久保長官「1千万人へ予断許さない」、韓国の減少分補えるかが鍵

 10月の訪日外客数が前同月比31・5%増の92万8500人、1―10月の累計が前年同期比23・4%増の865万9600人と好調を維持したが、観光庁の久保成人長官は11月20日の会見で、「目標の1千万人達成へ、依然として予断を許さない状況」と兜の緒を締めた。

 全体では好調を維持したが、4分の1を占める最大市場の韓国が20カ月ぶりにマイナスとなった。JNTOソウル事務所が韓国内の関係者から集めた情報によると、11、12月も厳しい状況が続き、前年同月比で減少となる見通し。久保長官は、「韓国の減少分を韓国以外でどう補えるかが、1千万人達成へのカギ」とした。

 また、11月12日に開かれた旅行産業研究会では、主に旅行業法についてより踏み込んだ議論をしたことを報告。素材の単品販売を旅行業法の適用から外す案や、旅行業法の対象にしたとしても、「より自由な値付けができるようにすべき」などの意見があがったという。次回は安全マネジメントや着地型旅行など別の論点について議論。年末までに各論点について整理していく。

 昨今取り沙汰されている食材やメニューの偽装問題については、「安全安心な食という日本ブランドの信頼性に影響しかねない重大な問題」と指摘し、同問題へ適正に取り組むよう宿泊施設の関係団体へ要請書を出し、検討してもらっていることを明かした。

固定資産見直し要望、経年数大幅短縮を決議(観議連総会)

細田観議連会長があいさつ

自由民主党の観光産業振興議員連盟(細田博之会長)は11月20日、自民党本部で総会を開き、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(佐藤信幸会長)、日本旅館協会(近兼孝休会長)、日本ホテル協会(小林哲也会長)、全日本シティホテル連盟(藤野公孝会長)の代表者らが固定資産評価の見直しについて、次の評価替えの年に当たる2015年に、固定資産評価の下限となる経年数を現行の50年から、実態調査に基づく36年に短縮するよう強く求めた。

各都道府県の代表が「必勝」鉢巻きで出席

細田会長は「まもなく税制改正に向けて税調が本格化してくる。12月13日ごろに最終結論を出す予定」と述べ、「現在、旅館・ホテル業界は耐震診断の義務化という厳しい状況に置かれている。固定資産税は重要な地方財源であるが、大切な観光産業を担う旅館・ホテルが潰れてしまう損失のことも真剣に考えた方がいい」とし、「固定資産評価の見直しだけで取り上げると、横並び論などが出てくるが、耐震問題などと連携した考え方で各地元の自治体にも理解を求める努力を、観議連とともにしていただきたい」と語った。

観光庁の石原大観光振興課長は「旅館・ホテルが置かれている立場は非常に厳しいものがあり、経年数が少しでも短縮できるよう今後も総務省との間で事務的な調整を最大限努力し進めていきたい」と述べた。

要望する佐藤全旅連会長

総会では、「固定資産評価の見直しを15年から実行すること」「経過年数の見直しに当たっては、固定資産評価額が下限に到達する年数を現行の50年よりも大幅に短縮すること」を決議した。この決議は観議連の幹部が預かり、タイミングを見ながら関係省庁に申し入れを行っていく予定だ。

そのほかにも、交際費の非課税、印紙税の廃止、さらには消費税の外税表記を2017年4月1日以降も認めることなどを求めた。

No.358 ゆのごう美春閣 - 「誰と訪れても」選ばれる宿へ

ゆのごう美春閣
「誰と訪れても」選ばれる宿へ

〈「21世紀の宿を考える」シリーズ(1)〉 ゆのごう美春閣

 今回から、旅館経営者へのインタビューシリーズ「21世紀の宿を考える」をスタートする。シリーズ第1弾には、岡山県・湯郷温泉「ゆのごう美春閣」や、鷲羽山下電ホテルなどを経営する永山久徳氏が登場。ゆのごう美春閣は客室数85室、最大400人収容と、中規模旅館。旅館経営としては、難しい規模にある。永山氏は「中規模旅館は極端な方向性では上手くいかない。百貨店のようにお客様を絞らず、“誰と一緒に訪れても”選ばれる宿にしたい」と語る。

