長期滞在専用の宿泊予約リクエストアプリ「エルカノ」リリース キャンセル

2020年10月26日(月) 配信

長期滞在向け宿泊予約リクエストアプリ「エルカノ」 イメージ

 キャンセルしたい宿泊予約を売買する「キャンセル」などのサービスを提供するキャンセル(山下恭平社長、東京都渋谷区)は10月26日(月)、長期滞在に特化した宿泊予約リクエストアプリ「エルカノ」をリリースした。長期の旅行や出張、ワーケーションで宿泊施設を予約する際、予算などを直接宿泊施設にリクエストできる。

 長期滞在の場合、宿泊代金が高額になってしまい費用面から利用しづらいという課題があった。一方で、宿泊施設は通常料金より多少安価に設定してでも宿泊してほしいというニーズがあったことから、双方に利益があるサービスを提供する。

 同アプリは3泊以上の宿泊に適し、一括カタチで複数の施設に、自分の予算や宿泊条件を直接伝えてリクエストすることが可能だ。

 完全会員制を採用しているため、宿泊施設は新しい集客チャネルとして活用できる。

 アプリに掲載を希望する宿泊施設も募集中。申し込みはエルカノホームページから受け付ける。

「ワンスプーンで贈るレシピリレー」 オリックス13施設がインスタで公開

2020年10月26日(月) 配信

ホテル ミクラス(静岡県)のフランス風あじのたたき」

 オリックス・ホテルマネジメント(似内隆晃社長、東京都港区)はこのほど、「ワンスプーンで贈るレシピリレー」をスタートした。

 事業ブランド「ORIX HOTELS & RESORTS」を掲げる全13施設が、各公式インスタグラムで順次レシピを11月24日(火)までに順次公開する。

 レシピリレーは、5 月 14 日(木)~5 月 29 日(金)に行われた企画の第2弾。前回は5月が「母の月」とされることから、 母への感謝の気持ちを伝えるための簡単に作れるオリジナルまかないレシピを、「ORIX HOTELS & RESORTS」全12施設(企画当時)の料理長が考案した。

 第2弾は「地元の味をじっくり味わう至極のひと口」をテーマに、地元の旬の食材を取り入れ、地酒やおすすめのワインなど、それぞれの料理に合う飲み物も一緒に紹介する。

 26日現在、「秋鮭と秋野菜のひとくちチャンチャン」(函館・湯の川温泉 ホテル万惣、北海道)や、「会津みしらず柿とクリームチーズのオードブル」(会津・東山温泉 御宿 東鳳、福島県)など4レシピが掲載されており、27日(火)は、地元の鯵を使用した「フランス風あじのたたき」をホテル ミクラス(静岡県)が公開する予定だ。

キャッシュレス決済限定ホテル 相鉄フレッサイン横浜駅東口に開業

2020年10月26日(月) 配信

自動チェックイン、アウト端末「スマーレ」

 相鉄ホテルマネジメントは10月25日(日)、「相鉄フレッサイン横浜駅東口」を開業した。自動チェックイン、アウト端末「スマーレ」を導入。宿泊代を各種クレジットカードやQRコード決済のみで行う、キャッシュレス決済限定のホテルになっている。

 ホテルはJRや京浜急行など6路線が使用可能な横浜駅から徒歩2分の場所にあり、羽田空港や成田国際空港への高速バスのターミナル「横浜シティ・エア・ターミナル(YCAT)も徒歩圏内。283の客室の4割をツインタイプにすることで、従来のビジネス需要に加え、レジャー需要にも対応する。

 同じ相鉄グループの相鉄ピュアウォーターの全館浄水システム「良水工房」を導入しているのも、相鉄フレッサイン横浜駅東口の特徴。水道水に含まれている残留塩素濃度を2重ろ過方式で低減させることで、入浴や洗顔など宿泊客が使用するすべての水を肌に優しい浄水にする。

 ホテル1階には、JR東日本フーズが運営するBECK’S COFFEE SHOPが出店する。同店では、従来提供しているモーニングプレートの品数を増やした専用のモーニングメニュー3種類を用意。専用メニューは、宿泊客以外も食べることができる。

