箱根の日帰り旅でご褒美 エステ×美肌温泉×旬懐石付き

2019年8月20日(火) 配信

強羅温泉の美肌の湯を愉しむ

 箱根強羅の温泉旅館「天翠茶寮(てんすいさりょう)」は2019年8月20日(火)から、エステ&夕食付きの日帰りプランを売り出した。

 60分の選べるエステと美肌温泉ともいわれる強羅温泉の美肌の湯を楽しめるほか、料理長こだわりの懐石料理を味わうことができる。最大6時間まで滞在が可能。

旬の食材を ※画像はイメージ

 リゾートホテル・旅館の課題解決をはかるワールドリゾートオペレーション(田村佳克社長)が同館を運営・管理をしており、「忙しくて宿泊が叶わない方でも優雅で贅沢に過ごせる旅で美しさをチャージしてみてはいかがでしょうか」とコメントした。

箱根大文字山を望む

【日帰り×エステ】日帰りでエステに美肌温泉・旬懐石を満喫

選べるエステ

・集中ケア60分エステコース<基本懐石>

1泊2食付き価格:¥2万7千円(税・サ込)~(1室2人の場合の1人当たりの料金)

チェックイン:午後3時~5時

チェックアウト:~午後9時(最大6時間)

エステコース内容:

【A】ミネラルフェイシャル(60分)または、

【B】フルボディトリートメント(60分)のいずれか、好きなコースを選べる

予約は下記から

天翠茶寮 概要 ~日本の美と遊ぶ宿~

天翠茶寮 概要

住所:〒 250 -0408 神奈川県足柄下郡箱根町強羅 1320-276

問合せ先:0570-050-148 (予約専用ダイヤル)

客室数:34室

館内施設:レストラン、 カフェ

アクセス:箱根登山鉄道 強羅駅より徒歩 2分

無料の子供向け甲冑体験 浅草で岐阜観光フェア8月24、25日

2019年8月20日(火)配信

甲冑着付け体験(写真はイメージ)

 岐阜県は2019年8月24日(土)、25日(日)の2日間、東京・浅草のまるごとにっぽん3階で観光フェア「体感!まるごと“ぎふ”~夏の陣~」を開く。参加無料の小学生以下を対象にした甲冑着付け体験やワークショップ、岐阜県ゆかりの戦国武将関連の展示、物産展などを実施。期間中は岐阜の魅力を体験し、多彩な岐阜の食も味わえるフェアを催す。

 東京オリンピック・パラリンピックが開催される20年は、岐阜県を舞台とした大河ドラマ「麒麟がくる」が放映されるほか、天下分け目の戦いで有名な関ケ原に「岐阜関ケ原古戦場記念館」がオープンする。

 さらに、東京オリ・パラの表彰状に美濃手すき和紙が採用、選手村ビレッジプラザで岐阜県産材が活用されるなど、岐阜県を大々的に全国へPRしていく絶好の機会と考え、同イベントが企画された。

「体感!まるごと“ぎふ”~夏の陣~」概要

「体感!まるごと”ぎふ”~夏の陣~」チラシ(クリックで拡大可能)

日時:2019年8月24日(土)、25 日(日) 午前10:00~午後5:00

会場:まるごとにっぽん3 階(東京都台東区浅草二丁目6番7号)

内容:

(1)展示

 ・甲冑レプリカ(徳川家康)

 ・関ケ原七武将の陣幕・タペストリー

 ・明智光秀、関ケ原、岐阜の山城関係のポスター・パネル

 ・表彰状に採用された美濃の手すき和紙

 ・ビレッジプラザに使用される木材の端材、岐阜県産材の積木など

(2)ワークショップ(参加費無料、事前予約不要)

 ・甲冑の着付け体験(小学生以下)

 ・美濃和紙を用いたくるみボタン作り体験

 ・岐阜県産材製のコースターを活用した模様付け加工体験

 ・岐阜県産食材を使った「ぎふの食体験」(ライブキッチン)

(3)物販

 ・岐阜県の特産品や武将関連のお土産物を販売する

 「岐阜戦国物産展」の開催

その他:

・会場において、岐阜県の特産品などが当たる抽選会を実施

・第2弾イベント(本年冬ごろ)も企画中

※【岐阜関ケ原古戦場記念館について】

 関ケ原の戦いに関する史料展示やシアター、関ケ原古戦場を一望できる展望台を有し、古戦場史跡めぐりの拠点となる施設。2020年7月、関ケ原町に開館予定。

フェイスブック「ぎふいいね!in東京(岐阜県東京事務所)」:

