21年春の叙勲・褒章、田川博已氏(元JTB会長)が旭日中綬章

2021年5月6日(木)配信

JATAの田川博己元会長

 政府は4月29日付で、2021年度春の叙勲および褒章受章者を発表した。本紙関連では、旭日中綬章に元JTB会長・元日本旅行業協会(JATA)会長の田川博已氏が、旭日双光章に八芳園会長兼CEOの長谷収氏と、吉川屋会長の畠隆章氏らが受章した。

吉川屋の畠隆章会長

 本紙関連の受章者は次の各氏。

【勲章】

旭日中綬章 田川博已(元JTB会長、元日本旅行業協会会長)観光事業振興功労

旭日双光章 長谷収(八芳園会長兼CEO)=国際観光日本レストラン協会副会長 観光事業振興功労▽畠隆章(吉川屋会長)=元日本旅館協会理事 観光事業振興功労

旭日単光章 桑畑博(久慈ステーションホテル社長)=岩手県旅館ホテル生活衛生同業組合副理事長 生活衛生功労

【褒章】

黄綬褒章 川上洋信(熊本ホテルキャッスル調理顧問中国料理総料理長)業務精励功労▽武本元秀(文珠荘総料理長)業務精励功労▽角垣賢(ホテルボストンプラザ草津取締役総料理長)業務精励功労▽床次信也(アクアガーデンホテル福丸顧問)業務精励功労▽牧武夫(山楽荘調理長)業務精励功労

沖縄子供たちの遠足を応援 ビオスの丘がクラウドファンディング 5月31日(月)まで

2021年5月6日(木)配信

湖畔に生息する亜熱帯特有の植物やらんの花、小動物について船頭が楽しくガイドするジャングルクルーズ

 沖縄県うるま市の2万株以上のランや亜熱帯の森が広がる「ビオスの丘」は、同園への無料招待で子供たちの「遠足」を応援しようと、ラウドファンディングを開始した。締め切りは2021年5月31日(月)。

 ビオスの丘への遠足を予定していたものの、コロナ禍で同園が休園となり、残念ながらキャンセルとなった子供たちに、今一度園内を楽しんでほしいとの考えから取り組む。期日までに集まった支援総額に応じて、県内の学校や幼稚園、特別支援学校の子供たちを招待する。

 支援者へのリターンは金額に応じて、1日招待券やオリジナルランのポストカード、ジュースセット、ハンバーグ6個セット、ミニコチョウラン(生花)などを用意している。

【精神性の高い旅 ~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その1- 江戸五色不動尊巡礼(東京都) 心の拠り所としての巡礼 お不動様の懐に包まれよう

2021年5月6日(木) 配信

 
 神社仏閣は、「心の拠り所」となる場所ではないでしょうか。不安なとき、悲しみに打ちひしがれたとき、苦難に遭遇したとき、神仏にすがりたくなるもの。仏教に「一心称名」(いっしんしょうみょう)という言葉があります。その意味は心を集中して、仏様や菩薩様の名号を唱えること。

 
 観音経にもこの言葉は出てきて、突然の災難がやってきても「南無観世音菩薩」と全身全霊を込めて唱えれば、観音様がその悩み深い声をもらさずにキャッチして、救ってくださるといいます。

 
 神社仏閣の旅というのは、感謝の心を伝えたり、今抱えている苦しみを吐露したり、一心に祈って救いの道を与えてくれる時間になるのではないかと思います。また、大いなる愛情に包まれに行くことが、神社仏閣の旅かもしれません。

 
 さて、精神性の高い旅の1回目は東京23区内にある江戸五色不動尊巡礼をご紹介します。

 
 江戸時代、天海僧正のアドバイスにより、3代将軍家光が6カ所の不動尊の寺院を選定。その6カ所の不動尊を巡るのが、江戸五色不動尊巡礼。

 
 目黄・目赤・目白・目青・目黒の不動尊を巡るのですが、目黄が2カ所ありますので、6カ所に。色彩においては諸説あるそうですが、東洋の陰陽五行説にある、白・黒・赤・青・黄で分けているとのこと。5色には邪気を寄せ付けないという、魔除けの意味も含まれているようです。