専用のモーニングのスペシャルプレート

地域枠予算の撤廃へ OTAの割引上限の設定受け 観光庁蒲生長官

2020年10月26日(月) 配信

蒲生篤実長官

 観光庁の蒲生篤実長官は10月23日(金)に開いた会見で、一部のOTA(オンライン旅行会社)がGo Toトラベルキャンペーンにおける割引額の上限額引き下げなどを行ったことを受け、予算を追加で配分したことを伝えた。そのうえで、「10月13日(火)には割引率が35%に戻された」と話した。今後は「地域別の枠を撤廃する」と対策を報告した。

 地域枠の撤廃は、一部地域に利用者が偏る可能性があることに触れ「事務局と連携し、気づかれていない魅力的な場所をアピールするキャンペーンを打つ」と意気込んだ。

 割引上限が設定されたことについて「混乱を招いたことをお詫びする。関係事業者の動向を注視し、適切に対応する」と話した。

 「(Go Toでは)利用者の約80%が1万5千円程度の宿泊プランを選択した」と報告。「高額な商品だけではない」との認識を示した。

 また、Go Toの終了時期は改めて1月31日(日)に終了することを強調した。

 理由として、東京が追加されたことで消費者の旅行に対する安心感が増したことによる需要増加と、東京には富裕層が多いため、執行ペースが速まっていることを挙げた。

 今後は、旅行需要の回復傾向を維持するため、あらゆる対策を講じる。

地域共通クーポン 26万社が取り扱う

 10月1日(木)から始まった地域共通クーポンは、約26万店舗以上が取り扱っている。

 業種別では土産物店が最多。観光業界以外の衣料品店やコンビニなどでも使えることに触れ、「地域全体の経済活性化のため」と強調した。

 課題として、電子クーポンの取扱店舗数が少ないことを挙げた。今後はQRコードのシールを貼り、利用者に読み取ってもらうだけでできることや、紙クーポンよりも早急に現金を受け取れることなどアピールする。

高付加価値化を推進 訪日は受入強化へ

 観光庁は政府が実施した観光戦略実行推進会議で、菅義偉首相から首相就任直後に、観光需要の回復に向けた戦略を策定する指示を受けた。

 蒲生長官は「並々ならぬ意欲があると感じた」と振り返った。

 菅首相からの指示を受けて、観光庁は、宿泊施設の高付加価値化や、事業継承の支援、ワーケーションなどの旅行市場の拡大など幅広い需要喚起策を策定する。

 訪日市場は需要回復までに、魅力的な滞在コンテンツの造成や、外国語対応などの受入環境の整備などを進める。

 

よみうりランド ジュエルミネーション®~黄金と誕生石のRESONANCE~始まる

2020年10月26日(月) 配信

イルミネーション全景

 よみうりランド(溝口烈社長、東京都稲城市)は2021年4月4日(日)まで、遊園地「よみうりランド」で「よみうりランド ジュエルミネーション®~黄金と誕生石のRESONANCE~」を行っている。今回のテーマは、「黄金と誕生石のRESONANCE」。

 期間中、新型コロナウイルスに対して、最前線で従事する医療従事者への心より敬意と、尽力に対する感謝の意を込め、稲城市と神奈川県川崎市多摩区、麻生区の医療従事者2万人を招待する。

 11年目となる今回の「よみうりランド ジュエルミネーション®」は、650万球の宝石イルミネーションで演出する。園内に「ガーネット」、「エメラルド」など誰もが憧れる誕生石と黄金をモチーフにした12エリアが新登場する。

 日本屈指の大迫力噴水ショーは、幅60㍍、高さ15㍍、噴水231本という圧倒的なスケールで開催。夜空を疾走するジェットコースター「スターライトバンデット」など夜限定のアトラクションや光の山から滑り降りるソリ遊びなど、遊園地ならではのアクティビティも楽しめる。

噴水ショー

 また同社はイルミネーション期間中、最寄り駅の京王よみうりランド駅を利用する人にも楽しんでもらえるよう、上下線ホームにイルミネーション装飾を施す。監修は園内と同じく照明デザイナーの石井幹子氏が務める。併せて多くの来園者が見込まれる10月31日(土)~21年1月3日(日)までの土日を中心に、同駅に準特急・急行列車が臨時停車する。