星野リゾートと奈良県明日香村、地域活性化包括連携協定を締結 2023年の宿泊施設開業目指す

2019年8月20日(火)配信

星野リゾート職員(左)と明日香村役場職員

 星野リゾートと奈良県明日香村は、2019年8月15日(木)に「地域活性化包括連携協定」を締結した。2016年10月2に締結した「企業立地に関するパートナーシップ協定」に加えて、新たな協定を結ぶことで相互の連携を強化。2023年に地域に根ざした宿泊施設の開業を目指す。

日本の原風景が広がる「明日香村」

 明日香村は、推古天皇や聖徳太子、蘇我馬子、小野妹子などの偉人が活躍し、日本の中央集権律令国家が誕生した場所だ。石舞台古墳やキトラ古墳、高松塚古墳、日本で最初に本格的な伽藍(がらん)配置を取り入れた法興寺(飛鳥寺)など、多数の史跡がある。地域の景観を守るため、通称「明日香法」と呼ばれる特別措置法で、日本国内で唯一、行政区域内の全域が歴史的風土保存地区に指定されている。

明日香村での宿泊施設開業に向けて

 宿泊施設の建設予定地は近鉄・飛鳥駅の西側に位置し、周辺は牽牛子塚(けんごしづか)古墳や真弓鑵子塚(まゆみかんすづか)古墳、マルコ山古墳、岩屋山古墳などの歴史資源に恵まれている。しかしながら、明日香村を訪れる年間約80万人の観光客は村東部に集中している。村西部の魅力を発信し、村内周遊を促進する拠点として整備する。
 計画では、明日香村全体を屋根のないフィールドミュージアム「明日香まるごと博物館」としてとらえ、2018年9月に近鉄飛鳥駅前に開設した道の駅「飛鳥」をそのエントランスと位置づけた。建設予定地周辺では、村の農業振興施設の建設や牽牛子塚古墳の整備も進められている。宿泊施設の開業に加えて、近鉄飛鳥駅西側を含めたエリアの産業振興および地域活性化をはかる。

現在の取り組み

 新規宿泊施設の建設にあたり、地権者の合意を得て、施設計画の基本設計が進められている。宿泊施設は明日香村のまちなみを踏襲し、瓦屋根で低層の分棟型になる予定。
 2018年より星野リゾートと明日香村の間で職員の人事交流を行い、相互の環境を知り、地域の理解を深める機会を設けている。地域が本来持つ魅力を発掘・発信し、地域に根ざす宿泊施設として地域活性化に貢献できるよう、両者の連携を深め、協力しながら準備を進めていく。

星野リゾート

 ラグジュアリーブランド「星のや」、温泉旅館ブランド「界」、リゾートホテル「リゾナーレ」、都市観光ホテル「OMO」という4つのブランドを中心に、国内外で38施設を運営。

代表 :星野 佳路
所在地 :長野県北佐久郡軽井沢町星野
設立 :1951年
資本金 :1千万円
従業員数:2922名(2019年3月時点)

おおいた観光物産展 新宿西口広場で8月26、27日開催

2019年8月20日(火)配信

左から工藤さん、園田さん、笠置さん

 2019年8月26日(月)、27日(火)の2日間、「発見! 体験!  おおいた観光物産展in新宿」が新宿駅西口広場イベントコーナーで開かれる。開催に先駆け、大分市観光キャンペーンレディの工藤栄華さん、大分市観光課の園田翠さん、大分市東京事務所の笠置かおりさんが本紙を訪れ、物産展のおすすめを紹介した。

 会場では大分市を中心に、別府市、臼杵市、由布市の3市も連携して特産品の販売や観光PRを行う。大分市は市のブランド認証制度「Oita Birth」の加工品や銘菓「ざびえる」などを販売する。

 工藤さんの一押しは「ジェノベーゼ風大葉ソース」。「パスタはもちろん、夏はお豆腐にもよく合います」とすすめる。このほか、「大分大葉と梅の和風カレー」なども。「普段都内では買うことのできない商品が一堂に並ぶので、ぜひご来場ください」と呼びかけた。

