【11月16日まで】谷川岳の電気バス、高齢者や子連れ対象

ユニークな外観の電気バス
ユニークな外観の電気バス

 谷川岳(群馬県みなかみ町)で、11月16日まで歩行が困難な人や小さい子ども連れの方専用の電気バスが運行されている。谷川岳ロープウェイの土合口ロータリーから一ノ倉沢までの約3・5キロを、約20分かけ、1日7往復している。運賃は無料だ。

 群馬大学工学部と桐生のベンチャー企業「シンク トゥギャザー」の協業で生まれた電気バスで、車体の中央下に4基のかわいい車輪があるユニークな外観が特徴。最高時速19㎞で走る。

 昨年まで10人乗りのマイクロバスが運行されていが、今年から観光客や登山客には歩いてもらうことを推奨し、交通弱者を対象とした電気自動車のバスを運行を始めた。現在2台のバスが活躍している。今シーズンのみの試験運転で、運用実績や利用者の声が好評なら来年も実施する。お年寄りや子ども連れが快適に一ノ倉沢見物ができる素敵な試みだ。

 10月14-17日には、電気バスに乗って、秋の谷川岳一ノ倉沢の夜を楽しむ「谷川岳一ノ倉沢ナイトツアー」も実施された。

【旅行ライター&エディター 三堀裕雄】

ピンクリボンのお宿ネットワーク『会員リスト』『メディア掲載情報』を更新いたしました。

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ピンクリボンのお宿ネットワークのお宿に、以下の会員様が加わりました。
 ■ 奥飛騨薬師のゆ本陣 (岐阜県・奥飛騨温泉郷)
 ■ 湯原の宿 米屋 (岡山県・湯原温泉)
 ■ 湯原国際観光ホテル菊之湯 (岡山県・湯原温泉)
 ■ カナザワ工業 株式会社 (愛知県)

ピンクリボンのお宿ネットワークのお宿を、以下のメディア様にご紹介いただきました。
 ■2014年10月24日掲載 新潟日報
 ■2014年10月28日掲載 静岡新聞夕刊

その他の会員一覧はコチラ、メディア掲載情報はコチラから!
(弊社の『ピンクリボンのお宿ネットワーク』ページへリンクしています)

 
☆ピンクリボンのお宿ネットワークとは☆
 乳ガンを患い、手術を受けて回復の道を歩みながらも、術後を気にして旅をあきらめてしまうという女性の方たちに、心ゆくまで旅館・ホテルでの入浴などを楽しんでいただきたいという目的で設立しました。

No.386 47都道府県観光アンケート - 「観光」へ積極的な予算を!

47都道府県観光アンケート
「観光」へ積極的な予算を!

 年々高まる「観光」への期待のなか、一方で予算額の少なさを指摘する声も多く聞かれる。旅行新聞新社では昨年に続き47都道府県へ観光関連のアンケートを実施。観光関連予算の合計は586億2931万円、各都道府県の平均は12億4743万円、一般会計の総額における比率平均は0.1762%となった。人件費と補正予算の扱いなど条件は異なるので一概に比較はできないが、1つのデータとして紹介する。

【伊集院 悟】

 
 
 

34自治体で予算額増加

 2014年度の47都道府県の観光関連予算の合計は586億2931万円となった。昨年度の607億4155万円から約20億円の減少だが、昨年は石川県が新幹線開業PR推進ファンド造成における100億円の貸付金を含んでいたので、実質、80億円ほど増額していることになる。47都道府県の平均は12億4743万円。一般会計予算における観光関連予算の比率の平均は0・1762%となった。

 観光関連の予算を昨年度と比較すると34の自治体で昨年より増加。最大で13億円近く増加した自治体もある。一方、減少した自治体では5億円を超える減額も見られた。一般会計予算総額における観光関連予算の割合を昨年度と比較すると、32の自治体で前年度より割合を伸ばしており、各自治体で少しずつではあるが、観光予算を増やし始めているのがわかる。…

 

※ 詳細は本紙1565号または11月6日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

地方消費拡大へ期待、消費税免税制度の改正、久保長官

 10月1日から外国人向けの消費税免税制度が改正され、対象が全品目へと拡大された。これにより地域の名産品が対象となり、地域経済活性化に期待がかかる。観光庁の久保成人長官は10月22日の会見で、地方の消費拡大への期待感を語り、観光庁として免税店拡大を後押ししていく方針だ。

