アテンダーとトラベラーつなぐ新たなCtoCマッチングサービス開始

2019年4月1日(月) 配信 

新サービスを展開

FromTo(宮城浩代表、東京都新宿区)は4月から、開発中の観光プランシェアサービス「アテンダー」を始めると発表した。

 アテンダーは観光する人(トラベラー)と、独自の観光ガイドブック&現地でのアテンドを提供する人(アテンダー)をつなげるCtoCのマッチングサービスとなる。

 「自分の大好きな土地や魅力あるものを、多くの人に知ってほしい」という想いを抱くアテンダーが、「市販のガイドブクやインターネットだけではわからない新しい観光をしたい」というトラベラーに、ガイドブックを提供したりアテンドするというもの。

 アテンダーは自身が考案したガイドブックやツアーとともにサービスへ登録し、トラベラーの申し込み・支払いをもってマッチング成立する。観光が終了したのちに、トラベラーへ報酬が支払われるというシステムとなる。

 同サービスは、渋谷を拠点とした未来をつくる実験区「100BANCH(ヒャクバンチ)」のGarage Programに採択され、4月から100BANCHを拠点に展開していく。

 100BANCHは、パナソニックが創業100年を迎えることを機に構想がスタートした。そのあと、パナソニックとロフトワーク、カフェ・カンパニーの3社が手を組み、 2017年7月7日に渋谷に誕生した。

 「100年先を豊かにする未来」を創造することをテーマに、野心的な若者に対して実験の場を提供。年間約200のイベントを開き、19年1月に累計100プロジェクトの採択を達成している。

アテンダー 100BANCH Garage Programページ(※現在テスト版を準備中のため、テスト版利用希望者は下記から事前登録が必要)

千葉・いすみ市の魅力を多言語で  Webサイト開設

2019年4月1日(月) 配信

ウェブサイトトップ画面

いすみ市農泊・インバウンド推進協議会は、千葉県いすみ市の魅力を欧米やアジアの外国人向けに発信する多言語のWebサイトを開設した。

開設の背景

<農泊をテーマに、地域全体で観光のまちづくりを進めているいすみ市>

 東京ディズニーリゾートに近く、都心から車で1時間半の立地ながら、里山・里海の素朴な田舎体験ができるいすみ市も、隣接町である一宮市が東京オリンピックのサーフィン競技会場に決定したこともあり、訪日外国人が多く訪れる可能性を鑑み、2018年4月に「いすみ市農泊・インバウンド推進協議会」を設立した。

 いすみ市では、地域ぐるみで農家民泊をテーマに外国人観光客の誘致によるまちづくりに取り組んでいる。農家民泊は、農家のふだんの暮らしがベースになるため、新たなハコやモノに頼らなくても地域経済に好循環をもたらすことができると言われている。農家民泊が広がることで、観光や宿泊のための施設が少ないという地域の弱みもカバーできるメリットもある。

<欧米の若者たちの心に届く、地元の人間が暮らすように旅する楽しさを!>

インバウンドモニターツアーのようす

 いすみ市農泊・インバウンド推進協議会は、2019年3月、オーストラリア、スペイン、アメリカ合衆国の青年男女5人をメンバーに、いすみ市の自然、歴史・文化、食、スポーツなどの様々なコンテンツを実際に体験する「インバウンドモニターツアー」を実施した。

 その結果、いすみ市の里山・里海の様々な体験は、「本格的な日本の田舎を体験できた」「これまで見たことのない日本の姿が見られた」「アウトドアが堪能できた」と期待以上の好印象を獲得し、欧米、アジアの旅行客をファンにする大きな可能性があることがわかった。

Webサイトコンテンツ紹介

<いすみ市の、ほんものの日本の田舎暮らしを体験するコンテンツを他言語で>

 Webサイトは、以下のプログラムで構成されていて、サイト内で、いすみ市の今と楽しみの情報を網羅している。検索だけでなく、すべてガイドがついている。施設やサービスの予約も受け付ける予定。

