日本ホテル協会、23年客室利用率は70・4%に回復 定保会長「従業員の待遇改善へ」

2024年3月27日(水) 配信

定保英弥会長

 日本ホテル協会(定保英弥会長、232会員)は3月27日(水)、帝国ホテル東京(東京都千代田区)で2024年度春季通常総会を開いた。定保会長は冒頭、「コロナ禍で消失していた需要が少しづつ回復し、久しぶりに活気が戻ってきた1年だった」と述べた。

 23年は、会員の客室利用率は70・4%(22年は54・2%)、客室平均単価(ADR)は2万1899円(同1万6911円)、1室当たりの収益額(Rev PAR)は1万5517円(同9103円)と回復している。

 さらに、定保会長は人手不足などホテル業界の課題を挙げながら、「宿泊客からの対価をしっかりと還元し、従業員の待遇改善をはかっていく」と述べた。

“匠”の工芸アート”が彩る特別な客室「TAKUMI」の提供を開始(ホテル小柳)

2024年3月27日(水) 配信

それぞれ意匠や設えが異なる客室

 湯田上温泉に位置する「ホテル小柳」(野澤隆義代表、新潟県・田上町)は昨年12月、“匠”の工芸アート”が彩る特別な客室「TAKUMI」3タイプの提供を開始した。

 「TAKUMI-S」では、アナログレコードの音楽をサウナや露天風呂、客室で楽しめる。アナログレコードが聞けるプレーヤーやスマートフォンをサウナ内のスピーカーとBluetoothでつなぐ、温泉旅館としては初の試み。宿泊客は1階ラウンジからアナログレコードを数枚選択し、客室内に持ち込むことができる。

TAKUMI会席

 露天風呂で温泉入浴が楽しめる3客室には、それぞれ意匠や設えが異なる「玉川堂」(燕市)の鎚起アートや、「大湊文吉商店」(加茂市)の組子細工、創業者が燕市出身の廣田硝子(東京都墨田区)の江戸切子オブジェを設置。宿泊者限定の新潟の食とカトラリーが楽しめる「TAKUMI会席」も用意した。

「モダンガール」に注目 「昭和モダン×百段階段~東京モダンガールライフ~」 ホテル雅叙園東京で6月16日まで

2024年3月27日(水) 配信

ノスタルジックなBarをイメージした設えの「草丘の間」

 ホテル雅叙園東京(東京都目黒区)は6月16日(日)まで、「昭和モダン×百段階段~東京モダンガールライフ~」を行っている。

 東京都指定有形文化財「百段階段」の7 部屋を舞台に、モダンガールの装いや、おしゃれ、当時を代表する作家たちにより描かれた女性画などを通して、新たな大衆文化が開花した時代をめぐるように楽しむことができる企画展。

 同ホテルは「大正ロマン」をテーマに2022年から文化財「百段階段」で企画展を開催している。

モダンガールの装い

 3回目となる今回は、同テーマを象徴する「モダンガール」に注目し、大正から昭和初期の都市文化を享受していた女性たちと、華やかなりしモダン都市東京の都市文化をテーマにした展示を展開する。

竹久夢二「エイプリルフール」(左)と小林かいち「彼女の青春」

 企画展の見どころの一つが、今年生誕140年、没後90年の節目を迎える竹久夢二と、「京都のアール・デコ」とも称されるなぞ多き画家小林かいち作品の競演。夢二が手掛けた「婦人グラフ」や「セノオ楽譜」などのイラストと、かいちが描いた絵封筒や絵葉書など約60点を通し描かれたモダンガールの姿を紹介する。

 また清方の間では、当時流行した「大正デカダンス」という言葉にスポットを当て、怪奇幻想小説を代表する作家・江戸川乱歩と現代のイラストレーター夜汽車のコラボレーションによる「人でなしの恋」(「乙女の本棚」シリーズ・立東舎)の立体展示を展開。最後の部屋「頂上の間」には、画家の加藤美紀さんによる文化財「百段階段」とモダンガールをモチーフにした新作も展示している。

蜂木宥哉氏(ホテル四季の館 箱根芦ノ湖)グランプリに 春の食材テーマに料理コンテスト開催(日本ハウスホテル&リゾート)

2024年3月27日(水) 配信

蜂木氏

 日本ハウス・ホテル&リゾート(山栄共靖社長、東京都千代田区)は3月21日、「ホテル東日本宇都宮」(栃木県宇都宮市)で「第24回料理コンテスト」を開いた。

 同社社長と外部審査員3人による審査で、蜂木宥哉氏(ホテル四季の館 箱根芦ノ湖)の「神奈川県産恵水ポークのデクリネゾン~春野菜をふんだんに使って~」が最優秀賞に選ばれた。

