3つ目の「余暇(レジャー)」の問題は、観光業界全体にもかかわる課題を提供している。すなわち私の理解では、ゲイバーは人類を「平凡人の楽園」と「非凡人の将来」に分けて、レジャーが例え愉楽であっても、それらを自分自身の経験的叡智としてチャージできるか、あるいはその機会をディスチャージ(浪費)のみで過ごしてしまうか、2つの隘路をイメージしているようだ。本来、レジャーとは人間を「自由にさせる時間」のことであるが、その時間を強靭な思考の基盤にするのが「非凡人」であり、平凡人は享楽だけで終わらせてしまう。核戦争を破棄させ永続する幸せ社会を創造するのが非凡人の未来的役割であり、平凡人は悦楽に身を委ね戦争を阻止できず食糧危機を回避させることはできない。ゲイバーが書いた本のタイトルは「INVENTING THE FUTURE(未来を発明する)」。このコンセプトは「未来は予測できないが、それを発明することはできる」という有名なキーワードとなって語り継がれてきた。