【9月19日-10月2日】日光市が表参道に期間限定カフェ(栃木県日光市)

日光カフェ
日光の紅葉をイメージし装飾された店内で
「日光湯波の厚揚げタルタルドック」など
地元食材メニューを楽しめる

 日光市は東京・表参道の商業型コミュニティスペース「COMMUNE(コミューン)246」内の「Antenna WIRED CAFÉ(アンテナワイアードカフェ)」と連携し、9月19日から10月2日の2週間限定で、日光の魅力を紹介するカフェ「日光市×Antenna WIRED CAFÉ」をオープンする。 
 
 Antenna WIRED CAFÉはイベント時には3日間で1万人もの集客を見込む人気スポットで、自治体と連携した情報発信は初の試みとなる。

 カフェでは、日光の特産品である湯波を使った「日光湯波ドック」や、天然氷を使った「日光天然氷の紅葉スム―ジ―」など、特別メニューの提供を予定。店内装飾にはライフスタイルコーディネーターの村上萌さんを起用し日光の紅葉を再現するほか、映像作家が手掛けたムービーの放映なども行い、日光の観光名所や見どころを伝える。

 初日の9月19日には「紅葉マーケット」として、同市こだわりの名産品の販売や、地元の手打ちそばの会によるそば打ち体験のワークショップの開催も予定している。

 イベントは紅葉シーズンに先駆け誘客促進をはかる「Autumn in Nikko(オータムインニッコウ)」事業の一環で、首都圏に向けて日光市のPRを行う「日光市観光情報発信センター」が企画した。担当者は「これまで同市があまりプロモーションを行ってこなかった、若者や訪日外国人も多く集まる表参道エリアにカフェを出店することで、新たな顧客の開拓や誘致を目指していきたい。今まで日光に馴染みのなかった層の方々に、身近に日光の魅力を感じてもらえたら」と話す。

 営業時間は午前11時から午後10時まで。

 問い合わせ=日光市観光交流課 電話:0288(21)5196。

No.411 カラーセラピスト 石井亜由美さんに聞く、色彩心理学で宿・観光地づくり

カラーセラピスト 石井亜由美さんに聞く
色彩心理学で宿・観光地づくり

 色彩が持つ力はとても強く、例えば気分が落ち込んでいるときに元気が出る色を身に付けるだけで、自然と気分が落ち着くこともある。近年、観光地づくりに色彩心理学を取り入れる新たな試みが増えはじめ、「色彩と観光のつながり」が注目されてきている。本紙でもコラムを連載中のカラーセラピストの石井亜由美さんに色彩が観光に与える影響や、観光地に色彩を取り入れるうえでのアドバイスなどを聞いた。
【聞き手=増田 剛編集長、構成=松本 彩】
 

 
 
 
 ――旅館やホテルなどがあまり費用をかけずに、色彩の変化によって施設の印象を変えることは可能ですか。

 色を変えるということはすごく大事です。アパートなどでも、空室を満室に変えるには、外壁や壁紙の色を変えるだけで、女性の心を掴んだという事例も多くあります。大規模改修ではなく、お金をかけずに変えられるのが色の一つのメリットです。とくに女性は「色型人間」で、姿・形よりも色に関心がいくと言われていて、女性客の心を掴むには色で仕掛けていくのがすごく大事だと思います。  

 ターゲットに特化した色使いも大切です。例えば大阪リーガロイヤルホテルは色彩心理学を実際に使った客室づくりを手掛けています。今の時代はストレスフリーや安眠に特化していくことがとても大事です。ビジネスホテルなどはもっと色彩心理を取り入れていくべきだし、観光地なども行くだけで癒されるような工夫をされると、より有効だと感じています。

 ――では元気や安らぎを与えてくれる部屋の色とは。

 活力が回復する部屋はオレンジ色の部屋です。オレンジは「生きる喜びを与えてくれる色」と言われていて、心身共に疲れているときなど、心理学的に活力回復によい色とされています。

 そして、二大精神安定剤カラーの青と緑は、ストレス解消に効果的で、すでに大阪リーガロイヤルホテルでは客室に青を取り入れています。…

 

