嬉野市が宿泊者に最大3万円の交通費を助成 嬉野温泉駅開業1周年で

2023年8月25日(金) 配信

嬉野温泉へGO!GO!

 佐賀県嬉野市は9月1日(金)から、嬉野温泉駅開業1周年を記念し、同駅を利用して市内の宿泊施設に宿泊した旅行者に1人最大3万円の交通費を助成する。新たな顧客獲得と九州全域のリピート促進をはかるのが目的。対象期間は12月22日(金)まで。

 嬉野温泉駅で乗車または降車し、かつ嬉野温泉旅館組合に加盟している対象施設に宿泊した人に出発地域区分に応じた交通費のキャッシュバックを行う。出発日前日までに、特設サイトの助成金申請システムで登録を完了することが必要。小学生未満は対象外で、助成額は大人・子供とも同額。

 8月29日(火)から申請受付を開始し、予算がなくなり次第終了する。詳細は29日以降に申請ページで発表する。

 同市は「嬉野温泉駅の開業により、遠方からも気軽に訪れることができるようになりました。この特別企画を通じて、たくさんの方のご来訪を心よりお待ちしております」と呼び掛けている。

神戸クルーザーと山陽電車が共同企画 企画乗車券でクルーズ船お得に

2023年8月25日(金) 配信

山陽電車(左)とTHE KOBE CRUISEコンチェルト

 神戸クルーザー(日野洋一社長、兵庫県神戸市)と山陽電気鉄道(上門一裕社長、兵庫県神戸市)は9月1日(金)から、電車とクルーズ船両方がお得に楽しめる共同企画を開始する。対象の山陽電車「企画乗車券」提示で、神戸のレストランクルーズ船「コンチェルト」に1000円で乗船できる。

 「シーサイドエクスプレス」の別名を持つ山陽電車は、姫路から神戸、大阪方面に向かって海沿いを走る。一方、「THE KOBE CRUISEコンチェルト」は神戸ハーバーランドから毎日4便運航するレストランクルーズ船で、食事のほか神戸ならではの景色が楽しめる。両者は観光資源が多い兵庫県の魅力を体感してほしいと企画した。

 山陽電車の対象企画乗車券は「三宮・姫路1dayチケット」(1600円)と「三宮・明石市内1dayチケット」(1150円)、「三宮・姫路5dayチケット」(8000円)。

 これらの企画乗車券提示で受けられるコンチェルトの割引対象は「ワンドリンククルーズ」。大人通常2800円、子供1800円のところ、1000円で利用できる。コンチェルトは1日4便運航しており、全便で利用できる。

 利用方法はコンチェルトに電話予約を取ったうえで、当日山陽電車の企画乗車券を提示する。なお、予約時に企画乗車券割引を適用する旨を申し出る必要がある。企画乗車券1枚につき、1人有効。また、企画乗車券利用日当日のみ有効となる。

 

海外からのミーティング・インセンティブ旅行誘致 実証対象10件を選定(観光庁)

2023年8月25日(金) 配信

観光庁

 観光庁は8月24日(木)、「海外からのミーティング・インセンティブ旅行誘致競争力向上事業」の実証対象について、10件のプログラムを選定した。新型コロナ禍収束後、リアルでの開始が見込まれるミーティングやインセンティブ旅行の受入について、主催者のニーズに応えられるような、特別感のあるコンテンツ開発や磨き上げを行う。

 旅行会社やホテルなど誘客に関わる関係者と、コンベンションビューローなど地域の関係者が連携し、ミーティング・インセンティブ旅行の誘致促進に取り組む事業が対象。

 選定したプログラムは次の10件。

▽「『クルーズキッチン(移動式大型厨房設備)』を使った絶景レストランでの極上食事体験」(クールスター)

▽「食と伝統文化の融合 仙台ガストロノミープログラム実証事業」(仙台観光国際協会)

