トラベロカ、日本に本格上陸 東南アジアへの旅行者増見込み、交流人口の差是正へ

2025年5月28日(水) 配信

シーザー・インドラ社長(左)と柴田聡子さん

 東南アジアを中心に展開するOTAトラベロカ(Traveloka、シーザー・インドラ社長、シンガポール)は5月28日(水)、日本でのサービスを本格的に開始した。

 トラベロカはシンガポールやインドネシア、マレーシア、タイ、オーストラリアなど7カ国でサービスを展開。2012年の創業以来、予約アプリのダウンロード数は1億4000万回を超え、4000万人以上のアクティブユーザーが利用している。航空券やホテル、アクティビティ、旅行保険、データ通信、旅行用品など旅に必要なあらゆるコンテンツがまとめてそろうことが特徴。

 同日に開かれた発表会でシーザー社長は「東南アジアで日本への旅行需要が高まるなか、東南アジアへの日本人旅行者数はコロナ禍から着実に回復しており、今後も増加するだろう。一方相互交流人口には差があり、日本市場への参入で不均衡を是正したい」と進出の理由を説明した。

 2025年4月25日(金)~5月5日(月)に実施したセールでは、航空券やホテルなどを特別価格で提供。取引数は期間前の14日間と比べ、約50%増加したことから、「東南アジアへの旅行ニーズと手頃な価格への関心は高い」(シーザー社長)と分析している。

 こうしたなか日本人ユーザーの拡大に向け、同社は日本法人Traveloka Japanを設立している。

 具体的には、東南アジア中心に展開してきたことを強みとして、豊富な在庫を保有し、価格競争力のある商品や穴場スポットなどを提案する。日本人に安心して旅行へ出掛けてもらおうと、日本語によるチャットやメールでのカスタマーサポートも24時間提供。午前8時~午後10時には日本人オペレーターが電話で応対する。また、日本人向けの国内の航空券や宿泊施設、体験などの予約サービスも行う。

 日本での認知度を高めようと、6月1日(日)からシンガーソングライターで、全国のCDショップ店員の投票によって選ばれる第17回CDショップ大賞2025において、大賞に選ばれたCDアルバム「Your Favorite Things」をリリースしている柴田聡子さんが社名をラップソングで歌うCMを公開する。

 さらに、6月16日(月)~7月13日(日)に新規ユーザーでトラベロカアプリを利用したした人に最大1万8000円分のクーポンを贈る。

JATA海外旅行アンバサダーに岩田剛典さん就任 CMなどで海外旅行の魅力発信

2025年5月28日(水) 配信

JATAの髙橋広行会長(左)と岩田剛典さん

 日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)はこのほど、海外旅行拡大プロジェクト「もっと!海外へ」の「JATA海外旅行アンバサダー」にEXILE、J SOUL BROTHERSのメンバーとして活躍するアーティスト・俳優の岩田剛典さんを任命し、5月28日(水)に就任式を行った。同日午後3時から、JATA公式YouTubeでハワイで撮影した岩田さんのWebCMを公開する。

 2024年度の日本人海外渡航者数はコロナ前の約65%と伸び悩んでおり、JATAは海外旅行の回復に向けて、3月から「もっと海外へ!」を展開。3月24日からは「新パスポート取得キャンペーン」として、各社や空港会社、各国・地域の政府観光局がさまざまな取り組みを行っている。

 JATAはこれらをさらに推進するため、初となる海外旅行アンバサダーに岩田さんを起用。髙橋会長は「岩田さん自身が海外への熱い想いを持っている。今後、さらにグローバルで活躍したいという姿勢が我われの想いと重なった」とし、幅広い層から支持があり、とくに若い世代への影響力があることを起用理由に挙げた。海外旅行の回復が遅れている要因については、経済的な理由に加え、コロナ禍の3年間に完全に海外旅行がストップしたことによるマインドの低下だと指摘。「強力なインフルエンサーである岩田さんの発信力で機運醸成をはかり、若い人に海外へ出掛けてほしい」とし、「マーケットの反応が楽しみだ」と期待した。