(1) 新着プログラム:
 いすみ市ならではのアウトドア、料理、文化の多彩な体験をメニュー化して紹介

(2) いすみ鉄道:
 鉄道ファンには見逃せない電車と沿線をガイド

(3) Special Movie「Beauty & Active Trip in “ISUMI”」:
 外国美女2人の女子旅動画

(4) Tourism Program:
 グルメ、宿泊体験をわかりやすく紹介

(5) Access:
 東京都心からのアクセスルートをわかりやすい地図でガイド

広島・呉発展の歴史に触れる旅①「旧海軍鎮守府」の歴史物語を辿る

2019年4月1日(月) 配信

護衛艦と夕景

広島県呉市は、「旧海軍鎮守府」と「朝鮮通信使」、「北前船」の3つの歴史物語を核に、1泊2日の滞在型観光地づくりを進めている。JR呉駅を中心に点在する旧海軍関連の史跡と、とびしま海道が結ぶ「下蒲刈島」と「御手洗」(大崎下島)を巡り、呉の発展の歴史に触れる。また、ここでしか見られない景色、グルメを歴史と絡め楽しむことで、呉の魅力を堪能してもらいたい考え。情報発信の強化に加え、朝や夜の観光コンテンツの造成も進めている。Webでは、2回に分け、魅力を発信。今回は、「旧海軍鎮守府」の歴史とグルメを紹介する。

東洋一の軍港都市「呉」

 1889(明治22)年、旧日本海軍の拠点「呉鎮守府」が開庁し、のどかな農漁村だった呉は、東洋一の軍港都市に姿を変えた。

 旧海軍は、入船山に司令長官官舎を置いた。初代官舎は1905(明治38)年に発生した芸予地震で倒壊。同年2代目官舎が建てられた。現在公開されている官舎は、この当時の資料に基づき復元。建物は和館と洋館で構成され、公的な空間である洋館部の壁や天井には全国的にも珍しい金唐紙が張られている。

 呉では、世界最大級の戦艦「大和」など133の艦艇と、特殊兵器が建造された。「大和ミュージアム」では、呉で建造された艦船の資料などを用い、造船・製鋼を始めとした各種「科学技術」を紹介。併せて、呉の発展の歴史も発信する。

 メインは10分の1サイズに復元した戦艦「大和」と、関係資料で大和に搭載されていた予備の探照灯などを展示する。
併せて、「大和」最後の出撃となった「沖縄作戦」時の乗組員の遺書などを展示し、平和の尊さも訴える。

10分の1に復原した戦艦「大和」

 大和ミュージアムを出ると、巨大な潜水艦が目に飛び込んでくる。日本で唯一実物の潜水艦を見学できる「海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)」だ。同施設は、潜水艦の発展と現況や、掃海の歴史に関する展示資料を通して、海上自衛隊の歴史を紹介する。

 注目は、2004年まで海自が実際に運用していた潜水艦「あきしお」
で、機密情報に関わる設備以外をすべて公開する。艦長室や士官室などが見学できる。

潜水艦あきしお

 大和ミュージアムの隣、「呉中央桟橋ターミナル」からは、海自OBがガイド役を務め、停泊中の護衛艦や潜水艦の特徴を解説する「呉艦船巡り」の船が出ている。

 おすすめは、日の入り15分前に出港する「夕呉クルーズ」。夕景のなか、海自の艦船自衛艦旗がラッパ譜「君が代」の演奏とともに降ろされる景色は、呉ならではという。

注目は「屋台グルメ」

「赤ちょうちん通り」のラーメン

 歴史のまち呉は、グルメのまちでもある。とくに2015年に誕生した「呉海自カレー」は、呉来訪のきっかけとしての役割も果たしており、首都圏から足を運ぶファンも多いという。

 一方で、旧海軍ゆかりのグルメも味わえる。「三宅本店」の酒は、全国の海軍基地に納められた。酒蔵の売店では、海軍御用達の酒として、艦隊に納品されていた頃の味を忠実に再現した日本酒を販売する。

