JATA総会、正会員の年会費は減額に 坂巻会長「会員の声が活動の源泉」

2021年6月24日(木) 配信

(左から)髙橋広行副会長、坂巻会長、菊間潤吾副会長、小谷野新副会長

 日本旅行業協会(JATA、坂巻伸昭会長)は6月21日(月)、東京・千代田区の経団連会館で第65回定時総会を開いた。新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化していることを鑑み、2021年度正会員の普通会費および特別会費の減額が承認された。普通会費は年額10万円の減額、特別会費も従業員数によって全額免除または半額とすることも決まった。また、正会員再入会時における入会金免除も併せて認められた。

 会費の減額に伴い、普通会費は年額25万円となる。特別会費は、常勤役員と旅行業従事社員数が30人以下の場合は全額免除とし、31人以上の場合は1人当たりの会費を従来の600円から300円に減額し、常勤役員と旅行業従事社員数の合計を乗じた額とする。

 入会金の免除は、旅行事業の再開の目途が立たず廃業し、正会員を退会する事業者が見られることから、再入会する際に入会金80万円を免除することが決定した。対象は、2020年4月1日~22年3月31までに退会届を受理した正会員で、22年3月31日から2年以内に入会申込みを行うことが条件となる。

 坂巻会長は「JATAは全会員の集合体。会員の声を聞かせてほしい。また、聞く組織でありたい。会員の声が活動の源泉となり、動くことができる」と呼び掛けた。そのうえで、「コロナ禍によって、移動と交流が経済にとって欠かせないだけでなく、人の生きがいや子供の教育に欠かせないと明らかになった。旅は単純な移動ではなく、心の移動や交流、そこには笑顔が必ずついてくる。次の世代につながる旅行業を皆様と作り上げていきたい」と力を込めた。

  観光庁の金子知裕国際観光部長は、Go Toトラベル事業について「当面は慎重に対応せざるを得ないが、しかるべき時期が来たら再開するよう継続的に働き掛けていく」と述べた。

 なお、総会同日をもって堀坂明弘副会長が退任し、新たに日本旅行の小谷野悦光社長が副会長に就任した。また、松田誠司理事と大西哲郎理事が退任し、阪急交通社の酒井淳社長と名鉄観光サービスの拝郷寿夫社長が新理事に就任し、運営役員を務めていた読売旅行の坂元隆社長も理事に就いた。

需要回復への事業計画 「Go To海外」の仕掛けも

 JATAでは政府や与党に対し、Go Toトラベル事業の再開など大規模な国内観光需要喚起対策、国際交流の速やかな再開、雇用調整助成金の特例措置の年内延長や産業雇用安定助成金など支援策の拡充を要望している。今後も状況に応じて企業への支援策や需要回復策などの陳情を行う。

 今年度の事業計画と予算は、旅行需要回復の先行きが不透明なことから、非常事態編成とし①総額2億円の減収を見込んだ収支計画②コロナ禍からの業界復活と変革に集中するため、全体事業を見直す③国際交流の再開に向けてあらゆる活動の実行④国家試験・法定研修、消費者相談等の法定業務の継続維持⑤ツーリズムEXPOジャパンは、観光産業が一丸となって本格的な国際交流の復活の場となるよう、予算規模は大幅に縮小したうえで実施⑥会議・研修のオンライン化・ペーパーレス等デジタル化の推進――を実施していく。

 事業計画の重点事項は、国際交流の速やかな再開のキーとなるヘルスパスポートの促進、Go Toトラベルの再開とGo Toトラベル後を見据えた環境整備、インバウンド再開に向けた政府・地域・JNTOと連携した取り組みを行う。

 主な事業計画として、海外旅行は関係機関と連携したプロモーションを行い、「海外旅行市場の生き残りをかけた」活動に注力する。具体的には、2国間での「Welcome to My Country(Go To海外)」キャンペーンの仕掛けなどを行うほか、安心安全を根底とした海外旅行ガイドライン制定と管理型旅行の実現、ハワイやビジネストラック開始国など2国間協議体による早期交流再開に向けた取り組みを行う。