 ステージイベントは「豊後大友宗麒(ぶんごおおともそうりん)鉄砲隊」のパフォーマンスや押し花でつくる「花あかり」の製作体験ワークショップ(参加無料、約1時間、各回15人定員、ステージで整理券配布予定)、大分市内唯一の蔵元・倉光(そうこう)酒造の地酒を楽しめる「利き酒コンテスト」などを企画している。

ステージプログラム

2019年8月26日(月)

12:00~:オープニング
12:30~:PRビンゴ大会(臼杵市、由布市)
13:10~:豊後大友宗麟鉄砲隊PR、割りばし鉄砲作りワークショップ
14:50~:花あかりワークショップ(参加無料、定員15人、整理券配布)
16:00~:利き酒コンテスト
16:45~:PRビンゴ大会(大分市、別府市)
17:30~:豊後大友宗麟鉄砲隊PR、写真撮影や甲冑着付け体験
18:15~:花あかりワークショップ(参加無料、定員15人、整理券配布)
19:30~:利き酒コンテスト

2019年8月27日(火)

10:00~:豊後大友宗麟鉄砲隊PR、割りばし鉄砲作りワークショップ
11:00~:大分市長あいさつ
11:10~:PRビンゴ大会(大分市、別府市)
12:00~:利き酒コンテスト
12:45~:花あかりワークショップ(参加無料、定員15人、整理券配布)
14:00~:PRビンゴ大会(臼杵市、由布市)
14:45~:豊後大友宗麟鉄砲隊PR、写真撮影や甲冑着付け体験
15:15~:花あかりワークショップ(参加無料、定員15人、整理券配布)
16:30~:利き酒コンテスト

「おおいた観光物産展in新宿」概要

開催日時:2019年8月26日(月)、27日(火)の2日間
 (26日)正午~午後8:00、(27日)午前10:00~午後5:00
開催場所:新宿駅西口広場イベントコーナー
主催:大分市
共催:別府市、臼杵市、由布市

福岡天神で大プロジェクト始動 リッツ・カールトン九州初進出 22年度末にホテル開業

2019年8月20日(火) 配信

完成イメージ(リッツ福岡とオフィス棟)

 福岡市の中心市街地・天神地区の再開発プロジェクト「天神ビッグバン」の中核事業の一つ、「旧大名小学校跡地活用事業」が大きく動き出した。

 積水ハウス、西日本鉄道、西部瓦斯など5社が「大名プロジェクト特定目的会社」を設立して、2022年12月完成を目指して、ホテル・オフィスを含む複合施設の工事に着手。7月8日に同跡地で、福岡市の高島宗一郎市長ら関係者が出席して安全祈願祭が行われた。

 市内中心を東西に貫く明治通りに面した敷地は面積が1万1900平方㍍。ここに地上25階建て高さ111㍍のオフィス・ホテル棟、11階建てのコミュニティ棟、イベントホール、3千平方㍍の広場などが展開する。

 とくに目玉となるのが、世界的なホテルチェーン・マリオットグループの最上級ホテル「ザ・リッツ・カールトンホテル」の九州初進出。

 日本で7番目となるホテルは、オフィス・ホテル棟の17―24階を占める162室の客室すべてが広さ50平方㍍以上という贅沢な空間で、最上階のルーフトップバーをはじめ、レストランやチャペル、屋内プール、フィットネスセンター、スパなどを設ける。

会見には福岡市の高島市長(左から4人目)ら関係者が出席

 記者会見でマリオット・インターナショナルアジア太平洋社長のクレイグ・スミス氏は「福岡は歴史的にも日本の重要な港町として栄え、インバウンド旅行客も年々増加している」と話し、「アジアを含めた重要な拠点になる」と期待を込めた。

 また、高島市長は「国家戦略特区による規制緩和で、福岡市の都市ブランドを高めてくれるプロジェクトになる」と評価。「九州最大のワンフロア専有面積を取れるオフィスと最高級のホテルが誕生する。リッツができることで、世界的な会議を誘致できる。開業を楽しみにしている」と満面の笑顔で語った。

