環境保護と観光の共存へ 市と連携、環境学習に注力(保津川遊船)

2023年2月18日(土) 配信

豊田知八代表理事

 地域の自然環境を保護しながら、観光業を活性化させ、住民の暮らしも守る「サステナブルツーリズム(持続可能な観光)」に注目が集まっている。

 保津川の環境保護活動と環境学習への協力に注力する保津川遊船企業組合(京都府亀岡市)の豊田知八代表理事は、環境先進都市として高い注目を集める市とも連携しながら、同ツーリズムのあり方を模索している。豊田代表理事に、環境保護と観光の共存について話を聞いた。

 ――保津川の川下りの魅力を教えてください。

 約1300年1度も途切れることなく水運が続いているのは、日本の川では保津川(桂川)だけです。保津川は古くから輸送路としての役割を担っていて、長岡京・平安京の造営時には丹波の木材を流していたとも言われます。

 1606年には角倉了以が江戸幕府の許可を得て、世木から嵯峨までの水路を開きました。このとき、瀬戸内水軍の旗頭・来住一族が編み出した航海技術も京都に伝え、以後約400年、船頭が技を途絶えることなく継承し続けており、亀岡市指定の民俗無形文化財に登録されています。

 こうした歴史的、文化的価値は、世界にもPRできる観光資源であり、外国人の興味も引くことができると思います。

 ――豊田さんは保津川の環境の保護についてもお話をされています。

 環境保護の取り組みは今後、エコツーリズムやサステナブルツーリズムと絡め、亀岡市の色々なコンテンツと一緒に打ち出していきます。

 市は現在「世界に誇れる環境先進都市」を目指し、さまざまな取り組みを進めており、世界中から注目されています。また国内のさまざまな企業とパートナー連携・パートナーシップ協定を結び、環境保護に取り組んでいます。

 2020年には条例でプラスチック製レジ袋の提供が禁止されました。これは市が進める「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」によって定められたのですが、背景にあるのが保津川のごみ問題です。

 我われも環境学習に注力をしていて、昨年夏には「かめおか保津川エコツアー」を行いました。保津川を下りながら河川ごみの漂着実態を自分の目で見て、環境問題への学びにつなげるのが狙いです。また、亀岡に環境問題を学びに来る学校も増えています。

 ――環境問題と観光の関わりについては、いかがですか。

 大切なことは、持続的な産業として自然環境を守りながら観光コンテンツをつくることです。

 一方で、サステナブルツーリズムを実施するうえでは、訪れた人に自然や地域の良さを実感していただく、味わっていただけるメニューを提供することが一番大事ですが、地域がそのことによって収入を得て、持続しなければならないので、難しい旅行形態だとも感じています。地域が安定的に持続できる環境を、ツーリズムを通じカタチにすることがサステナブルツーリズムだと考えているので、できる地域は限られてくると思います。

 同時に、地域の伝統や自然を守りながら、そこに自然に存在しているものを発信できるところでしか本業として続けていけないのではないでしょうか。

 観光においては、「行きたい」と人が思うきっかけをいかに作り出せるかが非常に重要です。行きたいと思わせる「動機」づくりをどこまでできるか、その地域の魅力をどのようなカタチで伝えるか、そしてその動機に温泉や地域の食などの要素が入って初めて、人はその地域に出掛けるのではないでしょうか。

 ――保津川遊船は昨年、京都府が開業した「川の駅 亀岡水辺公園」の指定管理者になりました。その際、豊田さんは川の駅を環境問題や水運の歴史を学べる場にしたいとの考えを示しています。

 私は川の駅を保津川の「水運の歴史」を学ぶための核となる施設に育てていきたいと考えています。しかしながら「歴史」を前面に出してしまうと、訪れていただくためのハードルが上がってしまいます。この部分は今後、地域のさまざまな事業者と連携して考えていきたいと思っています。