 国内旅行は、官民が連携して国内旅行需要拡大施策への提案と参画を積極的に進めるほか、旅行会社の役割と価値提供の転換に向けた取り組みを推進する。重点施策事業には、会員会社のGo Toトラベル事業における利益の最大化に向けた支援、団体旅行・貸切バス需要拡大に向けて取り組んでいく。新規事業には、「需要喚起施策パッケージ」による地域支援と需要喚起、観光庁と連携した「観光地被災情報共有化システム」の開発と運用、アドベンチャーツーリズムの活性化、eスポーツの普及促進に努める。

 訪日旅行は、レジャーマーケット再開に向け、国と日本政府観光局(JNTO)、地方自治体と一体となり、早期再開施策を実施するほか、訪日受入再開に向けた機運醸成をはかる。また、訪日旅行者へ提供するサービスの品質向上と安全衛生管理に向けた取り組みも進める。

 21年度の収支予算については、需要回復の見通しが立たないことから、当期収入は一般会計が前年度比2億1839万円減の7億2531万円を見込む。特別会計は国家試験が6600万円、弁済業務が18億4000万円、ツーリズムEXPOジャパンが7億1200万円など、合計で約31億1847万円の見込み。前期繰越収支差額の20億6900万円を含めた収入合計は約59億1252万円。

 当期支出は、一般会計が同1億606万円減の8億3758万円、特別会計が32億1081万円。合計で約40億4838万円を見込む。次期繰越収支差額を含めた合計は約18億3414万円となる。

2度目のTEJ大阪・関西 11月25~28日に開催

 19年に続き、大阪が会場となるツーリズムEXPOジャパン(TEJ)は、11月25日(木)~11月28日(日)の4日間の日程で開催する。前回の大阪での成功と、20年の沖縄開催で培った新しいMICEモデルを深化させ、国際交流の復活のきっかけを醸成する。新たに、西日本パビリオンの拡充や、ワーケーション、eスポーツなど新しい旅のカタチをエリアごとに展開する。

この夏はちょっと贅沢な国内リゾートを 「感動の宝石箱」発売(日本旅行)

2021年6月24日(木) 配信

日本旅行はこのほど、国内旅行新商品「感動の宝石箱」シリーズを売り出した

 日本旅行(小谷野悦光社長、東京都中央区)は6月23日(水)、同社商品の国内パッケージツアー「赤い風船」で、ハネムーンや記念日旅行におすすめの国内旅行新商品「感動の宝石箱」シリーズを売り出した。

 「感動の宝石箱」は従来まで海外旅行商品として販売していた。しかし、新型コロナ禍で海外旅行ができない状況が長引くなかで、同社は「日本にいながら海外リゾート気分を味わえる国内旅行」に着目。

 この夏の旅行は「いつもよりワンランク上の国内リゾート滞在」をテーマに、長崎(ハウステンボス)や屋久島、北海道、沖縄の4商品を造成した。

 同シリーズで利用する宿泊施設では客室からの眺望にこだわり、宿泊特典やオプショナルツアーを設定した。夏の「ちょっと贅沢な」国内リゾートを提案する。

 設定期間は7月1日(木)~10月31日(日)。関西発。

 商品の例として、ホテルヨーロッパ(長崎・ハウステンボス)カジュアルプランでは、滞在中はプレミアムラウンジを利用できるほか、パーク内のレストラン22店舗で好きな時間に食事ができるなどの特典が付く。料金は16万7800円から(3泊4日、1室2人、大人1人当たり)。

大人のテーブルマナーを学ぶ 最新マナーをプロ視点から解説

2021年6月24日(木) 配信 

「大人のための『テーブルマナー』の教科書」

 星雲社はこのほど、サービスのプロの視点からテーブルマナーを解説した「大人のための『テーブルマナー』の教科書」を発刊した。時代と共に変化し続けるレストランの世界に合わせ、基本的なマナーからさらに踏み込んだ「今まで触れられなかったテーブルマナー」について焦点を当てた。

 著者は、日本ホテルレストラン経営研究所理事長の大谷晃氏。テーブルマナーの講師として日本や海外でも講演を行い、首相主催晩餐会でもサービスにあたる同氏が、今日から役立つアドバイスを詳しく解説している。

