越後湯沢温泉 湯けむりの宿 雪の花 2019年4月27日(土)開業

2019年3月26日(火) 配信

外観

共立メンテナンスは2019年4月27日(土)、「越後湯沢温泉 湯けむりの宿 雪の花」をグランドオープンする。

 「共立リゾート」のブランドを冠する31棟目の施設だ。客室は、和のぬくもりが織りなす趣と寛ぎある空間が特徴で、上層階は天然温泉を引き湯した檜風呂も完備している。夕食は越後の粋を集めた旬を楽しむ会席料理を、朝食には大きなかまどで炊きあげた魚沼産こしひかりをたん能できる和定食を用意する。越後の豊富な地酒が味わえる「利き酒処」や、「共立リゾート」定番の夜鳴きそばなどのサービスも充実している。

 最上階の大浴場は大自然の山々や四季折々の景色を愛でながら湯浴みを楽しめる。白瀧酒造の醸造技術を生かした「上善如水 MISHU(ミシュ)」シリーズのシャンプー・コンディショナー・ボディーソープも用意している。檜・岩・陶器の趣異なる3種類の貸切露天風呂(無料)もある。

施設概要

ロビー

所在地  :〒949-6101 新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢317-1
TEL   :025-785-2511
アクセス:上越新幹線越後湯沢駅から徒歩 約3分
     関越自動車道「湯沢IC」より約5分
敷地面積:約3,750平方㍍
建物    :鉄筋コンクリート造/地上6階・地下1階建
総客室数:86室(収容人数271人)
駐車場 :乗用車45台、大型バス1台(無料)
付帯設備:
 お土産処、浴衣処、スキーロッカー・更衣室、食事処、湯上り処、夜鳴きそば処、ナイトバー、カラオケルーム、エステルーム
宿泊料金:1万7千円~(平日2人1室利用、1人/1泊2食付)
     ※税別・入湯税別途150円

信州いいやま観光局 飯山と東京を結ぶ直行バスを連休に運行

2019年3月25日(月) 配信 

春の飯山(写真はイメージ)

信州いいやま観光局(長野県飯山市)はこのほど、飯山と東京(新宿)を結ぶ直行バス「飯山・東京おむすびライナー」を運行すると発表した。

 2019年4月27日(土)~10月14日(月・祝)までの連休限定で、飯山~東京間を2往復、全7回運行する。運行は、三つ星SAFETY BUSの長野交通の大型バス。自治体の運行支援もあり、安心・快適なバスの旅を提供する。

 料金は片道で、夜行バスが4千円(子供は2千円)、昼行バスが3,500円(子供は1,750円)。

「飯山・東京おむすびライナー」詳細

実施期間:2019年4月27日(土)~10月14日(月・祝)各連休に2往復ずつ

料金:

 夜行便 大人4千円、子供2千円、

 昼行便 大人3,500円、子供は1,750円

予約・問い合わせ:

 信越自然郷 飯山駅観光案内所(午前8:30~午後6:00、年中無休)

 TEL=0269-62-7000

 ※乗車日の5日前までに要申し込み

ホームページ:以下のページリンクから

ツアー・体験検索 | 信越自然郷
http://www.shinetsu-shizenkyo.com/plans

ソラシドエア、客室乗務員が巡る長崎県南島原の旅、動画を配信

2019年3月25日(月) 配信

動画内容

ソラシドエアはこのほど、長崎県南島原市のPRを目的に制作した「ソラシドエア客室乗務員が巡る長崎県南島原市の旅」の動画配信をソラシドエア公式YouTube上でスタートした。

 客室乗務員がモデルとなり「喜・都・哀・楽」をテーマに、食や体験、温泉など南島原市の魅力を1泊2日でも楽しめる充実した女子旅コースとして紹介。心も身体も満たされる旅を提案する。 動画は今後、同社特選の地域の魅力的な情報を集めた機内エンターテインメントサービス「ソラタイム」のコンテンツや、ソラシドエア ホームページでも順次配信される。

 南島原市は、長崎県島原半島の南東部に位置し、日本最初の国立公園(雲仙天草国立公園)の指定や世界ジオパークの認定を受けた、雄大な山々と美しい海を併せ持つ風光明媚な地域。また、日本のキリシタン文化を知ることができる地でもあり島原・天草一揆の舞台となった「原城跡」が、2018年6月30日に世界文化遺産に登録された。

KAYAK、19年GWの「注目スポット」と「穴場スポット」ランキング発表

2019年3月25日(月) 配信 

ラスベガスが1位に(画像はイメージ)

