箱なので、なかなか捨てることができません。「捨てる」とか、「やめる」という判断を下す経営者が整理して捨てると、作業効率も格段に上がります。無駄が削れ、簡素化ができるのです。

内藤:「山奥でマグロの刺身はおかしい」という論理もあれば、一方で「マグロやエビはないのか?」というお客の声があるのも事実。お客も旅行は「ハレ」の日で、ハレの日と言えばお刺身という気持もある。たぶん両方の言い分は正しいのだと思う。だけど「小さな自分の旅館で、お客様のすべてのニーズに答えるのですか?」ということになる。逆の言い方をすると、マグロやエビを出すことによって、山の幸を食べたいと思っているお客様をすべて捨てることになる。あまり考えることなく、なんとなくこれまで通りにやっているのが今日の旅館の大きな問題だと思います。

平田:向瀧としては、個人で木造建築を静かに楽しんでもらえる人に使ってほしいという方向性が見えてきました。その方たちが会津に来ていただいたときに、会津の特徴的な料理が並ばないと納得してもらえないだろうと思い、すべて会津食に変えました。最初変えたばかりのころは地元の方々に「ぜんぜん食べるものがない」と批判されました。途中で食べるのをやめて、川向うのラーメン屋に行かれたこともありました。でも、いずれ自分の決断を支持してくれるお客様が来てくれると信じていました。地元の人だって、本当はなかなか地元の料理を食べていないものです。

内藤:メニューの種類が増えると、厨房の作業の種類が多くなる。そうすると、同じ食材でも使われる確率が低くなり、在庫期間は長くなる。その分品質は下がっていく。バックヤードの作業の煩雑さが、結果的に品質低下を招いてしまう。数を増やそうとした戦略が、品質ダウンによって、却ってお客様の数をさらに減らすという悪循環に入ってしまうのです。むしろ絞って品質を上げていくことで、お客様を増やしていくということを、辛くてもやらなくてはならないと思う。

 ――これまでの無駄を省いた例はどのようなものがありますか。

平田:仕入業者の選定によって、農家の方々が直接出入りしたりするようになりました。地元料理に変える際に、お米も醤油も品質を上げ、費用が2倍、3倍となりましたが、海の魚など余計なものを買わなくなったので、結果的に仕入コストは劇的に下がりました。

内藤:つまり、無駄を削減したことで、お米や醤油の品質を格段に上げることが可能になったのですね。

平田:そうです。当館はお客様が到着されると、抹茶と羊羹をお出しするのですが、以前は業者から納入し、帰りにお土産で買っていただけるものを出していました。しかし、料理を完全に手作りにしているなかで、手作りではない既製品が一つでもあると、「これも既製品かな?」とお客様に思われてしまうので、調理場は既製品を出すことを嫌がったのです。調理場と客室と帳場の係から「社長、手作り羊羹に変えましょう」と言われ、板長手作りの羊羹を出しています。

内藤:手作りだと、素材だけなので、納入コストも下がる。また、作る作業も空いた時間にやるので、人件費を増やさないで、仕入原価を減らし、品質と顧客満足度も上がったのですね。

平田:「この羊羹を買って帰れないの?」とお客様によく聞かれますが、そのときはこれまで納入していた羊羹屋さんを紹介します。「私たちの羊羹はお持ち帰りはできませんが、会津の美味しい羊羹屋さんの水羊羹がいいですよ」と薦めることによって、地域活性化にもつながるのです。

内藤:手作りで手間をかけるといっても、手間を増やしていないんですね。時間の有効活用。これまでは予算の有効活用で、アウトソーシングして手待ちの時間ばかりが増えていた。勤務時間の8時間を有効活用した良い例だと思います。

平田:スタッフ全員の意識がお客様のために何ができるか、ということに頭が向いているので、手作りができているのだと思います。これが「どうやってお金儲けしようか」ということばかり考えると、お客様に翌朝お菓子を売らなければならないから、到着したらこのお菓子を出しちゃおう、ということになる。そういう姿勢が見えた瞬間に、お客様の心は引いてしまうんです。

内藤:向瀧は建物を磨いているのも大きな特徴ですね。

平田:掃除は外注しないんですよ。全部自分たちで館内を磨きますから、弱っているところに気が付くんです。雪が積もって襖が開きづらくなっているところも気が付く。私はこれを「聞こえない悲鳴を聞く」と言っています。