 なお、ホテル開業は22年度末を予定する。

〈観光最前線〉嬉野の歴史を網羅した1冊

2019年8月20日(火) 配信

嬉野市歴史観光ガイド

 「日本三大美肌の湯」として有名な嬉野温泉がある佐賀県嬉野市に今夏、新たに地元の歴史を詳しく紹介したガイド本「嬉野市歴史観光ガイド」が登場した。

 1300年以上前から、その存在が知られた嬉野温泉にはじまり、かつての長崎街道の宿場町としての繁栄ぶりを伝える史跡群、近年、改めて注目を集める嬉野茶、吉田焼・志田焼といった窯業、伝統的建造物群保存地区に指定されている塩田津、市内の不動山地区に伝わるキリシタン伝説と、大きく6つの項目に分け、それぞれの歴史や魅力についてQ&A方式で詳しく紹介。嬉野市の総合年表や、項目別のガイドマップも付いた、約100㌻におよぶ読み応えたっぷりの1冊だ。

 料金は1冊600円(税込)。嬉野温泉観光協会などで取り扱う。

【塩野 俊誉】

露付き客室、宴会棟など 耐震リニューアルオープン(有馬グランドホテル)

2019年8月20日(火) 配信

「金泉露天付き和洋室」(2階クラブフロア)

 兵庫県・有馬温泉の有馬グランドホテル(梶木実社長)は、昨年5月から実施していた宿泊棟・宴会棟の耐震改装工事を完了し、7月26日にリニューアルオープンした。

 宿泊棟は東館をリニューアルし、「別墅結楽(べっしょゆら)」と新たに命名。「宿の中の、もうひとつの宿」をコンセプトに、有馬温泉名物の金泉・銀泉の露天風呂付き客室をはじめ、全75室のラグジュアリー客室をそろえた。

 そのなかでも、銀泉露天風呂付き客室10室からなる最上階7階と、金泉露天風呂付き客室8室の2階をクラブフロアに設定。専用ラウンジ、チェックインカウンター、エレベーターを用意するなど、特別な滞在を提供する。

 7階にある貴賓室(1室)は同ホテル最上級のスイートルームの位置付け。184・7平方㍍の空間に銀泉露天風呂、温水プール、2ベッドルームのほか、料理人の出張料理に対応するキッチンも備える。宿泊料金は2人1室で1人10万円(平日、1泊2食付き)。

 クラブフロアは専用厨房から料理を提供する部屋食となる。別墅結楽のそれ以外の客室の食事場所となるダイニング「時分時(じぶんじ)」も同日オープンした。

グランバンケット「森羅」

 宴会棟リニューアルでは、建て替え工事を行い、新宴会棟を誕生させた。県内の温泉旅館として屈指の規模となる最大800人収容のグランバンケット「森羅」(637平方㍍)をはじめ、カンファレンスルーム(157平方㍍、分割可)や分科会・2次会利用を想定した7つのフレキシブルルームも備える充実の施設で、企業の会議・研修など「温泉MICE」の取り込みを強化する。

 7月23日に内覧会が行われ、同社の梶木社長が今回の大規模リニューアルについて説明。そのなかで、かつての阪神淡路大震災での被災経験などを踏まえ、「お客様の安心・安全にこだわった」と強調。今回のリニューアル完了で、全館が新耐震基準に適合したことを報告した。

 さらに、「自主点検で早期復旧可能なエレベーターにすべて入れ替えたほか、大型の自家発電も整備した。食の安全ではHACCP(ハサップ)の考え方を導入した」と話した。

【熊本発着】ビアガーデンならぬ「ビアバス」出発!

2019年8月19日(月)配信

乾杯シーン(イメージ)

 九州産交ツーリズムとキリンビール熊本支店は、日本に5台しかない、2階建てオープントップ仕様のレストランバスを利用してビアガーデンならぬ「ビアバス」を8-9月の期間限定で運行する。

 キンキンに冷えたキリン一番搾りなど、90分の飲み放題付き。おつまみは熊本産あそび豚のポン酢和えや熊本県産の肥後茄子の田楽焼きなど、熊本の食材も加えたおつまみ弁当を用意する。2階建ての車窓から移り行く夏の風景を楽しみながら、熊本の夜を楽しめる。屋根もあるので、雨が降っても安心。冷房も完備している。各設定日25人限定で、満席になり次第受付を終了する。

ビアバス概要

【実施日】
8/26(月) 8/31(土) 9/5(木) 9/7(土) 9/9(月)
9/11(水) 9/14(土) 9/15(日) 9/21(土)

【運行スケジュール】
熊本駅新幹線口(18:30発)=熊本市内車窓観光=熊本駅新幹線口(20:30着)
※途中トイレ休憩に立ち寄る。

【飲み放題メニュー】
・キリン一番搾り ・キリン氷結ストロング ・キリン氷結 ・ハイボール
・ワイン(赤、白) ・キリン零ICHI(ノンアルコール) ・ソフトドリンク