 これまでの免税対象は家電や装飾品、衣類、靴、かばんなど大都市での販売が中心のものであったが、品目拡大により地域の地酒や郷土食など地域の名産品も対象となった。久保長官は「ショッピングはとくにアジア系の旅行客の主な訪日目的になっているので、地方誘客にプラスになる」とし、「地方での消費拡大は地域活性化につながる」と期待を語った。

 久保長官は、大手ショッピングセンターやドラッグストアなどでの積極的な免税対応に加え、地方のホテル・旅館や物産センター、地方自治体のアンテナショップなどでも免税対応の動きがあったことを明かし、「地方での免税店拡大を積極的に後押ししたい」と語った。免税店舗数は毎年4月1日付で国税庁が発表しているが、今回の制度改革を受け特別に10月1日付の数値公表を予定しており、本紙の取材によると11月中旬ごろになりそうだ。

1200万人台後半へ好調な訪日外客数

 14年の訪日外客数についてこれまで「1200万人台」としていた見通しを、9月の訪日外客数の発表を受け「1200万人台後半になるのではないか」と上方修正した。また、12月1日から在外公館へのIC旅券の事前登録制によるビザ免除を開始するインドネシア市場について「ビザ免除の効果は大きい」と期待を寄せ、ビザ免除に合わせて現地旅行会社と共同広告を展開するという。

エボラウイルスが拡大 ― 観光業界もさまざまな状況の想定を

 日本観光振興協会は10月23日に東京都内で「ムスリム観光客おもてなしセミナー」を開いた。当初150人程度の参加を見込んでいたが、会場には約250人が詰めかけた。東南アジアのビザ緩和措置などの影響もあり、日本を訪れるムスリム(イスラム教信仰者)の数は近年急増している。ムスリムにはお祈りの習慣があり、食べ物では豚肉、豚由来の成分はタブーになっている。アルコールにも配慮が必要である。また、戒律を実行する際の厳密さには生まれ育った国や地域、家族の習慣などで個人差がある。現在ムスリムの人口は約16億人。2030年には22億人となり、世界の人口の3、4人に1人はムスリムとなると予想されている。

 ムスリムへの対応だけでなく、インド人の30%、米国や台湾人の10%がベジタリアンとも言われている。セミナーで新横浜ラーメン博物館の中野正博氏が国際交流時代には「さまざまな宗教や思想、アレルギーで困っている人に対応していきたい」と語っていたが、このような動きが国内でも広がりつつあり、すでに取り組んでいる宿泊施設やレストランも多い。

 数年前には、中国人の団体観光客の食についてのセミナーが観光業界で多く開かれていたが、時代が移り変わり、受入側も世の中の動向を敏感に察知し、いち早く対応している。「まずは相手のことを知りたい」と、セミナー会場から溢れるくらい「ムスリム観光客へのおもてなし」を学ぼうとする観光業界の意識の高さを感じた。

 10月15日には、日本専門新聞協会は第67回新聞週間日本専門新聞大会フェスティバルに、ジャーナリストの櫻井よしこ氏を招いて講演会を行った。櫻井氏は「イスラム国」についても言及した。もともとムスリムは穏健であるが、ほんの数%の原理主義者が過激な行動を起こす。櫻井氏によると、イスラム国では、空港での厳密な検査にも感知されない、下着などに浸み込ませ、機内で自爆テロが可能という爆弾を開発していると紹介した。カナダや米国で、テロとみなされる事件が発生している状況を鑑みても、今後テロへの警戒強化は避けられない。

 観光庁の久保成人長官は10月の定例会見で14年の訪日外客数は「1200万人の後半ではないか」と予想した。初めて1千万人を突破した13年から20―30%増との見込みだ。

 しかし、現在、最も緊張感を持って対応しなければならないのがエボラ出血熱の世界的な感染だ。日本は10月24日、厚生労働省が法務省入国管理局に、国際線のある全国の空港30カ所で感染が流行する4カ国からの入国者に対し、水際で国内感染拡大を防御する厳しい措置を取るよう要請した。その直後、リベリアに滞在しロンドンなどを経由して羽田空港に入国した男性が発熱を訴え、エボラウイルス感染の疑いがあるとの報道もあり日本中が騒然となった。

 国際的な大交流時代に突入したことで、プラスの面ばかりではなく「負」の要素の流入が発生するリスクも当然大きくなった。首都圏や関西圏など大都市からエボラ出血熱の感染が広まると、国内で大混乱が生じることが予想される。地方空港から感染した場合にも、近隣地域への影響は大きくなる。国際交流の最前線に立つ観光業界は、最悪のケースも含め、さまざまな状況を想定しておく必要があるだろう。