 お客様も「少し寒い」など言いたいことが言えない状況でも、顔の表情や目線などに出てきます。「お客様の聞こえない悲鳴」にも気づき、自分から一歩近づいて対応することができるようになります。お客様に一歩近づくことによって、「自分の調理の技術、接客の技術はこれでいいのか」と省みて、自分の技の向上が必要になってきます。「建物を磨き、技を磨き、己を磨く」という磨きの文化を実践しているのです。建物を磨くところから、聞こえないものが聞こえ、見えないものが見える人間に成長していくのです。

 もし、清掃を外注に任せてしまうと、客室で不具合が生じた場合に、清掃業者のせいにして自分には責任のない態度がお客様に伝わってしまう。

 日本人というのは、そもそも物を大切にして磨くことが得意だったはずなんです。しかし、今は捨てる文化が主流になっています。宿や、会津の心を守るために、私たちが実践しなければならないのは、磨いて輝かせることなんです。掃除とは違うんです。掃除は汚れてマイナス状態になったものを元に戻すこと。磨きは汚れる前に気が付いて、買ったときよりもさらに輝かせること。これからも伝えていかなくてはならない文化だと思います。

内藤:施設を磨くということは、基本的にお客様がいないときにやるわけですから、これによって施設がちゃんとした状態になると、お客様がいるときに施設に関するトラブルがなくなる。裏を返すと、スタッフはお客様との接客に集中することができるようになるというメリットがある。

 たとえば、お客様がいるときに客室の電球が切れると大騒ぎになるが、それをいかに事前に予防するか。ある旅館は、電球をいつ交換したかすべて記録していて、耐用年数期間が近づくと、事務所の電球と交換する。そうすると、事務所の電球はしょっちゅう切れるが、客室の電球が切れてクレームが起こり、慌てて交換に行くということはない。例外処理がなくなることで、お客様に全神経を集中して接客することができるのです。

平田:お客様と接する自分をサポートするために、お客様のいないときに緻密に準備をすることが大切です。

内藤:これまでの付加価値を労働時間で割る労働生産性という考え方では、労働時間を減らした方がいい。アウトソーシングをすると、見かけ上は労働時間ではないので、生産性が上がったような気分になる。しかし、管理費は上がっているので結局変わらないのですね。むしろ、「自分たちでやっていく」という決意があれば、責任を持てるし、品質も上げられる。労働時間の有効活用という考えが重要だと思います。さっきの話でも、羊羹を買ったほうが作業量が減るが、その分厨房で何もしない待機時間が増えるだけで、二重にコストがかかることになる。

平田:方程式を間違えてしまうと、手を抜くほうが素晴らしいということになってしまう。

 ――今後の宿についての考え方は。

平田:お客様の声は、「変えないで」という声が非常に多いので、見た目の風情を絶対に変えないで、生活レベルに近づけることが大切だと思っています。向瀧の客室はすべて無線でインターネットができます。05年には空調設備もすべて替え、機械が見えないように床下や天井裏に隠しています。その分費用は高くなりました。特別室浴室の屋根を補修した時も、瓦を1枚ずつはがして小屋組を交換し、また瓦を元通りにしました。今の姿を壊さずに100年、200年後でも同じ姿を保っているというのが我われに求められていることだと思います。

顔の見える店に ― お客との信頼関係築く(4/21付)

 東日本大震災が発生したときに、カフェかレストランだったか、うろ覚えだが、その店の店員が食事代などを一切もらわずに、お客をすべて避難させたというような話を耳にした。

 もちろん、食事中のお客からは、食事が終わっていないのだから、お代をいただくわけにはいかない。しかし、食事が終わって、そろそろ出ようと思っていた客もいたはずだし、コーヒー1杯で退屈をしのいでいた客もあっただろう。しかし、店員たちは、とにかくお代もいただかずに、お客を避難させた。このようなケースにあった飲食店は、被災地周辺を中心に相当の数があったのではないだろうか。自分の店を利用してくれているお客の身に、もし突然の危険が迫ったとき、お店はどのような対応を取るのだろうか。

 後日、わざわざお金を持ってきてくれたお客もいたと聞く。もしかしたら、300円のコーヒー代を届けるために、往復400円の地下鉄に乗って来たお客もいたかもしれない。私はこの手の話が好きである。

