東南アジアで初の開催、WTTCサミット参加募る(日観振)

 日本観光振興協会(山口範雄会長)はこのほど、「世界旅行観光サミット」への参加呼びかけを始めた。今年の開催期間は4月26、27日で、場所はタイ王国の首都バンコク。

 世界旅行観光協議会(WTTC、英国ロンドン)が主催し、東南アジアでの開催は初の試みとなる。

 参加すれば、各国の観光業従事者らとの交流や、メディアへの情報発信を期待できる。日本からの参加申込を取り仕切る同協会では、通訳面などで毎年50人前後の参加者らをサポートしてきた。

 サミット本会議と会食費は無料で、参加者負担は、渡航費や宿泊費など。

 問い合わせ=日本観光振興協会 旅行振興部門 村上、中村(慎) 電話:03(6435)8334。

九州観光振興大会開く、九州観光を基幹産業に

九州全体で観光需要の喚起に取り組む

 九州観光推進機構(石原進会長)と九州観光振興議員連盟(近藤和義会長)が共催する第1回九州観光振興大会が2月10日、大分県・日出町の別府湾ロイヤルホテルで開かれた。九州7県の県会議員、行政、観光団体、宿泊・交通事業者など320人が参加した。

 九州観光振興議員連盟は、県境を超えた広域観光振興推進をはかるため、同日に各県関係議員が集まり設立し、同大会に臨んだ。

 近藤会長は「熊本地震では九州全体で75万件の宿泊キャンセルがあり、九州の観光産業全体が経済的なダメージを受けた。あらためて九州は広域的な周遊観光が主力であると痛感した」と述べ、「九州全体で観光需要を喚起するため、観光事業関係者と一緒に知恵を絞っていきたい」と決意を表明した。

 石原会長は「熊本地震の影響で、修学旅行は長崎が8割減、鹿児島、大分も6割減となり、九州全体が影響を受けた」と述べ、「九州ふっこう割で7月以降大きな復興ができた。熊本の阿蘇地域は以外は、ほぼ前年並みに戻り、インバウンドは前年比12%増の370万人となった」と報告。4月から、ふっこう割反動減対策として「九州ありがとうキャンペーン」を展開するとした。

 さらに、九州観光を基幹産業にするため「観光の売上げを2023年に国内宿泊・日帰り3兆円、インバウンド1兆円の計4兆円にしたい」と述べ「九州の自動車産業の売上げと同規模になってこそ、胸を張って観光が基幹産業だといえる」と訴えた。

 大会では、九州運輸局長の佐々木良氏と、グーグル合同会社の陣内裕樹氏による講演も行われた。

民泊法案に意見も、持続可能な観光地へ(サービス連合)

後藤常康会長

 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(後藤常康会長)は2月8日、帝国ホテル(東京都千代田区)で観光政策フォーラムを開いた。基調講演とパネルセッションを通して、「地方創生」「観光地域づくり」と「サービス・ツーリズム産業」の関係性を議論。今通常国会で法審議される民泊関係の法案では、地域の判断やルール制定の必要性、使い分けなどの意見が出された。

 後藤会長は「“真の地方創生”とこの産業の将来がどうあるべきか、“持続可能な観光地づくり実現のために何を重点的に進めていくべきか”について理解を深め、今後のさまざまな取り組みにつなげていきたい」とあいさつした。

 慶應義塾大学教授の片山善博氏は民泊について「地方自治体がローカルルールを設けるべき」と主張し、「受け入れるかは地域が判断するべきで、自治体は地域を守らなければならない」と語った。東洋大学准教授の矢ケ崎紀子氏は「最近は面白いところ、その地域にしかないところに泊まってみたいという声が増えている」とし、「民泊には需要創造がついて回るから、上手く活用するべき」と述べた。また、シームレス(つなぎ目のない)民泊などの事例も紹介。シームレス民泊は民泊物件を通常は宿泊場所として運用し、災害時には地域住民の避難場所に活用するもの。徳島県が整備を進めている。

 日本旅行業協会(JATA)理事・事務局長の越智良典氏は「1つの旅館でお客さんをすべて取る時代ではないので、長期滞在を促し、2―3軒の旅館でその地域をアピールし、地域づくりを行うべき」と現在の旅館運営に対して持論を語った。

