【特集No.604】加賀屋(石川県・和倉温泉) 3カ年でエネルギー37%削減

2022年3月1日(火) 配信

 観光産業全般にエネルギーコストの負担軽減が喫緊の課題となっている。本紙は旅館・ホテルなど省エネに取り組み、大きな効果を得られた企業を取材し、業界全体のヒントになればと、今号からインタビュー特集「省エネへの挑戦!」をシリーズ化する。第1回は石川県・和倉温泉「加賀屋」。3カ年で事業所全体の37%、1438㌔㍑のエネルギー削減を達成し、2021年度「省エネ大賞」(主催=省エネルギーセンター)を受賞。小田與之彦社長に「省エネと快適性の両立」などについて話を聞いた。

【増田 剛】

 ――省エネの取り組みは何がきっかけでしたか。

 2010、11、12年と3カ年で、国の補助事業として住宅・建築物省co2先導事業に着手したのがスタートです。施設や設備などの「見える化」に向けて取り組み始めました。

 和倉温泉では07年に能登半島地震が発生しました。08―09年にかけてはリーマン・ショック、その後、11年には東日本大震災と、売上が低迷していました。このため、エネルギーコストなどの削減には継続的に努めていました。

 15年には北陸新幹線が開通し、一番忙しい時期を迎えることができました。しかしながら、ボイラーなどの設備が老朽化し、補修しなければならない時期と重なりました。

 さらに「設備だけでなく、自分たちが提供しているおもてなしやサービスと、お客様が求めるものにズレが生じているのではないか」と感じることも多々ありました。

 そこで「あらゆるものを変えるチャンス」と捉え、16―17年にかけて社内で社長をトップに、8つの委員会を設置しました。そのなかに「施設改善委員会」も設置し、施設を長期的、総合的に計画を立てて改善していくことに取り組み始めました。

 15年の北陸新幹線の開業でようやく業績が回復し、施設改善にも投資ができる環境になってきました。……

【全文は、本紙1862号または3月7日(月)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

〈旬刊旅行新聞3月1日号コラム〉ロシアのウクライナ軍事侵攻―― SNS時代には独裁者よりも“民衆の力”が強い

2022年3月1日(火) 配信

 2月下旬も北日本を中心に寒波が襲った。そのようななか、私と編集部の木下記者はまだ暗い、夜明け前の東京駅周辺にある小さなレンタカーショップで小型車を借りて、東北道を北上した。

 

 旅行新聞バイク部メンバーの木下記者とは、昨年8月に修行を兼ねた東北一周ツーリングを決行しており、半年後に再び東北道を走ることになった。

 

 天気予報で大雪になることが分かっていたので、冬タイヤを履いて、雨に降られっぱなしだった夏のツーリングの思い出話などしながら、冬の高速道路の先を眺めていた。木下記者はバイクだけでなく、クルマの運転も抜群に上手いので、私は助手席でコーヒーなんぞを飲んで、取材の資料に目を通したり、ウトウトしたりした。

 

 東北道は北上すればするほど、旅情がかき立てられる大好きな道路だ。盛岡を超え、青森に近づいてくると、次第に北海道の存在も感じられ、不思議な感覚を覚える。

 

 今回の取材では、栃木県の那須塩原辺りで大雪となった。対向車線のクルマのボンネットやルーフに雪が積もっているのを見て、少し怯んだ。郡山付近では雪が止んだが、さらに北上すると再び雪が強くなっていった。福島県の最北端付近の国見SAで喜多方ラーメンを食べた。昨年のツーリングでも此処で同じ喜多方ラーメンを食べており、美味なるものは何度も繰り返し食べたくなるものだと感じた。その後、蔵王の中腹に向かって行ったが、道路が見えないほどの白銀の世界だった。

 

 

 結局、その日、東京に戻ったのは夜の9時半を過ぎていた。私は翌日、早朝から北陸の取材があったので、銀座の安ホテルで宿泊した。コロナ禍の銀座の夜の街は寂しかった。

 