 もしも、私が店長で、後日、自分のお店にその時のお客が姿を現して「あの時はありがとうございました。あの時のコーヒー代です」と言われたならば、私はその場で感涙にむせぶかもしれない。そして、「これ、ドーナツですが、よろしかったらお持ちください」と差し出すだろう。これによって、店と客に特別な関係が生まれる。「どこでもいい店」「だれでもいい客」ではなく、特別な関係が生まれる。店側にしてみれは、後日、お客からその時の飲食代をいただだこうとは考えていない。お客の方も、そのままお店に支払わなくても別に構わないわけだ。けれど、それでは何だかさみしい気がする。お店とお客の関係は、信頼関係で築かれている。店長や店員の顔が見え、お客の顔がわかることが、やがて帳簿上の利益にも少なからず影響してくるのだと思う。

 飲食店や、旅館・ホテルは熾烈な競争を繰り広げている。繁華街を歩けば、栄枯盛衰が激しく、開業間もない飲食店であっても、次々と新しい看板に書き換えられる。一方で、昔ながらの一杯呑み屋や定食屋は、壊れそうな母屋であっても、何十年も続いている。外装ばかりに気を使って顔の見えないお店は、客との信頼関係を築くことができずに、定着しないのかもしれない。

(編集長・増田 剛) 

東京スカイツリー 天望回廊 その名にふさわしく

 完成すると高さ634メートルになる東京スカイツリーの「天望回廊」が4月17日、報道陣向けに初公開された。

 350メートルの高さにある「天望デッキ」よりも100メートル高い。超高速エレベーターを乗り継いで展望回廊へと到着。チューブ状の通路を緩やかな傾斜にして、最高到達点の451.2メートルの高さまでゆっくり周遊する仕組みになっている。あいにくの曇天で富士山、東京湾ほか彼方に広がる景色の眺望はかなわなかったが、東京ドーム、上野公園不忍池、新宿の高層ビル群、東京タワーなどがジオラマのように見える。曇りの日や雨の日でもスクリーンで晴れた日の景色を映し出す。

 7月10日までは完全予約制、7月11日からは当日券も販売する。


天望回廊 ガラスに投射される最高到達点の高さ

 


天望デッキ 見える床ガラス

【4月21・22日】千葉金谷で 春の大漁祭Vol.2

千葉県・浜金谷のザ・フィッシュで4月21、22の両日「港町金谷 春の大漁祭」Vol.2が開かれます。

4月7、8日に開催し、人気を集めた催しの第2弾。海産物や落花生、手作りお菓子や房総の朝どれ野菜、お花や果物を一堂にそろえた港町の春の大漁祭を開催します。

マグロの解体ショーは必見!解体したてのマグロを即売するほか、づけ丼で提供します。その他、木更津やきそば、南総チャーシュー丼などのご当地グルメも日替わりで登場します。
フラダンスショーや音楽ライブのステージイベントは観覧無料。

ぽっかぽかの南房総へぜひお出かけ下さい。

■開催のご案内
開催日時 4月21日(土) 22日(日)の午前11時~午後3時
開催場所 ザ・フィッシュ駐車場にて開催(雨天決行)
内容   ご当地グルメ、とれたて物産マーケット、体験物産コーナー、ステージイベントなどでお迎えします

公式ホームページ http://www.thefish.co.jp/
お問い合わせ=☎0439-69-2161

新会長に尾川氏(Le BENKEI奈良県大和郡山市)、一般社団法人移行へ

尾川新会長
尾川新会長

 国際観光日本レストラン協会は3月28日、宮城県仙台市の勝山館で第55回通常総会を開いた。任期満了による役員改選では、尾川欣司氏(Le BENKEI社長、奈良県大和郡山市)の会長就任が了承された。津田暁夫前会長は、名誉会長に就いた。12年度の事業計画のなかで最大事案は、新公益法人改革にともなう一般社団法人の認可申請。日程は4月に認可申請を行い、8月に移行認可を受け、来年1月に一般社団法人設立登記を予定する。食育の普及啓蒙をはかる、「親子体験食味学習会」などの公益事業は継続して実施する。そのほか、組織基盤の拡充強化をはかるための新規会員増強については目標会員数を280店とし、各会員からの紹介活動を始め、現在16県ある会員不在県ゼロを目指す。

 6年の任期を務めた津田前会長は「08年11月に開いた、同協会設立50周年を祝うイベント開催が大きな仕事だった。当時の国土交通大臣、観光庁長官にそろって出席いただいた。社会的に認知される協会になることを目指して活動をしてきたが、その意味は大きかった」と振り返った。また、「国をあげてインバウンド増加に力を入れているが、外国人のお客様が1番求められているものは日本の食事。そこに我われの役目がある。いざというときに結束できるのが当協会の力だ」と語った。

