白糸の滝など2社が特別清算(山形県鶴岡市) 負債は2社合計で約7億7700万円(帝国データバンク調べ)

2022年6月6日(月) 配信

 ドライブインや飲食店を経営する「白糸の滝」(山形県鶴岡市)と、関係会社の「丸甚商事」(同所)は5月18日(水)、山形地裁鶴岡支部から特別清算開始命令を受けた。帝国データバンクによると、負債は2社合計で約7億7700万円。

 白糸の滝は1977(昭和52)年10月に創業、80(昭和55)年12月に法人改組。鶴岡市(旧・朝日村)の国道112号沿いでドライブインを経営するほか、山形市内で中華レストラン、地元ゴルフ場、観光施設内でレストランや土産物店の経営も行い、99年2月期には年間売上高約10億2000万円を計上していた。

 しかし、山形自動車道の整備により、国道112号の交通量が減少し、主力のドライブインの集客が低迷。2017年12月期(02年決算期変更)の年間売上高は約2億7500万円に落ち込み、赤字経営を余儀なくされていた。このため、事業再生スキームが策定され、18年10月に新会社「白糸の滝」(山形市)を設立。19年2月1日に会社分割により新会社へ事業を譲渡し、旧会社は21年12月31日に開いた株主総会の決議により解散していた。

 丸甚商事は1966(昭和41)年創業、翌67年5月法人改組。ドライブインと食堂を経営し、01円3月期には年間売上高約8億5800万円を計上していたが、東日本大震災などの影響で17年12月期の年間売上高は約3億2000万円に減少。白糸の滝と同様の措置となった。

 負債は17年12月期末時点で白糸の滝が約4億2800万円、丸甚商事が約3億4900万円、2社合計で約7億7700万円だが、「その後変動している可能性がある」(帝国データバンク)という。

 なお、2社が経営していたドライブイン、飲食店などは新会社のもと、通常通り営業している。

「花と秋田犬と歴史」に触れる約4㌔のウォーキング 6月18日 大館市でONSEN・ガストロノミーウォーキング

2022年6月6日(月)配信

ローズガーデン(外観)

 おおだて歩き実行委員会(秋田県大館市)は6月18日(土)、「ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 秋田犬の里おおだて」を開催する。

 5回目となる今回は、人気の「廃線コース」と「峠道コース」から「市内散策コース」に一新。「花と秋田犬と歴史」に触れる約4㌔のウォーキングを企画した。

バラソフト

 1種1本を基本としたサンプルガーデンとして約500種類のさまざまなバラが植栽されている「石田ローズガーデン」や、ローズガーデン内にある旧住宅を改装し今年4月にオープンした「石田ローズカフェ」、国の登録有形文化財「桜櫓館」、「秋田犬会館」など、さまざまな見どころを結ぶ。

 各ガストロノミーポイントでは、地元名菓や地酒、カフェスイーツ、旬の食材を使った料理など、バラエティーに富んだ大館市ならではの食を用意。ゴール後には無料入浴券を使い「大館東台温泉 東の湯」で1日の疲れを癒せる。

大館東台温泉 東の湯

 参加料金は大人・小人(小学生以上)ともに3000円、定員は100人。

「街のデッサン(254)」 ボブ・ディランは旅を続け、歌う、不条理と混迷の時に想うことは

2022年6月5日(日) 配信

若かりしボブ・ディランが歌う(1963年)

 科学技術が発達し、ITが人間の知能を超える未踏社会が到来している。それでも、宇宙とは何かを明らかにしたのはアインシュタインという超天才の頭脳であるし、生命はどう育まれてきたのか、どうして人間という種が生まれてきたのか、これもまたダーウィンの「種の起源」を起点とした叡智が明らかにしてきた。人類が直立歩行を獲得し脳ミソを増やし、他の星に在るかもしれない文明を凌駕していると想起できるのに、いま地球上の現実社会を見てみると不合理で不条理な事態に満ちている。

