【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その16-三峯神社(埼玉県秩父市)霊験あらたかな空気漂う 山奥にひきもきらない参詣者

2022年8月5日(金) 配信

 私はここ10年近く「群馬のチベット」と呼ばれているほどの山奥に位置する群馬県・上野村を訪問している。群馬県なので最初は高崎や藤岡からアクセスしていたのだが、どうやら秩父から峠を越えて行ったほうが便利だということで、今まで行ったことがなかった秩父に行く機会が増えた。単なる経由地だったが、秩父に心が惹かれるのが不思議だった。「次は秩父を目的地に来たい」と、なぜか心がどんどん秩父に引き寄せられていく。

 

 西武秩父駅から近い秩父神社、ここは12月に行われる秩父夜祭の舞台でもある。長瀞駅から近い宝登山神社は、彫刻の色彩が鮮やかな本殿が印象的である。この2社に加えて秩父三社と称されているのが三峯神社である。秩父神社も宝登山神社も街中にあるが、三峯神社は秩父市中心部から車を1時間半以上も走らせなければ到着できない。本殿そばまで車道はあるものの、かなりのつづら折りが続き、幅が狭いところもある。標高は1102㍍にも達するため、冬季はもちろん路面は凍結する。

 

 

 このような山奥にここまで壮麗な社殿が鎮座していることにも驚くが、交通の不便なところであるにも関わらず、参詣者はひきもきらない。休日ともなると道路は午前中から渋滞し、西武秩父駅からバスが出ているが、このバスも満席になることが多い。このつづら折りの道を路線バスで立ったまま1時間半以上揺られ続けて行くことのハードルの高さは推して知るべしだが、それでも参詣者であふれているのである。

 

 そこまでしてなぜ人は三峯神社を目指すのか。それはもう一度訪問したら誰もが納得するであろう、その霊験あらたかな空気である。下界とはまったく異なる空気がそこにはある。神社もその空気感を大切にしているのであろう、お守りには「氣」と大きく書かれてある。

壮麗な随身門。神仏習合の名残が見える

 拝殿の彫刻もきらびやかで見る者を圧倒する。鳥居も三ツ鳥居という珍しい形をしている。そして、圧巻は2012年の辰年に突如として社殿の敷石に赤い目をした龍が現れたのである。これは水をかけると鮮やかに見ることができる。早朝には遥拝殿から雲海が見えることもある。すべてが人間の精神性を研ぎ澄ませてくれる。

敷石に龍が現れる

 三峯神社の由緒は古く、4世紀ごろまでさかのぼる(日本書紀の記述を機械的に西暦に換算すると110年から111年になるようである)。景行天皇の命により、日本武尊の東国平定の際、甲斐国から上野国に向かう途中にかの地に立ち寄り、山川が清く美しいようすに感銘を受け、国生みをしたイザナギ、イザナミに想いを馳せ、この国が永遠に平和であることを祈ってここに二神を祀った。

 

 この時、尊を道案内したのが狼であったことから、神様の使いとして現在も一緒にお祀りされている。よって、三峯神社の狛犬は狼なのである。

 

 その後、景行天皇は日本武尊が平定した東国を巡幸された折にも、かの地に立ち寄り、三山高く美しく連なることから「三峯の宮」の称号を与えた。ちなみに、秩父三社のひとつ宝登山神社も日本武尊が東征の帰りに創建したという由縁が伝えられている。その後も、弘法大師が十一面観音を制作したり、役小角(えんのおづぬ)をはじめとする行者らがこの三峯神社を拠点としたりして、次第に神仏習合の色合いが濃くなってきた。

 

 鎌倉時代に入って、東国武士からも篤い信仰の対象となっていった。拝殿のすぐそばにある大木は東国一の武士の誉れ高い畠山重忠が寄進したもので、樹齢800年を越える立派な御神木である。鎌倉殿の13人から離れたつもりだったが、またここでも鎌倉殿にまつわるものに出会ってしまった。

 

旅人・執筆 島川 崇
神奈川大学国際日本学部国際文化交流学科教授。2019年「精神性の高い観光研究部会」創設メンバーの1人。

 