贅を尽くした料理がふるまわれた懇親会
贅を尽くした料理がふるまわれた懇親会

 尾川新会長は「会員増強が一番大事であり、全都道府県に会員がいる協会づくりをしていかなければいけない。ご協力をいただきながら300軒まではもっていきたい」と抱負を語った。また、「当協会は大変楽しく、会員の皆さんは大好きなはず。一方で一般の方がどう見ているのかが気になる。社会に貢献できる活動を通して、認知度をもっと高めるようにしたい」と語った。

 仙台での総会開催は、東日本大震災の被災地を元気づけようと予定を変更して決定。尾川会長は「勝山館のスタッフの心遣いが、大変ありがたく、胸にしみている。私たちは食べ物を売るだけではなく、心を売る仕事をしなくてはいけないのではないかと感じている」と感謝を述べた。懇親会には観光庁の志村格観光地域振興部長や、奥山恵美子仙台市長、仙台伊達家第18代当主、伊達泰宗氏も出席した。

 副会長、専務理事、常務理事は以下の通り。

 【副会長】長谷収(八芳園・東京都)▽髙橋英一(瓢亭・京都市)▽安田眞一(柿傳・東京都)▽德光孝信(花外楼・大阪市)▽平塚武(事務局)【専務理事】長嶋照之(事務局)【常務理事】伊澤平一(仙台勝山館・仙台市)▽船橋<INLINE NAME="画像枠" COPY=OFF>光(か茂免・名古屋市)▽岡本博行(菊水楼・奈良市)▽住谷栄之資(KCJ GROUP・東京都)▽大瀧進一(リストランテ・ジャルディーノ・東京都)▽森松平(杉の子・宮崎市)▽田村暉昭(つきぢ田村・東京都)▽洲岬孝雄(洲さき・高山市)▽三保二郎(かき船かなわ・広島市)▽廣谷和仁(ひろや・京都市)▽小倉宏之(小鯛雀鮨 鮨萬・大阪市)▽田中慶二(博多芙蓉・福岡市)▽伊藤朝子(銀座朝川・東京都)

ゲレンデに延べ12万8000人動員、19歳層の新規需要を創出

 リクルートの「じゃらんリサーチセンター」(JRC)はこの冬、スキーエリア再活性化のための若者需要創出プロジェクト「雪マジ!19~SNOW MAGIC~」を企画・実施した。このプロジェクトは、JRCの呼びかけに賛同した日本全国89カ所のゲレンデと連携し、11年度中19歳の男女のリフト券代を無料とした。

 3月27日現在、「雪マジ!19」の会員登録数4万9290人のうち、89.4%が今冬ゲレンデに行ったと答え、平均来訪回数は2.61回で、ゲレンデ延べ動員数は12万8647人となった。訪問したゲレンデの数は、平均して1.63カ所と複数のゲレンデを訪れている傾向もわかった。来冬も96.4%が「是非行きたい」と回答した。 

旅行売上1000億円目標に、安定市場に強い会社へ

神應昭社長
神應昭社長

 名鉄観光サービスは3月30日、名古屋市内のホテルグランコート名古屋で全国支店長会議を開いた。神應昭社長は、「INNOVATION For Next ~新しい発想で新しい名鉄観光を創造しよう~」をスローガンに掲げ、今年1月からスタートした3カ年の新中期経営計画について、「旅行売上高1千億円達成が目標だ」と強調した。

 同社はカンパニー制の導入や、経費削減など、過去からの構造改革が奏功。利益を出し続ける「筋肉体質」への改善をはかった。一方で、08年に1011億円あった旅行売上高は09年、リーマンショックの影響で853億円に減少。以降10年度は866億円、11年度は833億円で推移している。神應社長は「厳しい状況のなかで利益を出し続けることができたのは、評価に値する」としたうえで、「売上を落とすなか、利益だけを上げるのは縮小均衡の最たるもの。いずれ立ち行かなくなる。お客様、パートナーの観光施設様に喜んでもらい、そのうえで会社の利益を出す。売上高1千億円は会社が成長し続けるためのボーダーラインになる」と語った。

 目標達成のための強化分野として位置付けるのは、重点団体(教育・スポーツ、宗教、社協・福祉関係、相互取引、官公庁)営業。開拓分野の深耕と新規マーケットへの開拓を続け、14年度売上高395億円(11年度は約357億円)を目指す。「10年後私たちが生き残っていくためには、重点団体のシェアをさらに増やして、安定市場に強い会社になることが大切だ」(神應社長)。

