全旅連、菅首相にGo Toに係る要望書を提出 引き続きの支援を求める

2020年11月27日(金) 配信

青年部・鈴木治彦部長が菅義偉首相に要望書を提出した

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(多田計介会長)と青年部(鈴木治彦部長)は11月27日(金)、菅義偉首相を訪れ、Go Toトラベルキャンペーンの発地制限で生じた、宿泊客減少への支援などを要望した。インバウンド回復までGo Toトラベル事業制度の延長なども要求した。

 青年部は、新型コロナウイルス感染拡大が進行する現状で、Go To制限に関わる報道から、「全国的な宿泊キャンセルが発生している」と危機感を示し、引き続きの支援を求めた。

 衆議院の武井俊輔議員は、4000万人を超えるGo Toトラベル利用宿泊者数の中で、新型コロナウイルスに感染した人が180人程度との認識を示す。「科学的なエビデンスに基づいた判断をしていただくと同時に、宿泊することが決して危険なものではないと伝えていきたい」と話した。

 菅首相は要望を受け、「しっかり対応していきたい」と応え、前向きに検討する姿勢を見せた。

 また、中長期的な事業の支援要望として、災害時における避難所としての宿泊施設の整備や、感染症対策の設備導入支援、地方創生のための「宿泊産業」への支援を求めた。内容には「宿泊施設を基軸とした地域経済活性モデル支援事業の設立」などが含まれる。

 鈴木部長は、「引き続き感染拡大防止策を徹底的に講じたうえで、雇用確保と経済の復興実現に向けて業界一丸となり取り組んでいく」と述べた。

HIS、毎年恒例の初夢フェアを実施 次回の旅行に使える5000円クーポンも配布

2020年11月27日(金) 配信

同フェアのイメージ。杉乃井ホテルに泊まるプラン5万6000円などで販売している

 エイチ・アイ・エス(HIS、澤田秀雄会長兼社長)は12月22日(火)まで、毎年実施する初夢フェアの「フライング 初夢フェア2021 にっぽんの旅」を行う。旅を通じて地域経済への貢献と、旅好きな消費者の想いに応える。

 同フェアは新春を飾るHIS旅行商品の“初売り”として位置付けられている。Go Toトラベルキャンペーンの適用が可能。1月までに出発する商品には、同社の独自施策となる最大5000円の「2021年次回の旅行に使えるお年玉クーポン」をプレゼントする。なお、11月20日(金)現在、1月出発の各方面が大変混み合っているという。

 商品には杉乃井ホテル(大分県別府市)に泊まる3日の5万6000円のプランをはじめ、ヒルトン瀬底リゾート(沖縄県・本部町)に宿泊する3日5万円の旅、ハウステンボス(長崎県佐世保市)に3日間滞在する7万9000円のプランなどを用意した。

 同社は初夢フェアの第2弾も予定している。2021年春夏以降に渡航が可能になる想定のもとで海外旅行商品やオンライン体験ツアーなどをそろえる。

高知県・物部川DMO協議会 ものべがわエリア衛生基準認証制度を開始

2020年11月27日(金)配信

 高知県南国・香南・香美広域観光組織「物部川DMO協議会」はこのほど、安心・安全で楽しめる観光地を目指すため、衛生基準認証制度「ものべSSS認証制度」を整備した。エリア内に拡大していく。

 同エリアはミキハウス子育て研究所の「ウェルカムファミリーの観光地」の第1号認定を受けるなど、日ごろから家族客をターゲットにした取り組みを行っている。衛生基準を「見える化」することで、安心・安全な旅行先として選ばれることを目指す。

 認証基準①(D)どんなときも、(M)ものべがわエリア3市が力を合わせて、(O)おもてなしの心でお客様に感動をお届けする②密回避の対策③換気④マスク着用など咳エチケットの徹底--など7項目を設けた。認証施設には認証書を授与するとともに、協議会オリジナルデザインのマスクポケット(使い捨てマスク入れ)の配布ができるようにする。

NAA、民営化後初の赤字 コロナで旅客数減少

2020年11月27日(金) 配信

通期の見通しも赤字の計上を見込む

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)がこのほど発表した2020年度中間連結決算(20年4~20年9月)によると、営業損失は306億5100万円(前年同期は293億3700万円の利益)と04年の民営化以降初の赤字となった。営業収益は前年同期比73・8%減の332億1300万円、経常損失は301億3500万円(同284億5500万円の利益)、中間純損失は424億7700万円(同183億9500万円の利益)。

 新型コロナウイルスの感染拡大で旅客が大幅に減少したことなどが主な要因。

 20年度通期連結業績予想は営業収益が同28・8%減の683億円3億円、営業損失は651億円(前年同期は407億円の利益)、経常損失が654億円(同391億円の利益)、当期純損失は783億円(同244億円の利益)の赤字になる見通し。