ホテルメトロポリタン 鎌倉 デートや⼥⼦旅、友⼈同⼠の宿泊に最適なプラン「鎌倉三昧STAY」展開

2022年8月5日(金) 配信

ラ・ブティック・ドゥ・ユキノシタ・カマクラ

 ホテルメトロポリタン鎌倉(神奈川県鎌倉市)はこのほど、デートや⼥⼦旅、友⼈同⼠の宿泊に最適なプラン「鎌倉三昧STAY」を売り出した。

 「着物のレンタル」と、洋菓⼦店「ラ・ブティック・ドゥ・ユキノシタ・カマクラ」の2000 円分利⽤券、入浴剤の3つの特典が付くプラン。同ホテルのフロントスタッフが、「お客様に充実した時間で鎌倉に滞在していただきたい」という想いを込め企画した。

 ホテルから徒歩約3分の場所にある「ラ・ブティック・ドゥ・ユキノシタ・カマクラ」は、パリで開かれた世界⼤会の味覚部⾨で優勝、総合部⾨で準優勝した経験を持つ佐々⽊元⽒がシェフパティシエを務め、ここでしか味わえない彩り豊かなスイーツが楽しめる。

 同プランでは、古都・鎌倉の散策を風情あふれる着物姿で楽しみながら世界的なシェフパティシエのスイーツを堪能、鎌倉散策後は入浴剤の贅沢な⾹りと、上質な泡に包まれるプレミアムなバスタイムで疲れを癒せるようになっている。

 料金は、ダブル2万9380円から、ツイン3万8,580円から(2人利⽤1部屋あたり、サービス料・消費税込み)。

オートキャンプ白書2022、参加人口23%増の750万人 キャンプ場建設の参入相次ぐ

2022年8月4日(木)配信

オートキャンプ参加人口の推移(推定値)

 日本オートキャンプ協会(明瀬一裕会長)が7月21日(木)に発表した「オートキャンプ白書2022」によると、21年のオートキャンプ参加人口は前年比23%増の750万人だった。キャンプ場の営業がコロナ禍前に近づいたうえ、前年に引き続き、さまざまなメディアに取り上げられ、さらに注目を集めた。ビジネスとしても注目され、異業種からのキャンプビジネス、とくにキャンプ場建設への参入が相次いだ。

明瀬一裕会長

 明瀬会長は冒頭、コロナ禍により個人の外出が厳しく制限された一方で却ってアウトドアに対するニーズを喚起し、さまざまな媒体でオートキャンプが取り上げられるようになったと振り返る。続けて、オートキャンプは「公共交通機関を使わず自家用車で移動し、キャンプ場では広い屋外の空間で個人や家族単位で楽しめる非常に3密状態になりにくいレジャー。これまでオートキャンプに興味がなかった人も含め、オートキャンプに対する関心と参加意欲が高まり現在に至っている」と語った。

 一部でこの現状をオートキャンプブームと呼ばれていることに対して、明瀬会長は「それは必ずしも正しくはない」と指摘。コロナ禍により注目された側面もあると話しつつ、「オートキャンプ人口は毎年新規に参入する20~30万人の子育て世代の家族に支えられ、コロナ禍前の2019年まで7年連続の増加だった。これはオートキャンプが完全に国民の間に定着したと物語ることにほかならない。昨今のオートキャンプ人気もその延長線上に捉えられるべき」との考えを示した。

 「オートキャンプ人気の高まりの本質を的確に把握するためには詳細なデータに基づき、長期的・総合的な視点から見る必要がある。オートキャンプ白書がその一助になれば」と明瀬会長は締め括った。

夏中心から秋・冬に、キャンプ需要に変化

 21年の特徴として、キャンプが夏中心から秋・冬に移っていることや、利用が休日だけに限らなくなったことを挙げた。コロナ禍でもキャンプ熱は高まり、年間のキャンプの「回数」は平均4.9回で、20年が4.6回、19年は4.4回とコロナ禍前よりも増えた。同様に「泊数」は平均6.2泊で、20年が6.1泊、19年は5.8泊と上昇傾向にある。