▽「白石城『本格』武将体験ツアー~食文化体験と『戦』ワークショップを通じた戦略構築とチームビルディングを学ぶ~」(宮城創生DMO)

▽「横浜MICE Scenic Walk~横浜のストーリーを体験できる英語版街歩きアプリの制作~」(湘南よみうり新聞社)

▽「DMOでの連携による科学技術館初のユニークベニューイベント」(DMO東京丸の内)

▽「『小淵沢アートアンドウェルネスIKIGAI』を舞台とするインセンティブ旅行向けリトリートモデルツアー」(Tricolage)

▽「岡山歴史文化コース・倉敷の産業と瀬戸内国立公園アイランドホッピングアートコース」(JTB岡山支店)

▽「福岡の伝統文化を世界へ・未来へ繋げる、世界基準のサステナブルな福岡体験」(しいたけクリエイティブ)

▽「長崎の異文化交流の歴史を学び、体験し、味わう~長崎奉行所流おもてなしイベント~」(長崎国際観光コンベンション協会)

▽「『久米島海洋深層水』をキラーコンテンツとした久米島MICE ISLAND」(日旅産業)

海外ダイナミックパッケージを一新 ANA X、選択肢を拡充

2023年8月25日(金) 配信

10月29日以降出発の10都市商品を売り出す

 ANA X(轟木一博社長、東京都中央区)は8月24日(木)にANAトラベラーズ海外ダイナミックパッケージを大幅にリニューアルした。新たな予約システムを導入し、設定できる航空運賃やホテル、旅程などを増やして選択肢を拡充した。

 予約・検索画面も一新し、参加可能なツアーの特徴や取消料料金を確認しながら選択できる。また、希望のツアーに国内線の追加や延泊、送迎追加など旅程のアレンジも容易になった。

 現在、新たにハワイ(ハワイ島)を含む日本発、10月29日以降出発の10都市の商品を売り出している。10月ごろを目途に32都市まで拡大する予定。

 今回のリニューアルを記念し、9月30日(土)までの期間限定で、10月29日~1月2日出発までのツアー申込にANAマイルがプラスで2000マイル貯まるキャンペーンを実施している。ハワイ方面は倍の4000マイルが貯まるほか、先着1000人にANAトラベラーズオリジナルの御朱印帳をプレゼントする。

 

浜通りの歴史と自然体験 インバウンド対策で視察会 福島県

2023年8月25日(金) 配信

180騎が参加した神旗争奪戦(相馬野馬追)

 福島県は7月29-31日までの3日間、訪日旅行を取り扱う旅行会社やマスコミ関係者14人を招き、太平洋沿岸部の「浜通り」でモニターツアーを開いた。相馬野馬追見学や松川浦での体験を通じ、当地の歴史や自然を紹介した。

 国重要無形民俗文化財「相馬野馬追」は、1000年以上の歴史を誇る、浜通りの夏の風物詩。「生きる侍として伝統を継承している」(南相馬市観光交流課・花岡高行係長)など、唯一無二の魅力で多くの人をひきつける。ハレの日に備え、各自が地元の騎馬隊に属し馬術を鍛錬するほか、馬の世話や甲冑(かっちゅう)、馬具の手入れを行う。そんな日常に支えられた催しだ。

 空高く打ち上げられた旗を騎馬武者が奪い合う「神旗(しんき)争奪戦」は、祭りの目玉だ。かつては野馬追の名の通り、騎馬武者が野馬を追い、捕らえた馬を氏神に献じたという。これが神社で見られる「絵馬」のルーツだ。だが明治に入り、政府が軍馬を育てる牧場を廃止。野馬を捕獲・公売したことで「野馬追」ができなくなった。その後始まったのが、現在の「神旗争奪戦」だ。心ひとつに野馬追伝承会の岩橋光善会長は「神旗は野馬に代わるもの。追うのが本当の姿」と話す。