 翌朝、東京駅まで銀座通りを歩いた。祝日の早朝だったこともあり、銀座通りを歩く人はほぼいなかった。道路にクルマも走っていなかった。そこで私が感じたのは、街の清潔さだった。その理由はすぐに見つかった。銀座の街には、ゴミ一つ落ちていなかった。これは、比喩的に言っているのではない。1㌔ほどの銀座通りを歩いたが「ゴミは一つも落ちていなかった」のだ。こんな街は世界中のどこかほかにあるのだろうか。銀座の底力を見た気がした。

 

 

 マクドナルドでコーヒーのMサイズを買って、空席だらけの北陸新幹線に乗った。妙高や富山辺りでホワイトアウトに遭遇した。新幹線の窓からは何一つ見ることができなかった。視界が開け始めた金沢駅近くの民家も大雪で、トラックの真ん中まで雪が積もっている風景が広がった。「春の前の最後の寒波なのかもしれない」と思った。

 

 

 この取材の旅の間、ロシアのウクライナへの軍事侵攻が迫っていた。まさに”侵攻前夜”というべき時期で、刻一刻変化する情勢が気になり、スマートフォンで情勢を気にしていた。

 

 24日にロシア軍の前世紀的な侵攻が始まり、原稿を書いている現在も首都キエフをはじめ、ウクライナ全土で激戦が続いており今後の行方は見通せない。 

 

 胸が塞がり、さまざまな思いもあるが、ただ、強く思うのは、SNS時代には、閉ざされた社会で強権を振るう独裁者が思うよりもずっと、民衆の力が強いということ。そして、「自分の運命(安全)は、他者の善意に委ねたくはない」ということだ。

 

(編集長・増田 剛)

当期6億2400万円の黒字 売上高は12%増の1080億円に 日旅連結21年12月期

2022年2月28日(月) 配信

日本旅行はこのほど、2021年12月期連結決算を報告した

 

 日本旅行(小谷野悦光社長)が2月25日(金)に発表した2021年12月期の決算によると、連結売上高は前年同期比12・2%増の1080億8400万円を計上した。営業損失は4億円(前年同期は1126億2000万円の損失)だったが、経常利益は19億1800万円(同93億6200万円の損失)、当期純利益は6億2400万円(同127億9100万円の損失)と黒字に転じた。

 

 新型コロナ感染症の感染拡大や、緊急事態宣言・まん延防止等重要措置の実施で旅行需要が低迷していたが、20年10月からの行動制限解除をきっかけに人流が回復。旅行需要も一部回復したものの、インバウンド再開の目途が立たないことから、「旅行市場全体としては極めて厳しい状況に晒された」(同社)と振り返った。

 このなかで、同社は20年3月には発表した「中期経営計画見直しの方向性」に基づき、ビジネスモデルの変革や、運営体制・コスト構造の見直しになど、抜本的構造改革に取り組んだ。

 法人営業では、事業構造の転換を目指した非旅行分野の取り扱い拡大や、大規模センターを含めた各エリアの新型コロナワクチン接種関連事業を取り扱うなどの事業に着手。個人旅行営業では、店頭営業の縮小や、Web販売の徹底強化を推進するほか、Z世代を中心とした若者層への旅行需要喚起を強化するため、合弁会社のミタイトラベル(舩渡川崇社長、東京都豊島区)を昨年10月に設立した。

 部門別では、「赤い風船」でJRセットプランを中心としたWeb専用商品を強化した。SDGs関連のプランや、自治体の需要喚起策との連動商品「居住地限定割引プラン」の展開に取り組んだ。