【増田 剛】

「百貨店」のような存在に

≪個人型、団体型の宣言はしない、相手を気遣う時間こそ旅館文化≫

 当時流行していた人間工学に興味を持ち、人の動きを解析するため、大学院では都市計画を専攻し、科学的なまちづくりのプランニングを学びました。大学を卒業した1991年は、好景気のピークだったため、就職先はたくさんあったのですが、大学院を出た93年はバブル経済がはじけた直後で環境が一変していました。就活して入社した大手不動産会社では、リゾート開発部門に配属され、バブル期の開発の後始末に直面することになりました。新入社員でありながら、ゴルフ場で売れ残っている数千万円の会員権を販売する対策として、「適正な価格はどのくらいか」を考え会員制度を改正したり、上場企業の役員などを相手にセールスして回ったりと、今から考えると本当に貴重な社会勉強をさせてもらいました。丸4年間働いたのですが、その間に、営業や商品開発、経理部門も経験し、自分の中ではある程度の達成感をもち、28歳の年に岡山に戻りました。

 

※ 詳細は本紙1527号または12月5日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

四国の観光戦略展望、四国官民会議

PR策や外国人観光客の増加策など議論

官民のトップら25人が参加

四国の観光戦略を考える官民会議が11月6日、香川県・こんぴら温泉郷の「湯元こんぴら温泉華の湯紅梅亭」で行われ、観光素材のPR策や外国人観光客の増加策などについて話し合われた。

会議は、全国各地の観光素材を発掘し、国内観光の活性化を目指す日本旅館協会の近兼孝休会長(紅梅亭会長)が音頭を取り、国土交通省四国運輸局が主催した。観光庁の久保成人長官など国内主要観光組織のトップら25人が参加した。

冒頭、あいさつに立った久保長官は「観光産業は国の成長戦略の柱に位置付けられている。外国人観光客1千万人達成に向け、日本の伝統や文化を発信していきたい」と述べ、「2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは東京をゲートウェイに日本各地を回ってもらう取り組みを進める」と強調した。

会議では、四国運輸局の丸山研一局長が、四国の宿泊者数が昨今年間900万人泊で推移し、全国比率がわずか2・5%と指摘したうえで、「北関東3県は四国とほぼ同じ面積だが、宿泊者数は倍の1800万人。四国の観光素材は豊富だが磨き切れていないのが現状。とくに文化的資産をどう活用していくかが課題だ」と話した。

日本旅館協会の近兼会長は、「和食」がユネスコの世界無形文化遺産に登録される見通しに関連して、旅館の和食文化を広げるアドバイス役として道場六三郎さんと大田忠道さんを顧問に委嘱し、指南役6人を任命したことを報告した。

四国が持つ観光資源の魅力について、観光庁・観光戦略課の清水一郎課長は「私はエーゲ海に行ったことがあるが、瀬戸内海の方が素晴らしい。瀬戸内ブランドを強く発信していきたい」と強調し、日本政府観光局(JNTO)の松山良一理事長は「四国の魅力を絞り込み、PRすることも必要。外国人観光客はWi―Fiへのニーズが高く、環境整備が求められる」と話した。

日本旅館協会の桑野和泉女性経営者委員会委員長(由布院・玉の湯社長)は「九州では、ななつ星の運行が始まり3泊4日の旅が始まった。1泊ではなく3泊できる魅力づくりが必要。お接待文化が根付く四国はお客様を迎えるおもてなしの心がある」と話した。

会議後、日本旅館協会の近兼会長は「日本旅館協会が先頭に立って、今回の会議を皮切りに官民会議を全国各地で開催していきたい」と抱負を述べた。

 官民会議の主な参加者は次の各氏。

【観光庁】久保成人長官▽清水一郎観光戦略課長▽石原大観光産業課長【文化庁】大和智文化財鑑査官▽榎本剛記念物課長【JNTO】松山良一理事長【日本観光振興協会】見並陽一理事長【日本旅館協会】近兼孝休会長【日本航空】上川裕秀取締役専務執行役員【四国ツーリズム創造機構】平尾政彦事業推進本部長【日本旅行業協会中四国支部】青木尚二支部長【四国運輸局】丸山研一局長