 

目黒不動尊の山門

 6カ所を巡る、決まった順番はありません。

 
 1カ所目は、江戸川区平井の目黄不動の❶最勝寺。総武線の平井駅から、徒歩20分程度。その道のりの中で下町情緒漂う商店街があり、活気ある店が多く、巡礼後に立ち寄れるお楽しみもあります。

 
 最勝寺は、860年に慈覚大師が開山。お不動様のあえて恐いお顔で私たちを戒めてくださるお姿に、心を打たれます。お不動様を巡る際に、お不動様のご真言を唱えると、きっとお不動様との絆が深まるでしょう。

 
 2カ所目は、文京区本駒込にある目赤不動の❷南谷寺。南北線の本駒込駅から、徒歩3分程度。家光が鷹狩の途中で立ち寄り、「目赤不動と呼ぶべし」と命があったとのこと。地獄の果てまで助けてくださる地蔵菩薩群を通り抜けると、お不動様とご対面。目赤というだけ、お不動様のお体も赤色でした。

 
 3カ所目は、台東区目黄不動の❸永久寺へ。日比谷線・三ノ輪駅から徒歩1分程度。開基は、鎌倉時代末期。現代的な建物の中にある、お堂の小窓からお不動様とご対面。仄暗い中のお不動様は、美しく凛々しくて、深い感銘を受けました。

 

目白不動の護身のお守り

 それから、三ノ輪から都電荒川線に1時間程度乗り、学習院下で下車。徒歩10分程度で、4カ所目、豊島区目白不動の❹金乗院へ。目白不動堂にある、弘法大師作の秘仏のお不動様。決まった日にしかお目にかかれません。こちらのお不動様は、断臂不動と呼ばれ、人々を救うためお不動様自ら左腕を断ち切り、そこから火焔が噴出しているお姿。特別なお力があるお不動様のようで、護身守りとして、お不動様の黒い御手を購入できます。

 
 5カ所目は、世田谷区三軒茶屋の目青不動の❺教学院へ。東急田園都市線の三軒茶屋から、徒歩5分程度。静かな境内でお不動様とご対面でき、ゆっくりと祈りをささげることができるでしょう。

 
 最後6カ所目は、目黒区目黒不動の❻瀧泉寺へ。東急目黒線・不動前から、徒歩10分程度。こちらはお不動様、普賢菩薩、虚空蔵菩薩など干支に合わせて、守護仏様のお参りも可能。最終地にて宇宙の万物を産み出す、大日如来様とご対面。お不動様の背後にいらっしゃいます。どんなことでも寛大な心で許してくれる、母親的な愛情で満たしてくれるでしょう。

 

旅人・執筆 石井 亜由美
東洋大学国際観光学部講師、カラーセラピスト。精神性の高い観光研究部会メンバー。グリーフセラピー(悲しみのケア)や巡礼、色彩心理学などを研究。

 

関案連新会長に西元氏 「石川への誘客一致団結で」

2021年5月5日(水) 配信

あいさつする木寅恭嗣会長

 石川県内の宿泊・観光施設の大阪営業所などで構成する関西石川県観光旅館・施設案内所連絡協議会(関案連、木寅恭嗣会長・日本の宿のと楽グループ大阪営業所所長)は4月14日、大阪市内のホテルで第54回通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、西元丈人氏(瑠璃光・葉渡莉大阪営業所所長)を新会長に選出した。

 木寅会長は「新型コロナウイルス感染拡大の長期化により観光業界はどん底の状態にある。石川県も『Go Toトラベルキャンペーン』で一時は回復傾向がみられたが、再拡大に伴う停止により、最も魅力的なシーズンである冬場のキャンセルが相次いだ」と昨年の状況を報告した。

 一方で「コロナ禍は、人々の働き方や生活スタイルに変化をもたらしつつある。5Gなどの新しい技術が普及すれば、いずれ新たな旅のスタイルも生まれてくるはず。ピンチをチャンスに変えようと、新たな事業に取り組む企業も出てきており、皆で知恵を絞り、なんとかこの難局を乗り切りたい」と語った。

