地域によって異なる未婚男女のバランス ― 地方行政も「出会いの場」をサポート

 「出会いがない」なら出会いの場をつくろうと、地域創生の一環として地方自治体や旅行会社も熱く動き始めた。

 2010年時点の生涯未婚率は男性が20・1%、女性が10・6%だったが、30年には男性が27・6%、女性が18・8%と飛躍的に増加すると、国立社会保障・人口問題研究所が予想している。未婚率が大幅に上昇する原因は結婚しづらい社会構造もあるだろうが、でもそれだけではないような気がする。

 地域によって未婚男女のバランスが異なる結果も出た。総務省統計局によると、20―39歳で未婚男性よりも未婚女性の方が多いのは鹿児島県、福岡県、奈良県、長崎県、兵庫県、熊本県、宮崎県、大阪府、佐賀県、京都府など西日本に偏り、一方、未婚女性より未婚男性が多いのが栃木県、茨城県、愛知県、静岡県、富山県、群馬県、福島県、山形県、長野県、神奈川県など東日本に偏っている。このため、地域を超えた出会いの場の必要性が言われている。

 リクルートマーケティングパートナーズが運営する「ゼクシィ縁結び」が今年7月にまとめた、東名阪の都市部在住者の地方での暮らしへの関心についての調査では、「地域の暮らしに興味のある20―30代男女」の割合は、既婚者は34・6%、そして未婚者は48・1%と意外に高く、約2人に1人は、都市部ではなく、地方での生活に関心を持っていることがわかる。

 しかし、いくら関心があっても、実際に行ってみなければ、そもそも現実的な気分になれないし、その前に何らかの「取っ掛かり」が必要である。

 地方創生が国の政策の柱となっているが、その根幹となるのは人の交流であり、もっと言えば、定住人口の増加、さらに望めば、若年層がたくさん地元で生活してくれることである。

 佐賀県は、首都圏でさまざまな企業やメディアとコラボレーションしながら情報発信を強めていくプロジェクト「サガプライズ!」に取り組んでいる。その一環として、ゼクシィ縁結びと協力して、佐賀県の農業や漁業などに携わる生産者や、酒蔵の職人など独身男子と、未婚の東京女子を結び付ける多様な「縁結び」イベントを仕掛けていく予定だ。9月4、5日に東京都内で首都圏在住の男女約290人と佐賀県の職人・生産者約70人が交流できるフェスティバルを実施すると、気軽な気持ちで参加した人も、佐賀県の食の魅力などを初めて知る機会となり、イベントは大盛況だったという。10月末から11月の初めにかけ、首都圏の未婚女性約30人が2泊3日で佐賀県を訪れ、交流を行う「佐賀 ご当地結び旅」も計画されている。LCCの「Spring Japan(春秋航空日本)」や日本旅行も、このツアーに参画している。

 「出会いがない」と多くの若者が感じているという。だが、身近に理想的な異性がいるなんて幸運は滅多にない。そうであるなら自ら動くしかない。つまり、異性を求める旅だ。野生動物だってあらゆる手段を講じて、そうやっている。自ら動けない植物に至っては、ミツバチなんぞを利用する。強かである。それに比べ人間は移動や通信手段は万全なのに……。もっと動いて、旅して、日本中、世界中の人と出会う機会をつくるべきだと思う。地域や旅行会社は、ときには“ミツバチ”となって出会いをサポートするのもいい。

(編集長・増田 剛)

新長官に田村明比古氏、前航空局長、鉄道局次長など(観光庁)

田村明比古長官
田村明比古長官

 国土交通省は9月11日付で、5代目となる新観光庁長官に前航空局長の田村明比古氏を任命した。なお、久保成人長官は退任した。
 【次号で田村新長官の会見を掲載】

 田村 明比古氏(たむら・あきひこ)。東京都出身の60歳。1980年東京大学法学部卒業後、運輸省入省。83年に同省大臣官房人事課(アメリカ・コーネル大学留学)、87年に同省国際運輸・観光局外航課付(休職・海事産業研究所)。90年に富山県企画県民部博覧会推進局主幹、93年運輸省大臣官房人事課専門官などを経て、97年には外務省在アメリカ合衆国日本国大使館参事官に就く。2000年運輸省運輸政策局観光部旅行振興課長、01年国土交通省総合政策局観光部旅行振興課長、02年に福岡県企画振興部理事。04年に国土交通省海事局港運課長、05年同省港湾局港湾経済課長、06年同省航空局監理部総務課長。08年、同省大臣官房審議官(国際、国土計画局担当)、10年同省大臣官房審議官(鉄道局担当)、11年同省鉄道局次長、12年同省航空局長を経て、15年9月観光庁長官就任。