オリジナルストーリーに沿って山手線沿線を巡る謎解きゲーム 6枚の写真を手掛かりに謎を解く

2020年10月26日(月) 配信

特設サイトにもさまざまな謎を用意

 リアル謎解きゲームを使ったプロモーションを企画制作するハレガケ(黒田洋介代表、東京都豊島区)はこのほど、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)が主催する「FUN!TOKYO! 山手線謎めぐり ”6枚の写真に隠された秘密”」を企画、製作した。

 「FUN!TOKYO! 山手線謎めぐり ”6枚の写真に隠された秘密”」は、JR東日本東京支社の山手線沿線ブランド「FUN!TOKYO!」のプレイコンテンツとして開催されるゲームイベント。

 オリジナルストーリーに沿って山手線沿線を巡る謎解きゲームで、最初に提示される6枚の写真を手掛かりに謎を解くことで、次の目的地や行動などの情報が明らかになる。自由周遊型のゲームで、途中では食事や観光も自由に楽しめる。

また、特設サイトでは、山手線の駅ごとの謎に挑戦する練習問題も用意している。

 開催期間は、10月28日(水)から~2021年2月28日(日)まで。参加費は1100円で、必要なキットはNewDays 13店舗で販売している。

往復運賃が半額に 黒部峡谷トロッコ電車が「シニア感謝デー」 11月4日(水)から

2020年10月26日(月)配信

宇奈月駅を出発したトロッコ電車が最初に渡る真紅の鉄橋「新山彦橋」

 富山県の黒部峡谷鉄道は2020年11月4日(水)~11月26日(木)の火、水、木曜日に、60歳以上の人を対象に運賃が約半額になる「シニア感謝デー」割引を行う。10月下旬からは黒部峡谷の紅葉が見ごろを迎え、絵画のような景色を楽しめる。

 割引期間は、2020年11月4日(水)~11月26日(木)の火・水・木曜日。60歳以上が対象で、「宇奈月-欅平」間往復乗車券が3960円(税込)から1980円(同)に、「宇奈月-鐘釣」間の場合は2820円(同)が1420円(同)になる。

 当日は対象者全員の年齢を証明できる書類(免許証・保険証など)を提示する。予約をインターネットや電話で受け付けるほか、宇奈月駅窓口で当日販売も行う。GoToトラベル事業の「地域共通クーポン」も利用可。

プッシュ通知に台風追加 日外国人向け災害時情報提供アプリ「Safety tips」 観光庁

2020年10月26日(月) 配信

「Safety tips」 アプリトップ画面(観光庁HPから)

 観光庁が監修している災害時情報提供アプリ「セーフティ チップス」で、10月23日(金)から台風情報が確認できるようになった。各地に甚大な被害をもたらした昨年の台風19号の影響を考慮した。同庁は備えをもって行動する必要がある台風について、よりタイムリーで分かりやすい情報を多言語で発信し、情報提供に努めていく。

 同アプリは、訪日外国人に対して国内における緊急地震速報や気象特別警報、避難勧告などをプッシュ型で通知する。現在14カ国語15言語に対応している。

 自然災害の多い日本で、訪日外国人旅行者が安心して旅行できるよう、避難行動を示した対応フローチャートや、周りの人から情報を得るためのコミュニケーションカードを備える。災害時に必要な情報を収集できるリンク集なども提供している。

 アプリのトップ画面には「緊急連作先情報」として、110番や119番の利用上の注意点と、ワンクリックダイヤル機能がある。また、利用者の登録した母国情報に応じた大使館へのワンクリックダイヤルも用意する。

東武とJTB、「日光MaaS」21年度導入検討に着手 国内初の観光配慮型・観光MaaS

2020年10月26日(月) 配信

事業イメージ図

 東武グループ(根津嘉澄社長、東京都墨田区)とJTBグループ(山北栄二郎社長、東京都品川区)はこのほど、栃木県日光地域で、国内初となる環境配慮型・観光Maas(仮称:日光MaaS)の2021年度導入に向けた具体的な検討に着手する。栃木県と連携した「環境にやさしい観光地づくり」を推進するとともに、日光地域の長期的発展に貢献する。

 日光MaaS(仮称)は、同県が導入する奥日光エリアのEV(電気自動車)バスとも連携する官民連携事業。脱炭素社会の実現に向け、マイカーから公共交通への転移、地域内におけるエコモビリティの利用を促進するとともに、周遊観光の振興につなげていく。

