【特集No.556】アフターコロナの観光 専門家21人が提言・メッセージ

2020年6月19日(金) 配信

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、観光業界にとって生命線である人の移動や交流が制限された。窮地に立たされながら、それでも未踏の道を模索している。“アフターコロナ”の観光や、人々の価値観がどのように変化するのか――。本紙コラム陣をはじめ、観光業界を代表する総勢21人の専門家・有識者から寄せられた提言や、応援メッセージを掲載する。永久保存版だ。(1・2・3・4面へ続く) 

【編集部】

減収減益モデルへのシフトがカギ高崎経済大学地域政策学部教授 井門 隆夫氏

井門隆夫氏

 アフターコロナはきっと長い持久戦になりますが、あきらめず皆で生き残りましょう。この間、減収増益モデルへとシフトできるかが生き残りのカギとなると思います。これまでの「楽しみたい」というニーズががらりと変わり、「助けてほしい」「強くなりたい」「つながりたい」という心の奥底に眠る消費ニーズを受けとめ、具現化することが観光産業の新しい役割になると思います。変態を遂げた宿が生き残り、繁栄していくことを願い、応援し続けたいと思います。…

 

【全文は、本紙1797号または6月25日(木)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

ハウステンボス減収減益 最終利益は9400万円を確保 コロナで休園など響く

2020年6月18日(木) 配信

坂口克彦社長

 ハウステンボス(坂口克彦社長、長崎県佐世保市)が6月17日(水)発表した2020年9月期第2四半期連結決算(19年10月~20年3月)によると、取扱高は同29・5%減の105億8300万円、営業損失は8億8200万円(前期は28億3200万円の利益)、経常損失は1億2700万円(前期は33億1200万円)と大幅な減収減益となった。当期純利益は同96・5%減の9400万円と黒字を確保した。

 ハウステンボス単体の総入場者数は同20・2%減の104万人。宿泊者数は同27・4%減の10万4000人と減少。3月に新型コロナウイルス感染拡大で、臨時休園したことが大きく影響した。さらに、入場券とアトラクション券をまとめた「パスポート革命」の認知度が九州の利用者において約30%と低く、伸び悩んだ。

 坂口社長は国内客の動向について「(ハウステンボスの)近隣を巡るマイクロツーリズムが主流になる。また、新型コロナウイルス対策の徹底が集客につながる」とし、九州圏内の誘客に力を入れる考えを示した。

具体的には、9月末まで、年間パスポートを購入した長崎県民にはクーポンを配布したほか、分割払いも可能なキャンペーンも始めた。九州在住者には7月に開始する。

 宿泊を伴う誘客にも力を入れる。6月19日(金)~7月末まで、九州在住者に限定した1万円(税・サ込)の入場券付きプランをはじめ、8月に同グループの飲食店や観光施設などGo Toキャンペーンが適用されるすべての施設を活用できるプランを売り出す。

 なお、遠距離の誘客は8月以降、業界全体のようすをみながら決定する。

 新型コロナウイルス感染防止策として、各待機場所ではソーシャルディスタンスを確保する枠を作成した。来園客にはポケットティッシュを配布し、ドアノブや自動販売機のボタンなどを触る際に使用してもらう考え。

 熱中症対策も講じる。同社は十分な距離が確保されたとき、マスクを外すことを推奨する。男女両方に対し、日傘の使用で距離を取るよう促す。

 なお、来期の決算予想は、新型コロナウイルスの影響が見通せないため、公表を見送った。

阪急、6月21日から国内ツアー再開 旅行需要喚起を狙う

2020年6月18日(木) 配信 

イメージ

 阪急交通社(酒井淳社長、大阪府大阪市)は7月1日(水)から、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止していたツアー催行を再開する。6月21日(日)から国内新商品の販売を順次始める予定。再開キャンペーンの第1弾として「夏旅」を企画する。同社スマホポイントの有効期限を1年延長し、旅行需要の喚起を狙う。