観光施設向けセミナー開く、12月9、10日の参加者募集中

観光ビジネスコンサルタンツ、旅行会社への営業法解説

 旅行・観光業の専門コンサル会社の観光ビジネスコンサルタンツ(西川丈次社長、大阪市淀川区)は、12月9、10日に大阪、東京でドライブイン、道の駅・物産館など観光施設向けのセミナーを開く。現在、参加者を募集している。

 「平日や閑散期の売上アップ」「経費を抑えて団体客を増やしたい」「旅行会社への低コストで効果的な営業は」などの対策を、具体的にアドバイスする。とくに、旅行会社2千社へ経費1万円でFAXやDMを送る手法やホームページを使った旅行会社の誘導などを分かりやすく解説する。

 講師は長年、観光物産店やレジャー施設で業績アップの実績を残してきた同社の宮内直哉氏が担当。第1講座が「FAX DM営業手法」、第2講座が「旅行会社の営業ページ」でそれぞれ90分の徹底解説を行う。

 9日大阪が大阪市中央区の大阪産業創造館、10日東京は中央区八重洲のあすか会議室で午後2時から5時30分まで行う。

 参加料金は1人2万1千円(税込)。問い合わせ=電話:06(6885)6335。 

福島の仮設住宅を訪問、民謡団体「ミカド天風総連合会」

ミカド天風さんと一緒に踊る被災者

東京や神奈川エリアで67年の歴史を持つ民謡団体「ミカド天風総連合会」は11月10日、東日本大震災の被災者が今も生活している福島県・飯坂温泉近くの仮設住宅を訪れ、民謡の演奏や踊りで被災者を慰問した。

2代目家元のミカド天風さんは仮設住宅の集会場に集まった30人を超える被災者に「今日は皆さんと楽しい時間を過ごそうと、バスの中から気合いを入れて稽古をしてきました。地元・福島の民謡もたくさん演奏しますので、一緒に唄って踊りましょう」とあいさつをした。

「相馬盆唄」や「常磐炭坑節」、さらには「佐渡おけさ」「大漁唄い込み」「東京音頭」などを披露。被災者のなかには民謡を習っていた人もいて、みんなで一緒に唄い、踊った。家元代行のミカド香奈子さんが篠笛で「ふるさと」や「もみじ」をやさしい音色で演奏すると、涙を流す被災者もいた。演奏の合間には、ミカド天風さんの楽しいトークが集会場に集まった被災者の気持ちをほぐし、何度も大きな笑いの渦に包まれた。

楽しい時間を過ごした

演奏終了後には、同連合会から被災者1人ずつに直接義援金を手渡し、長い仮設住宅暮らしにねぎらいの温かい言葉を掛けて回った。

同会は、初代家元のミカド天風さんが画期的な「民謡五線譜」を考案し、民謡の普及に尽くした。現在は2代目。毎年1回旅行会を開き、今年は52回目でミカド天風さんと親しい旅行会社「アイ・トリップ」会長の新田幸彦氏がツアーの企画を協力している。2011年7月には、多くの歌手や有名人が避難所を訪れるなか、「避難所で一番不自由な思いをしている高齢の方が聞きたい歌や音楽が届いていない」との思いから、福島県いわき市と会津美里町の避難所を慰問し義援金を送った。

一行は、仮設住宅慰問後には穴原温泉・匠のこころ吉川屋に宿泊し、ここでも日頃の稽古の成果を発表。翌日には、福島県内の観光地などを回った。

【増田 剛】

ピンクリボンのお宿シンポジウム、参加者受付中

前回のようす

12月16日、ホテル秀水園(鹿児島県指宿温泉)で

ピンクリボンのお宿ネットワーク(リボン宿ネット、会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将)は12月16日、鹿児島県指宿温泉のホテル秀水園で、「ピンクリボンのお宿シンポジウムin指宿」を開催する。昨年12月には新潟県瀬波温泉の夕映えの宿汐美荘で開いた。

