日本バス協会、人手不足に支援を 清水会長「バスは最後の砦」

2024年1月29日(月) 配信

日本バス協会の清水一郎会長

 日本バス協会(会長=清水一郎・伊予鉄グループ社長)は1月18日(木)、東京都千代田区の経団連会館で通常理事会を開いた。4月から施行となる時間外労働の上限規制などが厳格化される「2024年問題」が間近に迫っている。運転者などの待遇改善に努めつつも、一層深刻化する見通しの人手不足について改善に向けた方針を示した。

 冒頭で清水会長は、①賃上げのための定期的な運賃改定②外国人運転者制度③地域ブロック平均単価からの改善成果④EV(電気自動車)バスの導入⑤キャッシュレス化の推進⑥自動運転の本格化――などを言及。国に実現に向けた支援を求めた。

 とくに、賃上げのための定期的な運賃改定に関しては、「人材確保のための賃上げにも原資がいる」と説明。今までの運賃改定について「色んな制約条件があり、各都道府県の全産業平均でなければいけなかった。平均で集まらないから、人が集まらない。人件費の換算の仕方も改める方向で国に検討をお願いしている」と報告した。

 また、実証実験から本格的な運用に至っていない自動運転に関して、清水会長は「人手不足の解決に本当につながるのかという問題意識を持っている」と指摘。24年を「自動運転の本格化元年」と宣言し、スタートの年にしたいと語った。

 清水会長は「バスは公共交通の最後の砦といわれるが、民間会社としてできることには限りがある。我われが何とか踏ん張っていくためにも、国にもしっかり支援をしてほしいと訴えていきたい」と強調した。

AirJapan、4月26日からシンガポールに就航 3路線目発表

2024年1月29日(月) 配信

全3路線の予約を受付中

 エアージャパン(峯口秀喜社長)はこのほど、新ブランド「AirJapan」で4月26日(金)から成田―シンガポール線を新規就航すると発表した。週5便の運航で、すでに予約を受け付けている。片道運賃は最低1万7500円から。同社は2月9日(金)から成田―バンコク線、2月22日(木)からは成田―ソウル線の就航を予定しており、春からは全3路線となる。

 シンガポールは豊富な観光資源を有するほか、グローバルな経済拠点でビジネス需要も多い。シンガポールのチャンギ国際空港は東南アジア有数のハブ空港でもあり、各東南アジア地域へのアクセスもいいことから幅広い利用を見込む。

 今回の路線開設は4月に予定している2機目の航空機受領に伴うもの。また、2機目の受領により、ソウル線は4月29日から、バンコク線は4月30日から毎日運航に増便する。

チェコ親善アンバサダーの新規メンバー募集 2月18日まで

2024年1月29日(月) 配信

チェコ好きな人求む

 チェコ政府観光局は2月18日(日)まで、「チェコ親善アンバサダープログラム2024」の新規メンバーを募集している。チェコを積極的にPRしているインフルエンサーから、チェコが好きな人まで幅広く応募できる。1度はチェコに行ったことがある人が対象。

 同プログラムは2018年に50人のアンバサダーとともにスタート。23年からはチェコのPRを積極的に行っているインフルエンサーやメンバーを中心とした「チェコ公認 チェコ親善アンバサダー」と、チェコに興味のある人を対象にした「チェコ政府観光局公認 チェコ応援サポーター」の2カテゴリーを設けて約60人と活動しているという。

 同観光局はメンバーについて、「時にはコンサルタントとして、時にはイベントを手伝っていただくサポーターとして仲間であり宝物」とし、「チェコが好き、チェコの魅力を沢山の人に伝えたい、チェコのことをもっと知りたい!そんな思いをお持ちの皆様のご応募をお待ちしております」と呼び掛けている。

 応募はキャンペーンサイトから。カテゴリーを選んで指定のフォームに入力する。

尾瀬岩鞍でスノーボード最新モデルを試乗 ビッグホリデーがイベント参加ツアー

2024年1月29日(月) 配信

3月15か16日出発の1泊2日ツアー

 ビッグホリデー(岩崎安利社長、東京都文京区)はこのほど、国内最大規模のスノーボード最新モデル試乗会に参加する「2024 SBJ ON SNOW FESTIVAL in尾瀬岩鞍ツアー」を売り出した。今年はプロスノーボーダーの藤沼到氏がアテンドし、希望者は一緒に滑ることもできる。