保津川沿いのキャンプサイト

 今川の駅では、ラフティングやSUPなどさまざまな水辺のアクティビティを提供しているのですが、この水辺のアクティビティに意味をもたせることも重要だと考えています。

 こうしたなかで今考えているのが、川の持つ力でストレスを軽減する「川のセラピー」です。その際は、川のセラピーを単体のコンテンツメニューにするのではなく、地域のウェルネスツーリズムを構成する1要素とし、健康維持をする旅を提供したいですね。

 ――ありがとうございます。

佐世保鎮守府資産を活用 黒島と4市町巡る旅形成へ

2023年2月17日(金)配信

旧佐世保防備隊黒島東砲台施設

 黒島観光協会(長崎県佐世保市)は現在、日本遺産に認定された「佐世保鎮守府」の資産を活用した周遊観光の形成を進めている。

 高速道路を活用し、鎮守府の構成資産・戦争遺構が残る平戸市、西海市、川棚町と、世界遺産の島・黒島の周遊を促進。23年度は、広域周遊のスタンプラリーなどを計画する。

 同協会の進める「新たな歴史を学ぶ旅!!『佐世保鎮守府』を活用したフィールドミュージアム事業」についてまとめた。

 1889年、旧日本海軍が「佐世保鎮守府」を開庁、同鎮守府の開庁に合わせ佐世保は急速に近代都市として整備された。現在市内には、日本に残る唯一の長波通信施設「旧佐世保無線電信所(針尾送信所)施設」や、「旧佐世保鎮守府凱旋記念館(佐世保市民文化ホール)」など503の構成資産が点在している。

 一方で佐世保観光は「ハウステンボス」と「西海国立公園九十九島(くじゅうくしま)」には一定の集客効果があるが、周辺の観光資源の活用が不十分で、周遊型観光の形成ができていないことが課題として挙がっていたという。

 この課題に対し、黒島観光協会は新たな観光の目玉として「鎮守府」の資産と歴史に着目、国土計画協会の「高速道路利用・観光・地域連携推進プラン」の支援を受け、事業を展開。

石原岳堡塁跡(佐世保要塞)

 高速道路を活用することで西海市の「石原岳堡塁跡(佐世保要塞)」や川棚町の「魚雷発射試験場跡」、平戸市の「御崎の砲台跡」など、4市町に点在する鎮守府の構成資産・戦争遺構の周遊を促進し、「日帰り観光地」からの脱却を目指している。

 同事業は3年間で完結するもので、2022年度は4市町の魅力を紹介するオンラインツアーを実施、多くの参加者を集めた。

 23年度は、広域周遊のスタンプラリーなどを計画する。24年度に謎解きを楽しみながら佐世保鎮守府の近代化遺産を周遊する体験型観光プログラムを展開する。 

 黒島観光協会の山内一成理事長は、「世界文化遺産『長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産』を構成する黒島の集落と日本遺産『佐世保鎮守府』、両方を巡りに多くの人に来ていただきたい」とPR。

 そのうえで、「コース造成だけではなく、ガイドや宿泊の手配を1カ所でできる仕組みも整えたい。そして将来的には、横須賀、呉、佐世保、舞鶴の4鎮守府を周遊するコースの造成に発展させられれば」と展望を語る。

キリシタンと鎮守府2つの歴史に触れる島

 江戸時代後期、平戸藩が入植を認めた際、外海や生月島の潜伏キリシタンが多く移住した黒島。島内には1900年にマルマン神父と黒島の信徒が建設を開始し、2年後に完成させた黒島天主堂があり、今も島民の祈りの場となっている。
 同島にはキリシタン関連の歴史に触れられる場所に加え、旧海軍佐世保鎮守府の歴史に触れられる「旧佐世保防備隊黒島東砲台施設」や「旧佐世保海軍警備隊黒島名切砲台跡」などの遺構も点在している。

南蛮貿易の史実もとに平戸で新グルメ展開

 古くから西洋諸国との交流により発展してきたまち、平戸。同市では、南蛮貿易の史実をモチーフにした香辛料とイノシシ肉を組み合わせたご当地グルメ「平戸ジビエ南蛮カレー」を開発、市内4店舗がそれぞれのモチーフ(史実)を基にコンセプトと特徴付けしたオリジナルメニューを展開している。