さまざまな意見が交わされる

ANA新社長に平子裕志氏

平子裕志新社長

 全日本空輸株式会社(ANA、篠辺修社長)は2月16日に開いた臨時取締役会で、平子裕志取締役執行役員が4月1日付で社長に就任する人事を発表した。なお、篠辺社長は3月31日をもって退任し、翌4月1日よりANAホールディングス副会長に就任することが決まっている。

 平子 裕志氏(ひらこ・ゆうじ)1958年生まれ。59歳。81年東京大学経済学部を卒業し、全日本空輸に入社。2004年に東京空港支店旅客部長、06年営業推進本部レベニューマネジメント部長などを経て、10年に企画室企画部長、11年に執行役員となる。15年からはANAホールディングスで取締役も兼ねる。
 
 
 
 
 

「雪の回廊」を歩く、志賀草津高原ルート

第50代ミス志賀高原の荒木怜奈さん

今年で13回目、4月20日から

 長野県・山ノ内町と群馬県・草津町を結ぶ国道292号(志賀草津高原ルート)の冬期閉鎖解除の前日である4月20日の午前9時から志賀草津高原ルート「雪の回廊ウォーキング」が開催される。今年で13回目。主催は草津町・山ノ内町広域宣伝協議会。

 2月8日には、群馬県から草津町観光課の関亘係長、長野県から山ノ内町観光商工課観光商工係の養田武さんと第50代ミス志賀高原の荒木怜奈さん、銀座NAGANOの竹鼻栄二次長の4人が本紙を訪れ「雪の回廊ウォーキング」をPRした。

 高さ約7㍍を超える雪の回廊や標高2172㍍の日本国道最高地点からの雄大な景色を眺めながらウォーキングが楽しめるイベントで、当日のコースは3種類。【Aコース】志賀高原スタートコース(8・1キロ)は先着100人、【Bコース】白根火山ロープウェイスタートコース(8・1キロ)は先着150人、【Cコース】リフトで行く横手山頂らくらくコース(3・1キロ)は先着50人で、各コースとも午前9時受付開始、午後3時30―40分ごろにそれぞれの出発地に戻る予定。各コースの参加者を10人程度のグループに分け、各グループに1人ずつガイドが付く。

 参加料はA・Bコースが1人4千円(ガイド料・昼食・保険料・温泉入浴料・ロープウェイ料金含む)、Cコースが1人5千円(同+リフト代)。

 昼食には志賀高原で採れたネマガリダケを使った料理が提供され、ウォーキングのあとには草津温泉西の河原露天風呂(Bコース)、またはほたる温泉(A・Cコース)で入浴することができる。大会参加者にはキノコ汁などのサービス、参加者全員に記念品をプレゼントするほか、ゴール者に完歩賞を贈呈する。

 ミス志賀高原の荒木さんは「雪の回廊ウォーキングはもちろん、白根山ロープウェイから眺める絶景やイベント終了後の温泉も楽しめます。1年に一度だけオープン前に日本国道最高地点を歩ける貴重な体験なので、ぜひご参加ください」とアピールした。

 申し込みはスポーツエントリーを利用し、インターネット、FAX、電話から。3月31日まで受け付ける。

 https://www.sportsentry.ne.jp/event/t/68223、FAX=0120(37)8434、電話:0570(550)846(平日のみ午前10時―午後5時30分)。

 問い合わせ=草津町・山ノ内町広域宣伝協議会(雪の回廊ウォーキング事務局) 電話:0269(33)1107。

共同浴場 ― 地元の人たちと旅人が一緒に憩う

 春に向けて、寒い日と暖かい日が交互に訪れている。この原稿を書いている東京の外は、春一番が吹き荒れている。

 この冬は、ほとんど温泉に行かなかった。それが、心残りでもある。そんなときは、過去の旅の記憶に浸るのが心地よい。

 一時期、温泉地の共同浴場ばかりを巡っていた時期があった。今でも温泉地に行くことがあれば、極力立ち寄るようにしている。共同浴場は基本的に誰でも入浴することができる。地元の人にとって生活の一部のように日常的な空間のため、旅人にはそれなりのマナーが必要だが、高級旅館の内湯とはひと味違う、その土地の文化に浸ることができる。