 しかし、20年初頭から続いた新型コロナによる需要低迷で、赤い風船の売上高は前年同月比49・2%減の253億3600万円を計上した。

 団体旅行では、Webを活用したハイブリッド型会議や学術学会など新たな取り組みを推進。SDGsをテーマとした高校生向け教育プログラム「サステナブル・ブランド国際会議Student Ambassador Program」を展開した。結果、国内団体の売上高は同59・6%増の294億3200万円となった。

 海外旅行では、渡航制限があるなかで、一部の業務性需要のみを取り扱い、売上高は同93・9%減の5億9300万円となった。国際旅行では、東京オリンビック・パラリンピック開催に伴う一部の取り扱い以外は、新型コロナ流行により厳しい状況となった。売上高は、同73・7%減の9億4300万円。

 なお、22年12月期の連結業績予想は、新型コロナの終息時期が予測不能であることから経営への影響を見極めることが困難であるため、現時点では未定とした。

はとバス 3月19日から「東京さくら回廊」の運行を開始 2階建てオープンバスでお花見へ

2022年2月28日(月) 配信

2階建てオープンバスからの景色

 はとバス(塩見清仁社長、東京都大田区)は3月19日(土)から4月3日(日)まで、半日バスツアー「東京さくら回廊」を運行する。

 2階建てオープンバスで千鳥ヶ淵や靖國神社など東京の桜名所を巡り、車内から桜を愛でる、同社の春の人気コース。ツアー時間は1時間で、料金は大人2100円。なお、新型コロナウイルス感染症の状況により内容などが変更になる場合もある。

 同ツアーでは、昨年4月3日にデビューした新型2階建てオープントップバス「エクリプス ジェミニ 3」も使用する。

エクリプス ジェミニ 3

 同車両は、イギリスの「Bamford Bus Company 」と開発した日本仕様のオープントップバス。雨天時対策の「幌」をコンパクトにたためるようにし、視界を確保。従来のオープントップバスでは2階前方中央にあったガイド席を最後列にすることで、バス正面の景色も楽しめるようにした。

 新型コロナウイルス感染症の影響で減少している訪日外国人旅行者の需要回復に備え、従来の2階建てオープントップバスに搭載している多言語自動ガイドシステムも搭載した。

 バスの走行に合わせリアルタイムで観光案内をするもので、英語や中国語、フランス語など8カ国の言語に対応。貸与される端末にはイラストでルート地図が表示され、バスがどこを走行しているかも一目でわかるようになっている。

 「エクリプス ジェミニ3」の導入は、日本で初めて。昨年11月には、北アイルランド開発庁日本事務所の主催で、同車のメディア向け撮影会が行われた。

健康で幸せな人生を 感動を生み続ける「カラダ風水」

2022年2月28日(月) 配信

銀座Natural-therapy/ruyi銀座サロン

 (一社)国際・風水協会正規認定店「ruyi銀座サロン」は、銀座で愛されて25年、経絡リンパマッサージの第一人者・渡辺佳子さんがプロデュースする「銀座Natural therapy」とのコラボレーションサロン。

 国家資格(針・灸・按摩・指圧・マッサージ)とそれらの教員資格を有するプロフェッショナルが施術に当たる。単なるリラクゼーションではなく、東洋医学と西洋医学に基づいた治療レベルの高い技術とアドバイスには定評がある。

 同サロンは風水設計に基づき、インテリアや気=エネルギーの流れが整えられ、居心地の良い空間づくりがなされている。

ヒーリングカットクリスタル®を用いた、スペシャルな施術「カラダ風水」

 世界中で同サロンだけで受けられる「ヒーリングカットクリスタル®」という唯一無二のパワーストーンを用いたスペシャルな施術「カラダ風水」は「右肩が上がらない」「原因不明の痛み」など、さまざまな悩みに対して、その場での軽減・緩和を患者自らが体感し、絶大な支持を得ている。