No.412 近ツー・団体旅行の活路開く、未来創造室「変化に対応する事業を」

近ツー・団体旅行の活路開く
未来創造室「変化に対応する事業を」

 KNT-CTホールディングス(戸川和良社長)の団体旅行部門、近畿日本ツーリスト(小川亘社長)が昨年10月1日に取締役会下に新設した「未来創造室」。変化する旅行市場に対応するために、団体事業の変革を目指す「Beyond2020」プロジェクトの推進をはかるほか、新規コンテンツによる企業価値創造の推進役も担う。旅行事業の新たな活路を切り開くべく活躍する同室の安岡宗秀部長に設立後1年が経過する未来創造室の活動内容と、同室が描く未来について聞いた。
【丁田 徹也】
 

 
 ――未来創造室の設立経緯について教えてください。

 旅行を含めた社会の環境は変化しています。たとえば、少子化による教育市場の縮小や、予想もしなかった訪日客の急増などです。これらの環境の変化により、一般団体旅行と教育旅行をメインに据えてきた近畿日本ツーリストは軸足を再調整する必要が出てきました。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催という契機もあり、事業構造の変革を会社全体で推進するために、東京オリンピック・パラリンピックやその先のビジョンを見据えた「Beyond2020」プロジェクトを今年1月から進めています。

 未来創造室はこのプロジェクトの推進役として設立されました。事業構造の変革による企業価値の向上を目指し、旅行業に捉われない新規サービスやコンテンツを開発・検証しています。…

 

※ 詳細は本紙1600号または9月25日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

グランプリなど表彰、108プランから10校が競う、第7回全国高校生観光プランコンテスト

グランプリに輝いた青森県立名久井農業高校
グランプリに輝いた青森県立名久井農業高校

 全国の高校生を対象に、地域の観光資源をアピールする第7回全国高校生観光プランコンテストの本選大会が8月23日、大阪府茨木市の追手門学院大学茨木キャンパスで開かれた。これまで「観光甲子園」として神戸夙川学院大学が事務局として実施していたが、今大会から追手門学院大学が「全国高校生観光プランコンテスト」として大会を引き継ぐことになった。

 全国の高校から108のプランが寄せられ、当日は本選に選ばれた10校が出場。テーマである、(1)地元地域の観光プラン(2)地元地域の“インバウンド”観光プラン――のプレゼンテーションが審査され、グランプリの文部科学大臣賞は、青森県立名久井農業高校の「『戸(のへ)の里』を巡るミステリーツアー」が受賞。同じくグランプリの観光庁長官賞には、京都府立桂高校の「乙訓から発信 ボランティア型観光への挑戦~京の伝統野菜は外国人観光客が守る~」が受賞した。また、本選出場には至らなかったプランの中で、とくに優秀なプランを表彰する特別賞の旅行新聞新社社長賞は、長崎県立五島海陽高校の「五島っち(ご当地)ホリデー」に贈られた。

 準グランプリ、優秀作品賞、特別賞を受賞したのは次の通り。

【準グランプリ】全国高校生観光プランコンテスト大会組織委員会委員長賞=高知県立須崎高校「酔海サワッチ~SAWACHI・Revolution!!!!!*皿鉢から高知は変わる」▽日本観光振興協会会長賞=福井県立奥越明成高校「再発見!新発見!お宝発掘なんでも撮影団」▽追手門学院大学学長賞=岐阜県立益田清風高校「ONTAKE山からTAKE ON~ONTAKEから始まるオリンピックへの道~」