※ 詳細は本紙1599号または9月17日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

10回中9回失敗しても… ― 「与えられたプラン」と「穴場探し」

 サービス業では「女性客を店に呼ぶことが成功のカギを握る」とあらゆるところで言われている。レストランや居酒屋などを見ると、なるほど「女性限定プラン」「女子会プラン」などが多く設定されている。なかでも、旅行業界はその最たるものかもしれない。温泉旅館やシティホテルのホームページを覗くと、「女子旅」を想定したスイーツやエステプラン、お洒落な浴衣が選べるサービスなども用意されている。女性に支持される店は概して華やかで、清潔感があり、従業員も爽やかだ。床が汚れたままであったり、壁紙の趣味が悪かったり、無愛想な店員が注文を取りに来るようでは、まったく話にならない。

 旅行業界では女性をターゲットにした企画が圧倒的に多いが、次に多く見かけるのは、「ファミリープラン」である。これは、子供が小さい時に、私も本当によく利用した。ファミリープランの良いところは、食事はバイキングが主流で、“チビッコたち”が好きそうな料理やデザートもたくさん用意されているし、好きなものだけ幾らでも食べられるので子供たちには大人気だ。夏休みの大型旅館などでこのプランが多く組まれ、大浴場も子供たちにとってはうれしい存在だ。

 今は全国どこの温泉街も急速にクリーン化されているので、いかがわしい店などもほとんどなくなり、家族で安心して過ごせる温泉地が増えてきた。いや、今や女性や家族客が安心して過ごせない温泉地を探す方がかなり難しいだろう。

 一昔前の多くの温泉地は大人の男たちが愉しむ場所であった。派手なピンク色のネオンが温泉地を妖しく包み込み、ヌードシアターも活況を呈していた時代もあった。そしてさまざまな遊戯も用意され、文化も生まれた。しかし、今は押し並べて温泉地の歓楽街は寂れ、ストリップ劇場などは廃屋のようになっている。その荒れたさまが、なんとも寂しさを誘うが、寂しさはただの瞬時の郷愁であり、今さら多くの現代人がそのような“昭和的な”歓楽街の要素を本気で求めているわけでもない。今は温泉地も女性に求められなければ生きていけない時代なのだ。しかし、一方で女性限定プランが多いということは、「女性客がまだまだ少ない」ということの裏返しなのだろう。

 そこで考えてみる。仮に「男旅プラン」があれば、それを目当てに行くだろうか? 

 実際に、そのようなプランもチラホラ見かける。でも、少なくとも自分は行かない。そして、多くのオトコたちも靡かないだろう、と思う。

 なぜか。それは、男性の多くは、「家族や恋人とではなく、自分のための旅のプランなんてものは、向こうから与えられるものではない」と感じているからではないだろうか。

 「いい店」や「自分好みの宿」は自分の足で探したい。身銭を切り、10回中9回失敗しても、たった1軒の、隠れ家的な自分好みの店や宿を見つけたい。「男旅プラン」のように、ハナから世の男全体に両手を広げて訴えかける誘い文句は、一切意味がない。基本的に自分だけの「穴場」を探すのが好きなのである。人から誘われた「いい店」であっても、それは自分が開拓した店ではないので、物足りない。究極の理想かもしれないが「見つけられるまで、待つ」店の姿勢に客はそそられるものだ。

(編集長・増田 剛)

訪日旅行者の安全を、災害時ガイドラインを作成(JATA)

 日本旅行業協会(JATA)は8月27日に開いた会見で、訪日外国人旅行者を対象とした「自然災害発生時の初動対応基本ガイドライン」を作成したことを発表した。

 同ガイドラインは、主に旅行会社向けに作成したもので、東日本大震災の経験をもとに、JATA会員各社が訪日外国人旅行者に対して行うべき初動時の避難誘導や情報提供の方法、体制などの指針を示した。

 今回のガイドラインの背景には、すでに2013年に東京都がホテル・旅館向けに、また昨年、観光庁が観光施設・宿泊施設向けに対応マニュアルを作成していることに加え、14年度のアクション・プログラムで、訪日旅行中に訪日外国人旅行者が、自然災害などに巻き込まれた場合の安心・安全の確保について明記されていたことを受け、昨年のJATA訪日旅行推進委員会で作成を決めた。

 同ガイドラインは大きく(1)訪日外国人旅行者に関する初動対応のための基礎知識(2)初動対応(3)情報提供(4)事前&事後チェックリスト(5)参考資料――の5項目で構成。東京都や観光庁が作成したものを参考に、初動対応時の留意点などについて細かく記載した。