 注目されている「ソロキャンプ」は平均13.1%で、20年が11.1%、19年は9.4%と引き続き伸長。「キャンプをした月」を見ると、気候が厳しい冬はこれまでキャンピングカーが多数派だったが、今回の調査結果では真冬でもテント派が上回る月があった。テントでたき火を楽しむという「秋・冬キャンプ」の人気ぶりが表れている。

 「キャンプの好きな過ごし方」を見ると、「川遊び・海水浴」といった夏の楽しみが22.6%となり、20年が24.6%、19年は27.7%と減少傾向にある。一方、秋・冬キャンプの楽しみ「たき火をする」は62.4%、20年が54.8%、19年は49.6%と伸びている。

 また、「平日にキャンプをする」との回答は45.3%、20年が41.5%、19年は25.9%と確実に増えている。

稼働率が大きく回復、過去最高の稼働率に

 20年はゴールデンウイーク(GW)の休業や、密を避けるためのサイト数制限、利用者の居住地の制限など、コロナ禍により大きなマイナスの影響を受けた。しかし、21年はGWの営業再開や、利用制限の緩和などでキャンプ場は大きく回復。キャンプ場の平均稼働率は、前年から4.1ポイント増の20.4%と過去最高の稼働率となった。

 キャンプ場から見たキャンパーの傾向は、「ソロキャンパーが増えた」が63.8%と最も多く、次点で「初心者が増えた」が48.0%、「平日利用が増えた」が37.0%と続く。「平日によく利用する人」では、「ソロキャンパー」が82.3%を占め、キャンパーの傾向と合わせると、平日のソロキャンパーの利用が稼働率に大きく影響したと見て取れる。

キャンプ用品は好調、ブランドが多様化へ

 21年の「テント」の輸入金額は、前年から46.7%増の190億3000万円となり、およそ1.5倍と大きく伸びた。このほか、「シェラフ」は同40.6%増の47億3840万円、「タープ」も同13.1%増の67億3000万円など、キャンプ用品の好調さが表れている。

 輸入量が増えるなか、メーカー間は新規ブランドの増加、店舗は全国チェーンのスポーツ用品店が各地でアウトドア専門店をオープンするなど競争が激しくなっている。アウトドアショップへのアンケートでも、売り上げが減った理由に「競争相手の増加」という回答が目立ったという。

 そのほか、キャンプに使用する車種は、33.9%の「ミニバン(ワンボックスカー含む)」が最も多かった。ソロキャンプをする人の車は、1位が「軽自動車」、2位は「オフロード型4WD・SUV」、3位が「コンパクトカー」。ソロキャンプがミニマムなキャンプを楽しむだけではなく、SUVを使って多くの荷物を積んでキャンプをするスタイルも少なくないとわかった。

一般公開していない成田空港のエリアをオープントップバスで巡る 9月からツアーを開始

2022年8月4日(木) 配信

一部エリアでは降車して写真撮影を楽しめる

 成田国際空港グループのグリーンポート・エージェンシーは9月から、一般公開していない成田空港のエリアをバスで巡る、「スカイバスで巡る成田空港周遊スペシャルバスツアー」をスタートする。

 オープントップバスで成田空港にある3つのターミナルエリアを巡る150分のツアー。一部エリアでは降車して写真撮影を楽しめるほか、貨物地区や整備地区の車窓見学も予定する。

空港内を走るオープントップバス

 今回のツアーは、5月に初開催したツアーが好評を博したことと、このツアーに参加できなかった人の声を受け企画。オープントップバスを使用することで、飛行機が離発着する瞬間を間近に感じられる。

 また、ツアーには、空港職員がターミナル周辺の航空機や車両の動きを専門に管理するランプセントラルタワー見学も組み込まれている。

 ツアー実施予定日は9月が23日(金)、24日(土)、25日(日)、10月が22日(土)、23日(日)、11月は19日(土)・20日(日)。時間は午前の部が9:00~11:30、午後の部が2:00~4:30で、9月25日(日)は午後の部を実施しない。