旅行検索エンジンのKAYAKはこのほど、2019年ゴールデンウイーク期間の「注目スポット」と「穴場スポット」ランキングを発表した。同サイト上における航空券検索データを基にした調査を行い、前年同期の平均航空券料金と比較して順位付けした。

 これによると、航空券料金の上昇率が高かった「注目スポット」1位は米・ラスベガスとなり、前年平均から約2倍の価格高騰が起きていることが分かった。前年平均から航空券料金の変動が少ない「穴場スポット」では、函館や福岡などの国内旅行先のほか、定番リゾート地のセブ島などがランクインした。

【航空券料金の上昇率が高い「注目スポット」ランキング】
【航空券料金の変動が少ない「穴場スポット」ランキング】

 19年GW最大の特徴である10連休に伴い、長距離旅行先が注目を集めた。「注目スポット」ランキング内の10都市中8都市が米・欧・豪の旅行先となった。このなかでも、ラスベガス(米国)、ウィーン(オーストリア)とローマ(イタリア)の上昇率がとくに高く、1位のラスベガスにおいては昨年平均と比較して97%も高騰した。アジア諸国をみると、中国の都市への注目度が高く、上海と香港がともにトップ10にランクインした。

 一方、「穴場スポット」ランキングでは、航空券料金の上昇率はわずか3%の函館が1位を飾り、福岡をはじめ、東京や大阪といった主要都市への航空券料の上昇率も10%以下だった。国内旅行先と並び定番リゾート地のセブ島(フィリピン)は3位にランクインした。

※上記のデータは、 2018年1月1日から2019年2月28日までの間にKAYAK.co.jp上で検索された、旅行期間が2019年4月26日から2019年5月6日のエコノミークラスの往復フライト(1人当たり)のデータを抽出したもの、および前年同時期の同データに基づく

※ランキング内の「平均航空券料金」は、 2019年4月26日から2019年5月6日のエコノミークラスの往復フライト(1人当たり)の平均価格を算出

外客目線で選定 沿線の体験施設など掲載の情報誌発行

2019年3月25日(月) 配信

TOKYO GUIDE&TOKYU LINES

東京急行電鉄は3月26日(火)、東急線沿線の観光スポットを掲載した「TOKYO GUIDE&TOKYU LINES」を発行する。 2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックなどに向け、 増加する外国人観光客の東急線沿線への誘客・回遊性向上が目的。外国人観光客向けの優待特典を掲載した沿線紹介冊子の発行は初めての取り組みとなる。 

 冊子掲載スポットは、東急線沿線の商店街連合会や観光協会などと連携をはかり、国際交流したい日本人と外国人観光客をつなぐガイドマッチングサービスを提供するHuber.の協力のもと選定した。飲食店のほか、和太鼓や津軽三味線を体験できるスタジオ、瓦割り体験ができる店舗など、「外国人観光客目線で選定した、バラエティに富んだ、日本ならではの魅力」が体験できる施設を多数掲載する。また本冊子内には、東急線全線が1日乗り降り自由になる「東急ワンデーオープンチケット」(以下、本チケット)を購入者を対象に、神社でのお祓い体験(本チケットを提示された外国人観光客限定の有料サービス)や、買いもの割引など、37のお得な特典が掲載されている。

TOKYO GUIDE&TOKYU LINESの概要

発行部数:3万部

配布場所:WANDER COMPASS SHIBUYA、東急東京メトロ渋谷駅観光案内所など

配布開始日:3月26日(火)~

対応言語:英語(日本語併記)

特典が受けられる施設:

タイの「水かけ祭り」期間中 デュシットホテルズ&リゾーツでお得に宿泊

2019年3月25日(月) 配信 

タイの旧正月「ソンクラン」を祝して

 タイを代表するホテルグループのデュシットホテルズ&リゾーツはこのほど、タイの旧正月「ソンクラン」を祝し、世界中の同グループホテルで宿泊料金を割り引く「ソンクラン・スプラッシュプロモーション」行うと発表した。2019年4月20日までに予約して4月1~20日に対象ホテルに宿泊した人が対象で、予約時に自動的に20%ディスカウントされる。

 プロモーションを利用すると、毎日の朝食、滞在中に1回利用できる500タイバーツ(日本円で約1740円)のダイニングクレジット、午後2時までのレイトチェックアウト(デュシットゴールド会員の方は午後4時まで)のほか、優待特典を受けることができる。