 初動対応のための基礎知識に関する記載事項のなかでも、とくに〝災害発生時の体制と役割の明確化〟について、国内・訪日旅行推進部の中尾謙吉部長は、「JATAの会員会社が実際に現場で動いている体制をガイドラインとして示した」とし、同部分が同ガイドラインの柱であると述べ、日ごろから同ガイドラインをもとに、各社が教育訓練を行ってほしいと伝えた。

 さらに中尾部長は、2つ目の項目である「初動対応」について現場における対応とともに、それをサポートする本社や営業本部との後方対応が重要であるとし、「今回のガイドラインはまだスタート段階。今後さまざまな事例が出てきたときは加筆、修正していく」と語った。

第1回ジャパン・ツーリズム・アワード、優秀賞8件を選定

 ツーリズムEXPOジャパン組織委員会(委員長=日本観光振興協会・山口範雄会長)は8月24日、第1回ジャパン・ツーリズム・アワードの最終審査会を開き、各部門の優秀賞と部門賞を決定した。国内外から総数133件の応募があり、各部門優秀賞として8件が選ばれた。

 同アワードは昨年まで日本観光振興協会や日本旅行業協会(JATA)がそれぞれ行っていた表彰事業を集約し、新たに設けたもの。国内外の団体、組織、企業の持続可能で優れた取り組みを表彰し、観光業界の発展・拡大に寄与することと世界に日本の取り組みを発信するのが狙い。

 審査会(委員長=一橋大学大学院商学研究科・山内弘隆教授)は取り組みの「先駆性」「持続性」「発展性」「社会性」を基準に審査。日本の観光振興は観光関係の企業や団体のみで牽引されるのではなく、地域を核に活性化をはかることと、海外との双方向交流の拡大でさらに推進されることを共通認識として各賞の選定を行った。

 表彰領域は国内・訪日領域と海外領域、国際領域(UNWTO部門賞)の3つで、今回は国内・訪日領域と海外領域の各賞を発表。国際領域の受賞者と大賞は9月24日の表彰式で発表する。

 受賞者は次のとおり。

【国内・訪日領域】
■地域マネジメント部門〈部門優秀賞〉瀬戸内国際芸術祭実行委員会 瀬戸内国際芸術祭の開催による地域再生の取り組み〈部門賞〉高山市 国際観光都市「飛騨高山」を目指した長年の取り組み▽スタービレッジ阿智誘客促進会議 行政・商工会・観光協会・民間事業者・住民が一体となって地域の宝“満点の星空”を活かした継続的な地域活性化への取り組み▽ジャパンショッピングツーリズム協会 官民連携したショッピングツーリズムを契機とした訪日旅行の推進と外国人旅行者買物消費額拡大への取り組み▽上山市温泉クアオルト かみのやまクアオルト(健康保養地)ツーリズム■ツーリズム事業部門〈部門優秀賞〉JTB旅行事業本部 JTBオリジナルイベント「杜の賑い」〈部門賞〉エコロの森 富山の自然、歴史、文化を伝える質の高い着地型エコツアーを企画実施▽阿蘇温泉観光旅館協同組合 阿蘇カルデラツアー(日帰り通過型観光から宿泊型観光へ向けて阿蘇が持つ自然の強みを商品化)■観光関連産業部門〈部門優秀賞〉東日本旅客鉄道 東北6県でのデスティネーションキャンペーンと「行くぜ、東北」キャンペーンで東北地方への継続的な送客による復興支援〈部門賞〉プリンセス・クルーズ 外国籍大型客船による初めての日本発着クルーズ定期運航で日本のクルーズ市場の拡大と地域活性化に貢献▽ユー・エス・ジェイ ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの積極的なアトラクション導入で国内外からの集客拡大■プロモーション部門〈部門優秀賞〉熊本県商工観光労働部観光経済交流局くまもとブランド推進課 「くまモン」を活用した熊本県プロモーション〈部門賞〉地域活性化支援センター 少子化対策と地域活性化への貢献を目的とした「恋人の聖地プロジェクト」■審査員特別賞 北前船寄港地フォーラム「北前船」をテーマに北前船寄港地フォーラムを2007年から継続的に開催