 他国の領土に理不尽に踏み込んで、演習にやってきたと思っていた兵士たちが何の理由も罪もない市民を砲撃しているのだ。いわれなき、大儀なき戦争が、その国の独裁者によって何の呵責もなく遂行されている。高度に組み上げられた叡智の中身はまさにスッカラカンで、良心も正義も善も、哲学も虚空である。

 私はかつて口ずさんでいた歌をいま再び何気なく歌っている。私が若かった時代にも戦争が行われていた。地球上の多くの人類、民族が平和を心の真底から願っていた時代だ。

 その歌とは、ボブ・ディランの「風に吹かれて」である。ボブ・ディランは別にゴリゴリの反戦家ではなかった。その時代に生きる人間として息苦しかったのだろうと思う。フォーク歌手としてスタートし、カントリー・ソングやロックに影響されながら、ごく普通の人間としての信条を歌い続けてきた。だから流行歌手でもない。

 私には、ボブ・ディランが「吟遊歌人」に思える。そうでなければノーベル賞など貰えなかっただろう。無論、貰う必要もなかったはずだ。日常的に歌詞を発想し、曲を創り、何歳になっても歌い続けることができればよかったのだ。齢がいっても旅(コンサート)を止めずにネヴァー・エンディング・ツアーと呼んでいるのはそのためである。

 しかし、世の中には理解不能な輩がいる。自国の経済が破綻しようと、長い歴史の中で築かれてきた文学や音楽、バレーなどの貴重な文化芸術財を崩壊させようと、国民の矜持を何百年先まで回復させることができなくても、戦争を仕掛け終えることのない輩である。

 ボブ・ディランは今でも旅をしながら歌っている。「戦争が無くなるまで、どれほど砲弾が飛び交えばよいのだろうか、その答えは風に吹かれている」と。そして、全世界の人々がいまやボブ・ディランの想いに同じく、風になって戦争を止めにいかなければならないと念じているのではあるまいか。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

 

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(137)お客様の動きの変化を捉えるおもてなし 視野を広く目配せを

2022年6月5日(日) 配信

 

 いつも多くの人が席待ちする、人気の店に行ったときです。フロアスタッフが忙しく働くようすを眺めていると、私の順番が来て店内に案内されました。

 感動体験をしたのは食事のあとのことです。薬を飲もうとポケットから取り出したとき、スタッフの1人が近寄り、スッと氷の入っていない水を差し出してくれたのです。

 オーダーを取って料理を運び、お茶のおかわりを勧めるなどの数々の忙しい業務のなかで、薬を飲もうとした私の動きをしっかり見て、対応してくれたのです。思わず振り返って見たスタッフの笑顔は、最幸のおもてなしでした。

 これまでは、食事中の追加オーダーも、スタッフを呼ぶために手を振ったり、声を張り上げたりするのが当たり前でした。

 多くのお客様がいる中で、大きな声を上げるのを、ためらわれるお店もあります。「まぁいいか」と、オーダーをあきらめた経験は、一度や二度ではありません。美味しい食事でも、それは非常に残念なことです。

 私がよく行くレストランに初めて行ったとき、飲み物を頼もうとメニューから顔を上げた途端に、遠くにいたスタッフがその動きに気付いて、さっと手を上げて来てくれました。

 「すぐに伺います」というサインですが、それまでのお店との違いに、うれしさを感じた瞬間でした。

 あとから聞いた話によると、その店ではフロア全体に目配せをして、お客様の動きに何か変化があると、何を望まれているのかを読み取ることに長けているスタッフを置いているということでした。

 食事中に席を立つお客様は、お手洗いや電話を掛ける目的で立ったのだと想像して、その場所を案内するために、近付いて声を掛けているということでした。

 さらに、2人連れのお客様であれば、席に残ったお客様の側に行って話し掛けるのです。少しの時間でも楽しくお過ごしいただくため、という心遣いによるものです。

 ふつうお店では、フロアを見渡すスタッフを特別に配置するのは難しいですが、スタッフ一人ひとりがお客様の動きを注視すれば、同じようなおもてなしができるようになるのではないのでしょうか。