 石川県西日本誘客推進室の堂前俊輔室長は「県では、2024年春を予定する北陸新幹線県内全線開業に向けたPR戦略実行プランを今年度中に策定する。関西においても、11月に大阪で開催されるツーリズムEXPOジャパンに出展し、魅力をアピールする。新幹線県内全線開業と、25年の大阪・関西万博を最大限に生かし、基幹産業である観光業を復活させ、さらなる高みを目指していく」と県の方針を述べた。

西元丈人新会長

 総会では、すべての議案が承認可決された。新会長に選出された西元氏は「厳しい状況下だが、石川県へ1人でも多くの観光客に来ていただけるよう、一致団結して取り組んでいきたい」と意気込みを語った。

「観光革命」地球規模の構造的変化(234)  マスターズと東京五輪

2021年5月4日(火) 配信

 男子ゴルフの松山英樹さんが米国で開催されたマスターズ・トーナメントで優勝した。歴史を誇るレベルの高い世界のメジャー大会で日本の男子として初めての制覇である。松山自身は10度目のマスターズ出場で最高の栄誉を勝ち得た。コロナ禍で沈滞する日本全体に大いなる元気を与えてくれた。

 ゴルフの「マスターズ」は有名であるが、ワールドマスターズゲームズ(WMG)のことは、あまり日本では知られていない。WMGの理念は「スポーツ・フォー・ライフ(人生を豊かにするスポーツ)」であり、概ね30歳以上であれば誰でも大会に参加できる点でオリンピックとは大きく異なる。1985年にカナダのトロントで第1回大会が開催され、それ以後ほぼ4年ごとに世界各地で大会が開催されている。

 実はWMGの10回目の大会が関西の2府8県を会場にして、今年5月に開催されるはずであった。関西大会のコンセプトは①一人ひとりの挑戦と可能性を開く②世代・地域・文化がつながる③国際色が溢れ感動を共有する④次世代にエネルギーと躍動感を送る⑤関西の魅力と文化を発揮する――の5つ。

 アーチェリー、陸上競技、バドミントン、自転車、カヌー、ゲートボール、グランドゴルフ、綱引など35競技が行われ、アジアで最初の大会として5万人(国内3万人、国外2万人)の参加が見込まれていたが、コロナ禍で来年(5月13―29日)開催に変更された。本来であれば「人生を豊かにするスポーツ」の機運を高めると共に、スポーツツーリズムによる地域活性化、健康・スポーツ産業の振興、スポーツを通じた健康社会への寄与、国際交流の促進などが期待されていた。来年開催予定の関西WMGの大成功を祈念している。

 一方、今年開催予定の東京五輪が大いに心配である。国際オリンピック委員会、大会組織委員会、日本政府はあくまでも東京五輪開催を主張しているが、現実には世界的にコロナ禍が沈静化しておらず、日本でも感染拡大のために3度目の緊急事態宣言が東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に出されている。

 さらに日本のワクチン接種率は1%程度で先進諸国の中で最下位だ。日本政府は東京五輪開催に拘らずに、国民の健康と安寧を確保するために的確に英断を下すべきである。

 

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

〈観光最前線〉エヴァの完結 箱根へ誘い

2021年5月3日(月) 配信

まちの中にはキャラクターを描いた自動販売機が

 「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が完結した。「新世紀エヴァンゲリオン」の放送開始から26年、ついに物語は完結した。初めて見たのがいつか思い出せないが、20代のころ何かのきっかけで改めて見直し、人生で初めてアニメ作品のファンになったのがエヴァ。

 全話通して見終えたあとの、箱根湯本駅に降りた時の不思議な感覚を今でも覚えている。見慣れた景色だったはずの駅なのに、特別な場所に来たかのようなわくわく感。今はもう建て替えられ面影はないけれど、エヴァを観ると箱根に行きたくなる。