【優秀作品賞】日本旅行業協会会長賞=宮城県農業高校「伊達じゃない!空から丸見えアトラクション型ツアー~最新技術のコラボレーションで生まれる新世代観光~」▽全国旅行業協会会長賞=岩倉高校(東京都)「~本当の観光ってなんだろう?本当の日本の魅力とは?~私たちの日常を観光地へ“Let´s experience!!!”」▽日本ホテル協会会長賞=松江市立女子高校(島根県)「神々の国で神呼吸(しんこきゅう)~ハーンの愛した松江には“本物”がある~」▽毎日放送社長賞=三重県立鳥羽高校「もういちど、家族。がいええぞ!答志島~絆を深める結びの旅~」▽よしもとクリエイティブ・エージェンシー賞=和歌山県立神島高校「梅の花満開!南紀を満喫!!ver2~神島(かしま)高校プレゼンツ!地元高校生がおもてなし」

【特別賞】日本ヘルスツーリズム振興機構理事長賞=山形県立置賜農業高校「イザベラ・バードが旅した“出羽の国おしょうしなツアー”」▽旅行新聞新社社長賞=長崎県立五島海陽高校「五島っち(ご当地)ホリデー」▽観光経済新聞社社長賞=追手門学院大手前高校「最先端とローカル」

国が翻訳アプリ作ってた

 総務省所管の情報通信研究機構は、日本語でスマホに話しかけると、内容を英語や中国語に訳して音声発信してくれるアプリを開発、無料で配布している。 

 翻訳は旅行や生活会話が中心。音声や対訳文例を集め、より円滑な言葉に音声翻訳する技術を採用しているので、使えば使うほど「賢くなる」という。現在、日英中韓など27言語に対応している。

 先日デモを見たが、英語訳の精度は高いよう。東京メトロは外国語対応で試験導入している。ただ宿泊業に対して提案するのは初めてとも聞いた。観光利用を想定し開発しているのに、この状況はちょっとさびしい。

 アプリの名称は「VoiceTra4U(ボイストラ・フォーユー)」。アップストアやグーグルプレイから無料で入手できる。

【鈴木 克範】

産業観光フォーラム、10月1、2日 燕三条で開く

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 全国産業観光フォーラムin燕三条が10月1、2日(2日はエキスカーション)、新潟県三条市の燕三条地場産業振興センターで開かれる。

 歴史ある洋食器・金物の町として栄えてきた燕市と三条市は、世界有数の技術集積地として、利器工匠具や金属洋食器など多種多様な製品を創り出すとともに、「ものづくりのまち 燕三条」として産業観光にも力を入れている。

 近年では地域づくりやビジネスモデルが「デザイン」として評価され、イベント「燕三条 工場(こうば)の祭典」や農園体験型カフェ「畑の朝カフェ」がグッドデザイン賞を受賞するなど、注目の地域となっている。

 今回のフォーラムではこれら燕三条で活躍する事業者らが分科会でディスカッションを行い、燕三条の未来や職人の想い、「オープンファクトリー(工場見学)」について語る。本紙でコラム連載中の須田寛氏と丁野朗氏も登壇する。また、三条市に本社を置く大手アウトドアメーカー「スノーピーク」の山本太社長が「燕三条とスノーピーク」をテーマに講演するほか、産業観光についての対談も行う。

 参加申込締切日は経過しているが、10月1日のフォーラムへの参加は可能。2日のエクスカーション(「燕三条 工場の祭典」ツアー)については定員が迫っているため問い合わせが必要。

 問い合わせ=燕三条地場産業振興センター 燕三条ブランド推進室 電話:0256(36)4123。

群馬で全国大会決まる、石川とプレゼン後に選挙(全旅連青年部)

開催地決定後に握手する群馬と石川の県部長
開催地決定後に握手する群馬と石川の県部長
桑田雅之部長
桑田雅之部長

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の青年部(桑田雅之部長)は9月15日、東京都内で臨時総会を開き、来秋の全国大会を群馬県で開くことを決めた。

 今回は、開催地をめぐって群馬県(関口征治県部長)と石川県(萬谷浩幸県部長)が立候補したため、それぞれ15分間のプレゼンテーションを行った。その後、常任理事、ブロック長、正副部長による投票の結果、群馬県に決定した。投票数に関しては、今後の青年部活動に影響を与えないように公表していない。
 

