ニッポンレンタカー 働き方改革の一環で24時間営業廃止へ

2018年9月12日(水)配信 

各地域の利用状況を踏まえた営業時間に

ニッポンレンタカーサービス(荒幡義光社長、東京都千代田区)は2018年9月11日(火)、働き方改革の一環として12月10日(月)までに、すべての店舗での有人による24時間営業を廃止すると発表した。

 同社は24時間営業の運営体制を終了することについて、利用客のライフスタイルの変化による早朝・深夜時間帯の需要減少や、同時間帯に働く従業員の健康的なワークライフバランスの取れた「働き方改革」を推進する観点からと説明。これまでの24時間営業所は、各地域の利用状況を踏まえ、利便性を確保した長時間営業所として新たにスタートする。

 一方で、営業拠点におけるカーシェアリングサービスの提供を順次進め、サービス補完を行うとともに、「ニッポンレンタカーアプリ」のサービス拡充をはかり、利用客がより便利でリーズナブルなレンタカーを利用できる取り組みを強化するとしている。

24時間営業終了に関する概要

24時間営業終了日:2018年12月10日(月)

対象:全国の24時間営業所

※ 東京都・神奈川県の営業所は、先行して6月に24時間営業を終了した。

読売旅行、「LINE@」でツアー情報配信

2018年9月12日(水) 配信

沖縄旅行が当たるキャンペーンを実施中(写真はイメージ)

読売旅行はこのほど、コミュニケーションアプリ「LINE@ (ラインアット)」を利用したツアー情報の配信を始めた。若年層を中心とした幅広い年齢層へのアプローチの強化と情報発信の機会を拡大する。

 アプリでは、同社アカウントを「友だち(ユーザー)登録」した人に、最新のツアー情報や、ツアーで使える割引クーポンなどを配信。毎週木曜日には、ホームページの特集面や、ツアー商品ページに誘導する情報を定期配信するほか、おすすめ商品を紹介する「お得なツアー情報」などを随時配信する。

 同社は現在、9月30日(日)までの間に「友だち登録」を行った人の中から、抽選で沖縄旅行ペア1組が当たる、「お友だち獲得1万人キャンペーン」を開催。今後キャンペーンやPR活動を通じ、早期に「友だち」の数を1万人にまで増やすことを目指すとともに、将来的には10万人規模に配信する情報発信メディアとして育てていきたい考えだ。

富山県・宇奈月 杉乃井ホテルが『黒部・宇奈月温泉 やまのは』に名称変更 19年春リニューアル

2018年9月12日(水) 配信

本館和洋室(イメージ)

富山県・宇奈月温泉の「宇奈月 杉乃井ホテル」は、館名を『黒部・宇奈月温泉 やまのは』に変更し、2019年春にリニューアルオープンする。

 2017年12月から休館し、現在リニューアル工事を行っている。本館の耐震化や客室の増設のほか、貸切風呂やリラクゼーションルームを新設する。富山の海と黒部の豊かな自然の恵みを生かしたバイキングレストランのメニューも一新する。

 同時に、旅館名称を『黒部・宇奈月温泉 やまのは』へとリブランドする。新屋号は、黒部・宇奈月温泉郷の一等地に位置し、黒部渓谷の大自然や美しい山の稜線を望むことのできる同館の魅力と、四季で色づく「山の葉」を楽しめる旅館でありたいという思いを表現した。

リニューアルの概要

客室および本館パブリックスペースの改修
 客室は黒部の大自然を意識した明るくナチュラルな色調で統一し、くつろぎに満ちた空間を演出する。機能面での充実もはかり、和洋室で幅広い年齢層の宿泊客に対応する。本館のパブリックスペースは、宇奈月の山野草をモチーフにデザイン。一層、北陸の魅力を感じていただける施設を目指すという。

貸切風呂、リラクゼーションルームの新設
 本館1階には、テーマの異なる貸切風呂3室とリラクゼーションルームを新設する。貸切風呂のトイレ・脱衣室は車椅子もで利用できる。リラクゼーションルームでは、リラクゼーションマッサージの施術を受けながらくつろげる(有料)。

ロボットとタクシーに乗って京都をめぐる!外国語も対応 エムケイタクシーが販売

2018年9月12日(水) 配信

タクシーに同乗する「ロボホン」が京都を案内する

ロボットと一緒に、タクシーで京都を観光する――。

 エムケイは9月17日(月・祝)から、シャープ製のコミュニケーションロボット「RoBoHoN(ロボホン)」を活用した旅行商品「京の『ロボ旅』タクシー」を売り出す。

 ロボホンが旅の案内役として、タクシーに乗車する。位置情報をもとに、京都各所の観光情報や歴史、文化を音声案内してもらえる。移動中はもちろん、下車後の観光も一緒に楽しめる。