 9月実施分の募集を開始しており、10月実施分は9月1日(木)、11月実施分は10月3日(月)から受付を開始。料金は2席1人、1万5000円、2席2人で2万4000円(バス代、現地係員等諸経費、オリジナルグッズ含む)。募集人数は、各回34人(最少催行人数は各回25人)。

 なお、ツアーの参加にあたっては、「新型コロナウイルスワクチンを2回以上接種済で、2回目の接種から発日の前日までに14日以上が経過していること」、もしくは「出発日の3日前以降に採取した検体によるPCR検査または抗原定量検査の結果が陰性であること」のいずれかの内容証明と同社が定める感染防止対策への協力が必要になる。

文化庁、2016年認定の日本遺産19件の総括評価を発表

2022年8月4日(木) 配信

鎌倉(写真はイメージ)

 文化庁はこのほど、2016年認定の19件の日本遺産の総括評価を発表した。16件が認定継続となり、うち3件を他の地域のモデルとなる地域として「重点支援地域」に選定。3件は再審査となった。

 同庁は2021年、評価制度を創設し、観光客の入込数・滞在時間・消費金額(客単価)、人材育成などを評価し、基準に満たない場合に日本遺産認定を外すことなどを決定した。

 再審査となった「『いざ、鎌倉』~歴史と文化が描くモザイク画のまちへ~」(神奈川県鎌倉市)など3件は、共通して日本遺産の要であるストーリーを生かした取り組みが不十分であることなどから継続審査となった。再審査の結果は今年の秋以降に公表され、場合によっては日本遺産の認定を取り消されることになる。

 文化庁は同日、3件の申請があった2022年度の日本遺産「候補地域」に関し、「日本遺産審査・評価委員会」における審議の結果も公表した。

 「いずれの地域も個々の構成文化財は魅力的だが、1つのストーリーとしてそれ生かせていないので魅力が十分に伝わらない」ことや、「事業計画の具体性の記述に不十分な箇所があり、ビジョンの実現が難しい」ことなどから、今回の認定はすべて見送りとなった。

あさひロケーションサービス協議会設立、映画やドラマCMの撮影協力とロケ誘致を通じ、市の魅力と認知度向上などはかる

2022年8月4日(木) 配信

あさひロケーションサービス協議会 関係者

 千葉県旭市(米本弥一郎市長)や旭市商工会(平野陽一会長)らは7月25日(月)、あさひロケーションサービス協議会を設立した。

 同日市内で行われた初の総会で会長には平野氏を選出。同協議会は、映画やドラマCMなどの撮影に対する協力とロケ誘致を通じ、「市の魅力と認知度、イメージの向上」と、「市民の地域に対する誇りと愛着の醸成」をはかることを目標とする組織。

 会員には観光事業者や市民らが名を連ねる。協議会内に、ロケの誘致や製作の支援業務をきめ細かく行う部会「旭おっぺし隊」も立ち上げた。

 設立にあたり、同協議会顧問を務める米本市長は同協議会設立の狙いを、ロケ誘致を官民一体で一層強力に推進するためと説明した。そのうえで、「旭市内でのロケの誘致、映画、ドラマなどの撮影の協力を行うための人材育成、ロケを通じて効果的に旭市をプロモーションする方法などを学び、1つでも多くのロケの聖地を皆様と一緒に作り上げ、制作会社、視聴者どちらからも『ロケのまち 旭』と言われるような取り組みを行っていきたい」と力を込めた。

 一方、会長に選出された平野氏は「自分たちが努力することで旭市が発展し、さらに自分たちに帰ってくる。当然、一生懸命やればやるほどこの協議会の楽しさがわかってくると思います。メディアを通して『旭市を銚子のとなり』とは言わせないぞという意気込みでぜひ頑張っていただければ」と呼び掛けた。

デイユース旅館オープン 客室露天風呂付で御膳楽しむ(金乃竹)

