東武トップ、実証ツアーを実施 ワクチン接種証明アプリで

2021年10月26日(火) 配信

スマートコロナパスを提示して来場

 東武トップツアーズ(百木田康二社長、東京都墨田区)は10月21日(木)~22日(金)、観光庁の「ワクチン・検査パッケージ」技術実証の対象ツアーを実施した。同社に2022年入社予定の内定者を対象とした研修旅行で、同ツアーから運用を始めたワクチンパスポートアプリ「スマートコロナパス」の実証実験も行った。

 スマートコロナパスは、国内でも利用者が多いLINE上で動作する民間のワクチンパスポートアプリ。同社とソーシャルデータバンク(伊藤俊輝社長、東京都港区)、アローリンク(蓬莱和真社長、兵庫県神戸市)、NoCode Japan(中川賢史朗代表、東京都足立区)の4社が共同で開発した。

 同アプリは、自治体や観光事業者、イベント事業者のLINE公式アカウントを登録するだけで、専用アプリをインストールすることなく各種サービスを利用できる。新型コロナワクチン接種済証やPCR検査結果、抗原検査結果を登録して提示することで、観光事業者などがアプリの管理画面から、接種済証や検査結果を確認できる。

アプリ画面

 加えて、旅行前後の健康チェック機能を有し、事業者側が回答内容や未回答者の有無を事前に確認可能。ほかにもツアー内容や店舗情報、イベント内容などの旅程情報を掲載でき、旅のしおりとして活用できる。

 同ツアーは内定者77人のうち58人が参加した。1日目の東京スカイツリー(東京都墨田区)で、スマートコロナパスの実証実験を実施。参加者はアプリ画面を掲示し、接種済証や検査結果を確認したうえで来場した。

 参加者からは、同アプリに対して「LINEでできるのが簡単で便利」と好評のうえ、旅行会社の一員として今後、ワクチンの普及によって旅行需要の回復に期待の声が上がった。

【札幌観光バス】大型バス運転体験ツアーを開催

2021年10月26日(火)配信

滑走路を貸し切り、運転を体験

 札幌観光バス(福村泰司社長、札幌市清田区)は2021年10月16日(土)、自社企画の日帰りバスツアー「夢が叶うとき♪大型バス運転体験と札幌観光バス車庫めぐり」を実施し、全国各地から15人が参加した。

 公有地を貸し切り運転体験を行うため、普通免許のみで参加できる、札幌発着の企画だ。札幌観光バス本社では、バスに乗車したまま洗車機をくぐる体験や、点呼台にてアルコールチェックと点呼を実施。白手(白い手袋)をつけて、本社構内で、指導員(現役ドライバー)のもと運転講習も行った。

 「スカイポート美唄」(美唄市)では、800メートルの滑走路を2時間貸し切り、2台の大型貸切バスに分かれて運転を楽しんだ。バスはいずれも、三菱ふそうのエアロエース、マニュアル車。1人ずつ交代で、計2周し、直線の運転や蛇行、後退などを体験した。

記念撮影

 札幌観光バスではこれまで、新車バスの納車時点検に立ちあうバスツアーやバスガイドによる音声番組配信など、観光バスやバスガイド付きのバス旅行を身近に感じてもらい、ファンになってもらう取り組みにも力を入れている。

京都市が持続可能な観光に向けてCP 「KYOTO again! ~京のため、明日のためにできること~」

2021年10月26日(火) 配信

京都観光モラルへの賛同求める(写真はイメージ)

 京都府京都市と京都市観光協会は11月1日(月)から、市民や観光客を対象にしたキャンペーン「KYOTO again! ~京のため、明日のためにできること~」を開始する。持続可能な観光の実現に向けて、市民生活との調和や環境・景観の保全などを記した「京都観光行動基準(京都観光モラル)」に沿った行動の実現を促進する。

 同CPでは、京都観光モラルの趣旨に賛同し、新型コロナウイルスワクチン接種証明またはPCR検査などで陰性が分かるものを提示した人を対象に、キャンペーン参加店舗で特典や、次回観光時に利用できる食事券などが当たる抽選応募券を用意する。

 CPへ参加するには、京都市観光協会公式LINEを友だち追加し、質問へ回答。京都観光モラルの趣旨に賛同し、「許可する」をタップすれば完了する。参加証の入手は11月1日から可能。期間は12月31日(金)まで。