 時代に即し、柔軟にカタチを変えてきた「相馬野馬追」。近年は酷暑で人馬への負担が増している。行事を執り行う相馬野馬追執行委員会は現在、騎馬武者として参加した人へのアンケート結果も踏まえ、開催時期の検討に入った。

 万葉集にも登場する「松川浦」は、かつては相馬中村藩のリゾート地だった。江戸期前半には5代藩主・相馬昌胤(まさたね)が、12の名勝を選んで絵師に描かせ、新しい名所としての公認を、時の東山天皇に願い出た。朝廷からは許可とともに、12の名勝を題材にした公卿の和歌が贈られた。これが「松川十二景和歌」で、松川浦が広く知られるきっかけとなった。現在は海の景勝地として賑わうほか、漁業やノリの養殖も盛んだ。

 地元旅館の若旦那らでつくる「松川浦ガイドの会」(久田浩之会長)は、震災後に途絶えた文化と味を体験できる人気企画「復活の浜焼き」に続けとばかりに、体験メニューのPRや開発に熱心だ。

 その1つ、「笹竹釣り」(宿泊者向け企画)は、作って、釣って、食べるまでを体験できる。黒竹の枝をノコギリで払い、先端に釣り糸を結ぶと即席の釣竿が完成。エサの付け方や釣りのポイントも丁寧に教えてくれる。ハゼなど、釣った魚が並ぶ夕食も楽しみだ。竿作りで出た端材は、まとめて海に入れると伝統の「笹浸し漁」になる。エコな側面も魅力だ。

 現在、商品化に向け企画を練っているのが、漁船で浦内をめぐる「浦船体験」だ。試乗では、松川浦大橋などの絶景を楽しめたほか、かつて製塩のために使われた岩穴も多数見られた。

日旅、当期益91・6%増の55億800万円 全部門で伸長、国内旅行部門が牽引する(23年度連結中間決算)

2023年8月24日(木) 配信 

日本旅行はこのほど、2023年度中間連結決算を発表した

 日本旅行(小谷野悦光社長)が発表した2023年度中間期(23年1~6月)連結決算によると、当期純利益が前年同期比91・6%増の55億800万円を計上した。全国旅行支援の再開や、新型コロナの5類移行に伴う水際対策の緩和、円安、国際線定期便の再開などの影響を受け、国内・訪日・海外旅行それぞれの需要が大幅な回復となった。

 「中期経営計画2022~2025」に基づき、ビジネスモデルの変革や組織改正などを契機とした構造改革に取り組んだ。このほか、ツーリズム事業ではWeb販売の強化に取り組み、海外旅行は渡航制限の緩和とともに順次商品展開を再開した。訪日旅行においては、最大限の受注拡大を行った。

 この結果、売上高は同52・5%増の1059億6500万円となった。営業利益は同141・6%増の77億9200万円、経常利益は同123・4%増の80億9300万円と大幅な増収増益となった。

 部門別(単体)にみると、国内旅行の売上高は同59・9%増の656億5300万円。自社商品の「赤い風船」では、JR西日本をはじめとしたJR各社と緊密な連携を取り、JRセットプランを中心にWeb専用商品の強化を行った。また、全国旅行支援と連動した商品展開や、カーボンオフセットを組み込んだJRセットプラン「カーボン―ゼロ」の取り扱い拡大などに取り組んだ。この結果、売上高は同94・7%増の391億2000万円となった。

 国内団体では、企業向けソリューション営業の強化や、教育旅行の企画・催行、ICT教育、STEM教育などの教育分野におけるソリューション事業の拡大を進めた。国内の単品商品の売上高は、企業の出張需要の回復などによって伸長し、同72・1%増の24億2800万円を計上した。

 海外旅行では、渡航制限の解除によって、ビジネス渡航や団体旅行、個人パッケージ商品の販売が順次再開していき、売上高が33億3200万円となった。営業利益は同370・2%増の9億300万円。