【おつまみ弁当 お品書き】

おつまみ弁当

・熊本産あそび豚のポン酢和え ・鶏肉の香味焼き ・帆立の旨煮 ・鮭の塩焼き
・熊本名物馬肉の時雨煮 ・熊本県産肥後茄子の田楽焼き ・肉団子の甘酢和え
・筍と椎茸の煮物 ・焼売とオクラのお浸し ・金平ごぼう ・卵焼き
・枝豆 ・わかめ御飯 ・五目御飯 ・御飯 ・和菓子 わらびもち

【旅行条件】
食事       :1回
添乗員      :同行
最少催行人員   :16人
貸切バス運行事業者:九州産交バス株式会社

【申込み】
九州産交ツーリズム株式会社 旅行センター
TEL :096-300-5535

「トラベルスクエア」「立国」の裏側にはリスク

2019年8月19日(月) 配信
商売はなるべく商圏を狭く
 1980年代半ば、月刊ホテル旅館の編集長を務めていたが、企画の中に全旅連青年部長をホストとする対談シリーズを設けていた。時の部長さんに会ってみたい人を挙げてもらって、編集部が斡旋してシリーズ化したものだ。その1人にNECの関本忠弘社長がいた。PC―8800シリーズを発表し、「電子立国」の立役者ともてはやされていた絶頂期だったと思う。
 
 対談の過程で「電子立国は追い風ですね」という質問をしたのだが、関本社長の眼差しがぐっと厳しくなったのを今でも鮮明に覚えている。関本社長は「立国なんてものに頼っちゃダメなんだ。もしも、それが倒れてしまったら、何も残らないじゃないか! 経営者はそういう甘い言葉を警戒しなきゃ」と語ってくれた。1つの業務部門に偏れば、成長の速度は早まるかもしれないが、それだけリスクも背負う、という教えだ。
 
 そんなことがあったから、僕には観光立国という言葉に終始違和感を抱き続けていた。調べてもらって構わないが、僕自身は観光立国でインバウンド客を無批判に無限抱擁的に受け入れることには一貫して慎重な論陣を張ってきたつもりだ。インバウンド集客が生命線になったら、かえって相手国の経済社会状況の変化に身を任せてしまうカントリーリスクが怖い。
 
 今、日韓の問題で、韓国からの集客に翳りが出始めていると聞く。官房長官の菅さんが、記者の韓国からのインバウンド客減少についての質問に、鼻しらんだように「もともと、そういう風に集客の源を一本化していく方が悪い。経営とはもっと多様な客を相手にしなきゃ。例えば、他の国々からの集客を強化するとか」と答弁していたのが印象的だった。
 
 ぶっきら棒な言い方に、反発を覚えた旅館経営者の方々も多いと思われるが、ここは菅さんの言い分の妥当性をとりたい。
 
 僕の取材領域はコンビニからナイトクラブまでさまざま領域にわたっていたが、その経験から割り出された経営の「真実」の1つは、「商売はなるべく商圏を狭くして、そこから反復来店してくださる。そういう姿が美しい」というものだ。
 
 さすがに観光は隣近所数キロ圏内を相手に、というのではビジネスにならないが、少なくとも自分の県と両隣の県あたりが発地の常連さんが多いと経営は安定する。顔を知っているお客こそが、例えば震災などの難局でも一番頼りになるものだろう。国外客はもちろん大事だが、なにかあったときの支えにならない。いつだって、「遠い」のは旅をやめる動機の最大のものだからだ。
 
 「立国」という言葉の勢いに負けず、なるべく狭い商圏で商売が成立するように考える。それを経営の原点としたい。
 

コラムニスト紹介

松坂健氏

オフィス アト・ランダム 代表 松坂 健 氏
1949年東京・浅草生まれ。1971年、74年にそれぞれ慶應義塾大学の法学部・文学部を卒業。柴田書店入社、月刊食堂副編集長を経て、84年から93年まで月刊ホテル旅館編集長。01年~03年長崎国際大学、03年~15年西武文理大学教授。16年~19年3月まで跡見学園女子大学教授。著書に『ホスピタリティ進化論』など。ミステリ評論も継続中。

 