 今後は経営状況改善のため、一部の緊急性の低い工事を先送りにするほか、ターミナルの一部閉鎖、社員の人件費の削減などで営業費用を抑える。

 田村社長は19年度通期業績決算で過去最高の営業利益だったことなどを踏まえ、「金融機関から好意的な評価をもらっている。万が一の際には国からの支援があること確認した」と健全な経営状況を説明した。

JATAの道プロジェクト、最終回は宮城県・東松島市周辺へ 震災から10年の来年3月11・12日に

2020年11月27日(金) 配信

第7回は松島などをめぐる(イメージ)

 日本旅行業協会(JATA)は11月26日(木)、みちのく潮風トレイルを活用した東北復興支援活動「JATAの道プロジェクト」を、震災から10年となる来年3月11日(木)~3月12日(金)の日程で実施すると発表した。最終回となる7回目は、みちのく潮風トレイルの宮戸エリアと矢本・大曲エリア、野蒜・小野エリアを訪れる。

 同日に開かれた定例会見で、総務・広報部の渡邉泰担当部長は「プロジェクトの目的は、社会貢献としてトレイルを日本や世界の方々に知ってもらうこと。そのあとで、旅行産業に結びつけられれば」と語った。

 今回は、宮城県石巻市のほか、女川町、東松島市、塩釜市、多賀城市を巡る。1日目の3月11日(木)は、東松島市震災復興伝承館を見学後、大高森まで4.8㌔のトレイルを歩く。東日本大震災が発生した午後2時46分には参加者全員で黙とうを捧げる。

 見どころは、「1日目は、大高森の津波からの復興を見ることができる」(渡邉担当部長)と話す。2日目は、トレイルコースから航空自衛隊松島基地が見えるということもあり、「場合によってはブルーインパルスのタッチ&ゴーの演習風景が見られるかもしれない」と紹介した。

 トレイルは、教育旅行をはじめインバウンドからの関心も高く、「新しい観光地として貢献している」と自信をみせた。

 2014年から始まった同プロジェクトは、「新しい東北観光」の実現に向け、東北地方太平洋沿岸エリアの「自然環境の整備活動」を通じ、「自然景観の復興」「生活文化の再生と向上」に取り組むもの。

 例年10月に実施していたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、来年3月に延期となった。会員旅行会社の東北担当者や、企業で社会貢献している部署の従業員など、全国から平均約60人前後が参加している。

 JATAの社会貢献活動は、第1弾のJATAの森、第2弾の同プロジェクトと続き、第3弾は古道に焦点を当てていくことも明らかになった。渡邉担当部長は「西日本地区からスタートする」と述べ、今後も社会貢献の存在を広く周知していく。

壱岐島ワーケーションで事業構想 イキ・パーク・マネージメント

2020年11月27日(金) 配信

同モニターツアーの拠点となる壱岐イルカパーク&リゾート

 イキ・パーク・マネージメント(高田佳岳社長、長崎県壱岐市)は12月14(月)~17日(木)、「事業創造型ワーケーションモデル」を確立させるためのモニター施策を行う。同企画は、観光庁の「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」で採択された実証事業。

 モニターツアーの事前に、参加者それぞれに地域課題の洗い出しを行ってもらい、「事業創造型ワーケーション」に関するウェビナーも開く。

 来島後は、壱岐島ならではの観光を楽しみながら、ワークショップやディスカッションを企画する。また、同社が運営する「壱岐イルカパーク&リゾート」で、イルカと触れ合えるアクティビティー体験も用意する。

 来年1月中旬には、ツアー内での企業マッチングや、構築した地域に根付く事業のベースをもとに、「国境離党雇用機会拡充事業補助金」に申請する。

 モニターの募集は12月2日(水)まで受け付ける。

NAA、国際線旅客数が20年度最高値に ビジネスの入国緩和で

2020年11月27日(金) 配信

田村明比古社長。3連休の国内線発着数が80%に回復したことを話した

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が11月26日(木)に発表した2020年度10月の総発着数は、前年同月比57%減の9109回と大幅に減少したが、今年度の最高値となった。併せて、国際線は発着数が同53%減の7165回、旅客便は同79%減の3111回、旅客数が同96%減の11万8739人と最高値を記録し、徐々に改善傾向が見らる。

 14日間の待機期間中、限定された行動範囲でビジネス活動が可能となるビジネストラックや、駐在員の派遣や交代など長期滞在者を受け入れるレジデンストラックなどの入国緩和措置のスタートが増加したことが主な要因。

 このほか、国際線貨物便の発着回数が同83%増の3662回と過去最高となった。旅客便で運べる貨物量が減り、需要が貨物便に代替したことで、発着回数が増えた。

 総旅客数は同90%減の35万643回。国内線は旅客数が同61%減の23万1904人。発着回数は同55%減の1944回。

 田村社長は「空港は公共施設であるため、常に開けておく必要がある。コスト削減などで経営状況を改善したい」と力を込めた。

 同日に発表された11月1(日)~21日(土)までの発着回数は国際線が75・8%減の2495回。旅客数が96・5%減の3万3900人。国内線の葉着回数は45・6%減の1566回となった。