 国際旅行では、水際対策の緩和・円安・国際線の再開などによって大幅に市場が回復したことにより、個人・団体ともに、最大限の受注拡大に向けた取り組みを強化した。この結果、売上高は92億5000万円、営業利益は24億8000万円を計上した。

 一方で、全国旅行支援事業の愛知県版「いいじゃん、あいち旅キャンペーン事務局」運営の受託事業において、愛知県に不正請求していた問題について、「今後、組織風土改革などの再発防止策の徹底に取り組む」方針を示した。

JTB、4年ぶりに社員家族の職場見学 270人が参加

2023年8月24日(木)配信

参加者らと記念撮影を行うJTB執行役員の西松千鶴子氏(前列中央)

 JTB(山北栄二郎社長)は8月23日(水)、新宿エリアを拠点とするJTB法人ビジネス担当などの社員と家族を対象にした職場見学会「JTBファミリーデー2023」を行った。開催は4年ぶり。子供を含む約270人が参加し、親が働く職場を見学したほか、クイズ大会や名刺交換体験などを楽しんだ。

親が働く会社や日本の観光名所などの問題で盛り上がるクイズ大会

 会場には、協賛企業によるイベントや商品提供などのブースを設置。日本航空(JAL)の紙飛行機の的当てのほか、kinkosが廃材を使った工作体験、森白製菓が煎餅を使った食育体験などを行い、職場を訪れて楽しむ多くの親子の姿で賑わいを見せた。

JALの紙飛行機の的当て(JTB提供)

 加えて、社会貢献の一環として不要なものを再利用するリサイクルコーナー、ペットボトルキャップの回収などを実施した。JTB執行役員サステナビリティ・DEIB推進担当の西松千鶴子氏は、開会のあいさつで子供たちに「SDGsに触れて体験してもらえる楽しいプログラムをたくさん用意しました。今日楽しかったことを、家に帰ってから家族に話してほしい」と呼び掛けた。

森白製菓の食育(お煎餅味付け体験)(JTB提供)

 ファミリーデーは、JTBグループの経営理念と経営方針の実現に向けて、グループ全体でサステナビリティへの貢献に取り組むためのイベントの一環。社員・家族・会社間の交流の場を設け、「働くこと」への相互理解を深めるために開き、未来を担う子供たちが将来を考えるきっかけとなることを目指している。

「YOKOSUKA軍港めぐり」15周年 9月6日は特別便を運航(トライアングル)

2023年8月24日(木)配信

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 トライアングル(神奈川県横須賀市)は9月2(土)~10日(日)を「Thanks☆Week」とし、7つの企画を実施する。

シーフレンド7

 同社が運航する「YOKOSUKA軍港めぐり」が9月6日(⽔)で15周年を迎えるのを記念し企画。

 9⽉6⽇の午後3時の便は「15周年ありがとう!サンクスクルーズ」とし、軍港めぐり開設当初に案内を担当したメンバーが数年ぶりに案内⼈を務め、軍港めぐりの「過去」「現在」「未来」について語る。また同船には、現在活躍する9名の案内⼈も全員乗船するほか、就航当時からの懐かしい写真や動画も展示する予定だ。

 9月6日は同クルーズに加え、午後1時の便を「YOKOSUKA軍港〝逆〟めぐりクルーズ」、午後2時の便「W案内⼈クルーズ」として運航する。

 逆めぐりクルーズは通常のコースを逆にめぐるもので、定期便での運航は初めてとなる。一方W案内人クルーズでは、2人の案内人がリレー形式で生実況を行う。

 このほか同社は期間中、初の試みとして、軍港めぐりで使用する船を祝いの時に掲げる満艦飾で装飾。ミリタリー専⾨誌「世界の艦船」とコラボレーションし「YOKOSUKA軍港めぐり100倍楽しむFUNBOOK」を発売する。