 一方、デュシットのリピーターや、デュシットゴールド会員は20%ディスカウント価格で宿泊できる。デュシットゴールドはオンラインで無料登録できる。

 毎年4月13~16日に行われるソンクランは、“水かけ祭り”として国際的にも知られている。祈祷して利益を得るだけでなく、年配者への敬意を払うためにタイ国民は地元の寺院に集う習慣がある。

 旧正月のこの期間、タイ国内のデュシットホテルズ&リゾーツの宿泊者には、水鉄砲やタオル、スマートフォン用プラスチック製ポーチが入った“ソンクランスプラッシュキット”をプレゼントする。

 さらにロビーで開かれるソンクランの伝統的な水かけ祭りに無料で参加できるほか、体験イベントを用意してという。

 同プロモーションは、バンコクやパタヤ、ホアヒン、カオヤイ、プーケット、チェンマイなどタイ国内のデュシットホテルズ&リゾーツに加え、モルディブ、グアム、アブダビ、マニラのホテルでも開催中。

 詳細や参加ホテルリストは下記から。

Songkran
https://www.dusit.com/ja/specialoffers/songkran-splash-at-dusit/
Experience the joy of Songkran and celebrate Thai New Year with up to 20% discount on accommodation with breakfast & more exclusive benefits in April 2019.

軽井沢レイクガーデン 今期は4月19日開園 バラの見ごろは6月中旬から

2019年3月25日(月) 配信

カモのカップルも(春の庭園)

バラと水辺の庭園「軽井沢レイクガーデン」は、今シーズンの営業を2019年4月19日(金)から始まる。チューリップの見ごろはゴールデンウイーク、バラの最盛期は6月15日(土)~同30日(日)ごろの見込み。

 バラを中心に、軽井沢の風土にあった四季折々の植物を楽しめる8つのエリアからなるナチュラルガーデン。約1万坪の敷地には、水辺の庭園を中心に、約400種のイングリッシュローズや、宿根草、ハーブなどがかれんに咲き誇る。今期の営業は11月4日(月・祝)まで。

 4~5月、都心部ではバラが咲き始めるごろ、軽井沢ではひと足遅れてチューリップが開花する。バラに次いで人気のチューリップは約1万球。湖畔にも森にも、あふれるばかりに花が咲く。バラのシーズンは、緑深まる6~7月。高原ならではの冷涼な軽井沢では、首都圏などよりやや遅れて花期がやってくる。最も美しいのが、6月の中旬から7月初旬にかけて。今年からこの時期を「トップローズシーズン」として、バラをテーマとしたさまざまな催しも行う。

年間スケジュール

フレンチローズガーデンのアルキミスト(バラ)

開園期間:2019年4月19日(金)~11月4日(月・祝)
主な植物の見頃:
 4月下旬~5月中旬 チューリップ、ムスカリなど球根植物
 7月下旬~8月   ユリなど夏の宿根草
 8月中旬      夏バラ
 9月~10月     紅葉シーズン。秋の宿根草と秋バラ

レイクガーデン概要

場所  : 長野県北佐久郡軽井沢町レイクニュータウン
運営  : レイクニュータウン
開園時間: 午前9:00~午後5:00(最終入園午後4:30)
      ※シーズンによって開園時間が変わる。
      ※毎週水曜日はメンテナンス日として1時間前に閉園。
入園料 : シーズンによって料金が変わる。ホームページ参照。

「トラベルスクエア」フォロワーシップ

2019年3月25日(月) 配信

フォロワーシップとパートナーシップ、リーダーシップが噛み合えば最強の組織に

 
個人的なことで申し訳ないのだが、この3月31日付をもって、跡見学園女子大学の教授職から去ることになった。70歳の定年ということだが、結局、大学での教員生活は2001年の長崎国際大学を振り出しに18年間の長きにわたった。
 
 当初は、まさに転がり込んできたようなお話で教授になったので、正直、こんなにも長く続くとは思っていなかった。
 
 でもまあ、教壇に立って、人前で話すことがあまり苦にならない性分だったのか、案外、するすると歳月が経ってしまった感じだ。
 
 まあ、一所懸命、学生さんたちの面倒をみてきたつもりだが、やはり、いくつか悔いが残る。
 
 その一つは、学生さんたちに、もっと「フォロワーシップ」のことを教えれば良かったなあ、ということだ。大学には必ず教育方針を示すミッションみたいなものが成文化されているもので、最近は「リーダーシップを涵養し」などという文言がはやりだ。社会に入って、なるべく早く、他人を指導する立場になって、世の中に貢献しなさい、ということで、リーダーシップ自体に悪いことは一つもない。
 