 同キャンペーンは「Go To Travelキャンペーン」実施のプレ企画として独自に立ち上げたもの。

 首都圏発の「旬の白桃狩り食べ放題とブランド牛食べ比べ日帰り」や、福岡発「阿蘇へGo! ファミリースペシャル! 阿蘇ファームランドに泊まる2日間」などを販売する。「バスの座席2席を1人で利用する」ゆったり感や快適性を重視しているのが特徴。

 「お客様に安心して参加していただけるような商品をそろえた」(同社)とし、感染予防対策のガイドラインに沿った旅を提供していく。

JTB、各エリアに広域代表職設置へ 円滑な企業活動と地域貢献の促進目指す

2020年6月18日(木) 配信

JTBロゴマーク

 JTB(髙橋広行社長)は7月1日(水)から、全国の主要都市と中核都市を管轄する広域代表職を設置すると発表した。エリアにおける社の代表として、顧客や関係機関への応対など、広域案件業務の責任を担う。同職を新たに設けることで、広範囲にわたる円滑な企業活動を進めるとともに、地域貢献への取り組みを促進する。

 各エリアの広域代表(7月1日付)は次の通り。

執行役員

 法人事業本部副本部長全社広域営業推進担当 松本博▽法人事業本部関西広域代表 北村豪

法人事業本部

 北海道広域代表兼北海道事業部長(北海道事業部長)笹本潤一▽東北エリア広域代表兼仙台支店長(仙台支店長)大久保毅彦▽中部エリア広域代表兼名古屋事業部長(名古屋事業部長)内海勝仁▽中国エリア広域代表兼広島支店長(広島支店長)藤岡成輝▽四国エリア広域代表兼高松支店長(高松支店長)野浪健▽九州エリア広域代表兼福岡支店長(福岡支店長)井上浩一

5月の訪日外客数、過去最少1700人 前月からさらに減少 JNTO

2020年6月18日(木) 配信

空港(イメージ)

 日本政府観光局(JNTO)は6月17日(水)に発表した5月の訪日外国人客数は、前年同月比99.9%減の1700人だった。1964年の統計開始以降、過去最少だった4月の2900人をさらに下回った。

 主な要因として、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各国が海外渡航制限などの措置が継続しているほか、日本政府も検疫強化や査証無効化などの措置を続けていることなどが挙げられる。

 また、日本人出国者数も5カ月連続で減少。前年同月比99.6%減の5500人だった。

食のテーマパーク「恵那 銀の森」、リニューアルオープン 屋外のテラス席を新設

2020年6月18日(木) 配信

「ラグラス」で提供する「3段重箱ランチ付コース(2時間)」3,500円(税込)

 銀の森コーポレーション(渡邉好作社長、岐阜県恵那市)が運営する食のテーマパーク「恵那 銀の森」はこのほど、リニューアルオープンした。6月18日(木)からはリニューアルの目玉となる「ラグラス」の営業も始める。

 「ラグラス」とはラグジュアリーとテラスを組み合わせた造語で、新設された屋外のテラス席でゆったりとした時間を過ごすことができる。ランチやアフタヌーンティーだけでなく、ピザやパンケーキを手作りする体験コースも用意する。

 同園では9年前の開園当初から、地元や全国各地からこだわりの食材を仕入れ、園内の自社工場で調理・加工を行う「こだわりの商品」を取り揃えている。通販サイトでも人気を集めている森の素材を使ったクッキーを詰め合わせた「プティボワ」も夏限定商品が登場する。

「恵那 銀の森」施設概要

所在地:〒509-7201 岐阜県恵那市大井町2711-2

営業時間:午前10:00~午後6:00 ※当面は午後5:00までの短縮営業

TEL:0573-59-8880

敷地面積:2万坪 ※遊歩道等の施設含む

店舗数:6店舗

開園:2011年7月

【にっぽん旬旅】~動画で各地の魅力紹介~山形県・酒田市(飛島)~

2020年6月18日(木)配信

 山形県・酒田港から北西39㌔の日本海沖にある山形県唯一の離島「飛島(とびしま)」は、周囲10.2㌔、標高68㍍の小さな島です。

 飛島までは定期船「とびしま」で75分。周囲を暖流(対馬海流)が流れていて、この海流によりもたらされる温暖な気候により北と南の動植物が混在しています。

 日本有数の野鳥の飛来地で、春と秋には多くの渡り鳥が中継地として羽を休めます。普段は観察しづらい種類の鳥を比較的簡単に観察することができ、珍鳥・迷鳥もたびたび観察されています。