 岩田さんはアンバサダー就任に際し、「まさか自分がという思いだった」と素直な気持ちを語ったうえで、「30代半ばでこれからの仕事と向き合い方を考えたときに、海外に向けてアプローチをしたいと思った年次だった。タイムリーで嬉しい。とても光栄です」と喜んだ。

OXクイズで景品の地球儀を贈られた岩田さん

 会では、○✕クイズにも挑戦。見事正解を当て、景品の地球儀をゲットする場面もあった。司会を務めたJOYさんとの海外旅行トークセッションでは、日本人のパスポート取得率が約17%という数字に対し、「もっと多いと思っていた」と驚き、「皆さん(取得を)お願いします!」と呼び掛けた。岩田さんは「海外旅行はシンプルに楽しい。海外旅行で色々な刺激やパワーを取り入れて、日々の活力にしてもらえたら。海外旅行の魅力を少しでも伝えていきたい」と意気込んだ。

 6月1日からは、SNSで「岩田さん×もっと!海外へ」キャンペーンを開始する。海外旅行に行って、「#もっと海外へ」のハッシュタグをつけた写真を投稿すると、抽選で岩田さんがハワイのロケで選んだグッズやCDなどが当たる。

 今後、CMはほかの国でも撮影を行うことを検討しており、第2弾、3弾と発表していく予定だ。なお、岩田さんのアンバサダー任期は2026年3月末まで。

【JTB】役員人事異動(6月1日付、30日付)

2025年5月28日(水)配信

 JTBは5月23日(金)に開いた決算取締役会で新しい役員人事を決めた。正式には6月30日(月)に開催予定の定時株主総会および取締役会で決定する。

(5月31日)

 【退任】常勤監査役 小林高広

(6月1日)

 代表取締役兼専務執行役員ビジネスソリューション事業本部長(取締役兼専務執行役員ビジネスソリューション事業本部長)大塚雅樹

 常勤監査役(代表取締役※5月31日付で退任)花坂隆之

(6月30日)

 取締役兼専務執行役員ツーリズム事業本部長(専務執行役員ツーリズム事業本部長)西松千鶴子

 取締役〈非常勤〉沢登正行

 独立社外取締役〈非常勤〉上垣内猛

【退任】

 取締役〈非常勤〉小崎博子

 取締役〈非常勤〉加藤克己

フジドリームエアラインズ(FDA)、定時運航率世界1位に(25年4月ランキング)

2025年5月28日(水) 配信

高い定時運航率を誇るFDA

 フジドリームエアラインズ(FDA、楠瀬俊一社長、静岡県静岡市)は、世界の航空関連データを提供する英国のOAG(Official Airline)が発表した定時運航率で、2025年4月の月次ランキングで世界1位を獲得した。定時運航率は、定時から15分以内に到着した便の割合を示す指標。

 FDAは、24年6月に国土交通省が発表した「航空輸送サービに係る情報公開」において、特定本邦航空運送事業者(10社)と、特定本邦航空運送事業者以外の事業者(8社)の合計18社のうち、20席以上の航空機を運航する全16社のなかで、23年度定時運航率が94.94%となり、第1位を獲得している。

 同社は「これからも安全を最優先に、お客様の利便性のため、定時性の高い運航を目指すべく社員一同努力を続けてまいります」とコメントしている。

「アンダーズ 名古屋」 2034年以降に開業予定

2025年5月28日(水) 配信

 ハイアットホテルズコーポレーション(マーク・ホプラメジアン社長兼CEO、本社:米国イリノイ州シカゴ)は5月26日(月)、中部圏で初となる「アンダーズ」ブランドのホテルを、名古屋駅地区再開発計画のビル内で、2034年以降に開業の予定と発表した。

 名称は「アンダーズ 名古屋」。名古屋鉄道(髙﨑裕樹社長、愛知県名古屋市)とハイアットの関連会社が締結したホテル運営契約に基づいて、ハイアットが運営する。

 リニア中央新幹線の開業に伴い、名古屋市などが進める名古屋駅の「スーパーターミナル化」に合わせて、名古屋鉄道は「再開発ビルの一角を担い、顔となるホテルのブランド」として、アンダーズを採用した。