(編集長・増田 剛)

観光への積極性

 ブランド総合研究所が先日、「地域ブランド調査2014」を発表した。調査項目には、観光意欲度や訪問目的など観光に直結するものから、認知度や魅力度、情報接触コンテンツ、地域イメージなど観光と関わりの深い項目も多く、業界関係者の注目も高い。

 本紙は今年も47都道府県観光アンケートを実施したので、この「地域ブランド力」と、観光への取り組みの積極性を表す指標の1つ「一般会計予算総額における観光関連予算比率」を見比べてみると、魅力度ランキングトップ10のなかで、予算比率上位に顔を出すのは沖縄県だけである。魅力度が高い自治体は「観光」にわざわざ予算をかける必要はなく、逆に、魅力度がまだ低いから積極的に取り組まなければいけないということか。数年後、観光に積極的に取り組む自治体が、魅力度ランキングにも顔を出してくることを期待したい。

【伊集院 悟】

加藤、藤本氏らが受賞、14年度生衛厚労大臣表彰

10月28日に行われた表彰式
10月28日に行われた表彰式

 厚生労働省は10月28日、東京都千代田区のホテルニューオータニで2014年度生活衛生功労者厚生労働大臣表彰式を開いた。今年度の表彰者は154人。旅館・ホテル業では、静岡県ホテル旅館生活衛生同業組合理事長の加藤昌利氏(銀水荘)や、高知県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長の藤本正孝氏(城西館)ら9人が表彰された。

 旅館・ホテル業の受賞者は次の各氏。

林茂樹(東京都ホテル旅館生活衛生同業組合副理事長)台東区・ホテルニュー東北
山口和昭(岐阜県旅館ホテル生活衛生同業組合常務理事)大垣市・大垣旅館組合
加藤昌利(静岡県ホテル旅館生活衛生同業組合理事長、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会常務理事)賀茂郡東伊豆町・銀水荘
野村一雄(京都府旅館ホテル生活衛生同業組合常務理事)京都市・日昇館尚心亭
箸尾享嗣(奈良県旅館・ホテル生活衛生同業組合理事長)奈良市・遊景の宿平城
大﨑和久(徳島県旅館業生活衛生同業組合)徳島市・ビジネスホテル大崎
宮村耕資(高知県旅館ホテル生活衛生同業組合副理事長)高知市・ホテル南水
藤本正孝(高知県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会常務理事)高知市・城西館)
諌山吉晴(大分県旅館ホテル生活衛生同業組合副理事長)日田市・みくまホテル

旅行ガイド“いいとこどり”、電子書籍サイト「たびのたね」(JTBパブリッシング)

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 JTBパブリッシング(里見雅行社長、東京都新宿区)はこのほど、新しい電子書籍サイト「たびのたね」(http://tabitane.com)をオープンした。旅行ガイドブックや、観光地を特集した雑誌、ご当地出版社が発行するローカル出版物などを、テーマや特集、エリアなどを“いいとこどり”によって抜粋したオリジナル版で購入することができる。同社が発行する「るるぶ情報版」「ココミル」「楽楽」などのシリーズに加え、ダイヤモンド・ビッグ社の国内ムック「地球の歩き方Cheers!」、枻出版社の「トリコガイド」、マガジンハウスの「Hanako」など、提携する出版社・コンテンツ元は35社。厳選した500コンテンツから、「まとめたね」機能により、購入した電子書籍ファイルを一つにまとめて、自分だけのオリジナルパッケージにすることも可能となった。北海道と沖縄エリアのガイドブック・雑誌からスタートし、エリアや提携出版社を拡大していくという。

 これまでの旅行ガイドブックは、「一部の記事だけがほしい」「定期雑誌で特集や連載企画だけが読みたい」という要望への対応ができなかったが、「たびのたね」では、これらニーズに対して雑誌や書籍が、エリアや特集の抜粋版でも購入できるようになった。1コンテンツあたりの価格は50―200円(最多価格帯)程度に設定し、出版社や雑誌・書籍の枠を超えて、より多くのコンテンツを横断的に楽しめるサービスだ。

 問い合わせ=JTBパブリッシング情報戦略部 電話:03(6888)7836。

円空仏、福島に

 福島県立美術館(福島市)で来年1月27日から4月5日まで、企画展「飛騨の円空展 千光寺とその周辺の足跡」が開かれる。飛騨・千光寺所蔵の「両面宿儺坐像(りょうめんすくなざぞう)」など、岐阜県高山市にある約100体が展示される。