 でも、誰もがすぐに管理職になれるわけでもない。仕事を円滑に進めるには、パートナーシップが大事で、これもチームワークマネジメントとして大事な概念ではある。
 
 それに対しフォロワーシップ。あまり聞きなれたことのない語感と思うのだが、これはリーダーや仲間(パートナー)の言葉(時に命令や提案の形で現れる)に無批判に従うだけではダメで、時に、もっといい方法はないか、違う問題解決のアプローチはないか、を考えながら、付いていくという考え方だ。
 
 僕は宿泊業のマネジメントを中心にホスピタリティ論全般にまで講義科目の枠組みを広げてきたが、リーダーシップのあり方とか、パートナーシップの成功事例とかは、あまり語らなかったように思う。でも、実際は少人数ゼミナールの運営でもそうだが、「こういうこと」をみんなに伝えたいから、こんな勉強をする、こんなところに視察体験しに行く、こんなゲストと対話してもらう、というと、今の学生さんは素直すぎて、ただひたすら聞いてくれるだけだった。
 
 従順はいいけれど、やはりテーマに肉迫する胆力というものをもっと身に着けさせれば良かったなあ、と思うことしきりだ。フォロワーシップとパートナーシップ、そしてその上にリーダーシップがあれば、それが最強の組織になるはずだ。教育の現場からは離れるが、そういう研究は続けていきたいと思う。
 
 もともと僕の本籍地はもの書き。現住所が教育だったのが、本籍地に戻るわけ。これからも変わらずご愛読賜りたい。

 

コラムニスト紹介

松坂健氏

跡見学園女子大学観光コミュニティ学部教授 松坂 健 氏
1949年東京・浅草生まれ。1971年、74年にそれぞれ慶應義塾大学の法学部・文学部を卒業。柴田書店入社、月刊食堂副編集長を経て、84年から93年まで月刊ホテル旅館編集長。01年~03年長崎国際大学、03年~15年西武文理大学教授。16年~19年3月まで跡見学園女子大学教授。著書に『ホスピタリティ進化論』など。ミステリ評論も継続中。

「女将のこえ220」白鳥 和美さん、RAKO華乃井ホテル( 長野県上諏訪温泉)

2019年3月24日(日) 配信

RAKO華乃井ホテル 白鳥 和美さん

社員から女将兼社長へ

 
信濃が誇る一之宮「諏訪大社」。女神のいる下社と男神のいる上社の間に、諏訪湖はゆったりと水をたたえている。厳冬の年に現れる御神渡りは、神様の恋の道だという。

 
 RAKO華乃井ホテルは、そんな諏訪湖を望む、ビジネスと観光需要に対応する施設。物語が満載の女将兼社長を訪ねた。

 
 白鳥さんは日本体育大学で学び、保健体育の先生を夢見たが、時は就職氷河期。このホテルを見つけたのは大学4年の夏だった。「諏訪で初めてプールとフィットネスを付帯するホテルが開業を控え、社員を募集していました。ここなら、アルバイトで学んだサービスと、スポーツの学びが両方活かせると直感しました」。

 
 バレーボール、陸上、ダンスと、スポーツを通じて根性を養ってきた正真正銘の体育会系。白鳥さんは常に、「限界への挑戦」を胸に、「やる前から『ノー』はあり得ない」という精神で仕事に向き合ってきた。

 
 26年後の今、女将兼代表取締役社長に。一般社員が女将になるのも珍しければ、代取社長になるのはさらに稀だ。それだけのことをやってきた人だ、と感じる。

 
 採用して育てた社員が次々に辞めてしまった時期は、「お前がダメだからだ」と周りに非難され、悔しくて悔しくて、口の中が血だらけになった。

 
 そんなとき、諏訪の父と慕う上司が諭してくれた。「愛情は与えるだけのものだよ。返してくれなくても与え続けるんだよ」。

 
 入社5年目に若女将の命を受けた際は、女将教育をしてくれた人に、「ここで起きる事はすべてあなたの責任です」と、覚悟を持たされた。かけがえのない諏訪の母だという。

 
 数々の壁に挑んできた白鳥さんは、また新たな挑戦をしている。「忘れもしない昨年2月12日。ここ華乃井ホテルと、自社企画の土産や食事処『食祭館』、傘下となった『浜の湯』、『かめや』の4店を統括する新会社発足を、母体の井口グループのオーナーから聞かされました。しかも代表取締役は私だと。寝耳に水です(笑)」