 ハイアットのライフスタイル・ポートフォリオに属するアンダーズは、東京・虎ノ門ヒルズの「アンダーズ 東京」を含む30ホテルを世界中で展開している。

オンライン旅行業界のトレンドや課題紹介 「WiT JAPAN & NORTH ASIA2025」開く

2025年5月28日(水) 配信

国内OTAセッションのようす

 オンライン旅行業界の国際会議「WiT JAPAN & NORTH ASIA2025」が5月26、27日の2日間、東京都内で開かれ約300人が参加した。今回のテーマは「ニュージェネレーション(次世代)」。2012年から開催されている同会議は、05年にシンガポールで始まったWiTカンファレンスの東京版で、日本や北アジアの観光関連スタートアップの多様性やオンライン旅行市場のトレンド、課題などを紹介している。

 このなかで、毎年恒例の国内オンライン旅行会社(OTA)によるセッションが今年も行われた。モデレーターを務めたのは同会議創設者で、ベンチャーリパブリック社長の柴田啓氏。JTBとリクルート、楽天グループ、またスタートアップからKabukが参加し、4社が現況や近未来の展望などを語った。

 詳細は旅行新聞紙面7月1日号で掲載する予定。

JTB連結決算、2期連続で売上1兆円超 営業利益も計画を達成

2025年5月27日(火)配信

山北栄二郎社長

 JTB(山北栄二郎社長)が発表した2024年度(24年4月~25年3月)連結決算によると、売上高は前年同期比1.2%減の1兆732億8200万円と2期連続で1兆円を超えた。営業利益は同50.9%減の148億6200万円、経常利益は同51.4%減の166億4300万円、当期純利益は同61.2%減の85億8400万円となった。

 減収減益となったが、海外事業の拡大に向けたグローバル人財の確保やDXなど、将来の成長や経費構造改革に向けた投資を積極的に進めた計画通りのもので、営業利益では当期計画から同28%増を達成した。将来に向けた先行投資について、山北社長は「JTBグループの未来を築くうえで不可欠。今後の成長の原動力になると確信している」と説明した。

 24年度は、世界的な人流を捉えたグローバル事業が大きく成長。海外、訪日、第三国間旅行の需要を捉えた取り扱いや、国内外の国際イベントでの関連事業や第三国間の取り扱いを拡大した。旅行外事業(商事・決済領域)が好調のほか、中長期の成長に向け幅広い分野へ積極的に投資した。

 部門別の売上高は、国内旅行が4360億円(同6%減)、海外旅行が2243億円(同41%増)、訪日旅行が622億円(同14%増)、第三国間旅行が1118億円(同27%増)となり、旅行事業の合計は同9%増の8343億円となった。一方、旅行以外の事業は新型コロナ関連の受託事業が減少したこともあり、同25%減の2390億円だった。

25年度の通期見通し、グローバル事業拡大へ

 25年度の通期見通しでは、将来に向けた先行投資を継続し、売上高は1兆2980億円、営業利益120億円を目指す。当期は中期経営計画フェーズ3「成長・飛躍」(25~28年度)の初年度で、各事業のさらなる成長に向けた重要な年度と位置づけている。

 今後、グローバル事業のさらなる拡大を目指して、①シートインコーチ②グローバルDMC③ホスピタリティ――の3つの主要な戦略により、山北社長は「圧倒的なポジショニングをつけていきたい」と強調した。

ダイブ、ワーホリ外国人材が前年比35%増 訪日客の増加や人手不足で

2025年5月27日(火) 配信

 宿泊施設へ人材派遣・紹介事業を行うダイブ(庄子潔社長、東京都新宿区)は5月22日(木)、2025年5月にワーキングホリデービザを活用し、同社の紹介で日本の観光施設において就業する外国人人材が、前年同月比で35%増加したことを発表した。訪日客の増加や人手不足が主な要因。

 このうち、群馬県では草津温泉をはじめとする観光地での需要増加で、前年比約10倍と大幅に伸びた。長野県でも、スキーリゾートや温泉地での受け入れが進んだ結果、前年比約2.2倍となった。また前年に就業実績のなかった広島県では今年、複数人が受け入れられた。

 ワーキングホリデー制度は、18歳以上30歳以下の若者が、最長1年間滞在し、旅行を主目的としながら、滞在資金を補うために一定の就労が認められる制度。日本は、オーストラリアやカナダなど20以上の国と地域と協定を結んでいる。