【健康と運は直結している!】【身体と住まいやオフィスなどの物件は互換している!】

 これがカラダ風水の存在意義というだけあり、来院者のほとんど全員が受けているのが物件の風水鑑定と「中国皇帝の運勢診断」。自身が生まれながらにして持つ運のDNA、即ち社会性や財運、ビジネス運、これから先の運の動静などがわかり、決断のタイミングや人事の配置、今後の身の振り方などに有効活用されている。

 誰でも参加できる「カラダ風水特別講座」では、健康と運の関係、住まいへの幸運の招き方が学べ、ヒーリングカットクリスタル®を使ったセルフケアの実践など、すぐに役立つ体験型の講座が好評。国際・風水協会と経絡リンパマッサージ協会の両社団法人の認定資格講座「カラダ風水師・クリスタルセラピスト」にも注力し、年々受講者が増えている。

 問い合わせ=☎070(3194)1680。

オリパラで訪日意欲が向上 大阪・関西万博への期待高まる(観光庁長官会見)

2022年2月28日(月) 配信

観光庁の和田浩一長官は2月23日(水)、会見を開いた

 観光庁の和田浩一長官は2月23日(水)に会見を開いた。日本政府観光局(JNTO)が東京オリンピック・パラリンピック前後に行った訪日プロモの効果を受け、「2025年の万博が世界から注目されており、日本の魅力や訪日意欲を喚起できる絶好の機会」考えを示した。「万博をきっかけに訪日した旅行者に、日本全国を旅行してもらい、効果が全国へ波及していくよう広報に力を入れる」と意気込んだ。

 

 JNTOが1月26日(水)に発表した会見によると、東京オリ・パラを契機としたプロモーションやSNS(交流サイト)投稿、報道などを通じて、将来の訪日意欲が新たに向上したという結果が得られた。海外居住者向けアンケートに回答した推計3億9000万人のうち、70%以上が「訪日意欲が高まった」とし、CM視聴者の40%が次の海外旅行は「日本を予約検討する」と回答した。

 また、大阪・関西万博への関心が高いという調査結果が得られたことから、和田長官は「世界から注目されている大型イベントとして、プロモを打つのは非常に効果的。万博を機に日本を訪れた外国人旅行者には関西のみならず、日本全国を旅してもらいたい」と期待を語った。

 政府は3月以降の水際対策の見直しについて、外国人の新規入国をビジネス目的や留学生を対象に認めることとし、待機日数の短縮や、1日の入国者数を引き上げるなど水際対策の緩和を発表した。一方で、観光目的の入国は対象外となった。

 岸田文雄首相が2月17日(木)の会見で発言した通り、「国内外の感染状況や主要国の水際対策の状況、日本の検疫体制の実施状況などを勘案する必要がある」として、和田長官は、「外国人の入国全体を政府で議論するなかで、観光目的の訪日は次に検討する重要課題だ」とした。

 オミクロン株の感染拡大により実施が延期されている訪日モニターツアーに関しても、関係省庁と連携しながら議論と検討を進めていく考え。

 

需要喚起策は停止中、特例措置の延長も

 新型コロナ感染症の感染拡大が全国的に広がっている現状で、地域観光事業支援(県民割)や新たなGo Toトラベル事業などの観光需要喚起策は停止している。

 再開時期について、和田長官は「事業者と旅行者双方の安全・安心が大前提。感染状況が落ち着いていることが再開の条件となるため、準備を勧めながら適切な時期を来るのを待っている状態」とした。「昨年11月に県民割の隣県拡大や、地域ブロックへ拡大していく考えを示したが、今後変更が必要だと判断した場合には柔軟かつ適切に対応していく」考えだ。

 また、こういった観光需要喚起策が打てないなかで、雇用調整助成金は観光関連事業者の命綱だとし、「特例措置の期間延長は重要。関係省庁に事業者の声を届け、連携を深めていく」と話した。