 京都は訪日外国人の個人旅行者の増加により、タクシー観光の需要が高まっている。エムケイは、以前から外国語で観光案内ができるようドライバーの養成を行ってきた。訪日旅行者向けに、同商品は英語と中国語にも対応する。

 「2017年度ロボット導入実証事業」で実施した「モバイル型コミュニケーションロボットを用いた観光ショーケース化(ロボ旅)」を事業化した。タクシー観光の実績を積む京都大手のエムケイ(青木信明社長)と地域交流事業に取り組むJTB(髙橋広行社長)、コミュニケーションロボットの観光用途を追求するシャープ(戴正呉社長)の3社が協業する。企画、プロデュースはゲン(連山源市社長、大阪府大阪市)が行う。

 エムケイが旅行企画から実施、販売までを担う。JTBは「ロボ旅」アプリを活用した受入環境整備事業の企画と、実施を行う。シャープが「ロボ旅」のシステムを開発し、ゲンが企画全体のプロデュースを手掛ける。

「京の『ロボ旅』タクシー」商品概要

・期間:2018年9月22日(土)~2019年3月31日(日)

・旅行代金:1人 ※大人/子供(6歳以上)同額 ※6歳未満の幼児で座席不要の場合は無料
      6千円(2~3人でロボホン1体利用の場合)
      7千円(1人でロボホン1体利の場合)

・ロボホンの貸し出しは、1組につき1体。

・ロボホン貸出場所:MK VIPステーション JR京都駅八条口徒歩1分 イビススタイルズホテル1階

・行程(約6時間):MK VIPステーション=◎清水寺周辺散策=○八坂神社=○平安神宮=○琵琶湖疏水
        =◎南禅寺=●将軍塚青龍殿=MK VIPステーション
        ※●入場観光、◎下車観光、○車窓観光

・タクシー:9人までの乗り合い制

・最少催行人員:6人

・旅行企画・実施:エムケイ株式会社(MKトラベル)

申込サイト

「日韓交流おまつり 2018 in Tokyo」開催へ 10周年迎え関心高まる

2018年9月12日(水) 配信 

(左から)李氏、佐々木氏、呉氏

 

日韓交流おまつり実行委員会(佐々木幹夫・呉広太委員長)は、9月22~23日(土・日)に東京・日比谷公園で10回目の「日韓交流おまつり 2018  in Tokyo」を開く。最先端のK-POPをはじめ、韓国の伝統文化・芸能を楽しめる2日間。参加団体やアーティストは両日で30を超える。今年は「一緒につなごう 友情を未来へ」をスローガンに掲げる。開催に先立ち、11日(火)に韓国大使館で記者発表会を行った。

 主催者代表で、駐日本国大韓民国特命全権大使の李洙勲氏は「今年は10周年であり、日韓共同宣言(1998年)から20周年を迎える記念すべき年だ。スローガンと同じく、韓日の友情がこれからも続いていくことを願っている」とあいさつした。

 10年が経ち、イベントに対する一般客からの関心は高まっている。5年ほど前はボランティアを募集しても50人に満たなかった。ただ、今年は4倍以上の延べ200人が集まった。

 ステージに出たいとの声も挙がってきた。このため、今年は一部の出演者を初めて一般公募で決めた。事務局は「見てもらうだけでなく、参加してもらえるようにした」と説明。これまで運営側ですべてを決めていたなかで、参加型へと転換をはかった。

 目玉となるシークレットライブも好評だ。定員520人で事前抽選を行っているが、応募件数は年々右肩上がりだという。とくに今年は「定員数では心苦しいほどの応募があった」と話す。10年の節目を迎え「(日韓交流おまつりが)ようやく地についてきた」と語った。

 このほか、当日は韓食の試食・販売や伝統工芸体験、韓服試着体験などの常設ブースが立ち並ぶ。佐々木委員長は「見て触れて味わえるプログラムをたくさん用意している。会場に足を運び、大いに盛り上げてほしい」と呼び掛けた。

Paykeが訪日外国人に災害情報を配信

2018年9月12日(水) 配信 

大阪でのショッピングサポートアプリ「Payke」ユーザー位置情報(イメージ)