 また、同社から刊行されている「旅館ホテルのおもてなし」や「旅館ホテル・観光の教科書」などでは監修を務めている。

 第1章では、「店選びの決め手は下見」や「正しい化粧室の使い方」、「カメラのマナー」、「身体の不自由なお客様へ」など、現実の場面で重要と思える場面を取り上げて解説。古いマナーやサービスの考え方を、現代の社会情勢に合わせて再定義した。

 このほか、西洋料理編、日本料理編、中国料理編、ソムリエとワイン、パーティー編──を6章立てで紹介する。

 大谷氏は、「大人としてのテーブルマナーを身に着けておくことで、レストランやパーティーでのひと時をかけがえのないものにしてほしい」との思いを込めた。

 四六判並製、本272㌻、本体1980円(税込み)。

 問い合わせ=星雲社 tel03(3868)3275。

北海道・ノーザンホースパーク 7月15日(木)から運営再開

2021年6月24日(木) 配信

馬とのふれあいを楽しめるテーマパーク

 馬とのふれあいを楽しめるテーマパーク「ノーザンホースパーク」(北海道苫小牧市)は、感染症対策を徹底したうえで2021年7月15日(木)から運営を再開する。

 新型コロナウイルス感染症対策のため5月16日(日)から臨時休園を続けていた。再開にあたり、事前予約がないゲストも入園できるが、万が一入園制限人数を超えた場合は予約のあるゲストを優先案内する。予約は公式ホームページ内「入園予約フォーム」で受け付ける。また7月1日(木)から、予約サイト「アソビュー!」でもパーク内のさまざまなアウトドアアクティビティを利用できるパスポートと入園チケットのお得なセットチケットを事前に予約購入できるようにする。

 広いパーク内では馬とのふれあいはもちろん、アウトドアアクティビティや愛犬との散歩、夏の花が咲き誇るガーデンを眺めながらレストラン、カフェのご利用など、緑の美しいこれからの季節ならではの充実したひとときを楽しむことができる。

日本旅館協会「安心・安全な宿泊施設、観光地づくり目指す」 Go Toの長期化も要望

2021年6月24日(木) 配信

総会では生産性向上やHACCPへの対応も支援することを決めた

 日本旅館協会(浜野浩二会長、2348会員)は6月17日(木)、東京都内で2021年度通常総会を開いた。今年度は安心・安全な宿泊施設を目指すための感染防止策への融資や、雇用調整助成金など補助金の情報提供と陳情活動などを展開する。「需要が戻る際に観光立国の一員として、訪日客などを受け入れる宿泊施設の経営維持を支える」ことが根幹にある。議事ではすべての議案が可決された。

 浜野会長は冒頭、「(会員の)皆様が地域の中心となって取り組んで安心・安全な観光地作りに力強さを感じる。これからも、この活動に邁進してほしい」と呼び掛けた。

浜野浩二会長。「需要が戻る際に観光立国の一員として、経営維持を支える」考え。

 さらに、Go Toトラベルキャンペーンついては「旅行需要が充分に回復するまでの期限設定を陳情する」とCPの長期化を求める考えだ。

 浜野会長は今後の需要回復時期を「安全な旅行の再開は今年の年末になる」と予測。また、「ワクチンの接種率向上で収束の兆しが見えてきた」とし、「コロナ禍以前の状態になるまで、健闘してほしい」と話した。

生産性向上を支援 出向制度も確立へ

 今年度は生産性向上や、20年6月に宿泊施設などへ衛生管理方式の導入を義務化したHACCP(ハサップ)への対応にも注力する。「宿泊施設は新型コロナウイルス対応以外にやるべきことが多い。各委員会が全力を尽くし、会員を支援する」(浜野会長)と力を込めた。

 さらに、「政策」と「EC戦略・キャッシュレス」、「労務生産性向上」の3委員会は、人材の確保や生産性の向上、IT化・機械化の推進、キャッシュレス化などを重点的に進める。

 このうち、労務生産性向上委員会は昨年度に引き続き、生産性向上の後押しとして、繁閑によって従業員を出向させる制度の確立に向けて、産業雇用安定センターなどと意見を交換する。

税の減免など要望 北陸信越支部連合会

 議事の審議では、北陸信越支部連合会が①固定資産税の減免と消費税の廃止または税率低減措置②Go Toキャンペーンの実施期間の延期と柔軟な対応③高速道路通行旅金の値下げ④NHK受信料の値下げ⑤国民の休日の調整⑥コロナ融資に関する返済の柔軟な対応――の6つを日本旅館協会が政府や官公庁、高速道路会社などに要望してもらう議題を提出し、承認された。