 早く、丁寧に接客することやテーブルでの食事の説明といったことだけをスタッフに求めて、スタッフもその実行にだけ一生懸命になっていたら、本当のおもてなし行動が生まれることはないでしょう。

 食事の美味しさとは、心地よい時間を過ごすことで感じるものです。お客様をしっかりと観察すれば、まだまだおもてなしによる美味しい食事の提供は実現できるのです。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

 

観光庁、感染や省エネ対策補助 物価高騰で事業者支援

2022年6月4日(土) 配信

対象は旅行業や宿泊業、DMOなど

 観光庁は6月3日(金)から、環境に配慮した持続可能な周遊観光促進事業の補助金交付の申請を受け付けている。観光事業者の感染や省エネ対策を支援し、コロナ禍や原油価格の上昇による物価高騰などの危機を乗り越えることができる強靱な観光の実現をはかる。国の予算の予備費から約90億円を計上した。

 同事業は4つのメニューを用意した。このうち、感染対策・環境対策に配慮した旅行の促進では、旅行業者を対象に環境に配慮したEV自動車などの交通の活用や、貸切バスの増台などニューノーマルへの対応をサポートする。補助率は2分の1で、上限は2000万円。

 宿泊施設・観光施設等における感染対策・省エネ対策の促進では、宿泊施設・観光施設などを対象に、省エネ型空調の導入など感染対策や省エネ対策を支援する。補助率は2分の1、1000万円を上限として補助する。

 地域が連携して実施する誘客・周遊を促すための仕掛けづくりの対象者は、地方公共団体と民間事業者。感染対策をはかりつつ、地域の関係者が連携して行う祭りやイベントなどの誘客を促す取り組みのほか、サイクルポートの導入など、環境に配慮したカタチで周遊を促す取組を支援する。補助率は2分の1。上限は300万円とした。

 地域の魅力発信の強化や周遊の促進に向けた研修は、地方公共団体とDMO、観光協会、民間事業者に向けて行う。地域の魅力発信の強化や周遊の促進のため、通訳案内士を講師とした研修の実施を支援する。補助率は定額。

「観光革命」地球規模の構造的変化(247) フラワーソンを楽しもう

2022年6月4日(土) 配信

 45年前にある禅僧の講話を新聞で知って、人生を考え直す機会があった。禅僧は「人知れず野辺に咲く、名も知らぬ1輪の花に心を奪われる時、人間は生きているのです」と講じた。当時32歳の私は道端の花を踏みにじることはあっても、花に心を奪われることがなかった。要するに私は「生きていない」ことを知ってショックを受けた。それ以来、野辺に咲く花にも目が向くようになった。

 今年6月に北海道で「フラワーソン」と呼ばれるイベントが開催される。フラワーソンは「フラワー・ウォッチング・マラソン」の略語。世界各地で「バードソン」というイベントが盛んに行われている。バードソンは「バード・ウォッチング・マラソン」の略で、一定時間内に何種類の野生の鳥を確認できるかを競い、確認した鳥の種類数に応じて寄附を行い、野鳥保護に役立てるイベントだ。

 フラワーソンはバードソンにヒントを得て、北海道で1997年から始められた日本発祥のイベント。北海道大学名誉教授の辻井達一氏の提唱で、北海道新聞野生生物基金設立5周年を記念してスタートし、その後も北海道新聞社が主催している。

 同イベントは5年毎に6月中旬の2日間を設定。全道各地で数多くの人々が参加して「どんな花が咲いているか」をグループ単位で調べるイベント。毎回フラワーソンの調査結果を詳細にまとめることによって、環境変化の実態を把握し、野生植物の保護や環境保護に貢献している。

 6回目の今回は6月18日(土)、19日(日)に開催され、北海道全域を約950地区に分けて、開花している植物を調査し記録していく。前回(17年)は約3千人が参加し、確認開花種数は1122種に及ぶ。フラワーソンは全道で一斉に実施され、子供を含めて誰でも参加が可能で、身近な自然に親しみ、環境変化を知ることによって環境保護に貢献する工夫がなされている点が高く評価されている。