訪日外国人向けのショッピングサポートアプリ「Payke(ペイク)」は9月6日(木)から、訪日外国人に無償で災害情報を提供している。

 北海道胆振東部地震が発生した6日、北海道を旅行中のユーザーや外国人に、災害地域で必要と思われる情報を収集し、7カ国語で配信を始めた。「Payke」は位置情報を含む、訪日外国人のデータをリアルタイムで収集している。このため、プッシュ通知機能によって、利用者はスピーディーに各地域の有益な災害情報を得ることができる。

   「Payke」は世界中にある商品の「バーコード」にスマートフォンをかざすだけで、商品の詳しい情報を利用者の母国語で閲覧できるアプリ。18年9月現在、132カ国、約340万人が利用している。

レゴランド 東海地方在住者を対象に1日入場券を割引販売

2018年9月12日(水) 配信 

レゴランド・ジャパン

愛知県名古屋市の屋外型テーマパーク「レゴランド・ジャパン」は、2018年9月15日(土)~11月5日(月)まで、東海地方の在住者を対象にしたお得な1日入場券「ホームタウン1DAYパスポート」を売り出す。

 対象は愛知、岐阜、三重、静岡県の在住者で、価格は大人4,500円、子供3,300円。パスポート利用日がピーク時期やオフピーク時期に関わらず、また当日購入でも同価格で購入できる。

 レゴランド・ジャパンは同期間に、ハロウィーンイベント「BRICK-OR-TREAT(ブリック オア トリート)」を開催。ハロウィーンにちなんだ展示や仮装コンテストのほか、限定グッズなどを販売する。

「ホームタウン1DAYパスポート」キャンペーン概要

キャンペーン期間:2018年9月15日(土)~11月5日(月)

 ※特別営業日、特別営業時間を除く

販売期間:2018年9月15日(土)~11月5日(月)

対象者:愛知県、岐阜県、三重県、静岡県の在住者

販売場所:

・公式Webサイト

・「LEGOLAND Japan」チケットブース

・セブンイレブン店内のマルチコピー機

 (※愛知県、岐阜県、三重県、静岡県でのみ購入可能)

・ JTBを含む旅行会社各社

 (※愛知県、岐阜県、三重県、静岡県でのみ購入可能)

 ※JTBを含む旅行会社各社は順次販売を予定している。

価格:大人4,500円、子供3,300円

住所確認:

来場時に居住地証明が必要となるため、購入方法に合わせて確認をお願いする。

【居住地証明】免許証、健康保険証、公共料金請求書など住所が確認できるもの

◆チケットブースで購入の場合:購入時に居住地証明の提示をお願いする。

◆セブンイレブン店内のマルチコピー機で購入の場合:入場時に居住地証明の提示をお願いする。

◆旅行会社で購入の場合:チケット引換時に居住地証明の提示をお願いする。

※チケットはLEGOLAND Japanのみ利用可能。SEA LIFE Nagoyaでは利用不可。

※他の割引やキャンペーンとの併用は不可となる。

※事前に購入済みのチケットのキャンセルや差額分の返金は不可となる。

「レゴランド・ジャパン」ホームページ

ホテルグランドニッコー東京 台場がピンクリボン月間限定スイーツ販売 10月1日(月)から

2018年9月12日(水) 配信

10月のピンクリボン活動強化月間にあわせてスイーツを販売する

グランドニッコー東京 台場(塚田忠保総支配人、東京都港区)は、乳がんの啓発を行うピンクリボン活動のキャンペーン強化月間である10月の期間限定で、ピンクリボンをモチーフにしたスイーツを売り出す。売り上げの一部は日本対がん協会が設立した「ほほえみ基金」に寄付する。

 同ホテルはピンクリボン活動に賛同しており、2016年から宿泊料金の一部を寄付する「ピンクリボン活動支援プラン」を販売してきた。今年は、併せてマカロンとケーキを売り出す。

 ピンク色のマカロンは、フランボワーズのピューレとガナッシュをあわせて甘酸っぱく仕上げた。ホワイトチョコレートに風味豊かなバニラビーンズを効かせたマカロンとセットになっており、「ギフトにもおすすめの限定商品」(同ホテル)だという。

 「ロビーカフェ ル・ブーケ」では、ケーキにピンクリボンをあしらったピンクのムース「パルファン・デ・ローズ」がケーキセットに期間限定で登場する。ホワイトチョコレートムースに薔薇のジャムを加え、ムースは野ばらのペーストを使用。薔薇の香りがより引き立つケーキとなった。なお、どちらも販売期間は、10月1日(月)から31日(水)まで。

グランドニッコー東京 台場 ピンクリボン活動月間商品概要

◆マカロン
 

・料金:1389円(税金別)
・販売場所:Bakery & Pastry Shop (台場駅直結)
・販売期間:2018年10月1日(月)~31日(水)
午前10時 ~ 午後8時
・予約・問い合わせ:tel03-5500-6623