クラツー、茨城のダムツアー インフラの魅力を観光で

2021年10月25日(月) 配信

紅葉が美しい飯田ダム

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都新宿区)は11月、茨城県の委託を受けて同県内のダムなどのインフラを行程に組み込んだモニターツアーを実施する。一般非公開となっているダムの内部を特別見学できる少人数ツアー。観光素材としての魅力を検証し、ツアー商品を開発していく。

 同社は今年8月、同県と「インフラツーリズムモニターツアー事業」の委託契約を締結。今回のモニターツアーは、同県守谷、土浦、水戸市出発の日帰りバスツアー2コースを売り出した。

 17日(水)の県北エリアを巡るツアーは、十王ダム(日立市)と小山ダム(高萩市)の普段は入られない監査廊などを案内人付きで見学する。明治時代に発電を始めた国の重要文化財である、石岡第一発電所(北茨城市)の一般非公開の館内も見学できる。10人限定。

 26日(金)の県央エリアを巡るツアーは、那珂川から霞ヶ浦へ水を送る霞ヶ浦導水・那珂機場(水戸市)、飯田ダム(笠間市)の普段は入られない操作室などを案内付きで見学できる。20人限定。

霞ヶ浦導水工事事務所内の那珂機場

 旅行代金は各3990円。昼食はツアーで巡ったダムの構造を表現したダムカレーを味わえる。特典として、ダムやダムカレーなどを紹介する「インフラカード」3種に加えて、オリジナルカードホルダーが付く。

 なお、今回のモニターツアーで得た知見は、茨城出発のほか、東京など大都市圏発着のツアーでも生かして行く考えだ。

農業体験などで新たな川崎の魅力発信 東武トップツアーズが川崎市民限定ツアー

2021年10月25日(月) 配信

模擬せり見学やミニクリスマスツリーづくりなど体験

 東武トップツアーズ(百木田康二社長)は11月13日(土)に実施する、神奈川県川崎市在住者限定の「北部市場とトカイナカヴィレッジでものづくり&農業体験」ツアーを売り出した。

 川崎市は、南部に日本有数のコンビナートを有する京浜工業地帯が広がる一方、北部は多摩川沿いの丘陵地に自然豊かな緑地が広がり、都会に近い場所で里山や農作業を身近に感じることができる。

 今回のツアーは川崎市観光協会と協力し、地域住民に新たな川崎の魅力を知ってもらうため、川崎市中央卸売市場北部市場での模擬せりの見学やミニクリスマスツリーづくり、生田緑地に隣接する“イナカをアソブ“体験型施設「トカイナカヴィレッジ」での野菜収穫体験、川崎市街の高層ビル群を望む多摩川浅間神社からの夜景観賞を体験を盛り込んだ。

 ツアー代金は1人8950円で、申込みは東武トップツアーズ横浜支店で10月27日(水)まで受け付けている。

シュミレーター体験でパイロット気分! ジャルパックが羽田発着の周遊チャーターツアー

2021年10月25日(月) 配信

11月27日出発限定のツアー

 ジャルパック(江利川宗光社長)は11月27日(土)出発の1泊2日で、「フライトシミュレーター体験付き!滑走路側のお部屋に泊まる!JAL×羽田エクセルホテル東急チャーター周遊フライト2日間」ツアーを実施する。周遊チャーターフライトにフライトシミュレーター体験と羽田エクセルホテル東急での宿泊を組み合わせた、パイロット気分が楽しめる企画。

 フライトシミュレーター体験は、羽田エクセルホテル東急と「LUXURY FLIGHT羽田本店」に設置されているものを利用する。フライトシミュレーター体験のあとは、実機に搭乗して空の旅を楽しむ。

 チャーターフライトは、JAL国際線用のボーイング737-800型機を使用。機内ではフライトシミュレーター操縦を振り返りながら、当日のフライトがどのように行われるのか現役パイロットが操縦解説を行う。また、事前に募集した質問にも、当日パイロットが直接答えてくれる。

 なお、チャーターフライト前日には羽田エクセルホテル東急の滑走路側の部屋に宿泊。翌日のフライトへの旅情を盛り上げる。

 ツアー料金はビジネスクラスの窓側から並び2席が14万4000円(1人7万2000円)、エコノミークラスは窓側から並び3席2人利用で11万円(1人5万5000円)、窓側から並び3席3人利用は15万3000円(1人5万1000円)、窓側1席は6万5000円、通路側1席は5万6000円。