 北海道はさまざまな花々を愛でる「フラワーツーリズム」に最も適した地域の1つだ。フラワーソンを通して北海道の野生植物の実態を調査・記録し、保護に係ることはフラワーツーリズムの振興につながっている。旅行業界もフラワーソンに参加・支援することによって、フラワーツーリズムのさらなる発展に寄与してもらいたい。

 

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その14-斎場御嶽と久高島(沖縄県)神的なものを感じる場所 琉球王国の聖地を訪ねる

2022年6月4日(土) 配信

 ちょうど1年前の2021年5月から、精神性の高い場所を求めて旅を始めた。たまたま、源頼朝の二所詣に以前から関心があり、頼朝の歩いた道をたどっていたが、今年1月からNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」がスタートし、三谷幸喜氏の筆によって登場人物が生き生きと描かれていることから、いつの間にかドラマと連動した旅をしていた。

 

 しかし、この連載はドラマの舞台をたどる旅ではない。あくまでも現代人が失いかけている精神性を取り戻す旅を目指していたはずだ。連載も1年が経過し、ここでまた初心に立ち戻って、精神性を追求していきたいと気持ちを新たにした。

 

 今回は、精神性の高い旅の頂点と言っても過言ではない斎場御嶽(せいふぁーうたき)を感じるために、沖縄へ飛んだ。

 御嶽とは、琉球王国の聖地である。御嶽は琉球の神が存在する場所であり、地域の祭祀においては中心となる施設である。沖縄本島を中心に今も各地に存在し、地域を守護する聖域として時代を超えて信仰されている。琉球神道では神に仕えるのは女性とされるため、琉球王国時代すべての御嶽は完全に男子禁制だった。現在でも一定区域までしか男性の進入を認めていない御嶽もある。

 

 そのような御嶽のなかでも、最高位に存する斎場御嶽は、琉球の最高神女である聞得大君(きこえおおきみ)の就任式「大新下り(おおあらおり)」が執り行われ、国の吉凶を占う儀式も行われた。ちなみに斎場とは最上という意味である。

 

 琉球の神話では、日の大神(天にある最高神)が開闢の神アマミキヨに命じて島作りをさせたとされている。アマミキヨはこの命を受け、久高島や沖縄本島などを作った。

斎場御嶽の信仰の拠点「三庫理」

 斎場御嶽の領域中にはイビと呼ばれる霊域が6カ所存在する。その中でも、三庫理(サングーイ)は2つの巨大な岩が絶妙なバランスで支え合っている見た目にも特徴的な場所である。この三角形の岩の隙間を抜けると、左手に神なる島である久高島が望める場所に至るのだが、現在はこの巨岩の間を通り抜けることは許されていない。

 

 近年、三庫理付近から勾玉が発見されたことから、この斎場御嶽が琉球王朝における重要な信仰の拠点であったことが明らかにされてきた。

 

 三庫理こそが、斎場御嶽のシンボル的存在であり、圧倒的な存在感で来訪者に語り掛けてくるのだが、そのほかの6カ所のイビも、それぞれ神的なものを感じる場所である。

 

 イビの1つであるシキヨダユルアマガヌビーとアマダユルアシカヌビーは、それぞれ上から伸びてきた鍾乳石からしたたる水を受ける壺である。その水は天から流れてくる霊水「御水(うびぃ)」と呼ばれ、2つの壺にたまった水量で聞得大君は吉兆を占ったり、儀式に使用したりした。

久高島の聖地フボー御嶽に至る道。これより先は行けません

 斎場御嶽からほど近い安座真港からフェリーで20分のところに久高島がある。この島こそ、開闢神アマミキヨが最初に降り立った地である。周囲8㌔の細長い島で、最高標高も17㍍と低い。久高島は現在でも異界ニライカナイにつながる聖地とされている。琉球王朝時代から「イザイホー」と呼ばれる男子禁制の秘祭が12年ごとに行われていたが、後継者不在のため1978年からは行われていない。