【海外領域】
■地域マネジメント部門〈部門優秀賞〉広島県教育委員会 異文化間協働活動推進事業~高校生海外留学1万人プロジェクト~〈部門賞〉シアトル・ワシントン州観光事務所 シアトルのスポーツと食をテーマにプロモーションを展開■ツーリズム事業部門〈部門優秀賞〉ワールド航空サービス 大相撲などで日本人になじみの深いモンゴルの新しい魅力を商品化し、観光交流の拡大に貢献〈部門賞〉エイチ・アイ・エス インターネットでは知ることのできない魅力を現地ガイドと体験する新しい商品「道草旅」を展開▽JTBワールドバケーション 「絶景」をキーワードに新しい旅のコンテンツとした商品の提案■観光関連産業部門〈部門優秀賞〉韓国観光公社 日韓国交正常化50周年を契機に双方向交流700万人を目指した「韓日観光交流拡大シンポジウム」を実施〈部門賞〉春秋航空 LCCで日中間の地方都市の航空ネットワーク拡充■プロモーション部門〈部門優秀賞〉マレーシア政府観光局 マレーシア長期滞在プログラムの展開で日本人の人気海外ロングステイ先9年連続1位〈部門賞〉パラオ政府観光局日本事務所 ダイバーの聖地からノンダイバーも楽しめる多目的リゾートへの転換▽ブランドUSA 日本からの訪米者450万人を目標に隠れた魅力を発掘して包括的なプロモーションを実施

【ツーリズムEXPOジャパン2015特別賞】
中国国家観光局 今年5月に北京で実施した日中観光文化交流団を企画し、観光による両国間の友好交流が実現

“訪日重視”43%増の142億円、85%がインバウンド関連に(16年度予算概算要求)

1599_03

 観光庁がまとめた2016年度予算の概算要求では、15年度の99億1千万円に対し、43%増の142億600万円を要求した。インバウンド関連が124億7300万円、国内観光関連が13億3400万円、観光産業振興関連が6300万円、その他が3億3700万円。15年度に続きインバウンド政策を推進、2千万人時代への受入体制を整える。福島県の観光関連復興支援事業(復興枠)は3億7400万円を求め、総計で同40%増の145億8千万円を要求した。
【丁田 徹也】

免税制度拡充や国際会議底上げも

 16年度は「『2千万人時代』への万全の備えとインバウンド観光による地域活性化」に要求総額の約85%を占める124億7300万円を計上。このうち、ビジット・ジャパン(VJ)関連に115億300万円、新規施策に4億円、今年度認定した「広域観光周遊ルート」を形成するための促進事業費に5億5千万円、通訳ガイド制度の充実・強化に2千万円を充てた。
 インバウンド関連の新規施策「『2千万人時代』に備えた受入環境整備緊急対策事業」(4億円)は「攻めの受入環境整備」を目的とし、地方ブロック別連絡会や訪日外国人旅行者の要望から、受入環境整備に係る課題を調査・検証・実証実験を実施する。宿泊施設不足への対応や観光案内所の機能向上など、あらゆる受入環境整備のモデル事例を創出し、全国に普及させ、取り組みを加速化させる。

国内は地域づくりや観光産業振興
 国内関連では、国内観光推進のための地域づくりに13億3400万円を要求。新規事業の「テーマ別観光による需要創出事業」に3900万円を計上する。同事業は、特定の観光資源に魅せられて日本各地を訪れる「テーマ別観光」のモデルケースの形成を促進し、新たな旅行需要を創出する。
 統計整備による観光地域づくり支援にも5億2500万円を要求する。各地域の観光動向を正確に把握することを目的に、宿泊統計や訪日外国人消費動向などの既存全国統計をベースにモバイルデータなどを用いた補正を行い、都道府県別の観光入込客数や観光消費額を統計的に推計する手法を検討している。

人材育成関連は3千万円
 観光産業振興関連の要求では、産学連携による旅館・ホテルの経営人材育成事業に3千万円、ユニバーサルツーリズム促進事業に3300万円を計上した。

国交省は4本柱で観光立国を推進
 国土交通省全体の予算概算要求のなかで観光分野は、①観光振興と地域ビジネス・雇用創出による個性ある地域の形成②観光立国の推進③2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた観光振興――と大きく位置付けられた。
 「観光立国の推進」は(1)「2千万人時代」への受入環境整備(要求額23億円・前年度比84%増)(2)訪日プロモーションの戦略的拡大・強化およびMICEの誘致・開催の促進(115億円・同43%増)(3)地域の観光振興の促進(19億円・同42%増)(4)社会資本整備と一体となった観光振興――の4本柱で推進する。