 

関口征治群馬県部長
関口征治群馬県部長

 プレゼンテーションでは、群馬県は大会会場を前橋市のグリーンドーム前橋、宿泊は伊香保温泉などを予定していると発表。一方、石川県は金沢市の石川県立音楽堂を大会会場とし、ホテル日航金沢での懇親会などのプランを披露した。両県ともに地域文化のアピールや、交通アクセス、無駄のない予算案などを提案した。

 桑田部長は「全国大会に参加することでさまざまな学びがある。さらに、受入地の各都道府県、ブロックは部員の拡大など活性化につながっていくメリットがある」とし、「立候補のあった2つの県で開催できればいいが、1つを選挙で選ばなくてはならない。しかし投票が終われば、ノーサイド」と強調した。

 開催地に決まった群馬県の関口県部長は「北関東信越ブロックが一つとなり、旅館業の活性化につながるように、皆さんが来てよかった、最高だったと言われる全国大会にしていきたい」とあいさつした。
 
 
 
 
 
 

上期の訪日客が2倍、アジア客に大阪が人気(エクスペディア)

アジア客でにぎわう大阪の黒門市場
アジア客でにぎわう大阪の黒門市場

 世界最大の総合オンライン旅行会社エクスペディアは8月25日、2015年上半期の同社経由の訪日旅行客が前年同期比190%の約2倍になったと発表した。なかでもアジアからの訪日客は同246%の約2・5倍と大幅な伸びを示した。

 増加要因は(1)円安効果(2)LCCの増便(3)地方の訪日施策強化――の3点を挙げた。訪日外国人数の伸びを東京と大阪で比較すると、東京の同168%に対し、大阪は同200%と大きく上回った。

 地方都市でも札幌同276%、名古屋同195%、福岡同226%、沖縄同263%とそれぞれ大きく伸ばしている。

 アジアの主要訪日4カ国の海外旅行先の人気都市ベスト10では、韓国の1位が大阪で、3位沖縄、4位東京、7位福岡という結果だった。また、台湾は1位沖縄、2位大阪、3位東京、6位京都。

 香港が2位大阪、3位東京、4位沖縄。タイは1位東京、2位大阪、5位札幌、8位小樽・富良野、10位福岡という順位で、どの国も大阪の人気が高い。

 外国人旅行客の比率では、東京の30%が米国人旅行者で、京都もほぼ同数。一方、大阪は米国人が12%で、逆に韓国、香港、タイ、台湾の67%とアジアが圧倒的に多い。

 「伝統」を好む欧米人、「ショッピング」や「食」をメインするアジア人と傾向が分かれる。大阪での人気宿泊地では欧米人が「難波」「梅田」がほぼ同じ。アジア人は半数が「難波」に集中する。

 同社では、アジアからの個人手配旅行比率が約6割を占めるなか、15年下半期の大阪、関西での予約件数を前年対比2倍に設定。宿泊施設もホテル以外に有馬、奈良、京都を中心に旅館も増やしていくという。

 また、営業拠点も東京、大阪に続き福岡を近くオープン。年末には札幌、沖縄の開設を予定する。

4割がスマホトラベラー、旅行の計画や予約に使用(トリップアドバイザー)

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 トリップアドバイザーはこのほど、全世界の宿泊事業者と旅行者を対象に年2回実施している旅行動向調査「TripBarometer(トリップバロメーター)」を発表した。今回は、旅行の計画や予約の際のスマートフォン利用を調べた結果、旅行者の約4割がスマートフォンを使う「スマホトラベラー」だということがわかった。

 トリップアドバイザーは、スマートフォンを使って旅行の計画や宿泊予約などを行う人々を「スマホトラベラー」と定義。世界の回答者のうち、42%がスマホトラベラーだったが、日本人旅行者は38%と平均を下回った。最も多い国はタイと中国で65%。以下、ブラジルとインドネシアが59%。

 旅行者全体に直近の宿泊予約の経路を聞いたところ、オンライントラベルエージェント(OTA)の予約サイトや宿泊施設のウェブサイトなど「オンライン」が67%、「モバイルアプリ」が8%、「オフライン」が25%を占めた。昨年の調査では順に70%、4%、26%となっており、アプリ経由の予約は倍増している。

