昨今、日本で再注目されているミニシアターとは、収容人数200人以下、1970年代から長年アート系や海外の実験的な作品、そしてインディペンデント映画の上映に力を注いできた小規模映画館だ。当時圧倒的に支持されたその映画上映の形態は、その後も数十年間台頭し続け、商業映画を扱う大型映画館と一線を画す存在であった。その後、海外の作品などは下火になりつつも、独立系の邦画は需要が伸びた。にもかかわらず、2000年代に入り一つの施設に複数のスクリーンを有するシネマコンプレックスが主流となって以来、ミニシアターの運営は圧迫。地方ばかりでなく、大都市でもその多くが閉館を余儀なくされ、現在、国内の全スクリーンのうち、独立系のものは12%にしか及ばない。そのような状況に追い討ちをかけたのがコロナ禍だ。集客もままならない存在危機に、多くの映画人が動いた。■Save The Cinemaを呼び掛けたコミュニティシネマセンター。■挑戦し続ける独立系映画配給会社セテラ・インターナショナル。■70年の歴史を守る別府ブルーバード劇場、89歳の支配人。■渋谷で革命を起こすUPLINK。■「人」とのつながりに賭けた京都の出町座。