 山形県・かみのやま温泉「下大湯公衆浴場」や、熊本県・人吉温泉の「新温泉」は、レトロ感があって個人的には気に入っている。宮城県・鳴子温泉の「滝の湯」や、同じく宮城県・遠刈田温泉の「神の湯」、福島県では、飯坂温泉の「鯖古湯」や、高湯温泉の「あったか湯」も印象に残っている。

 北陸では、山代温泉には「総湯」と「古総湯」を中心に、周辺に温泉宿が立ち並ぶ「湯の曲輪(ゆのがわ)」文化が今も残る。松尾芭蕉が称賛した山中温泉の「菊の湯」などもいい。山口県の長門湯本温泉の「恩湯」や、長野県・別所温泉の「大湯(葵の湯)」などの外観も、なんとも言えない風情がある。佐賀県・嬉野温泉の「シーボルトの湯」のように、洋風のハイカラな建物もある。

 もちろん、愛媛県・道後温泉の「道後温泉本館」や、大分県・別府温泉の「竹瓦温泉」、それに新しくできた群馬県・草津温泉の「御座之湯」は威風堂々として、存在感も横綱級だ。道後温泉には「椿の湯」もあり、私はあまりに有名な道後温泉本館よりも、地元の温泉街の人が利用する椿の湯の方が好きだ。道後温泉には今年9月、新たに飛鳥時代をイメージした「道後温泉別館飛鳥乃湯泉」がオープンする予定で、いつか行ってみたいと思っている。

 湯がすごくいいな、と思ったのは長崎県・雲仙温泉の「雲仙小地獄温泉館」や、大分県・長湯温泉の「御前湯」、群馬県・川原湯温泉の「王湯」など。また、和歌山県・白浜温泉の「崎の湯」や、岡山県・湯原温泉の「砂湯」、山形県・蔵王温泉の「大露天風呂」は、大海原や山など大自然に囲まれた露天風呂で開放感と旅情いっぱいだ。

 共同浴場のある温泉地は古くから続く温泉文化が継承されているところが多い。地元の人たちと旅人が一緒に憩うことができる。沖縄県にも古くからの共同浴場がある。沖縄市の「中乃湯」は情緒ある温泉銭湯だ。兵庫県・城崎温泉には、「一の湯」をはじめ、外湯文化が古くから根付いているため、湯めぐりができる。草津温泉や、長野県の野沢温泉や、渋・湯田中温泉にも外湯が散在している。外湯があると、旅人も宿から出るので、土産物屋や食事処などの店も活気づき、温泉地での散策が楽しくなる。

 最近、共同浴場を新しく建て替えるところも増えてきた。施設が新しくなるのはいいのだが、昔ながらの風情や歴史を感じることはできない。ネーミングが健康センター的な感じのところもあり、情緒を感じるのは難しい。しかし、100年先も、温泉文化が続くような共同浴場が全国にたくさんあればいいなと思う。

(編集長・増田 剛)

No.453 髙野新事業長に聞く、楽天ブランド、世界で高める

髙野新事業長に聞く
楽天ブランド、世界で高める

 FCバルセロナとの「グローバル イノベーション&エンターテインメント パートナー」契約が話題となった楽天。インバウンドの取り込みをはじめ、海外OTAとの競争が激しいなか、知名度向上は楽天トラベルにとっても追い風となる。新たに事業長に就任した髙野芳行氏を訪ね、今後の方針やAI技術・ビッグデータの活用、地域振興などをめぐって話を聞いた。「グループを牽引する存在になる」と強調する髙野氏。時代にマッチしたDMOの展開といった、OTAトップならではの見解も示した。

【謝 谷楓】

 
 