税制は免税や国際会議
 税制改正要望でもインバウンドに特化し、免税制度拡充と国際会議の範囲拡大に焦点を当てた。
 免税制度の拡充(消費税・地方消費税)については、免税対象となる一般物品の最低購入金額「1万円超」から「5千円以上」への引き下げを要求した。実施されると「5千円超」を対象とする消耗品と最低購入金額が同額になる。
 14年10月から実施されている「一般物品1万円超、消耗品5千円超」の免税制度では、地方で販売されている少額の民芸品・伝統工芸品(一般物品)に対応できないことがあるため、改正の必要性が高まった。
 そのほか免税関連では、免税手続きの電子情報化など、利便性向上に向けた要望を提出した。
 国際会議関連では、国際会議において日本政府観光局(JNTO)に寄付をした場合の法人税・所得税控除要件の改正を要求。現行では「外国人おおむね50人以上」「参加国数おおむね10カ国以上」「全参加者数おおむね200人以上」「開催経費おおむね2500万円以上」の要件を満たす国際会議への寄付に限られている。現状に対し、寄付金を出しやすい環境を整えるため、国際会議協会(ICCA)統計基準に準拠した改正案「外国人おおむね50人以上」「参加国数おおむね3カ国以上」「全参加者数要件撤廃」「開催経費おおむね500万円以上」を提出した。
 日本は国際会議の開催数が多く、アジアでは中国とトップ争いをしている。しかし、国際会議は学会や協会などの非営利組織が主催することが多く、収益性が低いため、開催経費の多くは関係者の寄付に頼らざるを得ないという課題を抱えている。政策上では「2030年までにはアジアナンバーワンの国際会議開催国として不動の地位を築く」と目標設定をしており、国際会議の誘致・開催件数の底上げを行う。

水上温泉の湯酒屋安兵衛

 8月下旬に5日間、群馬県を出張してきた。今回、訪問した水上温泉で観光協会のKさんに誘われて、夜は水上温泉街で一杯やることになった。よく考えてみたら、これまで何度も足を運んだ水上温泉だったが、温泉街で呑み歩いたことは一度もなかった。

 地元では知る人ぞ知る湯酒屋「安兵衛」に入店した。席はカウンターのみ。7人も入れば満席という路地裏の小さな居酒屋だ。湯上りに呑んだ冷えたビールの美味しかったこと。どこで呑んでも同じようなものだが、何かが違う。

 旅館の料理とは単純に比較できないがこちらもなかなか捨て難い。名物「紅生姜の天ぷら」をひと口食べ、たまらず奥利根の地酒「誉國光」を冷やでいただいた。温泉街はやはり夜が楽しい。何事も一度は体験してみないとわからないものだ。

【古沢 克昌】

国内外に魅力発信、青森県がEXPOパートナーに

(右から)田川氏、山口氏、久保氏、松山氏、三村氏、深澤氏
(右から)田川氏、山口氏、久保氏、松山氏、三村氏、深澤氏

ジャパン・トラベル・ウィーク、9月24日―10月1日

 観光庁は9月24日から10月1日までの1週間を「ジャパン・トラベル・ウィーク」に設定した。日本政府観光局(JNTO)が主催する「VISIT JAPAN トラベル&MICEマート2015(VJTM)」と、日本観光振興協会と日本旅行業協会(JATA)が主催する「ツーリズムEXPOジャパン2015」が同時開催されることから、相互連携をはかり開催効果を高め、国内外に地域の魅力や観光産業の役割などを発信するのが狙い。

 9月1日に東京都内で開いた会見で、観光庁の久保成人長官は「これまで個別に行われていた観光イベントが昨年から同時開催になり、この期間をジャパン・トラベル・ウィークと称して観光立国日本の象徴として世界に向け強力発信していくこととした。国内旅行、海外旅行、訪日旅行を三位一体で開催することに意義がある」とし、国民の旅行機運の向上や海外との相互交流の拡大などを期待した。

 JNTOの松山良一理事長は9月25―27日に開くVJTMについて関係者約760人が参加し、延べ8千件の商談会が実施される予定だと報告。また、海外からの参加者向けに国内視察旅行として9月28日―10月1日まで、地方の魅力を体感できるファムトリップを実施する。