 具体的には、国内初の取り組みとなる、鉄道とEVカーシェアリングサービス「NISSAN e-シェアモビ」の検索、予約、決済のワンストップ化を目指す。さらに移動だけでなく、ネイチャーアクティビティなど観光コンテンツや宿泊との連携も強化していく。

 これまでに東武グループでは、日光地域において鉄道網を生かした首都圏からの誘客など、地域と連携した取り組みを進めている。また、JTBグループは全国で「EVモビリティ観光活性化事業」を展開しているほか、観光宿泊、レジャー施設にEV・PHV(プラグインハイブリッド自動車)用普通充電器の設置を進め、環境負荷低減に努めている。

 今回、同県の「環境にやさしい観光地づくり」に対し、両社が賛同し、環境配慮型・観光MaaSの導入に向けた具体的な検討に着手した。

 自然豊かな日光国立公園などを有する日光地域は、年間1100万人の観光客が訪れている。だが、約7割がマイカーを利用(同県調べ)していることなどから、同県では日光地域をモデル地域とした環境負荷の低減をはかっている。これまでに、2次交通の利便性向上やEV導入を促進しているほか、今年度は奥日光エリアで運行する低公害バスのEV化を予定している。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(189)」 生業を観光に(神奈川県小田原市)

2020年10月25日(日) 配信

街角博物館めぐりの拠点「なりわい交流館」

 観光資源とは何か。簡単なようで意外と難しい。古都京都の著名な寺社仏閣、城郭、温泉や、知床のような素晴らしい大自然、巨大なテーマパークなどは、誰もが観光資源と認めるものであろう。

 しかし、近代の産業遺産や現役の工場・工房のほか、特色ある商店街、棚田など農村景観、アニメの聖地、スポーツ施設などが観光資源かと言えば、意見が分かれるかもしれない。正解はないが多くの人々が興味を持ち、その対象へ容易にアクセスできて、かつ楽しめる仕組みができていれば、それは観光資源ということになろう。収益を上げられる事業モデルが確立し、持続性があれば、立派な観光となる。そんな文脈からすれば、神奈川県小田原市の「生業(なりわい)ツーリズム」は、その代表的な事例であろう。

 小田原は、近世以前の北条時代からの堂々たる城下町であった。近世以降の東海道の整備に伴い、街道一の宿場町としても栄えた。従って多くの人口が集積し、数多くの旅人が往来した。その住民や旅人をもてなすために、数多くの生業が生まれた。相模湾に面した小田原は、近海の豊かな漁場だったのだ。

 その資源を加工した蒲鉾や鰹節、干物など海の幸に恵まれた。箱根の山にも近く、良質な森林資源を生かした漆器や寄木細工などの加工品も盛んだった。さらに、足柄や曽我のような豊かな農地にも恵まれたことから、茶や梅干しなど里の産物にも恵まれた。

一夜城から一望する小田原市街と相模湾

 これらの生業店は、店の一角に小さなミュージアムを設け、来訪者を受け入れる「街角博物館」として整備されている。古い店では、江戸初期の1661(寛文8)年から日本茶・和紙などを商う江嶋、中国から日本に渡り、博多・京都を経て、応仁の乱後に北条を頼り小田原に転居、500年にわたって操業する「ういろう」(外郎家)。同じく1633(寛永10)年から400年近く薬屋を営む、済生堂小西薬局などの老舗もある。

 街角博物館の整備とともに、地域の多様な生業を訪ね、体験し、食を味わう。小田原のまち歩き型観光(生業観光)の基本は、まさに地域に根差した暮らし文化を味わう「文化観光」でもある。

 小田原観光と言えば小田原城であり、コロナ前には海外観光客も順調に増えていた。ただ小田原城は城だけの観光にとどまらず、その城下に広がる経済や暮らしぶりを見て初めて理解できる。生業観光は、その全体像を見ていただく試みでもある。

 小田原城に偏りがちな観光の分散化も今後の大きな課題だ。海沿いや山、里に根付く生業もそうだが、市街地から少し離れた一夜城や、隣接の早川漁港も誠に魅力的なエリアである。北条攻めの豊臣秀吉軍が拠点とした一夜城は、日本一の構え(総構え)を持つ小田原の町並みを眺め理解するにも、格好の存在である。小田原の次の観光戦略の展開に大いに期待したい。

(東洋大学大学院国際観光学部 客員教授 丁野 朗)