奈良県の魅力を発信 まほろば館で事業PRイベント開催へ

2022年2月28日(月) 配信

新橋の奈良まほろば館で奈良県商工会連合会がイベント

 奈良県商工会連合会は、3月19日(土)~21日(月・祝)の3日間、東京・新橋の奈良まほろば館で、「アフターコロナに向けた『奈良まほろば館』事業PRイベント」を開く。コロナ禍で移動が難しい今、少しでも奈良の雰囲気や良さを感じてもらいたいと奈良県産のモノや、新規事業を取りそろえて紹介する。

 その場で購入できる商品としては、吉谷木工所が手掛ける吉野ひのきを使用した手作り三宝や、チアフルの奈良吉野ひのきや大和当帰葉を使用した風呂用ハーブ、靴下のまち・広陵町でヤマヤが製造する靴下など。また、食品は奈良食品が伝統製法でつくる国産はるさめと、西岡農園の「ドライ柿」を販売する。

 このほか、新規事業として県北東部の宇陀市榛原八滝地区に、5月に開業予定の古民家農泊施設「やたきや」を紹介する。また、2019年7月にオープンした1日1組限定、2人までの宿「森のオーベルジュ星咲~きらら」の魅力なども訴求する。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(205)」地域を拓く文化観光 (新潟県十日町市)

2022年2月27日(日)配信

十日町の奇祭 婿投げ(松之山温泉)

 文化資源の活用にとって、2016年に政府が策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」は大きな転機となった。これを機に、日本遺産制度の創設、文化財保護法改正に伴う文化財保存活用地域計画の策定(2018年)、さらには文化観光推進法の制定(2020年)など、その後の文化政策の大きな流れが定着した。

 もとより、こうした流れには紆余曲折もあった。文化遺産保護に関わる国際組織であるICOMOS(国際記念物遺跡会議)は、「文化的観光の憲章」(1976年)で、観光活動などの急速な進展と開発により、遺産の保護と保全が達成されないことに危惧を表明した。これは今日のオーバーツーリズムに対する初期の警鐘でもあった。

 しかし、時代は大きく転換。1999年に示された国際文化観光憲章では、観光と文化(遺産保護)を対立的に捉えるのではなく、良好な関係を築きながら相乗的な効果を生み出していく「共生的観点」の重要性を提唱した。

 冒頭の「明日の日本を支える観光ビジョン」も、こうした大きな国際世論の中で生まれたものである。今では、文化資源を適切な投資によって社会的便益の極大化を目指すといった、「文化投資」の考え方が主流になっているように思われる。

 近年、日本の各地でも、これらの趣旨に沿った動きが加速している。

文化が経済を産む時代(シンポジウム風景)

 本年1月半ば、新潟県十日町市で開催された日本遺産シンポジウムには、同じく文化資源の活用に力を入れる石川県小松市(日本遺産・珠玉と歩む物語)と、福井県小浜市(同・海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群)からもゲストスピーカーとして参加いただいた。テーマは、まさに「地域を拓く文化観光の推進に向けて」である。

 十日町市は、信濃川流域に集中する火焔型土器をテーマにした流域6市町による「なんだ、コレは!」のシリアル型日本遺産(2016年)に加えて、「究極の雪国とおかまち」という単独の日本遺産認定(2020年)を受けている。

 しかも同年11月には、文化観光推進法の地域計画「とおかまちスノーカントリーミュージアム」も認定された。

 十日町では既に20数年にわたり、「大地の芸術祭」が開催されてきた。来年4月には、延期していた第9回大会を、会期を大幅に拡大して開催する。

 地域計画では、リニューアルした十日町博物館やまつだい雪国農耕文化財センター(農舞台)など5つの拠点施設を核に、日本遺産で描いたストーリーを核とした食や新しい泊、アクティビティー(体験)などを織り込んだ広域エリアの活用プログラムづくりに取り組んでいる。

 地域固有の文化財は、新たな地域創造の武器となる。これからは「文化が地域の未来を拓く」、そんな時代に大きな期待を寄せたい。

(日本観光振興協会総合研究所顧問 丁野 朗)