平戸ジビエ南蛮カレー(シーサイドカフェ)

 平戸瀬戸市場内にあるレストラン「シーサイドカフェ」では、ポルトガルをテーマに、ジビエ粗挽き肉を使ったキーマカレーに、同国ゆかりの金平糖やオリーブオイル(唐辛子入り)、海鮮天ぷら、干しブドウを組み合わせたセットが楽しめる。

佐世保で楽しむ海軍と自衛隊グルメ

 佐世保を訪れた際には、旧海軍や自衛隊にちなんだグルメも見逃せない。

 旧海軍にちなんだグルメ「海軍さんのビーフシチュー」は、明治時代の海軍レシピ本「海軍割烹術参考書」にある「シチュードビーフ」をもとに、1951年創業のレストラン蜂の家などがそれぞれアレンジを加え提供する。

 一方、「させぼ自衛隊グルメ」は海上自衛隊、陸上自衛隊、佐世保海上保安部の部隊の監修を経て秘伝のカレーを再現、トマトの酸味が特徴的な「護衛艦あきづきトマトチキンカレー(ドリーマー グリル&カフェ)」など市内22店舗で提供する。

 このほかにも、1950年ごろアメリカ海軍から直接レシピを聞いて作り始めたのがその起源といわれる「佐世保バーガー」や、旧日本海軍にちなんだスイーツ「海軍さんの入港ぜんざい」も味わえる。

伊東ロケーションサービス より一層のロケ誘致に注力 ロケハンの際の案内やロケの対応などに対応するチームを「伊東ロケ こらっシェルジュ」に

2023年2月17日(金) 配信

ユニフォームも作成

 伊東ロケーションサービス(静岡県)はこのほど、ロケハンの際の案内やロケの対応などに対応するチームの名称を「伊東ロケ こらっシェルジュ」とし、より一層のロケ誘致に注力すると発表した。

 こらっシェルジュは、伊豆の方言で「おいで」や「来てね」を意味するこらっしぇと、案内人を指すコンシェルジュを組み合わせた造語。名称を付けたことでロケ隊や市民への認知度の向上をはかり、民間事業者の参画の推進を目指す。

 伊東ロケーションサービスは、映画やテレビ番組などのロケの積極的な誘致と支援により、制作される映像作品などを通し市の持つ魅力を広く発信し誘客をはかり、ロケを受け入れることによる地域への経済効果や映像資産の活用による波及効果による地域の活性化を目指し、2020年に発足。

 併せて、自分たちの住んでいる地域が作品に取り上げられることで、多くの人に注目され、その価値を再認識することによるシビックプライドの醸成も目的に掲げている。

「映画『とんび』×岡山県」がグランプリ  第13回ロケーションジャパン大賞 表彰式開催

2023年2月17日(金) 配信

伊原木隆太岡山県知事らが登壇

 第13回ロケーションジャパン大賞の表彰式が2月16日(木)、東京都内で行われ、「映画『とんび』×岡山県」がグランプリに選ばれた。県内8自治体で撮影が行われ、2万部制作したロケ地ガイドが公開前に在庫切れとなり増刷されるほどの人気となった同作品。公開後もロケ地「錦海倉庫」の特別公開や「みゆき通り商店街」の再現など、ロケ地観光が大きな話題となった。また、主演の阿部寛さんがカナダのトロントで行われた映画祭で最優秀男優賞を受賞、岡山の魅力を世界に発信したことも評価された。

 伊原木隆太岡山県知事は「自分たちにはできないような素晴らしい映像を撮られる方々が、見慣れた場所で素晴らしい物語をつくってくださることで、その場所が宝物になる。我われもロケに関わることで、その作品が宝物になる」とロケが地域にもたらす変化を説明。「これからもプライドをもって映像関係者をサポートします」と宣言した。

 一方、プロデューサーの天馬少京氏は「ロケの協力だけではなく、宣伝などを通じ映画が独り立ちするまで支えてくださり、まさに親のような存在(だと感じている)」と感謝の言葉を述べた。