2022年8月4日(木) 配信

デイユース旅館「箱根 金乃竹 茶寮」が8月4日(木)にオープンした

 旅館4店舗と飲食店2店舗を展開する金乃竹(窪澤圭社長、神奈川県・箱根町)は8月4日(木)、デイユースサービスを提供する「箱根 金乃竹 茶寮」をオープンした。マイクロツーリズムへ対応した「泊まれない旅館」として、客室露天風呂付きの部屋に6~10時間滞在し、黒毛和牛しゃぶしゃぶ御膳を楽しめるプランを売り出した。

 客室は、1階に客室露天風呂付きの和室が4室と、2階に和室4室の全8室。ベッドやトイレ、フリードリンクの冷蔵庫を備え付け、各種アメニティを用意した。

 最大10時間滞在のロングステイ、最大6時間滞在のショートステイプランに、昼食付き・夕食付きなど時間帯を選べる。

 料金は2万2000円~6万3800円(税込み)。営業時間は午前11時~午後9時。定休日は毎週火・水曜日。

 そのほか、同社は今年6月、日帰り旅行とデイユースに関するアンケート調査を行った。

 この結果、新型コロナの行動制限の緩和前と比べて36.8%が日帰り旅行への意欲が増し、「日帰り旅行で旅行支援施策を積極的に活用する」と答えた人が65%を超えたとして、「今後のデイユース市場の発展に期待を持てる」との考えを示した。

黒毛和牛しゃぶしゃぶ御膳

関案連 観光キャラバン実施中 近畿2府4県約200社を訪問

2022年8月4日(木) 配信

7月6日には出発式を実施

 石川県内の宿泊・観光施設の大阪営業所などで構成する関西石川県観光旅館・施設案内所連絡協議会(関案連、会長=西元丈人瑠璃光・葉渡莉大阪営業所所長)は7月6日から、関西圏の旅行会社を対象に、石川県の魅力を発信する観光キャラバンを実施している。

 石川県への誘客促進を目的に、毎年夏に行っているもの。今年は8月15日までの期間中に、近畿2府4県の旅行会社約200社を訪れる予定。訪問先では、観光パンフレットを配布して石川県の魅力をアピールするとともに、情報収集や動向調査なども行い、今後の会の事業活動に役立てる。

 7月6日には、「ほっと石川なにわ館」(大阪府大阪市)で出発式が開催され、会員らは4班に分かれて、それぞれの担当エリアに向けて出陣した。

 

 

城西国際大学観光学部・山本ゼミの学生 「チバピザ」メニュー開発へ 「地元食材で観光客を喜ばそう」

2022年8月4日(木) 配信

9月15日の予選会に参加した山本ゼミの学生たち

 城西国際大学(千葉県東金市)観光学部の山本ゼミは、「千葉県の美味しい食材で観光客を喜ばそう」と、学生たちが「チバピザ」メニューの開発と提案に取り組んでいる。

 

山本剛助教

 山本剛助教は「千葉県内の観光地の『旅ナカ食』は、海鮮丼や生魚など同じようなメニューで占められている」との現状認識のうえで、「固着しつつある観光客への食を学生がしっかりと考えて新たなメニュー提案をしたい」と、「~ビバ! チバ‼ ピザ!!! 観光客満足度向上プロジェクト」を立ち上げた。

 

 ピザに焦点を絞ったのは、さまざまな食材を盛り込むことが可能であり、火を通すことで、「子供や外国人旅行者などあらゆる層に楽しんでもらえる」ためだ。

 

 山本ゼミの3年生と4年生は3カ月前から、「“観光客が喜ぶ”千葉県産の食材探しとメニュー開発に向け、地元農家や漁師、食品加工会社などを奔走した。

 

 7月15日(金)には、県内のガス会社「大多喜ガス」ショールームBeE(千葉市緑区)で「チバピザメニュー開発予選会」を実施した。3年生を中心に2人組6チームが「おかずピザ」と「スイーツピザ」の2種類を作った。