シンポジウムではNPO法人HOPEプロジェクト理事長の桜井なおみさん(予定)の講演「心を癒す、身体を癒す。温泉で私を癒す。」をはじめ、会員旅館の佐賀県武雄温泉の大正浪漫の宿京都屋女将の前田明子さんが、自館が取り組んだ「京都屋ピンクリボンの日」の活動報告を行う。さらに桜井なおみさんや佐賀県嬉野温泉旅館組合おかみ会代表の北川節子さん(大村屋女将)、愛知県湯谷温泉発展会会長の加藤直詳さん(はづグループ社長室長)、美塾篤姫会長の今奈良恵さん(家族温泉野の香女将)を交えたパネルディスカッション「温泉地で取り組むピンクリボン活動」も行う。

シンポジウムは午後2時―5時まで。本紙読者の参加も可能。希望者は事務局に問い合わせ後、参加申込書に必要事項を記入のうえ、11月29日までに申込む。

リボン宿ネットは乳がんを患い、手術を受けて回復の道を歩みながらも、術後の痕を気にして旅をあきらめてしまうという方たちに、もう一度、誰の目も気にせず旅に出かけてもらい、心ゆくまで旅館・ホテルでの入浴を楽しんでもらおうと、全国の宿泊施設、団体・企業、医療関係者らが参画して昨年7月に発足、現在の会員数は111。

問い合わせ=事務局(旅行新聞新社内) 電話:03(3834)2718。

旅フェアに8万人、123団体・企業が出展(日観振)

開会式のようす

日本観光振興協会は11月8―10日まで、東京・池袋サンシャインシティで「旅フェア日本2013」を開き、メイン会場への来場者総数は8万1287人となった。旅フェアは今年で18回目。

初日の8日に行った開会式で山口範雄会長は「全国の地方自治体や観光関連の123団体・企業に出展いただいた」と報告。「今回は『旅のアミューズメントパーク』をテーマに掲げ、楽しく旅を体験できるようにした。昨年に続き、アンテナショップをサテライト会場にし、単一会場では難しかった観光と物産の連携を実現した。昨年は16軒だった参加ショップも今年は27軒と大幅に増え、各ショップをまわるスタンプラリーを1カ月に延長し、内容も充実した。旅フェアがご来場のお客様に日本の旅を心から楽しんでいただく一助となり、日本の観光振興の起爆剤として寄与することを大いに期待している」と語った。

また、来賓で出席した観光庁の佐藤善信次長は「各地域が魅力を発信する場の旅フェアが、観光立国の基本理念の『住んでよし、訪れてよし』の地域づくりにしっかりとつながることを祈願する」とあいさつした。

会場は6つのテーマでエリアを設定。エリアごとに主催者プログラムとして各種体験メニューを実施し、順番待ちができるほど好評だった。とくに、「着地型旅行・伝統工芸エリア」のワークショップや「スポーツ・アウトドアエリア」のサイクリング体験は予定の参加者を上回る結果だったという。

JRの上野・東京・新宿駅と、アンテナショップのサテライト会場への来場者数は、推計で約4800人。ラリーゲームへの参加者はJR3駅達成者が228人だったほか、アンテナショップ10店舗以上達成者も46人いた。

初のLCC利用DP、JTBとジェットスター

今井社長(中央)、コスカーCCO(右)

JTBとジェットスターグループ(ジェイン・ハードリカCEO、オーストラリア)は10月24日から、i.JTB(今井敏行社長)が運営する「るるぶトラベル」サイトで、ジェットスターの国内線と、全国の宿泊施設の約16万プランを組み合わせられるダイナミックパッケージ(DP)を売り出した。旅行会社がLCCを利用したDP商品を扱うのは初めて。

両社は11月7日、東京都内で共同会見を開き、ジェットスターグループのデビット・コスカーCCOとi.JTBの今井社長が登壇した。コスカーCCOは日本市場について、ジェットスターグループで日本の国内線を運航しているジェットスター・ジャパンがすでに日本最大のLCCに成長していることなどをアピールしながら、「現在、日本国内のLCCシェアは市場全体の約5%だが、今後30%まで拡大する可能性を持っている」と期待した。また、自社の成長には既存航空会社や旅行会社などとのパートナーシップが重要だと強調。今回の販売提携に関しても「JTBは成長に欠かせない重要なパートナー」とし、「メリットの高い商品やサービスを提供できる機会が増える」と語った。