 固定資産税の減免と消費税の廃止または税率低減措置では、猶予及び減免されている固定資産税の支払いについて宿泊施設は1年後では困難であり、金銭的に困窮する可能性があることを踏まえ、「減免措置の対象を建物から宿全体の事業用地への拡大」を盛り込んだ。消費税は廃止または5%軽減を依頼している。

 高速道路通行料金値下げでは、観光消費がより拡大することで、地域経済の活性化につながるとして、組み込んだ。

 国民の休日の調整は「連休のない6、10、12月に、祝日を調整して毎月連休が撮れるように働き掛けてほしい」考えだ。

 同議題は今後、各委員会で検討される。

 新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて、同会は20年度に引き続き、今年度も会費を全額免除する。「協会は2年間免除することとなり、ギリギリで運営を維持している。来年度は徴収したい」(浜野会長)と会員に理解を求めた。

北海道 当麻町発! キャンピング“サウナ”バスが 2021年6月21日(月)からレンタル予約開始

2021年6月24日(木) 配信

 北海道当麻町は2021年6月21日(月)から、2017年に開始した官民協働のタウンプロモーション「全部ある当麻町プロジェクト」の一環で、全国初となる、本格的サウナが車内で楽しめる「キャンピングサウナバス」のレンタルを始めた。

 2020年11月、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」創始者の前澤友作氏からのふるさと納税支援をきっかけとして動き出したのが、官民協働の「全部ある当麻町プロジェクト」の力による、Made in 当麻町「“ととのう”町」サウナプロジェクト。村椿哲朗町長が「当麻町の自然の中でサウナを基軸とした観光振興、リラックスしながら仕事のできる空間を創造したい」とTwitterで応募し、500万円がふるさと納税として寄付されたことから動き出した。

 テレワークやキャンプブームなどの全国的な流れと、心身の健康増進や癒しの効果があり、近年注目が集まるサウナは相性が良く、また、豊富な自然に恵まれ、さまざまなアクティビティを展開している当麻町にマッチした新しい試みだった。町の独自施策「食育・木育・花育」との親和性も高いという背景も追い風となりプロジェクトが急ピッチで進んだ。

 プロジェクト1番目の課題として取り組んだのが、全国初、本格的サウナが車内で楽しめる「キャンピングサウナバス」の開発だ。当麻町ならではのサウナバス開発に向け、キャンピングカーの製造事業を手掛けるトウマ電子工業「Touma Auto Project」の車両開発を中心に、サウナスペース内装材など木材提供には当麻町森林組合など、「木育の町」を掲げる当麻町内の町工場がタッグを組んだ。本場フィンランドのサウナ入浴方法で、ストーブの上で暖められたサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させる“ロウリュ”が車内で体験できる。

 完成したサウナバスは、サウナ愛好者の間で使われるサウナ用語「ととのう」から、「当麻町 ととのえバス」と名付けた。6月21日(月)からの一般レンタル事業開始に伴い、ふるさと納税の新しい返礼品としてもラインナップされる。

JNTO、東京五輪開催前・期間中の情報発信強化 海外市場に「日本は次の旅行先として魅力と伝える」

2021年6月24日(木) 配信

金子正志理事が説明した

 日本政府観光局(JNTO、清野智理事長)は6月22日(火)、東京都内の本部で会見を開き、米国の放送局「NBC」などグローバルメディアを通じた海外市場への広報戦略と、今後の対応としてアクセシビリティの情報発信やサステナブル・ツーリズムの推進などについて説明を行った。金子正志理事は「五輪を開催する日本は、次の旅行先として魅力だと伝えていく」と述べ、海外市場への情報発信強化を継続することを確認した。

 東京五輪の開催に向け、JNTOでは今春からNBCのほか、欧州や中国、東南アジアのテレビメディアにおいて、日本の食やスポーツ体験などを紹介する番組を放送。なかでも、NBCと東南アジアのFOX SPORTSは、五輪開催前と期間中に週30本程度のコマーシャル(CM)も放映する。フランス国営放送では3月から、聖火リレーのようすを1分にまとめた番組を週2本ペースで18週にわたって放送している。