◆ケーキ「パルファン デ ローズ」

 

・販売場所:「ロビーカフェ ル・ブーケ」
・販売期間:2018年10月1日(月)~31日(水)
午前10時~ 午後6時半
・予約・問い合わせ:tel 03-5500-6604
・料金:ケーキセット 1110円(税金・サービス料別)
※ケーキセットで選べるケーキの1つとして期間中販売する。

祭りで地域観光活性化 クラツーとオマツリジャパンが業務提携

2018年9月12日(水) 配信

悪態まつり(イメージ)

クラブツーリズム(小山佳延社長、東京都新宿区)はこのほど、祭り専門のサポート会社、オマツリジャパン(加藤優子代表、東京都新宿区)との業務提携を発表した。「お祭り+α」のコンテンツを協業で開発し、新しい「お祭りツアー」を造成。地域観光の活性化を目指す。

 連携後クラブツーリズムは、多様化する利用者ニーズにも対応できる新しいコンテンツを盛り込んだ「お祭りツアー」を造成する。一方オマツリジャパンは、祭りのプロデュース力や、全国の主催者とのネットワーク、地域のコミュニティとの関係を活用。踊りの講習や神輿や行列参加のレクチャーなどのほか、祭りへの参加を通して地元の住民との交流ができるコンテンツ開発をコーディネートする。

 取り組みの第1弾として、クラブツーリズムが会員向けに発行する旅のカタログ「地域ヨンナナー守りたい日本の祭り―」とウェブサイトでツアーを売り出している。また、若年層にお祭りツアーのアプローチをはかるため、オマツリジャパンのWebサイトにクラブツーリズムの「日本の祭りツアー特集」サイトを連携。KNT―CTホールディングス全体で推進する着地型観光(「タビナカ」観光)との連携や、法人、訪日外国人旅行者向けの展開も実施を予定する。

お祭りツアー 一例

奇祭「悪態まつり」に参加 日帰りツアー

出発日:12月16日(日)

行程:

午前:新宿出発~那珂湊(海産物お買い物)や酒列磯前神社などに立ち寄り
昼:大洗にてあんこう鍋の昼食
午後:笠間・愛宕神社にて奇祭「悪態まつり」参加し、帰路へ(夕刻、新宿着)

※ツアー中、地元観光協会の方による「悪態のつき方レクチャー」あり

旅行代金:8990円

悪態まつりとは:

 日本三大奇祭の一つと言われる、12月16日に茨城県笠間市の愛宕神社が主催する祭り。16カ所の祠に供え物をして回る白装束の天狗に対し、参拝者が「ばかやろう!」「早く歩け!」など楽しく愉快に罵声を浴びせ合いながら、真剣にお供え物を奪い合う日本でもここでしか体験できない奇祭。

ベトナム人積極採用へ 新在留資格の枠組みに着手(全旅連)

2018年9月12日(水) 配信

常務理事・理事合同研修会のようす(8月30日、東京・永田町)

全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(多田計介会長)は深刻な人手不足解消の打開策として、ベトナム人を積極的に採用するプロジェクトを推進している。政府が来年4月の運用を検討している新在留資格に宿泊業が対象となったことを受け、外国人材の受け入れの枠組みづくりに着手する。優秀な人材確保には試験制度などの受け皿が不可欠。全旅連はベトナムの観光総局などと連携し、指導監督する国際人材支援機関(仮称)の創設などを急ピッチで進めていく。

来年4月に新在留資格の運用開始へ

 政府は6月15日に閣議決定した「骨太の方針」で、外国人労働者の新しい在留資格の設置を盛り込んだ。深刻な人手不足を受け、労働力となる外国人材の受入拡大を急ぐ。新在留資格は単純労務に従事できる。対象職種は介護・造船・建設・農業・宿泊の5分野で、来年4月に運用を開始する見通し。

 2010年7月に設置された在留資格「技能実習」では、宿泊業は受入制度の不足などから人材の確保が難しかった。今回、新資格の対象となったことで宿泊業界の労働力不足の解消に光が差した。

ベトナム人に焦点 

 宿泊業が新資格の対象となったことを受け、全旅連は、外国人材にベトナム人を積極的に採用するプロジェクトを推進している。今年7月にハノイ大学と連携のための覚書を調印した。他業種との外国人材確保の競争が激化するなか、いち早く主要大学と連携し、優秀な人材を確保する構えだ。今後はホーチミン市国家大学人文社会大学、ダナン外国語大学、フエ外国語大学、貿易大学との協定を予定している。