 ――事業長に就任されましたが、今後のビジョンについて教えてください。

 2017年はとくに、プロモーションとブランド力の強化、ビッグデータの活用、サービスの品質向上の4点に力を入れていきたいと考えています。

 楽天スーパーセールなどのセール時に、売り上げが倍増する宿泊施設もあるため、これらセール自体がプロモーションの役割を果たしています。

 テレビコマーシャルといったマス・コミュニケーションの利用によって、インターネット以外のリアルな市場からのユーザー獲得にも注力します。

 オンライン旅行会社(OTA)での旅行商品購入が一般化しています。今年は、その動きがさらに加速していくはずです。

 ブランド力については、楽天がスペインのプロサッカーチーム「FCバルセロナ」と「グローバル イノベーション&エンターテインメント パートナー」契約をしました。海外での知名度アップを期待しています。楽天市場や楽天トラベルをはじめ、楽天の各サービスで使える楽天スーパーポイントの認知度の向上など、楽天グループが行う広告戦略とも連動し、ユーザーの取り込みをはかります。

 ユーザーと宿泊施設のマッチング精度を上げるために、楽天市場や楽天カードなど、楽天グループのさまざまなサービスで蓄積したビッグデータの活用もしていきます。

 サービスの品質向上では、ユーザーと宿泊施設(サプライヤー)双方の声に一層耳を傾けていきます。例えば、ユーザーの声を課題解決に結びつけるために、昨年4月から国内宿泊向けのコールセンターは、365日24時間対応としました。

 不正カード決済のチェックなど、「安心・安全」な宿泊予約を実現する取り組みにも力を入れています。宿泊施設単体では対応の難しい部分を、楽天トラベルでサポートしていければと思います。

 ――新たに宿泊施設(サプライヤー)を開拓するための施策とは。

 営業を担うインターネット・トラベル・コンサルタント(ITC)が、インターネット上のプロモーションの活用方法を提案し、宿泊施設と二人三脚で顧客獲得をはかることが、私たちの強みです。新規開拓でも、活かしていきます。

 宿泊施設が主体となって、楽しみながら売り上げを伸ばす工夫ができるようサポートする。“エンパワーメント”という、私たちの理念は変わりません。対等な関係を重んじ、一緒にマーケットをつくっていくのです。私たちは、宿泊プランづくりからプロモーション活動まで、施設と一緒になって活動をしています。この事実をもっとアピールしていくことが必要かもしれません。

 規模や伝統にかかわらず、努力した分だけ、顧客と売り上げを獲得できるという、インターネットならではの利点を、最大限活かしてほしいです。

江端浩人氏が基調講演、自己実現満たす“マーケティング4.0”

江端浩人氏

 楽天トラベルは2月13日、新春カンファレンス2017を開いた。江端浩人事業構想大学院大学教授による講演会が開かれたほか、アワードセレモニーも行われた。昨年、首都圏や近郊地区で好実績を収めた宿泊施設が表彰された。

 基調講演を行った江端浩人氏は日本コカ・コーラ在職時、同社のWebサイト“コカ・コーラ パーク”が月間約10億PVを達成するなど、広告・マーケティングの専門家として知られる。

 講演では、「マーケティングに必要なNext Stepとは」と題し、SNS(交流サイト)の普及に適したマーケティング手法を説明した。今後は、企業と一般消費者(ユーザー)、双方向・多方向の意思伝達が一層重要となる。

■ユーザー発信の時代 

 昨年、動画サイトを通じ世界中でヒットした、ピコ太郎の“PPAP”を例に挙げ、「オリジナルを元に、自らアレンジして踊る。そして、動画をアップロードしてシェアするという、自分事化と自己実現のプロセスが流行につながった」と語る。…

 

※ 詳細は本紙1661号または2月27日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

“スノーリゾート”最終報告へ、国が観光施策に位置づけ

スノーリゾート地域の活性化に向け、対策を急ぐ

 観光庁は2月8日に東京都内で「第5回スノーリゾート地域の活性化に向けた検討会」を開いた。昨年6月の中間報告などを踏まえ、最終とりまとめへの骨子案を報告した。国は初めて観光施策の計画などにスノーリゾートの取り組みを位置づける。スノーリゾートが抱える問題や課題を共有し、アクションプログラムなどの策定、実行を急ぐ。