「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(2月号)」

2022年2月26日(土)配信

http://zoomjapon.info

特集&主な内容

 フランスのアングレームでは例年、1月末から2月に国際漫画祭が開催されています。本誌でもそのタイミングで日本の漫画に関する特集を組んでいます。ただ、今年の国際漫画祭は、オミクロン株の感染拡大が収まらないことなどもあり、予定を変更して3月の開催になりました。しかし本誌は例年通り漫画文化の特集をし、今年は生誕100年を迎えた水木しげるを取り上げました。既に本誌では何度も取り上げている漫画家ですが、今回は、水木しげるの人生に寄り添った人や場所を紹介しました。長女で水木プロダクションを取り仕切る原口尚子さん、そして「ガロ」の元編集長、高野慎三さんに独占インタビューをしています。そして水木一家が暮らした調布の街を訪れました。旅行ページでは、「みちのく潮風トレイル」を紹介しています。

〈フランスの様子〉今年は「スローツーリズム」軸に

フランス西部の地方新聞Ouest Franceのウェブサイトより。「2022冬のバカンス:フランス国民の予定は」。写真は2月4日、冬休みが始まった地方都市レンヌの駅のようす

 2月のフランスは3つの学区ゾーンごとに、順に2週間の冬休みを迎える。◆昨年は、新型コロナウイルスの感染対策のために全土一斉の冬休みになり、スキー場のリフトも営業禁止だったが、今年はほぼ制限がなく、コロナ以前のいつもの冬休みとなっているという。◆スキー場周辺などでの宿泊施設の予約数はコロナ以前に戻っているばかりか、それを上回っているところもあり、国鉄の予約数も既に2019年の水準まで戻り、さらに増え続けている。◆冬のバカンスと言えば、スキーが多いが、今年は大西洋岸も人気だという。コロナ禍を経て、やはり人気になっているのが、自然の中で過ごすことと、友人ではなく家族だけで過ごすバカンスの形だ。◆そして2022年のキーワードは、「スローツーリズム」だという。国もコロナ禍で打撃を受けた観光業界を支援するために、この「スローツーリズム」を、ポストコロナのフランスの新しい観光開発の軸とし、関連事業の支援をはじめた。国内旅行だけではなく、今後再開されるインバウンドでも、観光大国のフランスは「スローツーリズム」に力を入れるようだ。

ズーム・ジャポン日本窓口 
樫尾 岳-氏

フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旬刊旅行新聞 編集部〉

”美”をテーマに女性向けスキーツアーを企画 日本旅行×全日本スキー連盟

2022年2月25日(金) 配信

白馬東急ホテル(左)と白馬八方尾根スキー場

 日本旅行(小谷野悦光社長、東京都中央区)はこのほど、全日本スキー連盟と共同で企画した女性向けスキーツアーを売り出した。“美”をテーマに、美しい身体を作る食や温泉、美しく滑るスキーレッスンのほか、コーセー協力のもと、美しい肌を保つスキンケア講座などを盛り込んだ。

 今回の「SKI女子旅~極上スノーリゾートで【美】を求めて~」は、アクティブな女性をターゲットとした商品で、さまざまな角度から美を追求する。舞台は長野県・白馬村の白馬八方尾根スキー場。スキーを美しく滑るナショナルデモンストレーターの谷藤遥さんがレクチャーを行う。

 また、初日のスキー後には、ゲレンデの照り返しで日焼けした肌をケアする化粧品やスキンケア方法をコーセーのメイクアップアーティストが講義。実際に試供品を使用して、体験を行う。

 宿泊は白馬東急ホテルを用意。「美人の湯」として知られる白馬八方温泉が堪能できる。

 ツアーは3月12日(土)~13日(日)の1泊2日。料金は2人1室利用で1人5万6000円(税込)。