 同賞は、ロケ地情報誌「ロケーションジャパン」(地域活性プランニング)が主催するもので、①支持率②撮影サポート③行楽度④地域の変化――4つの指標と約1万人の一般投票を基に審査された。今年は、2021年11月1日~22年10月31日に公開、放送された映画・ドラマ・アニメ41作品・51地域がノミネートされた。

 同誌の山田実希編集長は、「この賞は素晴らしい作品作りの応援と、ロケ地になった地域が注目され豊かになることをサポートすることが目的。(地域がロケツーリズムを)継続できるのは首長が応援してくださるからこそ。製作者の皆さんにはこの場を通じ、地域とのつながりを深め、次の作品につなげていただきたい」と語った。

 同日、「ロケツーリズムアワード」の授賞式も行われた。地域大賞には静岡県・西伊豆町、企業大賞にはたオリックス・ホテルマネジメントがそれぞれ輝いた。同賞は、「観光客の増加率、経済効果」や「観光誘客・集客を向上させる取り組みなどを審査し、ロケツーリズム協議会(藤崎慎一会長)の会員から選出される。

西伊豆町
オリックス・ホテルマネジメント

 

 第13回ロケーションジャパン大賞準グランプリ以下の受賞は次の各作品と地域。

【準グランプリ】大河ドラマ『鎌倉殿の13人』×静岡県伊豆の国市

【部門賞 支持率部門】映画『沈黙のパレード』×静岡県牧之原市

【部門賞 撮影サポート部門】映画『今はちょっと、ついてないだけ』×千葉県茂原市、長野県千曲市、愛知県幸田町、長崎県島原市

【部門賞 行楽度部門】映画『今夜、世界からこの恋が消えても』×神奈川県藤沢市

【部門賞 地域の変化部門】映画『峠 -最後のサムライ-』×新潟県長岡市

【特別賞】ドラマ『NICE FLIGHT!』×日本航空、国土交通省航空局

JTB、「日本の旬 北海道」 国内旅行CPが4月からスタート

2023年2月17日(金)配信

「日本の旬 北海道」キャンペーンロゴ

 JTBは4月1日(土)~9月30日(土)まで、北海道全域を対象とした国内旅行キャンペーン「日本の旬 北海道」を展開する。北海道の新しい旅の楽しみ方として、自然やアクティビティ、異文化を体験するアドベンチャートラベル(AT)と、サステナビリティ推進による交流創造を広く発信する。

 日本の旬とは、「日本の魅力の再発見」をテーマに、1998年からJTBグループで実施している国内観光地活性化を目的としたキャンペーン(CP)。半期ごとに対象方面を選定し、地域の旬の魅力を掘り起こし、旅行を通じて、より多くの人に現地の魅力を感じてもらうことで地域活性化への貢献をはかる。

 今回のCPのキャッチコピーは、「WOW! HOKKAIDO LOVE!」。ATを含む自然・食・文化を主軸に周遊観光、長期滞在を促進し、自然保護・脱炭素など北海道ならではの「サステナビリティ推進」による交流を創造する。CPロゴには、サステナブルな取り組みを意識した色彩で北海道の形がデザインされた。

 ATに特化した国立公園と十勝・日高山脈襟裳国定公園をテーマとしたコースを巡るプランや、道南の桜の名所を巡るオープントップバスに乗車する商品などを企画。マグカップを持参すると道内各地の店で試飲や試食が無料で楽しめるサステナブルな旅や、地方で営業する路線バスの取り組みを視察できる交流創造プランなども用意する。

22年10~12月国内旅行消費額速報値 47・5%増の5兆12億円(観光庁)

2023年2月17日(金) 配信

観光庁はこのほど、旅行観光消費動向調査の22年10~12月期の速報を発表した

 観光庁はこのほど、「旅行・観光消費動向調査」の2022年10~12月期(速報)の国内旅行消費額を発表した。日本人国内消費額は、前年同期比47・5%増の5兆12億円となった。このうち、宿泊旅行消費額は同53・6%増の4兆972億円、日帰り旅行が同25・0%増の9040億円だった。