 「SBJ ON SNOW FESTIVAL」は日本スノーボード産業振興会が主催する人気のイベントで、スノーボードやブーツ、ウェア、ゴーグルなど国内外で人気の約80ブランドの最新モデルを一挙に試せる。尾瀬岩鞍(群馬県・片品村)では3月15~17日まで開催する。なお、西日本エリアでは3月1~3日に岐阜県のめいほうスノーリゾートで開かれる。

 ツアー参加者はイベントに通常よりも30分早く受付可能なほか、藤沼氏のアテンドで各メーカーを訪問できる。ツアーにはイベント参加券や滞在中のリフト券が付く。宿泊はゲレンデサイドの岩鞍ハウス。日程は3月15~16日か3月16~17日の1泊2日。料金例は3月15日出発、1人1室利用で2万4500円。

「提言!これからの日本観光」 〝観光情報〟を生かして

2024年1月28日(日) 配信

 京都・鎌倉など主な観光都市が春や秋など観光シーズンの観光客の混雑が目立ち公共交通機関の利用難が、市民の日常の暮らしにも影響を与え、「観光公害」の到来といわれるほどだ。

 「観光客」は当然のことながら、春と秋の週末、それも昼間に集中。その時期の主な観光都市の観光客数は年間平均の数倍に達することも稀ではない。

 各交通機関は年間の平均客数を念頭に輸送力をつけているから、当然シーズンには混雑が目立ち、逆にオフシーズンには輸送力のムダが目立つ。需要の波動にはいかに効率的に輸送力を配分するかが、交通機関の大きい経営課題とされる所以である。

 京都や奈良などの大国際観光都市では波動の大きさがとくに目立ちシーズンには、公共交通機関の異常な混雑が常態化して、観光効果を減退させている。逆にオフシーズンには利用効率の低い、交通機関となり、経営上の過負荷にさえ、なりつつある。

 観光交通機関の効率化と混雑緩和は、この観光客の季節時間などの波動をいかに平準化できるかにかかっているといっても過言でない。しかも、この波動平準化のための努力は急を要すると思う。京都が以前、試みて好評を得た「冬の京都」「夏の京都」観光キャンペーンは、このような観光客の動きを逆手にとってオフシーズンの観光地の魅力を開発し得て、「ゆとりのある混まない観光」を目指してそれなりの効果を収めた。

 即ち、オフジーズンには「秘仏の公開」など観光客にとって魅力的な観光イベントを集中的に展開することなどであった。さらに、京都特有の竹林の冬季夜間照明が評判になったのも、この努力の効果だった。そして、京都を“通年観光地”をすることすることにつながったと思う。しかし、時間的な波動は依然として残り、観光地の混雑は全体として解消には至っていない。閑散時間帯へ「真夏の昼間」「真冬の夜間」などいわば新しい「観光時間」の開発が求められているのが現状である。

 このためのカギを握るのは「観光情報」の適時適切な発信であると確信する。それも観光地(いわば着地)発の生の観光情報がそれである。

 観光客は東京や大阪など観光客の居住地(発地)目線に立って、取材されたガイドブックなどの情報を基に観光に出掛けるケースが多いが、この情報源を着地にそれも年間を通じての観光魅力の発信に求める必要もある。

 基礎的な情報もさることながら、季節ごとの観光地の混雑状況も念頭に置き人出を極力平準化(通年化)させるような、きめ細かい動的観光情報の発信(それも観光地発の情報)が必要なのではなかろうか。観光効果は混雑のない観光によってこそ、より大きいものが得られると思う。

 

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(228)」匠土産と産業観光(愛知県名古屋市)

2024年1月27日(土) 配信

伝統工芸「黒紋付染」「有松・鳴海絞」「友禅」の特長を生かした「家康の旅道具」

 産業観光とは「歴史的・文化的に価値ある工場や機械などの産業文化財や産業製品を通じて、ものづくりの心にふれることを目的とした観光」と定義される。もちろん、昔の工場跡や産業遺構(heritage)なども産業観光の重要な要素である。

 だが、このなかで、見落としがちなのが「産業製品」である。産業の成果物としての「製品」は、これ自体が誠に魅力的であり、観光の目的になる。

 「産業観光」発祥の地とも言われる名古屋市では、日本観光振興協会中部支部が毎年、中部圏の各地で「産業観光フォーラム」を開催している。今年は、12月中旬におひざ元の名古屋市でフォーラムを開催した。テーマは、名古屋商工会議所が手掛ける「匠土産」である。

 名古屋商工会議所は2016年から、モノづくりの技術を新たな土産品の開発に生かす「匠土産」づくりの事業に取り組んでいる。市内のモノづくり企業を対象に、コンテスト形式で土産品のアイデアを募集し、選んだアイデアの試作品開発、市場調査、販路開拓を支援して商品化を目指す、という事業である。