 

 男子禁制にも関わらず、「芸術は爆発だ」で有名な岡本太郎がこのイザイホーに潜入して、映像を現在に残している。

 

 その貴重な映像が8月21日まで日本橋高島屋の高島屋史料館TOKYOにて「まれびとと祝祭」として展示されている。まれびととは来訪神のことであり、異界から来訪し、現世を祓ってまたもとの世界に帰っていく、それに新型コロナウイルスを重ね合わせることもできるのではないだろうか。恐るべし、岡本太郎。

 

旅人・執筆 島川 崇
神奈川大学国際日本学部国際文化交流学科教授。2019年「精神性の高い観光研究部会」創設メンバーの1人。

 

野村不動産とJR東日本、新しい働き方提案 芝浦プロジェクト詳細発表

2022年6月3日(金)配信

左からJR東日本の喜㔟陽一副社長、野村不動産HDの沓掛英二社長、松尾大作副社長

 野村不動産(松尾大作社長)と東日本旅客鉄道(JR東日本、深澤祐二社長)は5月23日(月)、共同で推進している国家戦略特別区域計画の特定事業である「芝浦プロジェクト」の計画詳細を発表した。同プロジェクトによって、都心の利便性と、眼前に広がる空と海を有する芝浦エリアならではの立地を生かし、「空と海、世界へひらかれたこの街で、新しい人と社会の未来をつくりだす」ことを目指す。

 同プロジェクトは、東京都港区の浜松町ビルディング(東芝ビルディング)の建て替え事業として、ツインタワーを建設する。区域面積約4.7ヘクタール、高さ約235メートル、延床面積約55万平方メートルのオフィス・ホテル・商業施設・住宅を含む、約10年間に及ぶ大規模複合開発。設計者に世界的建築家・槇文彦氏を迎え、東京湾岸部の新たなシンボルとして、国際ビジネス・観光拠点を目指す。

芝浦プロジェクト外観イメージ

 ツインタワーのS棟は2025年2月、N棟は30年度竣工予定。階数はS棟が地上43階、N棟が地上45階、いずれも地下3階建ての高さ約235メートルとなる。S棟の上層部にホテルとオフィス、N棟には住宅とオフィスのフロアを設け、両棟がつながる下層部に商業施設などを構成している。

用途構成

 オフィスフロアから眼前に空と海が広がり、タワーの足元に広がる芝浦運河と、旧芝離宮恩賜庭園から続く緑など自然を身近に感じられる。プロジェクトでは、都市の利便性と眼前に広がる空と海を有する芝浦エリアならではの立地を生かす。

 その一環として、東京での新しい働き方「TOKYO WORKation(トウキョウ ワーケーション)」を提案する。周辺環境を生かしたウェルビーイングなオフィス専有部や、快適に過ごせる共用部を設定。加えて、施設内のホテルや商業施設、さらに徒歩圏内のさまざまなスポットなどから、好みに合ったワークプレイスを選べる就業環境を用意する。

 さらに、地上約138メートル(28階)に位置するワーカー専用の「スカイラウンジ」も設け、働く人のパフォーマンスや従業員エンゲージメント向上につなげる計画とした。

ホテル「フェアモント」、S棟上層に25年度開業

浜松町ビルディングから撮影した建設中のS棟(5月23日現在)

 S棟の上層階には、フランスのアコーグループが手掛けるラグジュアリーホテルブランド「フェアモント」が日本へ初進出。ホテル名称を「フェアモント東京」として25年度に開業する。地域の歴史や文化に根差したゲスト体験を届け、ワーカーに対するサービス提供も検討。「TOKYO WORKation」の一翼を担う見込みだ。

 スイートを含む全219室の客室、3つのレストランとバー、スパ、フィットネスセンターなどを備える。

 同日に東京都内で行われた記者会見で、野村不動産ホールディングス社長兼グループCEOの沓掛英二氏は「東京湾岸部における最大規模の再開発。浜松町エリアは芝浦プロジェクトにより、日本を代表して世界へ発信できるまちに成長し続けると確信している」と力を込める。周辺の「ウォーターズ竹芝、東京ポートシティ竹芝、浜松町駅西口地区開発計画などとも連携し、浜松町エリア全体の活性化をはかる」と述べた。