 上映中の作品に登場したことで、新しい聖地が生まれ、ファンが詰めかけているという。それでも、自分にとっての聖地は箱根。これからも世界観を感じられる場所であってほしい。

【後藤 文昭】

SUNQパス運営委員会 九州バス乗り放題 アプリ内でパス販売 

2021年5月2日(日) 配信

乗り放題のSUNQパス(券面イメージ)

 九州・山口47のバス・船舶事業者が加盟する SUNQパス運営委員会(事務局、西日本鉄道)は、バスや鉄道、タクシー、レンタカーなどリアルタイムに利用者や都市などの状況に応じた最適な移動手段を提供するアプリ、マルチモーダルモビリティサービス「my route」内で SUNQパスの販売を、4月26日から始めた。

 同パスは、九州域内と山口県下関市周辺の都市間高速バス、一般路線バスのほぼ全線と、一部の船舶が乗り放題となるフリー乗車券で、利用できるバス路線数は2400路線にのぼる。

 パスの種類は「北部九州+下関3日間」(9千円)、「南部九州3日間」(8千円)、「全九州+下関3日間」(1万1千円)、「全九州+下関4日間」(1万4千円)の4種。

 「my route」内で予約・決済ができ、スマホ1つで出発地から到着までの経路・時刻案内も確認できる。

星野リゾート 界 別府6月開業 石畳など昔の温泉街再現

2021年5月1日(土) 配信

界 別府の湯の広場イメージ

 星野リゾート(星野佳路代表)は4月14日、オンラインプレス発表会を開いた。九州での今後の展開では、2019年6月から大分県・別府温泉に建設中の「界 別府」を、6月4日に開業すると発表した。4月14日から予約を開始した。

 「界」は同社が全国展開する温泉旅館ブランドで、九州では大分県・瀬の本温泉の「界 阿蘇」、今年1月29日に鹿児島県・霧島温泉に開業した「界 霧島」に続き、別府が3施設目となる。

 コンセプトは「ドラマティック温泉街」で、和紙の提灯が照らす石畳の路地や土産店、夜店をイメージさせる空間など、昔の温泉街の輝きを館内に再現させる。

 ご当地部屋「柿渋の間」など全70室の客室からは、別府湾を一望できる。「あつ湯」と「ぬる湯」の2つの湯船を持つ温泉大浴場も備える。

 星野代表は「九州での展開は弱かったが、別府は重要な施設となる」と力を込めた。また、1月に開業した「界 霧島」のエリア別稼働が「九州域内利用が75%」と報告した。九州では、22年夏に「界 由布院」(大分県由布市)の開業を予定する。

霧島市と海津市の交流50周年記念 ソラシドエアが共同プロジェクト機運航

2021年4月30日(金) 配信

鹿児島県霧島市・岐阜県海津市姉妹都市交流50周年アニバーサリー号

     ソラシドエア(髙橋宏輔社長、宮崎県宮崎市)は4月24日(土)から、鹿児島県霧島市と岐阜県海津市の共同プロジェクト機、「鹿児島県霧島市・岐阜県海津市姉妹都市交流50周年アニバーサリー号」(愛称=かいづっち・茶ノミコトくん号)の運航を開始した。同社が取り組む地域振興・機体活用プロジェクト「空恋~空で街と恋をする~」の一環。 空恋プロジェクトの運航機は30番目。

 就航開始を記念して、4月24日(土)に鹿児島空港と中部国際空港で就航セレモニーを行った。運航初便のソラシドエア116便(鹿児島午前8:40発→中部10:00着)の搭乗者にオリジナルエコバッグや搭乗証明書など記念品を配布した。

 鹿児島県霧島市(旧国分市)と岐阜県海津市(旧海津町)は約270年前、江戸幕府の命で水害の常襲地帯だった海津市を含む木曽三川下流地域で、宝歴治水を成し遂げた。1970年に両市は姉妹都市盟約を結び、政治や経済、教育、文化など活発な交流をはかっている。2020年に姉妹都市交流50周年を迎えたことを記念し、プロジェクト機は当初、2020年10月に運航予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により半年延期した。共同のプロジェクト機体には、両市のマスコットキャラクターが機体後方左右にデザインされている。