「観光立国推進」へ懇談会 全旅連と旅行業5社トップ

2019年8月19日(月) 配信 

懇談会のようす

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(多田計介会長)は7月17日、旅行業大手5社のトップらを招いて、「観光立国の推進に向けた懇談会」を開いた。昨年6月の定款変更により、全旅連は観光に関するビジネスも可能となった。1万軒を超える、中・小規模旅館への誘客拡大も大きな課題となるなか、“共存共栄”の関係を築いてきた旅行会社と、訪日・国内旅行の活性化へ意見や情報を共有した。多田会長は「今後も継続して対話できる場を設けたい」考えだ。

 懇談会には、全旅連から多田会長をはじめ、正副会長ら幹部14人がそろった。旅行会社からは、JTBの髙橋広行社長、日本旅行の堀坂明弘社長、東武トップツアーズの坂巻伸昭社長、KNT―CTホールディングスの田ヶ原聡常務、農協観光の大野哲也常務の5氏が出席し、豪華な顔ぶれとなった。

 多田会長は冒頭、送客側の旅行会社トップと一堂に会し、さまざまな諸問題を話し合えることに謝意を述べた。

 全旅連側から旅行会社各社には、観光立国推進基本法に基づく訪日外国人旅行と国内旅行の誘客、とりわけ中・小規模旅館への誘客拡大について事前に質問項目を投げ掛けており、5社のトップが順に回答するかたちで進めた。

JTB「訪日客の地方分散を」     
 JTBの髙橋社長は「訪日旅行者がゴールデンルートに集中し、飽和状態にある」点を課題に挙げた。訪日客の消費拡大には「地方分散」が不可欠との考えを示し、「地方の魅力発信と、新しい需要創出が求められている」と語った。

 国内旅行の課題として、観光コンテンツのマンネリ化を指摘。長野県・阿智村の星空観光や朝市見学など、宿泊を伴う仕掛けの必要性を強調した。

 中小の宿泊施設について、パンフレットに載せるには客室数が少ないため、「ウェブでの商品展開で対応したい」としたほか、“個性の打ち出し”を促した。同社では「大人の隠れ家」や「秘湯」などテーマ性の高い商品を展開していることを伝えた。

日本旅行「都市部集中は全旅連が結集して解決」
 日本旅行の堀坂社長も訪日、国内旅行ともに「地方分散が必要」と述べた。

 都市部集中による客室不足問題の解決方法としては、「全旅連の力を結集すれば地方での受け入れも可能」と語った。2次交通の確保が難しいエリアでは、宿泊施設が共同で送迎する仕組みを作るよう提案した。

 インバウンドの動向として、中国でスキーブームが到来すると予見した。背景にあるのは22年に開かれる北京冬季五輪で、中国政府がスキーを推奨しているためだ。「この需要に対しては、外国語を話せるインストラクターが必要」と話した。

 一方、国内で多く見られる無料の観光スポットについては、「受け入れ側もお金が落ちる仕組み作りを構築するべき」と提言した。

 東武トップツアーズ「誘客施策の見直し促す」
 東武トップツアーズの坂巻社長は「いかに旅行者にお金を落としてもらうか」を前提に、「滞在時間を増加させ、人を呼び込む施策を自治体などと共同で見直す」ように提案した。「地域の身近な食べ物などで観光客を呼び込める」考えを示し、「自治体などが消極的であれば、我われ旅行会社を使ってほしい」と呼び掛けた。

KNT―CT「宿と魅力的なコンテンツを共有」
 KNT―CTホールディングスの田ヶ原常務は国内旅行について「魅力あるコンテンツ作りを宿泊施設と共有することで、地域への誘客をはかりたい」と述べた。

 このほか、中小の宿泊施設は、「貸切」可能な宿とは個別の契約を結び、ニーズの改革を推進する方向性などを紹介した。

農協観光「こだわりの宿で中小規模旅館へ送客」
 農協観光の大野常務は中・小規模旅館への誘客について、同社プランの「こだわりの宿」を強化する方針を示した。参画する宿泊施設には、積極的に送客する姿勢だ。とくに、旅館の貸切プランには力を入れており、「イベントを開いたり、芸能人を呼ぶなどしてアピールしたい」としている。
                            □
 旅行各社の意見に対し、多田会長は「観光立国推進に向けて、年1回はこのような懇談会を設けたい」と意気込んだ。次回は全旅連側も発言する意見交換会の形式で行い、より多くの時間を設けたい構えだ。