 なお同日、事業主体の1つである野村不動産をはじめとする野村不動産グループ各社の本社を、25年2月に竣工を予定するS棟に移転するとあわせて発表した。

ランドーナージャパンほか関連1社破産 負債は計48億円(東京商工リサーチ)

2022年6月3日(金) 配信

ランドーナージャパンと関連1社は5月31日(火)に事業を停止した

 ランドーナージャパン(長谷川雅機社長、愛知県名古屋市、資本金1億円)と、関連のランドーナージャパン京都マネジメント(荒川麻里社長、京都府京都市、資本金8000万円)は5月31日(火)に事業を停止し、破産手続きを岩田香織弁護士(辻巻総合法律事務所、愛知県名古屋市)に一任した。

 負債は、ランドーナージャパンが約26億円、ランドーナージャパン京都マネジメントが約22億円で、2社合計約48億円。

 同社は、ベストウエスタンホテルの日本支部開発運営会社としてライセンスを取得し、岐阜県高山市と長崎県長崎市、青森県弘前市の3カ所でホテルを運営していた。2010年9月期には売上高約28億円を計上していた。

 高山マネジメント(岐阜県高山市)とランドーナージャパン長崎マネジメント(長崎県長崎市)などにホテル運営を任せ、家賃収入や経営指導料などを得ていた。

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で宿泊客が大きく減少し、高山マネジメントとランドーナージャパン長崎マネジメントが経営難となり、同社の資金繰りもひっ迫した。21年9月期は売上高が6億5401万円に落ち込んだうえ、4億8575万円の赤字を計上し、先行きの見通しが立たなくなった。

 ランドーナージャパン京都マネジメントは、京都市でザ・ホテル京都パレスを運営していた。集客が低迷したためホテル運営からの撤退をはかったが、多額の違約金の発生もあり、今回の措置となった。

今夏「家族旅行したい」 約8割の旅行意欲高(楽天LIFULL STAY)

2022年6月3日(金) 配信

楽天LIFULL STAYはこのほど、夏の家族旅行に関するアンケートを行った

 楽天グループの民泊事業会社である楽天LIFULL STAY(太田宗克代表取締役)はこのほど、「楽天ママ割」に加入するメンバーを対象に、夏の家族旅行に関するアンケートを行った。この結果、79・8%が今夏は「家族旅行をしたい」と回答した。調査は5月20(金)~21日(土)の期間中に集まった回答をもとに集計した。回答数は1000人。

 「楽天ママ割」は、出産予定日または子供の誕生日を登録すると楽天グループで使えるクーポンや特典が受けられる、妊娠中や子育て中の人が対象の無料プログラム。

 約8割のメンバーが家族旅行への意向が高いことが分かったが、このうち既に家族旅行の予定が決まっているのは13・0%、決まっていないと回答したのが66・8%となった。また、昨年の夏の家族旅行を「した」と答えたのが21・1%に留まった。

 目的地について、どれくらい遠くへ行きたいかという質問については、「居住地と同じ地域ブロック」が36・0%と最多に。次いで、「居住地の隣県」(25・4%)、「居住地と同じ都道府県内」(18・5%)と、居住地近郊への旅行を望む回答が、合計で79・9%を占めた。

 都道府県別では、1位が北海道(10・3%)、2位が沖縄県(7・5%)、3位千葉県(5・3%)、4位静岡県(5・1%)、5位兵庫県(4・9%)──となった。人気のリゾート地や大都市から近いエリアの人気が高かった。

 宿泊施設に求めるものを聞いたところ、「貸切風呂や家族風呂がある」が51・3%と過半数を占めた。次いで、「部屋で食事ができる」(40・6%)や、「部屋が広い」(37・8%)など、プライベートな空間や広い客室で寛げる旅行を求める傾向が見られた。