「アゴダ」創業20周年、日本市場向けに技術投資 日本法人代表の大尾嘉氏に聞く

2025年5月27日(火)配信

アゴダインターナショナルジャパン代表取締役の大尾嘉宏人氏

 ホテルや航空券、アクティビティなど旅行商品を提供するグローバル旅行プラットフォームを運営する「Agoda(アゴダ)」が、5月19日に創業20周年を迎えた。外資系OTA(オンライン旅行会社)として、独自のテクノロジーで旅行需要を捉え、日本国内での実績を伸ばしている。本紙は、日本法人であるアゴダインターナショナルジャパン代表取締役の大尾嘉宏人氏に取り組みや今後の展望を聞いた。

【聞き手=本紙編集長・増田 剛、構成=長谷川 貴人】

――日本市場を振り返り、アゴダが広く知られ実績を伸ばす現状に至った転機と取り組みについて教えてください。

 アゴダは2005年に設立され、当時から日本でもサービスを利用できましたが、日本での本格的な業務開始は08年からとなります。その後、技術や開発といったテクノロジーにフォーカスすることを目指し、エンジニアを拡充して開発に力を入れたことが大きな転機となりました。

 おかげさまでアゴダのモバイルアプリは、中国を除くアジア地域で最もダウンロードされたOTAアプリとなることができました。技術への投資が功を奏したことが、ポイントの1つになります。

 2つ目のポイントはコロナであり、振り返ると企業の成長にとって大きな影響を与えました。コロナ禍でインバウンドとアウトバウンドが一時的に消失しましたが、そのような期間でも旅行をしたいというユーザーのファンダメンタル(根本的)な意欲や力強さが分かり、非常にトラベルの可能性を確信でき、テクノロジーに対する投資の後押しになりました。

 とくに、日本ユーザー向けにユーザーエクスペリエンス(UX)を改善し、予約においてマッチング精度の向上に力を入れました。一方、宿泊施設も子供料金の設定のほか、リッチコンテンツによる朝食や夕食、客室設備などの特徴を細かくプランに掲載できるように設計するなど、日本向けにローカライゼーション(現地化)を重視しました。これによって、コロナ以降も国内旅行の宿泊予約サービスとして継続して掲載いただくことができ、さらに実績を伸ばすことができました。

 こうした結果、アゴダにとって日本が一番大きいマーケットになりました。アゴダの予約において、都市別では1位が東京、3位は大阪、7位に福岡が人気で、日本の3都市がトップ10に入っています。アゴダ自体がアジア地域に強いのもありますが、それを踏まえても1番予約されている目的地に東京が選ばれたということです。

 25年第1四半期の検索数ベースでは、国内旅行が前年同期比31%増、アウトバウンドが同30%増、インバウンドが同35%増となり、すべて3割増と好調です。

大尾嘉氏はこれまでの取り組みや今後の展望を話した

 ――宿泊予約サイトを日本向けに使いやすくした反響はいかがですか。

 非常に大きいです。昔のアゴダでは夕食の項目にディナーとしか記載できず、日本のホテルや旅館が提供する夕食や朝食の創意工夫を伝える術がありませんでした。

 日本の宿泊施設は独特で、食事のプランだけで何十種から選べたり、客室にお菓子が用意されていたり、館内設備が豊富で泊まるだけの場所ではなく、旅体験に加えておもてなしを受けることができます。OTAとして……

成田国際空港(NAA)新社長に藤井直樹氏(元国土交通事務次官)

2025年5月27日(火) 配信

藤井直樹氏

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)は5月27日(火)、新社長に元国土交通事務次官の藤井直樹氏が就任すると発表した。6月20日(金)に開く株主総会と取締役会で正式に決定する。

 藤井 直樹氏(ふじい・なおき)  1961年生まれ。83年3月東京大学法学部卒業後、同年4月運輸省入省。2004年7月国土交通省総合政策局国際観光推進課長、06年同自動車交通局保障課長、08年7月同航空局空港部首都圏空港課長、15年9月同自動車局長、17年7月同鉄道局長を経て、22年6月同国土交通事務次官に就任。23年7月同顧問、24年7月損保ジャパン顧問などを歴任。