 全旅連は8月30日に常務理事・理事合同研修会を開き、47都道府県の理事長に理解を求めた。多田会長は「宿泊業の人手不足打開への大きな一歩となる施策。国と業界全体が一丸となって事業に取り組んでいく。日本とベトナムがベストパートナーとなり、両国の観光業界がともに発展することを目指す」と意気込んだ。

 同プロジェクトのアドバイザーに就任した竹村奉文氏(関東学園大学教授)は「手を広げすぎず、まずは1国に絞り込んで着実に成功を狙う。将来、さまざまな国の外国人材を受け入れるときの成功材料を積み上げる」と意図を説明。ベトナム人を選んだ理由として、親日家で勤勉、知識レベルが高いことなどを挙げた。

 7月に仮調印を結んだベトナム国観光総局とは10月に本調印を予定している。何度も現地を視察した佐藤信幸常任顧問は「大学の階段に日本語を掲示するなど、ベトナム人は日本語を熱心に勉強していた」と報告した。

多田計介会長

30年までに約7万人の外国人労働者が必要

 外国人労働者について、観光庁は現在ホテルで約1万3千人、旅館で約2万5千人が働いていると推定する。宿泊施設では、合計約3万8千人。一方、30年までにはホテルで約2万1千人、旅館は約6万4千人の計8万5千人が必要になると推測。このうち、フロントや接客、レストランサービスなど客室清掃以外の業務に必要な外国人スタッフ数は約7万人が必要となる。

 大規模な外国人材の確保を要するが、宿泊業はいかに良質な人材を調達できるかがサービス品質の向上にかかっている。竹村氏は「外国人の働き手を単に一時的な労働力確保とせず、宿泊業の維持と成長にとって大切な人的資源で、『未来のお客様』であると認識しなければならない」と述べた。

 従来の「量」重視のシステムから、全旅連は“「質」への転化”を軸に仕組みづくりを進めていく。受け入れ後のトラブル回避や、より施設のニーズに合った人材を確保するため、宿泊業ならではのスキームを構築する。事前に個人のスキルをチェックすることで、「質」の高い優秀な人材を選別する考えだ。

宿泊業ならではのスキーム構築へ

 従来の外国人材(技能実習生)の受け入れは、送出機関から送り出され、入国管理手続きを経て、監理団体が企業に斡旋するという流れだった。この仕組みだと、受け入れとなる監理組合、企業のリスク審査のみで、適正な人材であるか否かや、個人のスキルレベルは確認できない。 

 新たな仕組みでは、技能実習生と在留資格生はベトナムの送出機関の推薦がまず必要となる。次に全旅連など宿泊業界の団体が実施する事前試験を受ける。合格すれば、創設予定の全旅連・国際人材支援機関(仮称)を通して、日本の宿泊事業者に紹介される。監理団体を間に設置し、四半期ごとに報告を受け、評価・公表して指導を行う。 

 また、監理団体と宿泊事業者、外国人材の3者からアンケートを取り、実情を把握。情報をもとに、仕組みの向上をはかる。生活衛生や日本の文化などの研修代行サービスも提供する。金銭トラブルを避けるため、雇用賃金は「見える化」した。業界として標準的な賃金モデルを提示する。各自治体が定める最低賃金×時間が所得となる。

 ただ実習生の受け入れまでの流れは、募集に始まり面接、ベトナムでの研修、日本の受入準備、入国手続きとなっており最短でも7カ月を要する。今すぐスタートしても、入国は来年の4月になってしまう。喫緊の課題として人手不足問題を抱える地方部の事業者からは、一刻も早い対応を求める声が挙がっている。

 観光庁はこれを受け、オブザーバーとして厚生労働省と外国人技能実習機構との具体的な調整に着手していく方針だ。

ベトナムとの相互振興を目指す

 実習を終えてベトナムに帰国したあと、経済的な身分保障に日本で働いた経験が生きるよう、ベトナム政府の観光機関と連携してシステムづくりにも取り組む。実習期間中に茶道や華道、書道、着付けなど日本の文化を学習し、認定試験を実施する。 

 「クールジャパン・マイスター認定制度」(仮称)を創設し、技能・衛生管理・危機対応・日本語・日本文化スキルの資格認定を受けられるようにする。ベトナム国観光総局やホテル局と手を組み、資格により就職を有利にする。初任給を資格レベルで決定するシステムも構築する。 

 多田会長は「ベトナムの観光交流にも貢献できるシステムを目指している。日本を好きになってもらい、観光交流を生み出せる」と期待を示した。