 日本人国内延べ旅行者数は、同23・5%増の1億1077万人。うち、宿泊旅行が同29・5%増の6501万人、日帰りが15・9%増の4577万人となった。

 日本人国内旅行の1人1回当たりの旅行単価は、同19・4%増の4万5147円となった。宿泊旅行は同18・6%増の6万3028円、日帰りが同7・9%増の1万9751円だった。

 

国内旅行消費は17兆円 22年年間値速報

 同じく「旅行・観光消費動向」の2022年年間値(速報)を発表した。

 22年の国内旅行消費額は、前年比87・0%増の17兆1695億円となった。このうち、宿泊旅行消費額は、同96・4%増の13兆7341万円、日帰り旅行消費額が同56・8%増の3兆4355億円となった。

 日本人国内延べ旅行者数は、同55・9%増の4億1805万人だった。このうち、宿泊旅行が同64・0%増の2億3255万人、日帰り旅行は同46・7%増の1億8550万人。

 日本人国内旅行の1人1回当たりの旅行単価は、同19・9%増の4万1070円。宿泊旅行派同19・7%増の5万9059円となり、日帰り旅行が同6・9%増の1万8520円となった。

全旅連青年部の佐藤委員長など、カメラ付き検温器に顔認証加えたDX紹介(ホテレストレンドセミナー)

2023年2月16日(木) 配信

セミナーでは、観光客が感染拡大防止のための連絡先の記入を省けることなどを紹介した

 全旅連青年部組織力向上委員会の佐藤雄二郎委員長(高千穂離れの宿神隠れ、宮崎県)と、システム開発会社GlobalB上杉朋也CSOは2月9日(木)、第51回国際ホテル・レストラン・ショーのトレンドセミナー「地方観光地におけるDX事例」を開いた。

 カメラ付き検温器に顔認証機能を加えたことで、観光客は立寄施設で感染拡大防止のための連絡先の記入を省くことができ、施設は時間帯別の連絡先を即座に把握できるシステム「高千穂顔パス巡り」の実証実験の概要を紹介。佐藤委員長はシステムを応用し、観光客の周遊状況を把握するなどデータ分析も行いたい考えも語った。

 はじめに、上杉朋也CSOが登壇。 日本各地の宿泊施設がコロナ禍の影響を受けるなか、検温と施設内で感染が拡大した際に、濃厚接触者に連絡する業務が増えたことに触れ、「業務負担を軽減するため開発に至った」と話した。

上杉朋也CSO

 同システムは、宿泊施設の予約時に入力される宿泊者の名前や連絡先などを1カ所のシステムに保存。宿泊客はチェックイン時に、入力した個人情報を最終確認のうえ、検温を兼ねて顔を登録する。

 観光施設は、チェックアウト後に来訪したお客にカメラ付き検温器で体温の測定と顔認証を同時に行うことで、システムに保存された連絡先を把握できる。これにより、紙に書かれた連絡先をパソコンに入力する手間を省け、感染が拡大した時間に利用した観光客の連絡先を即座に知ることも可能となった。

 また、宿泊プランに立寄施設の入場券を加えている場合は、施設で顔認証をすることで、チケットを提示せずに入場できる。

 続いて、佐藤委員長が登壇。実証実験は2021年1~2月に4軒の宿と1カ所の観光施設で実施したことを報告した。

佐藤雄二郎委員長

 佐藤委員長は今後について、「客層別に周遊した場所を把握するなどデータを分析するため、ほかの観光施設や土産物店に導入を促したい」と話した。

 顔認証によるキャッシュレス決済については技術的に可能だが、実施していない。

 佐藤委員長は「お客様は個人情報を伝えすぎることに対する抵抗感が強い。納得してもらえる取り扱いルールを定めていきたい」とした。

海外旅行派、国内旅行派を調査 魅力と思う部分を比べる(阪急交通社)

2023年2月16日(木) 配信  

調査によると、国内旅行派が多数となった(阪急交通社調べ)