 夜グルメでは、地元の人が集う「赤ちょうちん通り」が外せない。電気と上下水道が整備されている全国でも珍しい屋台通りで、ラーメンやお好み焼き、おでんなどが楽しめる。

 「焼鳥屋」に足を運ぶのもおススメだ。市内の焼き鳥屋には、大きな生簀が置かれ、瀬戸内の新鮮な魚介類が味わえる

クラブツーリズムが行商人専用列車「近鉄『鮮魚列車』貸切の旅」を売り出す

2019年4月1日(月) 配信

クラブツーリズムはこのほど、「近鉄鮮魚列車貸切 日帰りの旅」を売り出した。通常、行商人専用で一般旅客が乗車できない列車をツアーで貸し切り、オリジナルルートで走行する約8時間の旅だ。

 今回、このコースを企画した大塚雅士社員は、貨物線の旅で「鉄旅オブザイヤー2017」グランプリなどの受賞歴があり、鉄道を利用したコースを多く売り出している。自身も大の鉄道好きで、ツアー当日も同行予定だという。

 名鉄名古屋駅発着で、新幹線を利用すれば東京や広島からも日帰りで参加できる時間設定となっている。

 鮮魚列車は近畿日本鉄道が所有する列車で、三重県の漁港で早朝に水揚げされた魚を都市部に運搬するのを目的に1963年9月から運行を開始。伊勢志摩魚行商組合連合会の会員だけが乗車できる行商人専用で、一般旅客が乗車することはない。三重の宇治山田駅を出発後、途中12駅に停車し、終点の大阪上本町駅まで日曜・祝日を除く毎朝運行している。下りは松坂まで。

行程

 近鉄名古屋駅(午前9時35分発)→湯の山温泉駅(下車・列車撮影)→明星駅(下車・列車撮影)→近鉄名古屋駅(午後5時23分着)
 ※やむを得ない事由により時刻が変更になる場合がある

 ◆「鮮魚」サボ(行先標)、硬券付き

 ◆昼食はチラシ寿司

 ◆当日のイベントあり

概要

 ■近鉄鮮魚列車貸切 日帰りの旅 (コース番号:78640-988)

 出 発 日 : 6月2日(日)
 料金: 8800円
 募集人員: 130人

日本を代表する伝統芸能を気軽に楽しむ 5月11、12日 「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり2019」

2019年4月1日(月) 配信

新内流し

東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京と粋なまちづくり倶楽部は5月11日(土)~12日(日)、「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり2019」を行う。今年からまち歩きを楽しみやすい5月に開催月を変更。地元の人がボランティアや「まち舞台コンシェルジュ」として参加し、共につくり上げる「まちと人が一体になった祭り」が楽しめる。

 幅広い世代の人や海外からの観光客らに、江戸の趣きが残る神楽坂の魅力と、日本を代表するさまざまな伝統芸能を、気軽に見て、聞いて、触れてもらう「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり2019」。若手からベテランまで、神楽坂に縁があり、第一線で活躍するさまざまなジャンルの伝統芸能のアーティストが集結する。路地を歩きながら演奏する「新内流し」や芸者さんとの「お座敷遊び」など神楽坂ならではのプログラムをはじめ、赤城神社の境内で行う新プログラム「神遊びライブ」など多彩な伝統芸能を、人々の集まる路上や神社仏閣、公園などで楽しめる。

「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり2019」 概要

開催日時:宵祭 2019年5月11日(土)午後3:00~、本祭5月12日(日)午前11:30~

※両日共に雨天決行・荒天中止

実施会場:

神楽坂エリア(毘沙門天善國寺、赤城神社、東京神楽坂組合・見番、神楽坂通りエリア内路上、歴史的名所旧跡、THEGLEE、縁香園、神楽坂モノガタリ ほか)

参加形式:無料(「覗いてみようお座敷遊び」のみ有料・要事前申込)

主なプログラム

神楽坂楽座~講釈場

その昔、人々が集う神社仏閣の境内などに設けられた講釈場からは、さまざまな情報が発信された。毘沙門天善國寺境内に再現したその講釈場を、今年は宵祭でも楽しめる。最初は落語で大いに笑い、夕暮れ近くにはじっくりと講談が楽しめる。

日時:2019年5月11日(土)

場所:毘沙門天善國寺境内特設ステージ

時間・出演:

午後3:00ごろ~午後3:10ごろ オープニング

午後3:10ごろ~午後3:40ごろ シリル・コピー二(落語パフォーマンス)