今井社長は2010年から販売を開始したDP商品「るるぶトラベルツアー」が11年度は前年度比450%、12年が同200%、13年度上期が同120%と好調に推移していることを示し、今年度のDP取扱高は、るるぶトラベル全体の取扱高800億円のうち、10%を目指しているとした。今後は、13―15年の中期経営計画で15年度に、るるぶトラベル全体の取扱高1300億円を目標に掲げるなか、DPは20%まで拡大することを目指す。今井社長は今回の提携で「より多くの需要を創出したい」と意気込んだ。

また、ジェットスター以外のLCCとの提携については「LCCは基本、直販モデルだが、ジェットスターは最初から旅行会社の販売力にある程度期待されていた。そのような考えの会社があればぜひ提携したい」とする一方で、パッケージにした場合、LCCの魅力である「低料金」が損なわれることもあると説明。「多くのLCCは予約の段階で取消料が100%かかる。一方、旅行会社のパッケージ商品は一定の期間までは取消料がかからないので、このような契約条件が整うことも必要だ」とした。今回のジェットスターとのDPは、21日前まではキャンセル料がかからないような契約を結んでいるという。

「オンリーワンのまち」認定第2号、御前崎市(静岡県)観光協会に(ふるさとICTネット)

津田理事長(左)と御前崎市観光協会・下村会長

NPO法人ふるさとICTネット(津田令子理事長)はこのほど、「オンリーワンのまち」として静岡県御前崎市の御前崎市観光協会(下村裕会長)が活動するアカウミガメの産卵の保護の取り組みなど「地形を生かしたまちづくり」を第2号認定した。11月9日には同観光協会で認定証授与式を行った。「オンリーワンのまち」は、そのふるさとにしかない独特の風土や伝統文化、産物、無形のおもてなしなどに光を当て、全国ブランドの観光資源に育てることで、継続的な地域活性化に結びつけることを目的としている。
【増田 剛】

海・風・波 地形を生かしたまちづくり

御前崎市は、静岡県の南端に位置する。三方が海に囲まれており、自然の恵みと、地形的特徴である「海」と「風」と「波」を生かしたまちづくりに取り組んでいる観光協会の姿勢が、ふるさとICTネットの「オンリーワンのまち」第2号として認定された。国際的な絶滅危惧種として指定されている「アカウミガメ」が、産卵のために上陸してくる日本の北限として貴重な場所であり、国の天然記念物として指定を受けて、同市教育委員会から保護監視員として受託し、保護活動に真剣に取り組む活動も評価された。

青い海と太平洋側で最大の砂丘「浜岡砂丘」

また、御前崎は東に突き出る形で伸びる岬。このため、遠州灘側は強い湾岸流により砂丘が続き、とくに10月から4月にかけて偏西風が吹くことによって、海岸線には風成樹林と呼ばれる木々が並ぶ。砂丘においても風紋と呼ばれる模様が形成されるのも特徴的だ。さらに、ウインドサーフィンをはじめとするマリンスポーツのメッカとして、世界中の競技者や愛好者に愛されている。過去にも「サムタイムワールドカップ」というウインドサーフィンの世界大会が10年余り開催された実績を持つ。

御前崎市観光協会で記念撮影

ふるさとICTネットは認定件名を「地形を生かしたまちづくり~海と風と波と~」とし、認定授与式には、同観光協会からは会長の下村裕(ゆたか)氏をはじめ、前会長の松井利彦氏、事務局長の小野木邦治氏、ふるさとICTネットからは同事業の公式メディアとして参加する旅行新聞新社社長の石井貞徳氏らが出席するなかで、津田令子理事長から御前崎市観光協会に認定証が渡された。

下村会長は「『オンリーワンのまち』に認定していただき、大変喜んでいる。住民のまちを愛する気持ちや、多くの先輩の活動を通じて私たち観光協会も御前崎市とともに魅力あるまちづくりに向けて歩んできた」とし、「これからもオンリーワンのまち、素晴らしいまち・御前崎となるように精進していきたい」と謝辞を述べた。

ふるさとICTネットは昨年9月に千葉県鎌ヶ谷市の「雨の三叉路」を「オンリーワンのまち」の第1号として認定しており、津田令子理事長は「今後、春と秋の年2回『オンリーワンのまち』に認定していき、3年後には10カ所程度の認定を目指す」と話している。

問い合わせ=事務局・旅行新聞新社(公式メディア) 電話:03(3834)2718。