 一方、ツーリズムEXPOジャパンについては日観振の山口範雄会長が概要を説明した。今年は新たな連携のかたちとして、「プレミアム・デスティネーション・パートナー」と「プレミアム・デスティネーション・サポーター」制度を設け、それぞれ青森県と東日本旅客鉄道(JR東日本)を選定したことを発表。青森県を選んだ理由としては、東北復興や来年のJRデスティネーションキャンペーンの実施などを挙げた。JATAの田川博己会長は「地域に単に出展者というだけでなく、もっとツーリズムEXPOに興味を持ってもらうためにこの仕組みを作った。来年、飛躍するためにも新たなチャレンジ」と語った。青森県は合同交流会のジャパンナイトにねぶたを出展するなど協力をする一方、ツーリズムEXPOの会場内では青森県の魅力発信やブースへの案内表示などを設けるという。

 会見には青森県の三村申吾知事とJR東日本の深澤祐二副社長も出席。ジャパンナイトに展示するねぶたの原画を公開し、意気込みを語った。

「48時間1千円」CP、佐賀空港からレンタカー、1カ月限定

キャンペーンロゴ
キャンペーンロゴ

 佐賀空港は9月24日から10月24日までの1カ月間限定で、48時間1千円のレンタカーキャンペーンを展開する。

 今年5月に東よか干潟(佐賀市)と、肥前鹿島干潟(鹿島市)がラムサール条約湿地に登録され、7月には三重津海軍跡地(佐賀市)が世界文化遺産に登録されたことを契機に、首都圏からの航空機利用を喚起し、誘客拡大を目指す。

 同空港は北部九州の中心に位置するため、レンタカーを利用した九州周遊旅行の起点としての利便性を最大限活用しようと、2004年に国内の空港で初めて24時間1千円レンタカーキャンペーンを開始した。

 その後、14年7月には、羽田便が4便から5便に増便され、同年8月から成田便が新規就航したことを受けて、9月から半年間限定で48時間1千円レンタカーキャンペーンを実施したところ、14年度の年間空港利用者数は1998年の開港以来最高の55万96人を記録した。

 今回のキャンペーンは、最初の48時間の貸出料金が2人利用で1台1千円、1人利用では同2千円となる。対象車種は1千―1300㏄のコンパクトクラス、福祉車両(リフトアップ車両、車イス使用車両)で、ハイブリッドカー(アクア、フィットクラス)利用時は1千円の追加料金がかかる。

 利用条件は、貸し出しは佐賀空港内営業所に限り、利用当日の羽田便、成田便(佐賀空港到着便が対象)の搭乗券など、搭乗が確認できるものの提示が必要。48時間を超える利用料金は別途負担となる。また、佐賀県内と福岡県大牟田市、柳川市、久留米市、熊本県玉名市の各レンタカー営業所への乗り捨て料金は無料としている。なお、利用日の前日までにレンタカー各社に電話予約が必要。

 問い合わせ=佐賀県交通政策部空港課 電話:0952(25)7104。

ふくしまDCで12%増、観光客数震災前の9割へ

DCの成果を発表する内堀知事
DCの成果を発表する内堀知事

 今春「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」を展開した福島県の4―6月の観光客数は、前年同期比12・2%増の1357万人(推計値)と、NHK大河ドラマ「八重の桜」の放送でにぎわった一昨年の実績も上回り、震災前の9割まで回復した。

 8月24日、福島県観光復興キャンペーン委員会とJR東日本が福島市内で開いた会見で、内堀雅雄福島県知事らが発表した。地域別に見ると太平洋側の浜通りが同19・3%と約2割増。会津が同15・6%増、中通りが同6・8%増。震災前(2010年4―6月)に1519万人だった観光客数は、11年に710万人に半減。13年は八重の桜の人気で1324万人まで持ち直した。今春は1357万人と13年実績も上回り、震災前の約9割となる89・3%まで回復した。

 とうほう地域総合研究所は、DC開催にともなう経済波及効果を約295億円と試算。直接効果は116億円、原材料購入などの1次波及効果は147億円、雇用所得増加などの2次波及効果を32億円と分析している。

 ふくしまDC成果発表会も開き、観光関係者約300人が参加した。県内3千を超える観光企画のなかから、二本松おもてなし隊(二本松市)や、白水阿弥陀堂ライトアップ(いわき市)、慧日寺(えにちじ)跡を活用したイベント(磐梯町)、甲ちゅう着付け体験(南相馬市)などの取り組みが報告された。