 このほか、海外メディアへの情報発信を強化。五輪・パラリンピックを切り口に、スポーツと観光を組み合わせた情報や、各地の知られざる魅力を紹介するニュースレターを配信している。

 五輪期間中に来日する海外メディアの対応について、金子理事は「メディアツアーが実施できるかどうか状況をみているところ。国の決定するフレームワークに基づいて、どこまでできるか暗中模索の状態」と述べた。そのうえで「可能性はゼロではないが、厳しいことは認識している。メインプレスセンターなどではオフラインで情報提供するが、主体はオンラインになってしまうだろう」との認識を示した。

 当初は、海外メディアを対象にした地方へのメディアツアーを計画していたが、GPS機能などで厳格な行動管理が想定されることから、メディア向けのWebサイトでの発信を活用するほか、問い合わせ対応、地域につなぐパイプ役としての役割を果たしていく。

SDGsにも貢献 持続可能な観光を 

 パラリンピック開催を契機に、日本が旅行先として選ばれるための対応にも着手している。アクセシビリティ(利用しやすさ)の確保された国であることを発信し、障害者や高齢者など誰もが楽しめる旅行先として選ばれることを目指す。

 また、JNTOでは「SDGsへの貢献と持続可能な観光(サステナブル・ツーリズム)の推進に係る取組方針」を策定。①サステナブル・ツーリズムの推進に取り組む日本の地域や観光コンテンツ(アクティビティや観光・飲食・宿泊施設など)の海外向け情報発信②国内関係者への国内外の先進事例の情報提供③海外の旅行者に対する「責任ある旅行者(レスポンシブル・トラベラー)」としての行動の奨励④人種や国籍、民族や宗教、ジェンダーや年齢、障害の有無などに関係なく、すべての旅行者が日本において快適で安全・安心な旅行ができるようなユニバーサル・ツーリズムに資する情報発信――を推進していく。

 持続可能な観光には、地域の「環境」「文化」「経済」を守り、育むことが必要であると捉え、サスティナブル・ツーリズムの推進に取り組む地域や観光コンテンツの情報発信、国内外の先進事例の情報提供などを通じて、「持続可能な観光先進国」の実現に取り組んでいく。

ANHA、清水会長が再任 政府への要望を最優先課題に 11月に創立50周年記念式典

2021年6月24日(木)配信

再任を決めた清水嗣能会長

 全日本ホテル連盟(ANHA、清水嗣能会長、正会員233ホテル)は6月21日(月)、東京都内で2021年度通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、清水会長が再選。11月に同連盟が創立50周年を迎えるにあたり、連盟の名称変更と新たな理念「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)」の策定を済ませ、11月に周年記念式典を実施する。

 連盟の名称変更は、今年3月1日に実施した臨時書面総会で承認可決され、「全日本シティホテル連盟(JCHA)」から「全日本ホテル連盟(ANHA)」に改名。4月1日付で、新たな名称とロゴマークで正式にスタートした。

 清水会長は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、「政府にさまざまな要望を行ってきた」と振り返った。とくに、新型コロナ感染の疑いがあっても明確に宿泊拒否ができない、旅館業法第5条(宿泊拒否の禁止)の改定について要望を行い、現在政府で検討されていると報告。こうした観光業界の一大事に、会として「個々ではどうにもならない業界の共通する問題点を政府に協力を求めていく。それが連盟の大きな1つの役割である」と、あらためて決意を示した。

21年度の主な事業計画 政府に要望、最優先に

 21年度の主な事業計画として、「コロナ禍を乗り越えるため、観光業界が一丸となって各種支援を政府へ要望すること」を最優先課題とした。具体的には、雇用調整助成金の延長とGo toトラベルの早期再開・延長など、ホテル事業者が存続し回復するための施策を提言する。清水会長はそのために、「感染拡大予防を今後とも徹底して、お客様に安心安全なホテルであることを示していかなくてはならない」と注意を促した。