午後6:00ごろ~午後6:30ごろ 神田織音(講談)

参加料:無料

本祭では、初めて触れる人にもわかりやすい言葉、演目で、若手講釈師による講談のほか、琵琶語り、浄瑠璃(義太夫節)、浪曲など伝統語り芸が披露される。

日時:5月12日(日)午後12:00~午後4:40ごろ

場所:毘沙門天善國寺境内特設ステージ

参加料:無料

出演:

竹本京之助×鶴澤賀寿(義太夫節)、藤高理恵子(筑前琵琶)、玉川奈々福×沢村豊子(浪曲)、田辺銀冶(講談) 司会進行:石井要吉(助六店主)

神遊びライブ

 赤城神社社殿を背景に仰ぐ階段をステージに、江戸太神楽や尺八、箏、胡弓、ギターなど、神も浮かれて踊りだすような楽しい伝統芸能、心安らぐ音楽が堪能できる。

日時:5月12日(日)午後12:00~午後3:40ごろ

場所:赤城神社境内

参加料:無料     

出演:

丸一仙翁社中(江戸太神楽)、遠音(尺八×箏×ギター)、木立(胡弓×キーボード・シンセサイザー)

主催:

東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京・粋なまちづくり倶楽部

助成・協力:東京都

後援:新宿区・一般社団法人 新宿観光振興協会

協力:

東京神楽坂組合・毘沙門天善國寺・赤城神社・粋まち・神楽坂通り商店会・神楽坂商店街振興組合・江戸東京ガイドの会・光照寺・圓福寺・東京都消費生活総合センター・若宮町自治会・東京理科大学・法政大学・あずさ監査法人・第一勧業信用組合 神楽坂支店・熊谷組・ニューハウス・日本ヘルマンハープ神楽坂店・スターバックス コーヒー 神楽坂下店・ちかけん・マインド

制作:古典空間

運営:認定NPO法人アークシップ

広報:サザンカンパニー

料理楽しむキッチン列車 西鉄福岡駅―大牟田駅間 3月23日運行開始

2019年4月1日(月) 配信

観光列車

 西日本鉄道(福岡市)は3月23日から、西鉄福岡駅(天神)―大牟田駅間で地域を味わう旅列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の運行を始めた。運行に先立ち、3月12日にはマスコミ関係者を招いて同区間で試乗会を行った。

 3両編成の列車は、キッチンクロスをイメージした赤いチェック柄で、座席数は52席。1、3両がテーブル、イスの座席車両で、家具は木の温かみを生かした大川家具を使用し、天井は八女の竹を使用した手編み竹細工で和空間を演出する。

 壁面の一部には、いぶし銀の特徴を持つ城島瓦約3千枚も使用されている。

 2両目には窯を中心としたオープンキッチンを設置。筑後地方の新鮮な食材を使って調理し出来立ての美味しい料理をテーブル席で提供する。

 料理メニューは、バゲットにあまおう苺とトマトを乗せ、ラディッシュバターを添えた前菜に始まり、人参グリルと蒸しアスパラにセロリマヨネーズ、王リンギのバターソテーを盛った野菜プレート。

 メインは博多和牛ロースト。さらに旬のタケノコや菜の花、アスパラ、モッツァレラをもちもち生地に乗せた焼きたてピザ。デザートではマカロンやバウンドケーキとオリジナルハーブティーが味わえる。

客席で料理が味わえる
焼きたてのピザも提供

 列車運行は金土日祝日で、西鉄福岡(天神)駅発の「ランチの旅」が、福岡を午前11時50分発。大牟田駅発の「ディナーの旅」は、大牟田駅を金曜日が午後5時40分発、土日祝は同4時40分発。所要時間は約2時間半で、料金は両方とも8640円(税込)。

 6月1日から運行開始の、西鉄福岡(天神)駅―太宰府駅間を走る「ブランチの旅」は料金が3240円(税込)。

〈観光最前線〉キティと環状線がコラボ

2019年3月31日(日) 配信

大阪環状線にハローキティが登場!