 今年2月には冬季アジア札幌大会が開かれ、18年の平昌五輪や22年の冬季五輪も控えている。欧米豪に加えて、アジア圏でスノースポーツ人口の増加が予想される。

 ただこれまで共通の方向性がなく、総合的な対策が求められていた。

 これらを踏まえ、同庁は最終とりまとめでスノーリゾートのブランディング化や、情報発信の強化をはかる方針を示した。

 大規模と中小規模の規模別でスキー場の取り組みを分け、新たな成功事例の創出に取り組むほか、スキー以外の食や宿泊施設、自然体験などを充実させる。

 情報発信も力を入れる。海外の旅行会社などを招き現地視察・体験をしてもらう「ファムトリップ」や海外旅行博の出展を実施していく。

 一方、課題は市場データ不足だ。国内のスノースポーツ人口は1990年代のピーク時から半減した一方、訪日客は昨年2400万人を超え、スキー場でも急激に増加。市場は一変した。

 座長の原田宋彦氏(日本スポーツツーリズム推進機構会長)は「ターゲットを明確にしたうえで、精密なデータに基づいた戦略が必要」と強調した。

 委員らの意見を受け、加藤庸之観光地域振興部長は「国、地方、民間がいかに行動するのか、アクションプログラムなどに落とし込んでいく。マーケティングや収益性の観点も、持続可能性があるスノーリゾートの発展ために必要。最終とりまとめに打ち出していきたい」と述べた。

 次回の検討会は3月1日。最終とりまとめを予定している。首都大学東京都市環境科学研究科観光科学域特任教授の本保芳明氏は、最終とりまとめについて「これまで国はスノーリゾートへ関心を向けてこなかった。今回国を挙げて取り組むことがどれだけ意義深いことか、伝えていくことも重要だ」と訴えかけた。

リピーター2倍の2400万人に、新たな観光立国の計画(観光庁)

検討会のようす

 観光庁は2月8日に交通政策審議会観光文化会を開き、新たな「観光立国推進基本計画(案)」を提出し、議論した。2012年3月に閣議決定した観光立国推進基本計画(前計画)を改訂。計画期間を20年度までとし、目標値の見直しをはかった。3月の国会提出を見通す。

 新たな目標値は、訪日外国人の「地方部における延べ宿泊者数」を15年度比で約3倍の7千万人、「訪日外国人旅行消費額」を約2・3倍の8兆円、「訪日外国人に占めるリピーター数」を約2倍の2400万人などとし、観光ビジョンの目標数値と同様にした。

 これらの目標は今回の基本計画で新たに設けた項目となる。近年の訪日外国人の急増などで観光業界の情勢は変化。観光業界の現実に即した項目を設けたかたちだ。

 このほか、国内旅行消費額では、過去5年の平均値の約20兆円から5%増の21兆円を目指すこととした。

 今回の計画で政府が計画的に実施する施策では、農泊の推進からビザ要件の緩和に至るまで多岐にわたる。

 このなかで、ランドオペレーターの登録制度の導入や旅行業法の改正、民泊サービスへの対応など、新旧の法整備もはかる考え。

 観光庁の田村明比古長官は、東京都内で開かれた同会で「20年に東京オリンピックが開催されるまでの4年間は、我が国にとっても非常に重要な時期。しっかりとした目標を立て、政府を挙げて施策を実施していかなければならない」と強調した。

最大10分の9を負担、地域のネットワーク化促進(観光庁)

 観光庁は3月13日まで「テーマ別観光による地方誘客事業」の公募を行っている。地方公共団体や、観光協会、旅行会社などの観光関係者らで、各地域をネットワーク化し、情報発信力を強化。地方誘客の促進とネットワークの自立、継続する仕組み作りの構築を目指す。

 最大で10分の9以内(初年度)の金額を予算の範囲内で負担する。国の負担額の上限は1テーマあたり900万円、期間は最大3年間。

 事業の流れは(1)地域連携協議会の設立・準備(2)地域連携協議会の設立(3)同じテーマを基に各地域をネットワーク化(4)各地域間の情報共有と共通した取り組みの実施――となる。2016年度は7つのネットワークを支援。引き続き17年度も取り組みに力を入れていく考えだ。

 同事業で実施できる事業例は、テーマへの観光客のニーズ調査や、地域連携協議会設立に必要な会議の開催、サイト開設、共同プロモーションの取り組みなどがある。

 選定は有識者委員会を経て、観光庁が決定する。必要に合わせて申請者に対してヒヤリングも実施する。

 公募要領などはhttp://www.mlit.go.jp/kankocho/news05_000225.htmlまで。