 海では、スルメイカやトビウオなどの暖流にのった魚が獲れるほか、多くの釣り客が、タラ・メバル・タイ類など豊かな恵みを求めにやってきます。

 2016(平成28)年9月には、日本ジオパークに認定されました。

 

Tobishima Island ドローンで撮影した飛島の風景

那須りんどう湖レイクビューの公式ホテルに TOWAピュアコテージ 宿泊者特典も拡充

2020年6月18日(木)配信

透明テントのグランピングは夜の星空も楽しみ(TOWAピュアコテージ)

 藤和那須リゾート(雪本智史社長、栃木県那須郡那須町)が運営する「那須高原TOWAピュアコテージ In NASU HIGHLAND RESORT」はこのほど、那須ハイランドパークに加え、那須りんどう湖レイクビューのオフィシャルホテルになった。これに伴い、宿泊客は「那須りんどう湖レイクビュー」の入園が無料になるなど新たな特典が加わった。

 「那須りんどう湖レイクビュー」を運営する那須興業(矢澤剛志社長、栃木県那須郡那須町)が2020年5月1日(金)、日本テーマパークの傘下に入り、藤和那須リゾートとグループ会社になったことで、新たなコラボが実現した。

 両施設の相乗効果を創出する取り組みの第1弾として、「TOWAピュアコテージ」の宿泊特典に「那須りんどう湖レイクビュー」入園無料などを追加した。今後の取り組みも、順次企画する。

 TOWAピュアコテージは、コテージタイプ(全72室2LDK・82平方㍍・西欧式暖炉付)、プライベート空間が満喫できる別荘タイプの「リゾートハウス」、日本初導入の透明テント「AURA」をはじめとする「グランピングタイプ」、斬新なデザインの「デザイナーズハウス」、愛犬と心ゆくまでリラックスできる「WITH PETシリーズ」など、多様な客室を有する施設だ。今春、貸別荘18棟がオープンした。

【にっぽん旬旅】~動画で各地の魅力紹介~山形県・酒田市~

2020年6月18日(木)配信

 北に出羽富士「鳥海山」、南に霊峰「月山」を望み、雄大な庄内平野の中央を流れる最上川の河口に開かれた湊町が山形県酒田市です。

 江戸時代に、江戸へ出羽国の米を送るため西廻り航路が整ったことを機に、北前船による交易で、湊町、商人のまちとして飛躍的に栄えました。

 米の集積地と積出港となった酒田湊は、北前船の往来によって上方など全国とつながり、華やかで自由闊達な湊町文化が形成されました。料亭、郷土料理、方言などにも、人・もの・文化の往来の歴史が今も随所に残っています。

 豊かな自然に囲まれて今なお残る湊町文化。「さかたさんぽ」をどうぞお楽しみください。

酒田市プロモーションビデオ Episode1・2・3

宿選びの新しい基準 新機能「健康・安全への取り組み」表示をWebサイトに追加 ブッキング・ドットコム

2020年6月18日(木) 配信

施設サイト上での表示例

 宿泊予約サイトを運営するブッキング・ドットコム・ジャパン(東京都港区)は6月15日(月)、新型コロナウイルス感染拡大とそれに伴う状況の変化に対応するため、同社Webサイトに掲載している宿泊施設の清掃と衛生環境に関する表示を、新たに設定した。新機能の追加で、安心・安全な宿を自分で選ぶことができる。

 掲載している宿泊施設が衛生対策をどのように行っているかなどを同じ基準を設けて選択・表示する。

 安全対策のチェック項目は、①セキュリティ②ソーシャルディスタンス③清掃④フード&ドリンクに関する安全対策――の4つ。多人数が触れる共用の備品がないことや、非対面でのチェックイン・チェックアウト、客室の消毒、ダイニングエリアで十分な距離を取る――などの項目がある。

 同社は「宿泊施設の健康・安全に関する取り組みは、ゲストにとって重要な関心事だ」との考えを示している。