 また期間中、YOKOSUKA軍港めぐり公式ラインを友達登録することで、乗船料金10%オフのクーポンがもらえる。同クーポンは6日のみ、50%オフに割引額がアップ。クーポンは、同日中何度でも利用可能。

オリジナル菓子

 記念日となる6日は乗船客全員に、普段は乗船後の抽選会で当たった人だけがおらえるスペシャルデザインの菓子もプレゼントする。

113%増の670億円を要求 人材不足への対策が急務 各国と連携し、双方向交流拡大へ(24年度観光庁予算概算要求)

2023年8月24日(木) 配信

概算要求総括表(観光庁資料より編集部が作成)

 観光庁は2024年度予算の概算要求で、前年度予算比113%増となる670億4700万円を求めた。このうち、一般会計は241億1200万円。このなかに、22年度第2次補正予算で措置した国庫債務負担行為の歳出化予算120億円が含まれる。東北の復興枠では、ブルーツーリズム推進支援について同61%増の4億3500万円を求めた。国際旅客税(出国税)を充当する項目には同113%増の420億円。人材不足への対策や、双方向交流拡大に向けた各国政府観光局との連携促進に向けた事業へ、戦略的に取り組む。

 24年度予算要求の主要事項について、「持続可能な観光地域づくり」「地方を中心としたインバウンド誘客」「国内交流拡大」の3つの柱を重点として、持続可能なありかたで全国あまねくその効果を広めるべく、事業に取り組む。

 「持続可能な観光地域づくり」では、全体で162億6400万円を計上した。

 昨今の観光需要回復に伴い、宿泊業をはじめとした各業界で人手不足が顕著となっている。観光庁は、今後さらなる増加が見込まれる観光需要を着実に取り込み、旅行者数・旅行消費額を増加させるために、受け皿となる宿泊業の人手不足の解消が急務だとして、4億円を計上した。

 この「観光地・観光産業における人材不足対策事業」では、各地方ブロック単位での宿泊業特化型の就職説明会や、マッチングイベント、合同企業説明会への出展支援、採用ホームページ・採用パンフレットの作成などの広報強化に対し、事業者の採用活動を全面的に支援する。

 また、特定技能試験合格者の雇用のためのマッチングイベントの実施や、受験者を増やすためのジョブフェアのPR活動などを通して、観光地における外国語人材の確保に努める。

 人材活用の高度化に向け、機械化・DX化推進のための設備投資支援など短期的な対策や、経営の高度化などの中長期的な対策など、あらゆるフェーズの人手不足対策を総合的に行う。

 また、「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化」事業において、22年度補正予算で設定した500億円のうち、歳出化予算120億円を24年度分の予算として一般財源で要求した。

 

イン・アウト両輪で 双方向交流拡大促進

 「地方を中心としたインバウンド誘客」全体では、63億6100万円を求めた。

 観光立国推進基本計画において、訪日外国人旅行者数は25年までに19年水準(3188万人)超え、日本人海外旅行者数は同じく19年水準(2008万人)超えを目標としている。観光庁では、インバウンド・アウトバウンドの両輪で双方向交流拡大に向けた取り組みが必要として、「双方向交流拡大に向けた各国政府観光局等との連携促進事業」に、同250%増の7000万円を計上した。

 アウトバウンド政策パッケージにおける当面の重点デスティネーション各国などへの、日本からの海外旅行送客の早期回復を目指す。それぞれの取り組みや課題を踏まえた共同プロモーションなどを相手国・地域ごとに実施し、効果的な海外旅行の情報発信の促進や、旅行ニーズに即した海外旅行の商品の充実をはかるなど、実効性のある取り組みを行う。

 さらには、若年層の国際感覚の向上とともに、中長期的な双方向交流の活性化につながる海外教育旅行について、官民連携のもと、効果の高いプログラムの開発・普及により、裾野拡大・定着をはかる。

 