 申し込みは10月26日午後11:59まで。以降はキャンセル待ちを受け付ける予定。

会津トラベルサービスがファム 絶景×美食で誘客 「ここでしか味わえない」旅

2021年10月25日(月)配信

手作りバターをのせて、山野辺シェフが仕上げを

 会津トラベルサービス(木村洋介社長、福島県会津若松市)は9月29日、南会津の雄大な高原牧場を会場に、1日限りのアウトドアレストランで食事を楽しむ、「『ここでしか味わえない』旬の旨味【絶景】×【美食】ファムツアー」を開き、マスコミや観光事業関係者ら15人が参加した。

 取り組みは会津バスが受託した観光庁の「地域の観光資源の磨き上げを通じた域内連携促進に向けた実証事業(福島県沖地震等の風評対策)」を活用したもの。アウトドアレストランツアー「Food Camp(フードキャンプ)」を手掛ける孫の手トラベル(山口松之進社長、福島県郡山市)が企画協力した。

 今回の舞台は那須連峰の麓、下郷町にある金子牧場。標高約700㍍の酪農に適した高原地帯で、乳牛48頭、ジャージー牛12頭を飼育している。なかでもジャージー牛の生乳は全国的に生産量が少なく、乳成分が高くミネラルを多く含むのが特徴だ。牧場長の金子正彦さん案内で牛舎見学をしたあと、体験メニューとして人気の「バター作り」を楽しんだ。

牛舎を案内する金子さん

 ツアーの目玉は、生産者と共に食卓を囲むことで得られる「食の感動体験」。手作りバターもランチを彩る素材の1つとなった。5品のコース料理は、銀座や葉山で腕を振るい、現在は下郷町でフランス料理レストランを経営する山野辺宏シェフが担当。地元で採れた松茸がふんだんに入ったスープや奥会津牛のローストなどを堪能した。山野辺シェフは「青空の下で料理を提供するのは新鮮。楽しみながら協力しています」と、顔をほころばす。

 企画を担当した会津トラベルサービスで着地型旅行を企画する渡部実係長は「地域の連携を深めることで深掘りしたコンテンツを開発し、観光誘客につなげたい」と意気込む。今回と10月に実施するファムツアーでの声を受け、中身をブラッシュアップさせたい考えだ。

「観光人文学への遡航(16)」 パラオに学ぶ島としての日本のコロナ対策

2021年10月24日(土) 配信


 パラオ共和国のフランシス・マツタロウ大使がこのたび、帰国されることとなった。元々の任期は昨年までだったのだが、コロナの広がりによって任期が延長され、ようやくグアムとの定期便も再開されたことから、帰国の予定が立った。

 
 パラオは1994年の独立以来、観光業を国の基幹産業に据え、その美しい海に魅了された人はもちろん、第2次世界大戦の激戦地ペリリュー島を中心に、遺骨収集や慰霊のために訪問する人が絶えずいた。

 
 印象深いのは、現在の上皇・上皇后両陛下が2015年にペリリュー島をご訪問されたことである。両陛下のご訪問は現地で大歓迎を受け、ペリリュー島ではご訪問を受けた4月9日が現在も祝日となって、後世まで語り継いでいこうという強い意志を感じる。

 
 そのパラオは、国際観光がコロナによって停止され、観光関連産業も大打撃を被っている。フィリピン人をはじめとする観光関連産業の従事者も本国への帰国を余儀なくされた。私の教え子が1人パラオで現地ガイドとして活躍していたが、彼女も帰国してきた。

 
 しかし、そのような状況下においても、観光関連産業には国家が保障して、倒産を回避しながら、徹底した入国制限を行っている。

 
 その結果、いまだにパラオのコロナ感染者は累計でも0のままである。小さな島国で、医療体制も十分であるとは言い切れない状況だから、ひとたび感染が広がってしまったらとんでもないことになってしまうため、そこは徹底した入国制限をしている。

 
 おかげで、とくに中国人観光客の激増に伴って危ぶまれた環境への負荷が減少し、珊瑚や毒のないクラゲとともに泳ぐことができるジェリーフィッシュレイクのクラゲの数も元通りの数になってきたそうである。今のコロナ危機は、観光地の環境再生だとポジティブに考えているようである。

 
 日本において、最多の感染者を発生させ、自宅療養という名の医療崩壊を招いた第5波は、明らかに東京オリンピック・パラリンピックに伴う入国者の増加と、当初関係者が主張していたバブルが形成できなかったことによる。入国者を自由に活動させたら、感染が広がるに決まっている。

 
 もう今回のオリ・パラで、個人旅行にバブル形成は期待できないことがわかったはずだ。ならば、コロナ後のインバウンドの復活は、個人旅行ではなく、団体旅行で再開すべきなのではないか。