 JR西日本は「大阪環状線改造プロジェクト」の一環として4月1日から9月30日まで、サンリオの人気キャラクター「ハローキティ」とのコラボレーション企画「ハロー!ループ プロジェクト」を実施する。

 期間中、大阪環状線・JRゆめ咲線の専用列車323系のうち1編成を、列車先頭部分や車内に装飾を施した「ハローキティ環状線トレイン」として運行。大阪・大阪城公園・天王寺・弁天町の4駅にはフォトスポットが登場するほか、駅構内の案内サインにもハローキティが現れる。

 ほかにも、7月からは、限定グッズがもらえるデジタルスタンプラリーを開催。雑貨やスイーツなど、同企画だけのオリジナルコラボグッズも順次販売する。予約限定商品もあるのでお見逃しなく。

【塩野 俊誉】

「街のデッサン(216)」マルセイユのポートツーリズム 都市港湾観光が次代の目玉

2019年3月30日(土) 配信

ドックスヴィレッジ、ポートツーリズムの目玉

 大型客船による地中海クルーズでは、必ず幾つもの港湾を巡る旅になる。今回のMSCメラビリア号の航海では、夕方出港して夜のうちに航海し、朝目覚めると次の港に着船しているというプログラムだった。従って、昼間デッキで寝そべって海原を眺め、遠く島影を発見するような遠洋航海風の楽しみを体験することはできなかったが、接岸した港湾と昼間の都市観光ができるというのは、また格別な楽しみになる。

 バルセロナから出港し、次の日の朝はマルセイユの港だった。実のところ、大型客船が接岸できる専用の埠頭が整備されている都市はまだまだ世界でも少数で、大概は貨物船の埠頭の一部を活用するような状況だ。これからは、豪華客船クルーズの隆盛の条件には、その豪華さに見合ったターミナル施設の整備がポイントになると思える。日本においても、世界中からクルーズの需要を受け入れるには、近接した観光地の整備と同時に、ポートターミナルの充実を世界に先駆けて整備する必要があると感じた。

 マルセイユは、世界中から交易商品や渡航者を集めたヨーロッパを代表する古い歴史を持つ港であるが、大型客船が発着する埠頭はやはりまだまだ未整備に見えた。船を降りた私たちが都市観光に向かうバス停は、3㌔も離れていて歩くのに難儀した。世界を旅するスタイルが船から航空機に移り、空港施設は素晴らしい発達を遂げているのに、シーポートは逆に衰退していくから、寂れた風景に晒されて歩くことは致し方ないと思えた。しかし逆に、寂れた港湾地域こそがこれからの先端観光の目玉になると思えたのは、街中観光の後に港湾施設を体感したからだ。

 まずは埠頭に隣接した空いた荷倉庫用地を開発して造られたアメリカ型SC(ショッピングセンター)に案内されたのであるが、私には200店のグローバルブランドショップが入居しているSCよりも、その前に存在する年代物の365㍍の長さを持つ古い建物の重要性に、直感的に魅かれていた。ドックスヴィレッジと名付けられた施設は、1853年に地元の開発業者が国の払い下げ用地を海事ビルにしたもので、その残存建築を新たに結成された企業体連合が1階を現地商店の集積したモールに活用し、6階までの上層階はITやコンテンツ、デザイン系企業にリースされ、さらにベンチャー企業のスタートアップ施設になっている。古い建物に伝統商業と先端的企業が群生する姿こそ未来だと、私は寂れた港湾の可能性を読み解いていた。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

〈旬刊旅行新聞4月1日号コラム〉全国旅館おかみの集い30周年  記念事業に「女将セレクション」創設

2019年3月30日(土) 配信

女将セレクション

 
毎年1月1日に新たな年がスタートし、4月1日に新たな年度が始まる。年に2回、新たな気持ちになる。

 
 しかし、今年は5月1日にさらに大きな節目を迎える。平成が終わり、新たな元号がスタートする。西暦とは異なる、日本独自の歴史的な瞬間を境に、時代のムードも大きく変わり、歴史の新たなページが捲られる。

 

 
 節目の年には、新たな試みの機運が高まる。

 
 「全国旅館おかみの集い」(女将サミット)が今年30周年を迎える。30回記念大会は7月1日に、東京・新宿の京王プラザホテルで開催される。30回の節目を記念した事業として、全国の旅館女将約100人による評価制度「女将セレクション」を創設する予定だ。