全国の支店長が一堂に
全国の支店長が一堂に

 また、中期経営計画では「部分最適・現在最適から全体最適・将来最適の組織へ」をキーワードの1つとして掲げる。1月の組織改正では、各仕入センターを本社直轄とし、全国で情報を共有できる体制を構築した。インターネット販売については、東京と名古屋のメディア旅行支店の国内旅行部門を統合。これも本社直轄となる国内メディア販売部を立ち上げた。インターネット販売は目標を11年度 54億円から倍増の14年度100億円とし、旅行売上げ目標1千億円の10%を目指す。

 旅行売上高目標は12年度が935億9300万円、13年度が1017億6900万円、14年度が1038億円、3年間の当期利益目標は17億円と定める。同社は退職金制度の変更と旅行業の登録更新が重なった07年、財務基盤の強化をはかるため、名古屋鉄道から10億円の増資を受けた。新中期経営計画では13年度までに、10億円の株式を名古屋鉄道から買い戻す自己株消却を行い、さらに15年3月から配当を開始する見通しを立てる。

高齢添乗員の戦力化、ガイドラインで雇用促進

 日本添乗サービス協会(TCSA、山田隆英会長)はこのほど、「添乗サービス業高齢者雇用推進ガイドライン 高齢化するベテラン添乗員の戦力化に向けて」を作成した。TCSAは2010年から2年間、高齢・障害・求職者雇用支援機構から産業別高齢者雇用促進推進事業を委託し、添乗サービス業で高齢者の雇用促進を促すことを目的に、さまざまな調査研究や課題の整理などを行ってきた。今回のガイドラインでそれらをまとめ、今後は普及に向けセミナーなどを実施する予定だ。

 ガイドラインはまず、Ⅰ部で添乗サービス業の高齢化の現状を提示。これによると、2005年に実施した調査で30歳未満は36・4%だったのに対し、2011年調査では16・7ポイント減の19・7%まで減少。比較して、50歳以上は05年の5・7%から11年は9・7ポイント増え、15・4%となった。

 11年度に実施した「高齢化する中堅・ベテラン添乗員の今後の活用に関するアンケート」でも、「自社の添乗員の高齢化が進んでいる」と認識する派遣会社が6割を超えている。しかし、このなかで「60歳を超えても添乗員として仕事が続けられるような工夫や取り組みをしている」と回答する会社は2割にとどまり、高齢化対策への取り組みは進んでいない実態が浮き彫りになった。

 一方、活用に対する認識は「60歳を超えても活用する」という会社が61・5%と半数を超えており、活用に対する意欲は高いとみられる。ただ、活用理由の条件として「スキル、経験」「体力、気力、やる気」「高い評価」を備えていることが前提となっており、健康上の不安や周りの意見を聞かない頑固さ、自己流のスタイルに固執してしまうようでは活用を控えるという声があがっている。

 また、添乗員自身への調査でも50歳以上の添乗員に対して、60歳を超えてからの働く意志を尋ねると「続ける」と「すでに超えているが、可能な限り続ける」の合計が64%となり、意欲の高さがうかがえる。

 他方、顧客である旅行会社の認識は「健康でお客様からの評価が高ければ、年齢にこだわる理由がない」という意見が多く、経験に裏打ちされる能力も評価しているが、同時に「お客様に寄り添う気持ちの薄れ」などマイナス面についても触れている。

 実際のツアー参加者への調査によると、「高齢=ベテラン添乗員」と認識しており、知識の豊富さなどを期待していることが分かった。

 2部では、これらの調査をもとに抽出した阻害要因から、高齢化するベテラン添乗員の戦略化に向けたポイントを整理。(1)高齢化するベテラン添乗員活用に関する派遣会社としての方針の明示(2)添乗スタイルや仕事ぶりの定期点検を通じた添乗のあり方の見直し(3)高齢に向かうベテラン添乗員に対する節目ごとの面談の実施(4)高齢化したベテラン添乗員の活躍の場を広げるための機会作り(5)健康・体力の維持、管理に向けたサポート(6)適切な評価やランク付けを目指した制度、システム作りの検討――の6点をあげ、具体事例なども示しながらチェック項目やシートなどを盛り込み、各社が利用しやすいような体裁に仕上げている。

 このほか、3部では55歳前後で他業界から添乗職に転職した「キャリアチェンジ組シルバー添乗員」について掲載。人材確保策の1つとして、活用するメリットや実際の体験談などを紹介している。