 
 そこには、今まで我が国の旅行会社に蓄積された数々のノウハウが生きてくる。お題目ではない真の安心安全を、旅行者にも、そして旅行者を受け入れる観光地に住む地元の人々にも提供するために、旅行会社が今までのノウハウを結集して、団体旅行で実施すべきだと強く主張したい。 

 
 自国民に負荷がかかるインバウンドの復活を大多数の国民は求めていない。

 

コラムニスト紹介 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。日本国際観光学会会長。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

旅のUDアドバイザー開講1周年記念 「私の旅のユニバーサルデザイン」②  学び(情報)のアップデートが重要――介護旅行ナビ代表、鹿児島県旅行業協同組合ソリスター 堤 玲子氏

2021年10月23日(土) 配信

介護旅行ナビ代表、鹿児島県旅行業協同組合ソリスター 堤玲子氏

 私は「介護旅行ナビ」という、1人では外出が難しい人に付きそう同行サービスを行っています。

 
 また、鹿児島県旅行業協同組合と、ソリスター契約を結び、ユニバーサルツーリズムプランナーとして企画、手配をし、年齢や障害、性別に関わらず、多様な方が「旅行」を通して、生きがいや、楽しみをもっていただけるよう奮闘中です。

 
 ツアーメニューは、お客様が「行きやすい場所」ではなく、「行ってみたい場所」を中心に造成しています。事前にお客様への配慮が必要なことを聞き取りさせていただき、いかにしてご要望を叶えるか知恵を絞ります。

 
 排泄のことなど、ナイーブなこともお聞きしないといけないため、言葉を選びながら、失礼にならないよう心掛けています。

 
 行程の作成には、目的地の段差の有無、トイレの設備など、事前調査に時間がかかるのですが、「私に旅ができるなんて夢みたい」などのお声がうれしくて、楽しく取り組んでいます。

 
 なかでも「プレミアムな旅」と称して、小学生から高齢者、車イスや盲導犬ユーザー、LGBTの方もご参加いただいたツアーは、「通称、ごちゃまぜツアー」と呼ばれました。

 
 大型リフト付きバスが満席となり、障害のあるなしに関わらず、くだもの狩りや、陶芸体験、古民家レストランでのランチを楽しんだ皆様が、まるで家族旅行のような温かい雰囲気で終了しました。

 
 「次はいつ? また、行きたい」というお声があったにもかかわらず、新型コロナウイルス感染症により断念せざるを得なかったのが、本当に残念でした。

 
 でも、こんなときこそ、新しい時代に向けて動き出さねば、と「旅のユニバーサルデザインアドバイザー」を受講しました。

 
 私は外出支援に関する資格を持ち、バリアフリーの勉強も続けてきたつもりですが、今回、受講して、学び(情報)のアップデートの重要性を感じました。

 
 受講内容をヒントに、インバウンド向けのユニバーサルツアーの準備も始めています。いつか、この資格を、介護・福祉に携わる方々にも取得してもらえないかと妄想中です。私にとっての「旅のユニバーサルデザイン」とは、誰もが旅をする希望を失わないでいられる仕組みづくりなのです。

 
 最後に、ことあるごとに思い出す、認知症と診断されたお客様の言葉を紹介します。

 
 「昨日、何を食べたかを忘れても、明日、どこに旅をするかの自由まで手放すわけにはいかないんだよ。旅は僕たち夫婦の希望なんだ」。

飛鳥Ⅱ 104日間の「2023年世界一周クルーズ」実施を発表

2021年10月22日(金) 配信

飛鳥Ⅱ「2023年世界一周クルーズ」実施を発表

 郵船クルーズはこのほど、同社が運航する客船「飛鳥Ⅱ」(5万444㌧)による「2023年世界一周クルーズ」の実施を発表した。

 通算23回目となる世界一周クルーズの航路は、23年4月2日に横浜、翌3日に神戸を出港。アジア、スエズ運河、地中海、西欧、北欧、北極圏、大西洋を渡り、北米東海岸、カリブ海、パナマ運河、北米西海岸、太平洋を経て、7月14日に横浜、翌15日に神戸に寄港する104日間の予定だ。

 陸路・空路で内陸観光を楽しめるランドツアー(別料金/定員制)では、スイスの名峰の絶景や、マチュピチュ(ペルー)など、世界遺産を訪れるツアーも企画している。

 同社は「感染症対策に真摯に取り組み、魅力的な船旅を提供したい」としている。