 題名から、東京国立博物館(トーハク)の企画展を思い浮かべた方がいるかもしれない。昨年の会期中19万人が訪れ、話題になった。今回は震災復興支援と位置付け、同様の展示を行うという。

 トーハクでは、100体の円空仏を林立する木に見立て、「飛騨高山の森が上野に出現」というテーマで会場を演出した。表情や造形の美しさが際立つ照明、像の背後を見られるのも企画展ならではだ。福島ではどんな演出が待っているのか。会場で確かめてみたい。

【鈴木 克範】

旅の魅力を学生に、「若旅」授業11校目実施(観光庁)

グループワークで旅行プラン作成
グループワークで旅行プラン作成
大橋菜央さん
大橋菜央さん

 観光庁は10月15日、国立千葉大学教育学部附属中学校で11校目となる若旅☆授業を行った。「じゃらん」関東東北版編集長の大橋菜央さんが、学生時代に約25カ国を旅した経験や、「じゃらん」制作の仕事について講演。授業の後半には中学生が実際に旅行プランを作るグループワークも行った。

 大橋さんは、世界を旅して得たものとして(1)思い出と絆(2)多様性へのキャパシティ(3)日本の素晴らしさへの気づき――を挙げた。「今はネットで世界中の映像を見られるのでその国へ行った気になるが、実際に自分で行って五感で感じるのとはまったく違う。行って初めて知ることも多く、偶然の出会いが旅の醍醐味」と語った。

 後半のグループワークでは、ターゲットを「東京に住む友達とその彼女17歳同士」と「大阪に住む祖父母」から選択し、千葉県の1日旅行プランを作成し、グループ発表を行った。

 同校では「共生の時間」として問題発見力や情報収集力、表現力などを身につける自主的な問題解決学習のゼミを実施している。今回の若旅☆授業は、旅をプランニングして旅行パンフレットを作る同ゼミの一環として行われた。授業に参加した中学生からは「ターゲットとそのニーズを考えプランニングするのが普段の共生の時間(旅行パンフレット作り)に活かせる」「大橋さんのように海外をいろいろ旅してみたい」などの感想が聞かれた。また、同ゼミを担当する荒川恵美先生は「講師の先生が生き生きと語る旅の楽しさが子供たちにダイレクトに伝わり、子供たちの目がキラキラ輝いていた」と成果を語った。

 観光庁では、若者に「旅に出たい、出よう」との気持ちを働きかけるため、旅の意義・素晴らしさを伝える「若旅☆授業」を実施している。

 これまでの実施概要は次の通り。

【1校目2013年2月13日】
品川女子学院高校(東京都)伊藤春香さん(トレンダーズ「キレナビ」編集長、世界1周旅行をした元女子大生カリスマブロガー)
【2校目13年6月5日】
神田外語学院(東京都)世古奏芽さん(日本航空、世界約30カ国へ旅行経験あり)
【3校目13年7月5日】
文教大学(東京都)水野千尋さん(ダイヤモンド・ビッグ『地球の歩き方』、海外ボランティアと多数の海外旅行経験を持ち、学生時代には女子1人旅を支援するフリーペーパーを創刊)
【4校目13年10月23日】
国立千葉大学教育学部附属中学校(千葉県)谷口朋代さん(日本航空、多数の海外旅行と日本縦断で47都道府県を旅行経験あり)
【5校目13年10月26日】
大妻多摩中学高等学校(東京都)松澤亜美さん(旅と食を通じた異文化理解を進める取り組みLunch Trip設立者)
【6校目13年11月7日】
大成女子高校(茨城県)窪咲子さん(フリーライター、元雑誌編集者で世界1周の旅をしながら「地球の歩き方」ホームページで執筆経験あり)
【7校目13年11月15日】
早稲田大学(東京都)新居奈津子さん(旅行情報メディアトラベルズー・ジャパン、アジアを中心に30カ国をバックパッカーとして回った経験あり)
【8校目14年5月7日】
東洋大学(東京都)石田言行さん(フェイスブックを活用したソーシャル旅行サービスを提供するtrippiece代表)
【9校目14年7月9日】
名古屋市立中央高校(愛知県)とまこさん(放送家・料理冒険家、バックパッカーや秘境添乗員の経験あり)
【10校目14年9月10日】
都立蒲田高校(東京都)新居奈津子さん、世古奏芽さん、水野千尋さん