 今後、1年半にわたり空恋プロジェクト機「鹿児島県霧島市・岐阜県海津市姉妹都市交流50周年アニバーサリー号」がソラシドエア全就航路線を飛び、両市の魅力をPRする。

〈旬刊旅行新聞5月1日号コラム〉台湾ロス 台湾で過ごした情景が思い浮かぶ

2021年4月30日(金) 配信

 
 先日、久しぶりに台湾観光協会東京事務所の鄭憶萍(テイ・イーピン)所長をはじめ、スタッフの方々と対面でお会いする機会に恵まれた。東京都では、3度目の緊急事態宣言が発令される直前のことで、銀座の鼎泰豊(ディンタイフォン)に赴き、小籠包や、台湾パイナップルを使ったフワフワかき氷などを食しながら、有意義な情報交換をすることができた。

 
 台湾の方々と接しているなかで気づくことは、日本人と比べて、対人関係の垣根が低いということ。そして、それは心地よさに通じている。

 
 日本人同士のビジネス会食などは、それがたとえ情報交換を主としたものでさえ、緊張してしまう。「礼儀正しい」といえば聞こえは良いが、どちらかと言えば「堅苦しさで息が詰まりそうになる」の方が近い。その点、台湾人との食事はリラックスでき、心から楽しめる。

 

 
 最後に台湾を訪れたのは、2019年8月のこと。夏休みを利用して、実家のある北九州空港からスターフライヤーで桃園空港まで飛んだ。日本の旅館業界とも交流の深い、徐銀樹氏が経営する台北市内の「京都商務旅館」に4泊し、北投温泉のホテルにも1泊した。

 
 徐さんから台湾交通部観光局の方や、さまざまな人を紹介していただいた。突然新幹線の切符を渡されて新竹のホテルに向かい、そのまま宿泊したことも。徐さんの車で北投温泉まで連れて行ってもらい、美味しいと評判の屋台の店で食べた牛肉麺も印象的だった。折しも台風が台湾に向かっており、間一髪で桃園空港を飛び立った。

 
 「京都商務旅館」滞在中はロビーで夜遅くまでお酒と食事を楽しんだ。ロビーには毎晩、徐さんの友人や知人が訪ねてきて、いつだってにぎわっていた。言い尽くせぬほどお世話になったお礼をまだ果たせていないなか、コロナ禍で台湾に行くことができないでいる。

 
 19年は5月中旬に、台北国際観光博覧会が開催され、私は取材で台湾を訪れている。その時も「京都商務旅館」に宿泊し、徐さんやその仲間たちとロビーでお酒を飲み、徐さん自らが包丁で切ってくれたマンゴーなどを満喫した。

 

 
 前年の18年3月には、台湾中部の嘉義県でランタンフェスティバルが開催され、取材で訪れた。鄭所長とも台湾のどこだったか忘れてしまったが、人混みの中でお会いした。

 
 翌4月には、弊社主催の第5回「旅館100選」商談会のために、台北市を訪れた。台湾の旅行社と、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」に入選した宿泊施設との商談会は盛況だった。その流れで、旅館関係者らと深夜まで食事やお酒を飲み交わし、情報交換を行った。台湾を訪れると、食事が美味しいし、お酒好きな人も多く、「美食」な記憶が色濃くなる。

 
 その前年の17年12月にはプライベートで台北を訪れた。旅行新聞と提携紙の「旅奇」(TRAVEL RICH)の劉厚志部長との会合で、弊社の石井貞德社長も訪台しており、夜は一緒に食事をさせていただいた。

 

 
 こうして思い出してみると、新型コロナウイルスが発生する前までは、台湾に立て続けに訪れていた。台湾で過ごした時間や、現地でお会いした人たちの情景がしばしば思い浮かぶ。私は今、多くの人たちと同じように、いわゆる「台湾ロス」状態にある。

 

(編集長・増田 剛)