NAA21年実績、貨物が過去最高 旅客数は開港以来最低

2022年2月1日(火) 配信

田村明比古社長。「国内線はオミクロン株の拡大で2月は19年比で約6割になる」と見越した。

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が1月27日(木)に発表した2021年の年間航空発着回数は、前年比5%減の12万9776回、航空旅客数は同50%減の524万4194人と大幅減となった。このうち、国際貨物便の発着回数は同37%増の5万961回と過去最高だった。旅客便の運休や海上コンテナ不足で、臨時の貨物便が運航されたことが主な要因。

 国際線旅客数は同74%減の189万3477人と5月に開港した1978年以来、最低だった。日本人旅客数は同84%減の45万2124人、外国人は同79%減の67万887人。20年1~2月ごろは、新型コロナウイルスによる渡航制限が21年同月よりも緩かった。

 一方、「新型コロナウイルスの影響が大きく出た」という4~12月の比較では、21年同期における国際線旅客便の発着回数は前年同期比49%増の3万6987回、旅客数は同66%増の157万3033人。東京2020オリンピック・パラリンピックの関係者や海外駐在員などの出入国で改善した。

 国内線は21年年間の発着回数が前年比7%減の2万8262回。旅客数は同4%増の335万717人となった。

 田村社長は「9~10月と年末に旅行需要が増えた」と説明した。

8割まで回復 国内線は旅行需要増

 1月1(土)~22日(土)までの国際線旅客便の発着回数は、前年同期比29%増の3299回、出国旅客数は25%増の4万9500人だった。

 国内線発着回数は同97%増の2615回。19年比では約8割まで回復した。

 田村社長は「国内線は年始に、旅行を目的とした旅客が増加したが、オミクロン株の拡大で1月は19年比で約7割、2月は6割ほどになる」と見越した。

新春の風物詩「長浜盆梅展」3月10日まで開催 今年で71回目 

2022年2月1日(火) 配信

長浜盆梅展

 長浜観光協会(岸本一郎会長、滋賀県長浜市)は、新春の風物詩である「長浜盆梅展」を3月10日(木)まで開いている。今年で71回目の開催。

 会場の135年を迎える慶雲館の座敷に紅白の盆梅がずらりと並ぶ姿は何度見ても圧巻という。新館では、昨年に引き続き、米原在住の切り絵作家・早川鉄兵氏とのコラボ展示を行っている。夜間ライトアップ期間中は、新しく「竹灯り」が登場。また、新館2階の茶席と土産コーナーも充実させた。別途料金で盆梅体験やプレミアムガイドなども行っている。

 土・日曜日、祝日は夜間特別企画「盆梅×竹灯り」を実施。幻想的な竹灯りと盆梅展との競演が楽しめる。

 また、地域で開催中の「きもの DE 長浜」を盛り上げるべく、着物で来場すると無料で入館できるほか、3月22日(火)まで長浜盆梅展フォトコンテストを募集している。なお、会場で三脚の利用はできない。

 盆梅展は大人800円、小中学生が400円。通常の開場時間は午前9時~午後5時まで、ライトアップ時は午後8:30まで。

箱根温泉のロゴマークを募集中! 3月25日まで

2022年2月1日(火) 配信

誰でも応募可能

 箱根温泉旅館ホテル協同組合(神奈川県・箱根町)は1月28日(金)、Webサイトやパンフレット・ポスター・イベントなどで使用する「箱根温泉」のロゴマークの募集を開始した。デザイン技術や経験を問わず、プロでもアマでも応募できる。 

 デザインは、箱根温泉のブランドPRにつながり親しみやすく、印象に残るもので「箱根温泉」の漢字4文字を入れ込むこと。ロゴマーク縦横比は、3:4から4:3の範囲で、ホームページ・名刺・パンフレットなどに使用するにあたり、汎用性・展開性を求める。なお、応募作品は、オリジナルかつ未発表のものに限る。

 応募受付は3月25日(金)午後5:00必着まで。4月中旬に当組合の選考委員会で最優秀作品を決定する。最優秀作品1点には、「箱根温泉」宿泊券10万円、優秀作品4点には「箱根温泉」宿泊券2万円、佳作1点に「箱根温泉」宿泊券1万円を贈る。未成年が受賞した場合は、商品券などに代えるという。