 
 だが、ノーを言わない白鳥さんだ。異文化の4店が連携する組織を設計し、社名は諏訪湖リゾートと命名した。諏訪全体の客室の3割を持つ同社は「諏訪のGoogle」を目指す。一人勝ちではなく、他社とも連携して共に未来をつくりたいという。

 
 「家に帰ると、もう誰とも話したくないくらいの状態ですが、やっぱり限界に挑戦したい。まだまだこれから。大好きな諏訪湖で、覚悟を持ってやっていきます」。

 (ジャーナリスト 瀬戸川 礼子)

 

住所:長野県諏訪市高島2-1200-3▽客室数:155室(380人収容)、一人利用可▽創業:1992(平成4)年▽料金:素泊まり6,000円~、1泊2食付11,000円~(税別)▽温泉:単純温泉▽近くに工業エリアがありシングル主体だが、和客室も39室付帯。7月に社員や顧客、住民などが利用できる託児所を館内に併設する予定。

 

コラムニスト紹介

ジャーナリスト 瀬戸川 礼子 氏
ジャーナリスト・中小企業診断士。多様な業種の取材を通じ、「幸せのコツ」は同じと確信。働きがい、リーダーシップ、感動経営を軸に取材、講演、コンサルを行なう。著書『女将さんのこころ』、『いい会社のよきリーダーが大切にしている7つのこと」等。

 

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(170)」 観光地域づくりは人づくり(埼玉県行田市)

2019年3月23日(土) 配信

「陸王」のロケ地となったこはぜ屋(イサミコーポレーション)

池井戸潤さんの小説「陸王」が大ヒットした埼玉県行田市。最盛期の1938(昭和13)年には、和装小物である足袋の8割を生産する一大産地であった。ピーク時には200社以上もの中・小規模の足袋工場があったという。しかし、戦後の82(昭和57)年ごろを境に出荷金額、事業所数ともに大きく減少し、また一部は海外移転なども進み、現在ではわずか5社が細々と生産を続けている。

 町なかには、陸王の「こはぜ屋」のモデルとなったイサミコーポレーションの工場と蔵など、現在でも80棟以上の足袋蔵が残り、往時の繁栄の姿をとどめている。2017年4月には、これら足袋蔵群などが「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」として日本遺産に認定された。本紙でも、認定直後の5月、行田の日本遺産物語について紹介した。

 日本遺産活用について、行田市がとりわけ重視したものの一つが、観光まちづくり事業を担う人材の育成である。どんな活用計画を描いても、これらを実際に担う民間プレイヤーと、彼らが構想し実現する事業がなければ、まちづくりは進まないからである。

 その一つが、市民主体の「行田みらい塾」である。多様な分野の外部講師を招くとともに、塾生が主体となった事業創造のアイデアや手法などが熱心に検討された。そして、さる3月10日、塾生たちが練りあげた事業プランの成果発表会が開かれた。

工藤市長から終了証を授与される第1期塾生たち

 その内容を少し紹介したい。その一つは行田の着地型観光や体験型土産品開発、コミュニティースポット開発などを手掛ける「行田観光クリエイト(仮称)」の設立である。各分野の行田マイスター(ガイド)を育て、複数のタイプのストーリー性の強いまち歩きコースのプログラムを開発する「TABI市」。そして、これらの事業を担う「KURA座=市民株式会社」が、地域資源を磨いて多様な事業を創造するという企画である。

 2つ目のグループは、映画「のぼうの城」で脚光を浴びた忍城を舞台とする「忍城たびフェス」を提案した。近隣の熊谷で今年開催されるラグビーワールドカップに来る外国人選手や観光客などを招き、外国人に人気のお城で「運動会」を開催するという企画である。城周りには地元産飲食ブースやラグビーボールの玉入れ、綱引きなどの運動会、極め付きは3層櫓のお城で泊まる「日本遺産ホテル」などの事業が提案された。

 市は今年、市制施行70周年を迎えることから、これらの企画も含め、市民提案型の事業プランに600万円の支援金を用意。埼玉地名の由来となった「さきたま古墳群」などの活用もこれからの課題である。

 すべて民間主体の事業ではあるが、これらを支援する行政各課のシームレスな支援体制づくりも不可欠である。市民が提案し実施する観光まちづくりは、まさに始まったばかりだが、今後の成果に期待したい。

(東洋大学大学院国際観光学部 客員教授 丁野 朗)