 名古屋・愛知県といえば、トヨタ自動車に代表される自動車産業など、組立加工産業が集積するが、尾張七宝や有松・鳴海絞をはじめ、中部人形節句品、木桶、桐箪笥、扇子、提灯、友禅(手描友禅)、名古屋黒紋付染、和蝋燭、仏壇・仏具など、数多くの伝統工芸品がある。これらの産業には「匠」と呼ばれる優れた職人とその手業がある。自動車や工作機械を世界トップクラスの地位に押し上げた力の源泉のひとつは、こうした戦前から続くモノづくりの技術にほかならない。

 「匠土産」がターゲットとしているのは、内外からの観光客である。自社のモノづくり技術を活用した製品であること、価格は土産に手頃な概ね3万円以下であることなどが応募条件となっている。今年の「匠土産」には、神具の「三宝」の伝統的加工技術を活かしたボトルクーラー「SANBOUボトルクーラー」や、ギター装飾に用いられる寄木細工の技術を使用した「名古屋木象嵌手鏡」、名古屋の3種の染物の伝統工芸により製作された手ぬぐいのセット「家康の旅道具」など、伝統の技を新たなものづくりに生かす、いわば「未来工芸品」のような作品が出そろった。これらは、既に松坂屋名古屋店での販売も始まっている。

フォーラム会場に出展された作品

 当日のフォーラムには、岐阜長良川流域で和傘などの伝統工芸品の再生を観光まちづくりに活用するNPO法人ORGANの蒲勇介理事長などの講座もあった。私も、こうした産業と伝統工芸などの文化の物語をどのように生かすのかといったお話をさせて頂いた。

 産業の使命は、常に変化する時代のニーズを踏まえ、伝統をどのように革新するかである。その考え方や手法は、まさにマンネリ化しやすい観光のリノベーションと同じ発想であろう。

(観光未来プランナー 丁野 朗)

JNTO、23年度国際会議誘致・開催貢献賞を発表 6件の国際会議を選出、表彰式は2月15日(木)

2024年1月26日(金) 配信

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 日本政府観光局(JNTO)はこのほど、2023年度「国際会議誘致・開催貢献賞」の受賞会議を発表した。「誘致の部」「開催の部」各3件で、合計6件の国際会議を選出した。

 22年4月1日(金)~23年3月31日(金)に誘致決定または日本で開催された、参加者総数50人以上、参加者の国籍が日本を含む3カ国以上、開催期間が1日以上の国際会議が対象となった。

 地域・学会など関係者との連携や、若手育成、SDGsへの対応、円滑なハイブリッド開催など、ほかの地域でも参考になる優れた取り組みが選ばれた。

 表彰式は2月15日(木)、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で行われる。

 受賞会議は次の通り。

誘致の部

第29回高圧力科学と技術に関する国際会議(25年開催予定、愛媛県松山市)

2025年フォトニクス・電磁波工学研究に関するシンポジウム(25年開催予定、千葉県千葉市)

第16回アジア・オセアニア耳鼻咽喉科・頭頸部外科会議(27年開催予定、京都府京都市)

開催の部

第29回国際高血圧学会(22年開催、京都府京都市、参加者数2638人)

国際青年原子力会議2022(22年開催、福島県郡山市、参加者数300人)

第22回国際栄養学会議(22年開催、東京都、参加者数3734人)

世界22市場の訪日意欲 旅行目的に「ガストロノミー・美食」(JNTO調べ)

2024年1月26日(金) 配信

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 日本政府観光局(JNTO)はこのほど、世界22市場を対象とした国外旅行・訪日旅行に関する新たな調査結果を発表した。旅行目的や国外旅行先における行動の傾向、日本の地方エリアの認知度や訪問意向などをアンケートで調査し、回答を分析した。これによると、国外旅行の目的は「ガストロノミー・美食」が1位だった。

 調査は23年1~3月、世界22市場において、飛行機を利用したレジャー目的の国外旅行を2017~23年の間に経験した人を対象にオンラインアンケートを行った。

 今後行きたい旅行先として、東アジア・東南アジア地域では、10市場中9市場で日本が1位に。欧米豪・インド・中東地域でも、大半の市場で日本が上位5位以内になった。

 今後の訪日旅行で訪問したいエリアを聞くと、東京・大阪・京都などの大都市以外の地方エリアを選択した国外旅行者は、東アジア・東南アジア地域で8割以上となった。欧米豪・インド・中東地域では、大半の市場で5~7割程度だった。