 応募や詳細は箱根温泉旅館ホテル協同組合のホームページへ。

「観光革命」地球規模の構造的変化(243) ホテルの栄枯盛衰

2022年2月1日(火) 配信

 オミクロン禍によって重苦しい初春を迎えている。とくに観光・旅行業界はコロナ禍の長期化で極めて深刻な打撃を受けている。

 1月25日(火)の報道では、北海道の老舗企業カラカミホテルズアンドリゾート(札幌)が洞爺湖温泉のホテル「洞爺サンパレスリゾート&スパ(1978年開業、324室)」と「ザ・レイクスイート湖の栖(2019年開業、80室)を3月末に東京都の不動産関連会社に売却するとのこと。カラカミは1953年に唐神呉服店として創業し、65年に「ニュー阿寒ホテル」を開業し、宿泊業に参入した。

 当初「カラカミ観光」の名称で大型施設と低価格路線で成長し、95年に道内観光業で唯一の上場を果たした。その後、業績低迷で2021年4月には札幌・定山渓温泉の「定山渓ビューホテル(647室)」を通販大手のベルーナに売却し、ニュー阿寒ホテルも売却を検討している。

 一方、1月20日(木)の報道では、北海道旅客鉄道(JR北海道)は米国のホテルチェーン大手マリオット・インターナショナルと提携し、23年に着工する札幌駅南口の再開発ビルに、マリオット最上級ブランドのホテルを開業すると発表している。30年に予定される北海道新幹線札幌延伸や冬季五輪招致活動などを見据えて、国際都市機能の充実と富裕層の受け入れ強化をはかろうとしている。

 マリオット・インターナショナルは全世界で7900以上の宿泊施設を運営し、特典会員は全世界で約1億5千万人。既に北海道では「東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブ」や「ウェスティンルスツリゾート」など6カ所を運営。

 まさに北海道でも「ホテルの栄枯盛衰」が顕著に生じているが、現実には新年早々の報道では「札幌市内の宿泊施設などが人手の確保に苦慮している」と報じられている。コロナ禍の深刻化でホテルなどに勤めていた人が職を失い、他業種に転職したために観光業の人手不足が深刻化している。また観光人財を育成する専門学校でも入学希望者が減少しているために、コロナ禍が収束しても、観光分野の人手不足のために十分なサービスを提供できない危惧が生じている。

 観光・旅行業界は長期的な視野で「人への投資」を真剣にはかり、優秀な人財の育成・確保に努める必要がある。

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

JTB、担当役員を配置へ 「IR・万博推進室」を新設

2022年1月31日(月) 配信

JTBロゴマーク

 JTB(山北栄二郎社長)は2月1日付で、ツーリズム事業本部地域ソリューション事業部内に「IR・万博推進室」を新設する。

 あわせて、IR(統合型リゾート)誘致の表明や、2025年大阪・関西万博の中心地である大阪を活動拠点とする、大阪IR・万博担当役員を配置。業務の適正な運営体制に加えて、対象地域や関係事業者との連携体制を強化する。

 (2月1日)【担当役員】執行役員ツーリズム事業本部西日本エリア広域代表兼大阪IR推進担当兼大阪・関西万博推進担当・大阪駐在(執行役員ツーリズム事業本部西日本エリア広域代表)北村豪

ギフティ、3自治体などと「旅先納税広域連携コンソーシアム」設立へ

2022年1月31日(月) 配信

オンライン会見には参画する3自治体の首長も出席した

 eギフト事業を展開するギフティ(東京都品川区)は1月21日(月)、国内の観光人口の拡大とふるさと納税の寄附拡大に向けた観光経済支援策の取り組みとして、岡山県瀬戸内市と山梨県笛吹市、北海道伊達市の3自治体と1団体、1企業の6者で「旅先納税広域連携コンソーシアム」を設立した。同社が展開する、ふるさと納税の一種「旅先納税」で、広域連携し、新たなふるさと納税文化醸成へ向け普及活動を展開していく。

 長期化するコロナ禍で、地域の観光関係事業者や飲食事業者などは厳しい事業環境を強いられている。観光回復の目途は立たないが、観光再開を見据え、観光誘致やふるさと納税の寄附拡大に向けた準備を進める活動として、今回コンソーシアムを立ち上げた。