蜂木氏が手掛けた一皿

 デクリネゾンとは、さまざまな調理方法でひとつの食材を生かす調理方法のこと。蜂木氏は豚のさまざまな部位を使い、パテ・アン・クルートや豚ロースの桜燻製ハム、香草パン粉焼きからなる一皿を考案。「春野菜の使い方と、お客様に喜んでいただける5味の伝え方を重点的に考えました。2回続けて優秀賞だったので、最優秀賞に選ばれてとても嬉しい」と喜びを語った。

 料理の魅力向上を目的に年2回開催されている同コンテストの今回のテーマは、「春の食材を使用した料理」。同グループが運営する7施設から42人のエントリーがあり、原価500円以内という条件のもと料理を考案。各施設の総料理長による予選を経て、5人が本選に進んだ。

 山栄社長は料理コンテストの終了に際し、「料理人は、もっと料理を勉強したい、作ってみたい、(技法などを)真似してみたいと思うことが大切。次回に向け、さらに(料理に対する)研鑽を積み重ねてほしい」と呼び掛けた。

(左から)藤原氏、菊池氏、蜂木氏、中島氏、高砂氏

 優秀賞以下各賞の受賞者は次の各氏。

優秀賞:菊池夕奈(ホテル四季の館 箱根芦ノ湖)

特別賞:中島貴弘(ホテル東日本宇都宮)

アイディア賞:藤原連(ホテル森の風立山)▽高砂勇人(ホテル四季の館 那須)

添乗員の待遇改善が喫緊の課題 TCSAが24年度総会開く

2024年3月27日(水) 配信

金澤悟会長

 日本添乗サービス協会(TCSA、金澤悟会長、35会員)は3月26日(火)、東京都内で2024年度の通常総会を開いた。添乗員数の減少や高齢化が進むなか、待遇改善を喫緊の課題として添乗員確保の取り組みに注力する。総会後に開いた会見で、金澤会長は「添乗の仕事が好きな人が生きがいとして、一生添乗業務ができるような社会にしていきたい」と力を込めた。

 昨年度実施した会員会社への調査によると23年の所属添乗員数は専従とスポット、また男女合計で6675人となり、5年前の18年から約2400人減少した。平均年齢は51・6歳で18年から約5歳上がり、若年層の成り手が少ないことが見受けられる。

 減少の要因の1つはコロナ禍での添乗業務減少だが、働き方改革で実働時間が減り、時給は上がる一方、総収入が減少するなどの実情もある。

 会員会社も人材の流出や社会保険適用条件の緩和による経費増加など、厳しい状況が続いている。

 待遇改善には派遣先の旅行会社や、旅行代金を支払う旅行客の理解が不可欠だ。金澤会長は「高い賃金を求める場合、耐えうるだけの質の高い添乗が必要。各所への働きかけとサービスレベル向上の両方を行うことが待遇改善につながる」と述べた。

 関係各所の理解を得るためにも、今年度はコロナ前に観光庁で行われていた「添乗サービスを持続的に提供するための検討会」の再開を要望する。厚生労働省や旅行会社団体らも参加しており、添乗業務を検討する貴重な場として求めていく。

 このほか、インバウンド検定は昨年度に続き、初級と中級の試験を実施。作業部会では上級の試験実施への検討を行う。

 人材確保の一環として、従来は高校卒業後の学生を対象としていた「ツアコンカフェ」や職業フェアに高校生も参加できるよう検討していく。

民宿げんろく(富山県氷見市) 負債は約1億5000万円(帝国データバンク調べ)

2024年3月27日(水) 配信

 民宿げんろく(嶋田真一郎社長、富山県氷見市)は3月4日(月)、富山地裁高岡支部から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約1億5000万円。

 同社は1995(平成7)年7月に設立された民宿の運営業者。地元の食材を使用した料理と天然温泉を強みに、ピーク時には年間収入高約1億円を計上していた。

 しかし、景気後退や周辺同業者との競合に加え、新型コロナの影響で業況が悪化し、23年8月末までに事業を停止していた。

開業5周年でリニュールやイベント目白押し ムーミンバレーパーク

2024年3月27日(水) 配信

新設キャラクターのテープカット

 2024年3月16日(土)に開業5周年を迎えたムーミンバレーパーク(埼玉県飯能市)は、「5TH ANNIVERSARY」と題して、リニューアルやイベント企画を進めている。

 園内ではこのほど、リトルミイのプレイスポットが「ムーミン谷の映画館」としてリニューアルオープン。トーベ・ヤンソンの絵本の世界を表現し、フィンランドで制作されたアニメーション「さびしがり屋のクニット」(約17分)」が上映されている。 さらにムーミンをはじめ、リトルミイ、スナフキンなど、5体のキャラクターオブジェがパーク内各所に場所に登場。周囲の風景と一緒に写真撮影を楽しめるようになった。