 国外旅行の目的を聞くと、全22市場の合計では、「ガストロノミー・美食」が1位となった。次いで、「テーマパーク」「アート鑑賞」など。

 地域別にみると、東アジア地域では「ガストロノミー・美食」、東南アジアでは「庭園・花鑑賞」、欧米豪・インド・中東地域では「アート鑑賞」がそれぞれ首位となり、地域ごとに特色があった。

JTB、観光の未来見据え 海外・訪日旅行に重点を

2024年1月26日(金) 配信

山北栄二郎社長

 JTB(山北栄二郎社長)は1月11日(木)、事業パートナーを対象に「JTBグループ・ニューイヤー・パートナーシップ・ミーティング2024」を、東京都新宿区の京王プラザホテルで開いた。山北社長は今年のテーマを「未来から現在(いま)をつくる」とし、ツーリズム産業の発展に向けて同社が強化していく取り組みを語った。

 まずは海外旅行の完全復活に向けて、海外旅行の回復基調を捉えると同時に、回復そのものを後押しする。戦略としては富裕層、旅行高額消費層、ファミリー、カップルに重点を置き、それぞれに合わせた商品戦略を推進していく方針だ。具体的には、商品の付加価値創出や「お客様体験」を向上させるコンテンツの強化、店頭やWebで販売するダイナミックパッケージ商品の展開強化などを行っていく。

 訪日外国人旅行(インバウンド)では、今後回復が予想される中国人訪日客の取り込みをはかり、昨年10月にTrip.comグループと合弁会社「JTB Inbound Trip」を設立。Trip.comグループが有するグローバルな販売網とJTBの宿泊を中心とした仕入力をマッチングさせて、宿泊施設や観光施設などの販売網の拡大を見込む。

 あわせて、地方への回遊性創出を目的として、首都圏・関西圏以外を巡る新たな観光ルートの開発をはかり、都市部のオーバーツーリズム解消にも寄与したい考えだ。

 そして、インバウンドの高付加価値化として、①ガストロノミー②アドベンチャー③サステナビリティ④メディカル――の4つのテーマ性ツーリズムの販路を開拓するなど取り組みを強化する。

冒頭で2023年を振り返る山北社長

 最後に山北社長は、改めて今年のテーマが「未来から現在(いま)をつくる」であると強調。「これからのツーリズムはさまざまな困難を乗り切りながら、持続的に発展していかなければならない。常に未来を見据えて、現在のアクションを考える」と締め括った。

 後半は、国立情報学研究所社会共有知研究センター長の新井紀子教授による「人工知能がもたらす人間と社会の未来」と題して講演が行われた。講演後には引き続いて懇親会も開かれ、盛会裏に終わった。

「リアル龍馬像」高知ひろめ市場に登場 最新技術で龍馬を再現

2024年1月26日(金) 配信

除幕式のようす、左から3人目が坂本家10代目当主の坂本匡弘氏

 高知県高知市の「ひろめ市場」に1月25日(木)、同県が生んだ幕末の英雄、坂本龍馬をコンピューターグラフィックス(CG)や人工知能(AI)で再現した「リアル龍馬像」が設置された。

 ヤクルト本社(成田裕社長、東京都港区)が、乳酸菌飲料「Yakult(ヤクルト)1000」の新テレビCMに「リアル龍馬」を起用したのに合わせ制作した。

 同社によると、「リアル龍馬像」の元になった「リアル龍馬」の制作は、映画『竜とそばかすの姫』(2021年公開)のCGを手掛けたデジタル・フロンティア(東京都渋谷区)が担当。本人と公式に認定されている6枚の古写真などを参考に、最新技術を活用し、脱藩した28歳ごろの顔を再現した。

 声の制作はORENDA WORLD(東京都港区)が1万以上のサンプルを基に、「こういう顔(骨格)の人はこういう声を出しやすい」というモデルをAIに学習させ生成した。

 「リアル龍馬」の制作には、坂本竜馬の兄の直系子孫である坂本家10代目当主坂本匡弘氏が監修し、「坂本家公認マーク」第1号に認定した。

 25日に同市場で行われた除幕式で、坂本氏は「像を初めて見てびっくりした。めちゃくちゃハンサムでこんなにかっこよかったのかなと思っている」と満足気に話した。

 像は2月29(木)まで設置し、一般公開する。像の横には音声ボタンが付き、押すと再現された龍馬の声が流れる。

CGで再現した若き日の坂本竜馬