 旅先納税は、スマートフォンから旅の途中でも即座にふるさと納税ができ、その場で返礼品として、その地域で使用できる地域デジタル通貨「e街ギフト」が受け取れる。2019年11月に岡山県瀬戸内市が導入以降、現在は5つの自治体が採用している。

 同社の森悟朗執行役員は同日の設立オンライン会見で、ふるさと納税は納税者の10%しか行っておらず、残るブルーオーシャンの割合が高く期待が持てると紹介。旅先納税で「現状、カタログショッピングとなっているふるさと納税の新たな文化を作っていきたい」とした。「コンソーシアムで、どのようなカタチが納税者や、地域の事業者に恩恵があるか、全自治体の課題や取り組み、成果を共有することで検討していく。広域連携による付加価値の創出を目指し、ふるさと納税が地方創生のチャネルの土台となるよう、一同で頑張りたい」と意気込んだ。

 同席した瀬戸内市の武久顕也市長は「我われの旅先納税はまだ十分とはいえない。今後、横展開で認知度を高めるため、ほかの自治体と成功事例を共有し、新たな取り組みにつながるよう展開していきたい」と力を込めた。

JTBなど、大阪で水上旅行を 「リムジンボート&コンシェルジュ」

2022年1月31日(月) 配信

オーダーメイド型水上旅客サービス「リムジンボート&コンシェルジュ」を始める

 JTBと一本松海運、フリープラスは1月28日(金)、大阪のオーダーメイド型水上旅客サービス「リムジンボート&コンシェルジュ」を4月以降に始めると発表した。今後の需要回復が見込まれる訪日外国人旅行客へのサービス提供や、2025年大阪・関西万博へのアクセスも想定した展開を見据えている。

 同サービスは、大阪市内指定エリアの各船着場のどこでも乗船・下船が可能な「リムジンボートの手配」。併せて、目的地の観光施設や飲食店などの予約も行う多言語対応可能な「専用コンシェルジュ」を組み合わせたオーダーメイドの旅行サービスを提供する。船事業者や観光事業者、ホテル事業者、飲食事業者が連携し、事業検証を進めながら、より満足度の高い大阪の自由な水上旅行を演出するという。

水運を利用した広範囲を自由に移動できるサービス

 大阪は、川が都心部をロの字にめぐる回廊があり、「水の都」と呼ばれている。この水運を利用し、より広範囲を自由に移動できるようになる。今後はベイエリアと淀川・宇治川を経て、京都への往来手段としての水上航路の確立も目指す。

 なお、サービス開始に先駆けて、2月中旬に実証事業を実施する。あらかじめモデルコースを設定し、事業関係者に水上起点の大阪観光を体験してもらい、サービス提供に向けた検証を行う。

浅草東武ホテルで「カワイイ」を満喫! ハローキティルームとコラボメニュー楽しむ

2022年1月31日(月) 配信

アニバーサリープラン限定の「ハローキティ ケーキ」

 浅草東武ホテル(東京都台東区)はこのほど、東京都23区唯一のハローキティ ルームと、ハローキティとコラボレーションしたカフェメニューを同時に楽しめるプランを売り出した。「カワイイ」を満喫できる企画として、アピールする。

 特別な日を祝う企画として用意した、ハローキティケーキ付のアニバーサリー宿泊プランは、パティシエ手作りケーキで記念日を彩る。4.5号のプラン限定ケーキが付くほか、スパークリングワイン、宿泊者限定ノベルティ、朝食がセットになっている。料金は1室3万8800円から。

客室「桜天女」

 また、土・日曜日限定のハローキティオリジナルカフェメニュー付宿泊プランは、レストラン「壱之壱」のハローキティコラボメニュー4種類の中から1品が付く。このほか、宿泊者限定ノベルティ、朝食も含まれている。料金は1室3万3200円から。

 宿泊はいずれのプランも、ハローキティルーム「桜天女」か「和モダン」を選択できる。

〈観光最前線〉原一男監督「水俣曼荼羅」

2022年1月30日(日)配信

原一男監督最新作「水俣曼荼羅」

 映画「ゆきゆきて、神軍」の原一男監督が、撮影15年・編集5年の計20年の歳月をかけて制作した最新作「水俣曼荼羅」が昨年11月27日に公開された。3部構成の6時間12分で物語る水俣病についてのドキュメンタリー映画だ。