 3月の土・日・祝日の午後6時30分から約5分間、「ムーミン谷の小さな花火大会 春 ~5th ANNIVERSARY Ver.~」を実施し、ムーミンパークのオリジナルソングに合わせて、湖上から花火を打ち上げる。4月以降の日程は公式ガイドでずい時更新予定。 このほか、5周年限定の「ムーミンぬいぐるみ」や「クッキー缶」などの販売もある。               

旅行ライター&エディター三堀 裕雄

「プラスナリタラボ」設立 地域経済活性化支援機構、GPA、成田国際空港

2024年3月26日(火) 配信 

プラスナリタラボは4月1日(月)から、成田空港周辺地域の飲食・観光を推進する

 地域経済活性化支援機構とグリーンポート・エージェンシー(GPA)はこのほど、DMC「プラスナリタラボ」(福島健之代表、千葉県成田市)を設立し、成田国際空港のサポートのもと、成田空港周辺地域産品を活用した物販・卸事業、飲食事業、観光事業を4月1日(月)から推進する。

 成田国際空港グループ(NAA)では、成田空港や周辺地域に訪れてみたい人を増やすことで、空港と地域が共に発展する地域ビジネスの確立を目指す。全国各地でDMCを組成した実績のある同機構と、日本の玄関口として多くの訪日外国人がやってくる成田空港の強みを掛け合わせた地域ビジネスを推進し、収益をあげながら持続的に展開していく仕組みづくりに取り組む考え。

 同社では、周辺地域の産品を活用した商品シリーズを企画・開発し、販売することで、商品の高付加価値化やブランド力向上をはかる。空港内で飲食店を運営し、地域産品を活用した飲食メニューを売り出す。さらに、空港内のPRスペースや、観光体験予約サイトを活用して、空港を起点とした周辺観光地への送客を行う。

オーバーツーリズム未然防止・抑制事業 先駆モデル20地域を選定へ(観光庁)

2024年3月26日(火) 配信

観光庁はオーバーツーリズムの未然防止・抑制事業で、先駆モデル20地域を選定した

 観光庁は3月26日(火)、「オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業」の「先駆モデル地域型」20地域と、「一般型」51件を選定した。

 国内外の観光需要が急速に回復するなか、観光客が集中する一部の地域や時間などによって、過度の混雑やマナー違反による地域住民の生活への影響や、旅行者の満足度低下への懸念も生じている。同庁は、観光客の受け入れと、住民の生活の質の確保を両立しつつ、地域自身があるべき姿を描いて、地域の実情に応じた具体策を講じることが必要とした。

 同事業では、総合的な支援として、オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向け、住民を含めた地域の関係者による協議の場の設置や、協議に基づく計画策定、取り組みに対する包括的な支援を行う。

 今回先駆モデル地域として選ばれた地域は次の通り。

ニセコエリア(北海道・倶知安町)
美瑛町(北海道・美瑛町)
奥入瀬(青森県)
蔵王(山形県山形市)
川越(埼玉県川越市)
浅草(東京都台東区)
鎌倉・藤沢(神奈川県鎌倉市)
箱根(神奈川県・箱根町)
佐渡(新潟県佐渡市)
富士山[吉田口](山梨県)
富士山[富士宮口、御殿場口、須走口](静岡県)
白川郷(岐阜県・白川村)
京都(京都府京都市)
奈良公園・山の辺の道(奈良県)
高野山(和歌山県・高山町)
出雲大社(島根県出雲市)
宮島・宮島口(広島県廿日市市)
仁淀川流域(高知県・いの町)
阿蘇(熊本県阿蘇市)
西表島(沖縄県・竹富町)

「弘前さくらまつり」2024年4月19日(金)~5月5日(日)開催 「初音ミク」から派生したキャラとのコラボも

2024年3月26日(火) 配信

弘前桜七景の1つ「花筏(はないかだ)」

 青森県弘前市の弘前公園で、2024年4月19日(金)~5月5日(日)まで「弘前さくらまつり」が開かれる。弘前公園の桜は、雪を頂いた岩木山と調和し、ソメイヨシノを中心に、シダレザクラ、八重桜など、52種類約2600本の桜が花を咲かせる。

 今年のまつりでは、ソメイヨシノに続き満開を迎える厳選した八重桜7品種「弘前七桜」や、弘前公園の桜守がおすすめする7つの風景「弘前桜七景」、そして1つの花芽から稀に7つの花が咲く「弘前七輪咲き桜」と7にまつわる桜の見どころを「弘前桜物語」としてPRする。「初音ミク」から派生したキャラクターで、弘前さくらまつりの公式応援キャラクター「桜ミク」のオリジナル描き下ろし「桜ミク」×「弘前七桜」コラボデフォルメイラストを活用し、さまざまな企画を展開する。