日本版UT地域のあり方を考える

 国内交流拡大について、新たな交流市場の開拓を目指し、「ユニバーサルツーリズム促進事業」において、5000万円を求めた。

 海外におけるユニバーサルツーリズム(UT)先進地域に関する事例調査を行い、日本におけるUT水準を把握し日本の旅行実態なども勘案したうえで、「日本版UT地域」のあり方を検討する。

 また、高齢者・障害者などが求めるバリアフリー情報と、観光施設が提供するバリアフリー情報のミスマッチを解消し、旅行者が安心して認定施設を選べるように、バリアフリー情報の精度向上や旅行者への情報提供の充実に向けた取り組みを行う。

 

風評への影響対策注力 ブルーツーリズム推進

 東日本大震災からの復興(復興枠)として、ブルーツーリズム推進支援事業において同61%増の4億3500万円を求める。ALPS処理水の海洋放出による風評の対策として、海の魅力を高めるブルーツーリズムを推進し、国内外からの誘客と観光客の定着をはかる。

 観光庁は、「ALPS処理水の海洋放出後は、風評影響への対策として、風評に打ち勝つための取り組みの重要性がより一層高まる」という認識のもと、津波で海の家や更衣室などが流された海水浴場などで、設備の新たに設置することで受入環境の整備に努める。このほか、海の魅力を体験できるコンテンツの充実、海にフォーカスしたプロモーション、ビーチなどの国際認証の取得に向けた取り組みを支援していく。

 福島県における観光関連復興支援事業には、昨年度予算と同額の5億円を要求した。

 

出国税は420億円 予算編成で検討する

 出国税の規模は、前年度比113%増の420億円を要求した。コロナ前では前年度4~3月の出国者実績で出国税を算出していたが、今回も国際民間航空機関(ICAO)による24年度の航空需要の回復推計値や回復シナリオをもとに算出した。

 出国税を充当する予算に関しては、既存政策の財源の単なる穴埋めをするのではなく、①受益と負担の関係から負担者の納得が得られる②先進性が高く費用対効果が高い取り組み③地方創生を始めとする日本が直面する重要な政策課題に合致する――の3点を基本的な考え方としている。

 前年度の事業例として、「ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備」「日本の多様な魅力に関する情報の入手の容易化」「地域固有の文化、自然などを活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上」──などを実施した。

 具体的な施策・事業については、硬直的な予算配分とならず、毎年度洗い替えが行えるように、観光戦略実行推進会議において、民間の有識者の意見を踏まえつつ検討を行い、予算を編成する。

星野リゾート、沖縄で「台風特約」適用へ 宿泊キャンセル料免除など

2023年8月24日(木) 配信

星のや竹富島

 星野リゾート(星野佳路代表、東京都中央区)は9月1日(金)、台風の際の宿泊キャンセル料免除などを盛り込んだ「台風安心特約2023」を沖縄エリアで開始する。

 特約は①航空券(往路または復路)が台風によりキャンセル料免除対象となった場合、宿泊キャンセル料も免除②宿泊日午後3時時点発表の気象庁予報において、宿泊ホテルが翌日午前11時まで(星のや沖縄と星のや竹富島は正午まで)に暴風域に入ることが見込まれる場合、室料を正規料金から半額③台風による欠航で前泊・延泊を希望の場合、正規料金より半額④台風を理由にキャンセルする場合、90日以内の延期または星野リゾート他施設への振り替えでキャンセル料無料――となる。12月1日チェックアウトまでを対象とする。

 対象施設は、星のや沖縄▽星のや竹富島▽リゾナーレ小浜島▽OMO5沖縄那覇▽BEB5沖縄瀬良垣▽西表島ホテル。公式サイトからの宿泊予約が対象で、特約の事前申し込みは不要だ。

 台風の上陸頻度が高い同エリアから適用し、今後、九州や中国、四国エリアへの適用も検討するという。