 スマホトラベラーはスマホを旅行の重要なアイテムとして捉えており、利点に「瞬時に情報にアクセスできる」「旅行中に写真を撮り、写真や経験を共有することができる」などを挙げる。また、旅行先でモバイル端末を利用する場面として「地図で目的地を探す」が旅行者全体で67%に対し、スマホトラベラーは81%。「レストランを探す」は56%対72%、「ホテルを探す」は36%対50%など。

 宿泊施設に求めるモバイル関係のサービスとしては旅行者全体もスマホトラベラーも「アダプターや変圧器」がトップ。(割合は60%対64%)。次いで「ノートPC、携帯、タブレットなどに対応した充電器」(54%対60%)、「旅行先でのアクティビティなどの予約ができるアプリ」(38%対45%)と続く。

 一方、宿泊施設側の対応をみると、宿泊者から高いニーズがある「充電器」に対応している宿泊施設は35%に留まった。また、宿泊施設の73%がオンライン上から、55%がモバイル端末からの予約を受け付けているが、モバイルに適したウェブサイトを提供している施設は46%、旅先でアクティビティなどが予約できるアプリを提供している施設は20%だった。このなかで、日本はモバイルに適したウェブサイトの開設が11%と極端に低くなっており、調査では「タイや中国、インドネシアなど日本を訪れるアジア諸国にスマホトラベラーが多い現状を考えると、スマートフォンに対応したサイトの準備は日本の宿泊施設にとって急務といえる」と分析している。

 今回の調査は、1月16日―2月2日に実施。世界7エリア・32の国と地域を対象に旅行者3万4016人、宿泊事業者1万261人が回答した。

“乗客の幸せを願う”、七尾線で花嫁のれん号運行(JR西日本)

あざやかな紅色が美しい
あざやかな紅色が美しい

 西日本旅客鉄道(JR西日本、真鍋精志社長)は9月9日、東京都内で観光列車「花嫁のれん」の車内サービス記者発表会を開いた。今年3月に北陸新幹線が開業した北陸を舞台に、北陸3県(富山県、石川県、福井県)・北陸経済連合会とJRグループ6社が10月1日―12月31日までの3カ月間、北陸デスティネーションキャンペーンを展開。同列車はキャンペーン実施に合わせ10月3日から七尾線(金沢―和倉温泉間)で運行する。

 主催者あいさつで堀坂明弘常務は「花嫁のれん号は内外装のほか、車内サービスにもこだわった。これを機にぜひ北陸エリアに足を運んでほしい」とアピールした。続いて、同列車の名称の由来やコンセプト、車内サービスなどについて概要説明が行われ、同列車名は加賀、能登、越中地方に幕末から明治にかけて伝わった、花嫁の幸せを願い婚礼の日にのれんを贈る伝統文化に準え、乗客の幸せを願う思いから「花嫁のれん」と名付けたことを発表した。〝和と美のおもてなし〟をコンセプトに、外観のデザインは北陸の伝統工芸である輪島塗や加賀友禅で広く起用される図柄を採用。車内では、加賀屋監修の和装アテンダントによるおもてなしや、定期的に「楽市・楽座」など地域色豊かなイベントも開かれる。

辻口氏によるセレクトスイーツ
辻口氏によるセレクトスイーツ

 概要説明終了後、同列車で提供されるオリジナルセレクトスイーツの監修を行った石川県七尾市出身のパティシエ辻口博啓さんと、同列車と同名のテレビドラマに出演していた女優の羽田美智子さんを交えたトークセッションが行われた=写真上。辻口氏は自身セレクトのスイーツセットについて、「地産地消を意識し、石川県で取れた食材を使ったスイーツをセレクトしました。石川で取れた素材を感じながら食べてもらえたら、旅がより一層楽しくなると思います」とコメント。羽田さんは同列車に乗って行きたい場所について「和倉温泉は、撮影中に何度も訪れましたが、あそこのお湯が肌と羽田にいいのでまた訪れたいです。あとは途中駅七尾にも醤油アイスクリームを食べに訪れたいです」と答え、会場の笑いを誘った。