 とにかく長い。実に2時間映画3本分以上の長さなのだ。ブツブツと文句を言いながらも観てしまう。最後まで目が離せないのだ。面白いというのはこの映画の感想としては少し違う気もするが、ドキュメンタリー映画でありつつも一級品のエンターテイメント映画に仕上がっているということだけは間違いない。

 原一男監督のインタビュー力は天才的で、ここが普通の映画監督とは一味違うところではないだろうか。他に類を見ない。映画の長さもその賜物に違いない。早くも次回作に期待大だ。

【古沢 克昌】

〈旬刊旅行新聞2月1日号コラム〉日々の取材の中で―― 誰かのファイン・プレーを見つけたい

2022年1月29日(土) 配信

 
 旅行新聞新社主催の第47回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」をはじめ、各賞の表彰式が1月14日、東京・新宿の京王プラザホテルで開催した。

 
 年明けからオミクロン株の急激な感染拡大により、昨年に続き中止の可能性を視野に入れながらも、「何とか表彰式は開催したい」との思いは強くあった。2年ぶりに開催でき、全国から受賞者や来賓の方々など、約200人に出席していただいたことに感謝を申し上げたい。

 
 表彰式会場では、検温や消毒、できるだけ接触を減らす受付など工夫を凝らした。

 
 受賞者の中には、久しぶりにお会いするホテル・旅館、観光施設、観光バス、水上観光船の経営者も多く、実際にお目にかかり、新年のごあいさつができたことに、改めて対面で出会うことのありがたさを感じた。

 

 
 今回の「100選」表彰式では、ロゴマークを一新した。

 
 ロゴのデザインは、“日本らしさ”(中央部の赤)をモチーフに、歴史を刻み続ける「伝統」(ダークブラウン)、プロが選ぶ「信頼」(白)を配色している。さらに、日本を代表する「栄冠」と、未来への「発展」――のデザインを組み合わせたビジュアルとなっている。

 
 旅行新聞新社の石井貞德社長は表彰式の冒頭、「受賞された皆様の努力と誇りに見合う観光業界を代表する賞として、さらなるブランド価値を高めていく」と決意を表明した。

 
 これに伴い、表彰楯も一新した。従来の楯よりも大きく、「100選」や「30選」に選出された施設の「誇り」を表す、威風堂堂としたデザインとなった。

 
 旅館やホテルであれば、フロントの奥に飾れるように配慮した。「ぜひ日本全国、世界中からのお客様を迎えるときに、表彰された証として目立つところに掲示してもらい、受賞施設の皆様と共に育てていきたい」(石井社長)と受賞者にも協力を求めた。

 

 
 「100選」表彰式の会場で、昨年12月に発表した「日本ツーリズム・オブ・ザイヤー2021」の受賞者の表彰も行った。

 
 旅行新聞新社が日々の取材や営業活動のなかで、観光業界に大いに参考になると評価した企業を表彰するもの。第1回の2021年は、グランプリにリーガロイヤルホテル東京(中川智子社長、東京都新宿区)、優秀賞には「札幌観光バス」(福村泰司社長、北海道札幌市)と、SUWAガラスの里(岩波太佐衛門尚宏社長、長野県諏訪市)の2社を表彰した。本紙紙面でも、グランプリ、優秀賞の取り組みを深く取材して紹介していく予定だ。

 

 
 観光業界にもさまざまな賞が存在する。宿泊客が採点する賞も多種多様にあるようだ。日ごろ努力されている施設や企業が、さまざまな視点や角度から表彰され、多くの人に注目されることで、業界が少しでも元気になり、誇りを持てるようになればいいと考えている。

 
 作家の山口瞳が「誰かのファイン・プレーを見逃さず、見つけ、紹介することに物書き(ジャーナリスト)の存在価値がある」といったようなことを書いてあった。アンチコメントや批判にあふれた社会だが、本当に読んで爽やかになる一文は、他人の良きところに気づき、敬意、尊重する姿勢で書かれたものである。

 

 (編集長・増田 剛)