 阪急交通社はこのほど、海外旅行派と国内旅行派の割合を調べるアンケートを行い、結果を発表した。これによると、国内旅行派が62%、海外旅行派は13%であったことが分かった。

 アンケートは2022年11月21(月)~27日(日)、全国20代以上の男女に対し行われた。有効回答数は522人。

 年代別に見ると、全年代で国内旅行の方が多数派となった。40代よりも20代や30代の方が海外旅行派と答えた割合が高くなった。海外旅行派が最も多い年代は20代だった。

 それぞれを選んだ理由については、国内旅行派は、「行きたいと思ったときにすぐ行ける」、「海外旅行を一度もしたことがなく、言葉が通じないのが不安」、「身近に魅力的な観光地がたくさんある」、「安全である」などの回答があった。

 海外旅行派の回答では、「日本とは違う経験ができる」、「言葉が通じないところにいると、思ってもみないことが起こるのが楽しい」、「外国の街並みを見て歴史を感じたい」などの意見が寄せられた。

 国内・海外旅行それぞれで楽しみたいことについて聞くと、国内旅行では1位グルメ、2位温泉・サウナ、3位自然景観、4位買い物、5位建物や街並み──だった。

 海外旅行では、1位買い物、2位自然景観、3位グルメ、4位建物や街並み、5位芸術鑑賞──という結果になった。

 この結果に対して同社は、「温泉やサウナを楽しめる数少ない国として、日本国内旅行の楽しみとする人が多いようだ。コロナ禍で生まれたおこもり需要により、宿泊施設での滞在そのものを楽しむという考え方も浸透している」と分析した。海外旅行では、「ルーブル美術館やメトロポリタン美術館など、世界的に有名な美術館を訪れて、芸術鑑賞をしたい人が多いと考えられる」とみた。

海外旅行の5位に「芸術鑑賞」がランクインしている

ジョルダン、「えきねっと」と連携 「乗換案内」から新幹線・特急が購入可能に

2023年2月16日(木)配信

「乗換案内」の経路検索結果から新幹線・特急の予約・購入が可能に

 ジョルダン(佐藤俊和社長、東京都新宿区)は2月6日(月)、経路検索アプリ「乗換案内」と、東日本旅客鉄道(JR東日本、深澤祐二社長)が提供するインターネット予約サイト「えきねっと」との連携を開始した。

 「乗換案内」でJR東日本管内の新幹線・特急列車を含むルートを検索すると、「新幹線・特急予約」ボタンが表示される。表示された乗車区間や日時を保持したまま「えきねっと」に遷移するため、簡単かつ迅速に新幹線・特急列車の切符の予約・購入ができる。この連携により、出張や観光、帰省などの移動をより快適に支援する。

 サービスの利用に当たり、「えきねっと」への会員登録およびログインが必要。購入可能時間は午前5時~午後11時50分。1カ月+6日後までの乗車分を購入できる。

ジョルダン、岐阜バスの1日乗車券 モバイルチケットで発売

2023年2月16日(木)配信

岐阜バス「220エリアパス」

 ジョルダン(佐藤俊和社長、東京都新宿区)は2月15日(水)、岐阜乗合自動車(岐阜バス、瀧修一社長、岐阜県岐阜市)の「220エリアパス」をモバイルチケット化して売り出した。スマートフォン1つで岐阜バスの岐阜市内220円均一運賃区間が1日乗り放題となり、観光や買い物などの移動がより便利になる。

 同サービスによって、キャッシュレスで「220エリアパス」を購入でき、チケット購入のための窓口探しや時間に捉われることがなくなる。接触機会を最小限に抑えられ、利用者と事業者の安全・安心を守ることにもつながるとみている。

 沿線には織田信長の天下統一の拠点とした岐阜城、鵜飼で有名な長良川、岐阜県の重要文化財に指定される岐阜大仏(正法寺)などが点在。観光名所やグルメスポット巡りには利便性の高い交通機関となっている。

 チケットの価格は税込600円。ジョルダンが運営するアプリ「乗換案内」から購入できる。