 併せて、11月21(土)~23日(月)の3連休における国内線の発着数が前年同期比80%に回復したことも公表した。

 田村社長は「需要は徐々に改善しているが、感染者数の増減で状況が変わるので緊張感を持って臨む」と意気込んだ。

今年度の総合旅行業務取扱管理者試験合格率は40.7% 合格者の6割は旅行業関係者

2020年11月27日(金) 配信

イメージ

 日本旅行業協会(JATA)は11月26日(木)、今年度の総合旅行業務取扱管理者試験の合格率が40.7%(受験者1万378人、合格者4225人)と、過去4年間と比較して10%以上高かった要因について見解を発表した。

 同日の定例会見で、研修・試験部の中尾謙吉部長は「難易度は例年と変わっていない。むしろ、国内旅行実務は難しかった。旅行業関係者が善戦した」と振り返った。そのうえで、受験者の総合旅行業務取扱管理者研修修了率が高かったこと、昨年中止になった東京会場と宮城会場の総合旅行業務取扱管理者研修修了者が受験したことで、旅行業関係者の合格者が例年より増加し、全体の合格率を押し上げたとみている。

 職業別の合格者は、旅行業が一昨年は1094人(全体の受験者9396人)だったのに対し、今年は2418人と倍増した。旅行業に加え、旅行関連業と旅行業者代理業を合わせた合格者は全体の62.1%を占め、多くの旅行業関係者が健闘した。 

 さらに、今年の管理者研修は緊急事態宣言の発令を受け、オンラインの動画配信となった。配信期間中は、時間や回数を問わず繰り返し視聴できたことから、「受講者が不得意科目を克服できたのでは」(中尾部長)との考えを示した。

 また、今年は試験会場の感染防止対策を徹底した。受験者にマスク着用を義務付けたほか、手指消毒液の設置や開場時間の前倒しを実施。受験者の座席間隔や換気も配慮した。

 これらの対策と運営について、中尾部長は「大幅な経費が発生し、赤字だった」と明かし、東京会場などが中止となった昨年に続き厳しい状況となっている。受験料の見直しについては「担当者としては値上げしたい。しかし、国の判断もある。まずはコスト削減から始め、対応しきれない場合は改めて考えたい」と語った。

 毎年10月の第2日曜日に実施している試験日については、「前回の東京五輪の時、10月10日前後は晴天率が高いということで試験時期を決めた。だが、最近は台風の襲来もあり、もう少し遅い時期にずらせないか検討している」と語った。

「那覇まちま~い」10周年でVRグラス提供 JTA

2020年11月27日(金) 配信

10周年記念VRグラス

 日本トランスオーシャン航空(JTA、青木紀将社長、沖縄県那覇市)は12月1日(火)から、那覇市観光協会(佐久本武会長)主催のまちあるきコンテンツ「ガイドと歩く 那覇まちま~い」にVRグラスの提供を開始する。「那覇まちま~い」は今年12月1日に10周年を迎えることを記念し、沖縄セルラーアグリ&マルシェ(國吉博樹社長)が制作したVR映像コンテンツをツアーで展開。その映像を視聴する際にVRグラスを使用する。VRでは、在りし日の首里城正殿が見られるという。

 JTAは「コロナ禍で沖縄観光も含めて、旅行需要はまだ厳しい状況にあるが、那覇市をはじめ地元沖縄県の皆様とともに誘客促進を強化し、引き続き、沖縄県の観光振興に貢献していく」としている。

 「那覇まちま~い」VRグラス器材配布対象コースは「首里城物語り」や「世界遺産 玉陵と『金城町石畳』めぐり」など計8コース。実施は2021年3月31日(水)まで。

VRで観光地や風景を楽しめるアプリをリリース 福岡県・みやこ町

2020年11月27日(金) 配信

ガイドブックの写真を認識できる

 みやこ観光まちづくり協会(福岡県・みやこ町)とATINDE(福岡県行橋市)は12月1日(火)、iPhone用みやこ町VR(仮想現実)観光アプリ「みやこ360」をリリースする。美しい水と緑、数多くの文化遺産に恵まれたみやこ町の普段見ることができない古墳や三重塔の内部をVRで体験できる。

 同アプリは、みやこ町・みやこ観光まちづくり協会が発行しているガイドブックやチラシに掲載している写真を認識し、町内の観光地や風景をVR(360度全天球画像)で楽しめる。ガイドブックはみやこ町役場、みやこ町総合観光案内所で配布する。対象となっている写真にカメラをかざすと画面に表示される3DのAR(拡張現実)マーカーをタップするとその場所をVRで体験できる。

「みやこ360」に対応している写真一覧

 第1弾として、みやこ町ガイドブックに記載されているキャンプ場「じゃぶち森のビレッジ」、「みやこ町歴史民俗博物館」、国指定文化財「永沼家住宅」、「豊前国分寺跡(三重塔)」、「綾塚古墳」の5つの写真に対応。同じ写真を使ったほかの印刷物も認識できる。今後認識できる写真を15枚程度まで増やし、コンテンツの充実をはかる。