 事業計画には、新たな理念「MVV」の浸透をはかることも盛り込まれた。MVVとは、自社の使命を明確化し、達成するために目指すべき姿を共有する行動指針を宣言したもの。同連盟はこれまでの連盟や会員の利益を確保することを目的としてきた存在意義をあらため、「地域貢献、観光立国の実現といった社会貢献ができるような組織になろうと定めた。今後はより存在意義のある連盟であるため、あらゆる機会にMVVを意識するよう浸透に努める」(清水会長)と述べた。

 MVVを明確に定めたことで、周年記念事業の一環として、4月13日(火)に長野県松本市、6月19日(土)に福井県福井市で地域活性化タウンミーティングを開いたと報告。「各支部や委員会、それぞれのホテルで色々な活動をするとき、MVVを意識して事業計画を立てて欲しい」と呼び掛けた。

 そのほか、21年度の年会費を減免する議案が可決承認され、昨年度と同様に正会員は全額免除、準会員は従前通り、賛助会員は半額に決めた。

 なお、創立50周年の記念式典は、11月15日(月)に東京都千代田区の東京會舘で開催を予定している。

南薩観光 全日空CAが取締役に 経営戦略や事業創造を担当

2021年6月24日(木) 配信

新たな経営執行体制がスタート(提供:南薩観光)

 鹿児島県で貸切バスや旅行事業などを手掛ける南薩観光(菊永正三社長、鹿児島県南九州市)は6月、全日本空輸(ANA)の現役客室乗務員が副業制度を活用し、非常勤の取締役CMO(チーフマーケティングオフィサー)に就任したと発表した。客室乗務員としての経験や知見を生かし、同社の経営戦略立案や、地域事業創造を担う。

 新型コロナウイルス感染拡大により、産業構造に大きな変化が訪れるなか、同社では、これまでの中長期経営計画を見直し、新たな経営執行体制のもと、新年度からアフターコロナを見据えた事業構造改革に取り組んでいる。

 なかでも、自治体と連携した地域資源の開発やその事業化、さらには商品化といった地域事業の創造は、これからの中核事業の1つに捉えており、今回、就任した取締役CMOは、経営戦略立案とともに、この地域事業創造部門を担当するという。

 菊永社長は「これまでの国際線客室乗務経験から、安全第一に優れたリスク管理能力を備えており、地域創生事業においても、与えられた事業プロジェクトを円滑に、かつ、広義的思考で与えられた領域以上に付加価値の領域まで事業創造できる。また、そのために必要なステークホルダーとの円滑なコミュニケーション能力や社会的教養を持ち備えた素晴らしい人材。当社の事業創造や経営意思決定においても、十分に的確な助言ができる方と判断し指名した」とコメントした。

女性の1人旅事情を調査  61%が「1人旅をしてみたくなった」(オズモール)

2021年6月23日(水) 配信

オズモールはこのほど、「女性の1人旅事情」についてアンケートを行った

 スターツ出版(菊池修一社長、東京都中央区)が運営するWebサイト「オズモール」はこのほど、ユーザーを対象にしたコロナ禍での「女性の1人旅事情」についてアンケートを行った。調査の結果、コロナ禍を背景に「1人旅をしてみたくなった」人が61%と、6割以上の女性が前向きに検討していることが分かった。

 アンケートは4月1(木)~13日(火)に、首都圏に住む女性オズモールユーザー906人に実施。コロナ前(2016年~17年)のデータと比較したところ、コロナ禍中で「1人旅」に関心が寄せられていることが読み取れた。

 1人旅をしてみたい理由については、コロナ前は「その土地の魅力」や「趣味」、「自分へのご褒美」などの目的が多かったが、今回の結果では「リフレッシュ」が最多となった。「誰とも予定が合わなくて仕方なく」と答えた人は少数なことから、同社は、「多くの人が自分の意思で1人旅を選んでいることがうかがえる」と見ている。「コロナ禍では、誰かを誘いにくいことも1人旅ニーズの高まりにつながっているのでは」と分析する。

 また、1人旅の中で不安なことを聞くと、最多が「治安」(202人)、次いで「1人での食事」(179人)、「時間の潰し方」(140人)など、安全面のほか、ひとり時間をどう過ごせるかが気になるポイントとして挙げる。

 オズモールでは、おひとり様専用プランや、周りを気にせず食事が楽しめる部屋食、個室食のプランなど、1人旅の不安を解消してくれる温泉やリゾートを紹介している。