ピザを調理中

 審査委員は、「海の駅 九十九里」課長代理の酒井浩市氏をはじめ、親子クッキングコンテスト全国大会で入選経験のある「大多喜ガス」経営企画部地域共創グループの石川章子氏、観光業界の専門紙「旬刊旅行新聞」編集長の増田剛氏、そして九十九里町のゆるキャラ「くくりん」が務めた。①味②コスパ③手間④レア度⑤チバ感――をそれぞれ5点、合計25点満点で採点した。

 

 千葉県産甘栗に鴨川レモンを添えたレシピや、千葉特産のびわとピーナッツぺーストを合わせた贅沢スイーツピザ、大原産タコを事前に銚子産醤油とニンニクで下味をつけ、タコの触感と鰹節の風味を感じさせるおかずピザなど、アイデアあふれる斬新な作品が学生たちの説明とともに提供された。審査員らは「このまま販売しても人気メニューになるのでは」などと高く評価。ハイレベルでの争いとなった。

自分たちが作ったレシピを説明

 とりわけ高得点だったメニューは、イワシをそのままの形で具材とし、アンチョビとオリーブを混ぜてペースト状にしたタプナードソースを使用した「イワシの親子ピザ」や、各審査員から「ビールと一緒に食べたい」と絶賛され、満点を獲得した「イカ一夜干しのおつまみピザ」。

 

 これら予選で高評価を得たメニューは、9月9(金)~11日(日)に「海の駅 九十九里」(九十九里町)で披露し販売も行う予定だ。

 

 山本助教は「産学協同研究がテーマの山本ゼミでは、さまざま企業とも連携しながら、観光を学ぶ学生の視点やアイデアで地域に光を当て、活性化に向けた提案を続けていきたい」と話す。

さぬき市副市長が来社 東讃エリアで連携 香川県東部2市1町

2022年8月3日(水) 配信

中村修副市長

 

 香川県さぬき市の中村修副市長が7月20日、本紙関西支社を訪れ、8月1日に同市と隣接する東かがわ市、三木町の2市1町と締結した観光振興に関する連携協定の概要などを紹介した。

 2市1町がある県東部の東讃エリアは、関西圏から高速道路が直通し、所要時間も約2時間30分程度の距離だが、県中央の高松市内エリアへの通過地になっているのが現状だ。実際、神戸淡路鳴門自動車道から見て最初のサービスエリア(SA)である「津田の松原SA」(さぬき市)は年間を通じて多くの人でにぎわうが、そのほとんどは高速道路を降りることなく通過していくという。

 中村副市長は連携協定締結の背景として、「地方経済はどんどん縮小し、さぬき市も例外ではない。観光客の方に半日でも1日でも来ていただいて、消費してもらうことが東讃エリア共通の課題だ」とする。

 連携協定に基づく最初の取り組みとして、「東讃エリア観光アンバサダー」を設置。「浪速のカリスマ添乗員」として知られる、日本旅行おもしろ旅企画ヒラタ屋代表の平田進也氏に委嘱した。

 8月1日には、さぬき市野外音楽広場「テアトロン」で締結式および委嘱式を実施。3自治体の長と平田氏によるトークセッションも行われた。

 会場のテアトロンは瀬戸内海の絶景を望む大串自然公園内にあり、古代ギリシアの円形劇場のような施設だ。歌手の小田和正さんらがコンサートを頻繁に開いている。

 ほかにも東讃エリアには観光資源が豊富だ。さぬき市には1988年創業の四国初のワイナリー「さぬきワイナリー」(さぬき市)のほか、四国八十八カ所霊場の第86―88番の「上がり三カ寺」、同市出身で江戸時代にさまざまな分野で活躍した平賀源内記念館などがある。

 東かがわ市は全国シェア9割を占める国産手袋産業や伝統の製法で作られる高級砂糖「和三盆」で知られる。三木町は東讃富士と呼ばれる白山や、メタセコイアが生い茂る「太古の森」など自然豊かな場所だ。

 中村副市長は「我われにとって当たり前と思っていることが観光資源になることがある。平田氏にはエリアを回ってもらい、新しい知見をいただきたい。そのうえで、東讃エリア全体が努力し誘客に結び付けていきたい」と力を込めた。