 
 「女将セレクション」とは、日々おもてなしや立ち居振る舞いなど、「こころ」を体現している旅館女将の目線から、日本の素晴らしい「モノ」を表彰し、広く世の中に発信していく試み。「食」と「美」の2部門で、「こころが伝わる逸品」を広く募集中だ。

 
 優秀賞には、商品のパッケージなどに使用可能な「女将セレクション」のロゴマークも用意している。旅行新聞新社とタナベ経営が実行委員会事務局として同事業を支援する。弊社ホームページ(http://www.ryoko-net.co.jp)にも募集内容を掲載している。

 

 
 全国旅館おかみの集いは「女将のための女将による女将の会議」として、1990年3月に京都市内で発足した。毎年100人を超える旅館女将が参加し、著名人や文化人などによる講演や、分科会での意見交換、懇親パーティーなどを通じて女将同士の交流を深めてきた。30年間で、延べ4千人以上の女将が参加してきた歴史あるイベントだ。

 
 阪神・淡路大震災(1995年)や東日本大震災(2011年)などが発生した年には、開催が危ぶまれたこともあったが、絶やさず歴史を刻んできた。

 
 今年の記念大会では、参加した女将同士が、これまでの歴史を振り返る機会もあるだろう。そして、また新しい第一歩を踏み出していく。「女将セレクション」がそのきっかけになればいいと思っている。

 

 
 近年は訪日外国人旅行者も急増し、日本旅館にも訪れるようになった。世界的にスタンダードなサービスを提供するホテルと異なり、日本独自の文化を色濃く残す旅館では、異文化の旅行者を迎え入れることに苦労も多いと思う。

 
 数年前、1週間滞在したパリ郊外の安宿には、マダム(女主人)がいた。フロントは毎回スタッフが変わったが、朝食会場には必ずマダムが姿を見せ、クロワッサンやヨーグルト、リンゴなどを並べていた。彼女はあまり愛想が良くなく、どの客とも「ボンジュール」とあいさつを交わす程度で、滞在中笑顔はほとんど見なかった。

 
 それでも、マダムがいると安心した。異国の地で、ほとんど言葉が通じないなか、造作なく笑顔を浮かべることができるフロントスタッフよりも、素っ気ない態度のマダムの存在が心強く感じた。そこに存在するだけで、安心の度合いが違うから不思議だ。日本の旅館女将も日々、“おもてなしのこころ”で外国人旅行者に安心感を与えている姿を思い浮かべると、その存在の大きさを改めて思い知る。

(編集長・増田 剛)

58旅館のペア宿泊券当たる! プレゼントアンケート間もなく締切

2019年3月29日(金) 配信 

今年1月には新宿・京王プラザホテルで表彰式を開催した。

旅行新聞新社では昨年12月に発表した「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」、「プロが選ぶ土産物施設100選」入選施設の宿泊券や土産物のプレゼントキャンペーンを、旅行新聞新社サイト内で3月31日(日)まで実施しています。奮ってのご応募をお待ちしております。

 「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」、「プロが選ぶ土産物施設100選」は、全国の旅行会社の本社・支店・営業所に投票ハガキを郵送し、優れたホテル・旅館や土産物施設を回答してもらうものです。ホテル・旅館100選には「総合」のほか、「もてなし」「料理」「施設」「企画」の各部門の100選があります。また土産物施設100選は、オリジナルの土産やその土地ならではの土産を販売する施設(道の駅も含む)を推薦してもらうもので、土産物施設のほか「観光・食事施設100選」も設けています。

プレゼントキャンペーン詳細

内容

 旅行に関するWebアンケートにお答えいただいた人のなかから抽選で、第44回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」入選宿泊施設の宿泊券(各館1組2名様、1泊2食付)ならびに、第39回「プロが選ぶ土産物物施設100選」の入選施設おすすめの名産品(各施設3名様)をプレゼントします。

キャンペーン期間:2019年3月31日(日)まで

参加方法:上記画像か、以下のページリンク先の「キャンペーンに応募する」から