神姫しらさぎ会 「連携で価値向上を」 西村会長就任後初の総会

2023年8月2日(水)配信

西村総一郎会長

 神姫バスグループ(兵庫県姫路市)の協定施設で組織する「神姫しらさぎ会」(会長=西村総一郎・西村屋ホテル招月庭社長、184会員)は7月19日、姫路市内のホテルで2023年度通常総会を開いた。

 会長を12年間務めた前会長の岩﨑元孝氏(依山楼岩崎)が昨年7月に逝去したため、今年1月に理事の互選で西村氏が会長に就いた。

 西村会長はあいさつで全旅連の青年部長や、日本旅館協会で耐震改修促進法や民泊、Go Toトラベルキャンペーンなどに取り組んだ経緯を紹介し、「コロナ禍を経て自力が試される時期に入ってきた。付加価値を高め、高い商品を買っていただき、それを投資に回していくことが重要だ」と強調。そのうえで、「高い商品を買ってもらうためには、宿泊や交通、観光施設などが連携して旅行商品全体として満足度を上げていかなければならない」と述べた。

 同会顧問で神姫バスの長尾真社長が、グループの業績を報告した。「グループの22年度の利益はコロナ禍前の水準を確保できた。神姫観光としても同年度は黒字計上となったが、120両あった観光バスを80数台まで縮小させ、運転手やガイドをグループ各社へ派遣するなどして、収支を合わせた結果だ。個人客は戻っているが、団体は6割程度の戻りだ。業績の良い企業を中心に豪勢な旅行へのニーズがあり、それをうまく掴んでいきたい」と話した。

 議事では事業計画や収支予算など所定の議案をすべて決定した。

 今年度も神姫グループと会員の連携強化をはかり、送客拡大を目指すため、バス1台につき2万5千円を補助する「集中送客キャンペーン」を継続実施する。

【土橋 孝秀】

NAAなど、高校教員に初めて空港視察会開く 働く魅力紹介し人材確保へ

2023年8月1日(火) 配信

空港視察会では現場作業の見学、航空関連企業の社員との座談会などを実施する

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)と成田空港活用協議会(佐久間英利会長)は8月3日(木)、高等学校の教員を対象とした「空港視察会」を初めて開催する。

 人手不足が航空関連業種の一部で課題となり、成田空港のさらなる機能強化で同業種の採用ニーズが一層高まることが予想されるなか、高校生に航空業界で働く魅力を紹介してもらうことで、人材確保につなげる。

 空港視察会では、普段立ち入ることができない制限エリアや現場作業の見学、航空関連企業の社員との座談会などを実施する。千葉県と茨城県の教員26人が参加する。

拝観券がオンラインチケットに 退蔵院、参拝者の利便性向上へ(アソビュー)

2023年8月1日(火) 配信

退蔵院イメージ

 アソビュー(山野智久CEO、東京都品川区)は8月1日(火)から、臨済宗大本山妙心寺退蔵院(京都府京都市)で、電子チケットサービス「ウラカタチケット」の提供を始めた。通常拝観券のほか、お茶席での抹茶・お菓子付き拝観券、飴玉を使った禅体験「ひと粒の禅」のオンライン化に対応し、国内外の参拝者の利便性向上に貢献する。

 現地での各券種購入や支払いを不要とすることで、拝観受付の混雑緩和や、参拝者や訪日外国人の利便性向上を実現する。

 通常拝観券は一般600円、小中学生300円。拝観券+抹茶・お菓子付きは1100円、小中学生800円。拝観券+「ひと粒の禅」は900円、小中学生600円。

 購入は、退蔵院公式HPのリンクから。アソビュー上でも取り扱っている。

 退蔵院住職の松山英照氏は、「電子チケットの導入で幅広い参拝者にアプローチができるようになり、国内外から参拝者が増えることに期待する。現地での支払いを不要とすることで、参拝者のさらなる利便性や満足度向上を目指す」とコメントした。

サービス連合、新会長に櫻田あすか氏 選ばれる業界に向け地位向上へ

2023年8月1日 (火) 配信

櫻田あすか新会長

 サービス連合(後藤常康会長)は7月18日(火)、帝国ホテル(東京都千代田区)で2023年度定期大会を開き、任期満了に伴う役員改選で新会長に櫻田あすか副会長(帝国ホテル労働組合)を選任した。

 7月31日(月)に開いた会見で櫻田新会長は「我われの産業では人手不足で回復する需要に対応できない事案も発生した。人材確保と採用競争力の強化へ労働環境の改善は欠かせない」と語った。さらに、「労働集約型の観光業が日本の基幹産業として持続的に発展するには、労働者から選ばれる業界になることが必須となった。産業の地位向上へも運動を展開していきたい」と抱負を述べた。

 女性の組合員が多い産業であることから、「多様性の視点を持ち、ジェンダー平等への活動にも力を入れる」とした。

 同日には6月19日までに集計した2023年春闘のまとめも発表。これによると、20組合の賃金改善額は9471円と過去最高となった。

 櫻田会長は「産業の回復が見え、社会的な賃上げの機運も高まったことが主な要因」と語った。そのうえで、「労使が労働集約型である我われの産業に人材への投資の必要性を強く感じていることを踏まえ、腰を据えて話し合った結果だ」と話した。

 20組合のうち、ホテル・レジャー業は1万73円で、合意組合数は22年の5組合から9組合に増えた。ツーリズム・航空貨物業は9303円。合意した組合は22年の6組合から11組合に増加した。

 また、75組合の夏季一時金は前年同期比0.38カ月増の1.53カ月。このうち、ホテル・レジャー業は同0.31カ月増の2.34カ月。話し合いが終了した組合は22年の25組合から39組合に増えた。ツーリズム業は同0.96カ月増の1.00カ月。合意組合数は22年の25組合から28組合に増加した。

 今年は2030年度までに組合員数を10万人に増やす目標に向けて、未組織労働者に組合結成を促す。とくに、約50万人が未組織という宿泊業へ組織化を推進していく。

 また、コロナ禍による加盟組合の活動停滞で交渉力が弱まっていることを受け、6つの地方連合会の解消によって人材と財政を集約し、加盟組合への支援に傾注していく。

 弁護士が相談受付 12月まで毎月1回

 同連合は8~12月まで毎月1回、宿泊や旅行、国際航空貨物業、派遣業(添乗員)で働くすべての人を対象に弁護士が電話で対応する労働相談を行う。

 開催日は毎月26日。8月は25日(金)、11月は16日(木)となる。時間は午後4~7時。

 同連合は「相談内容の秘密は厳守される。1人で悩まず相談してほしい」と呼び掛けている。

ジョルダン、とさでん交通の路線バスと路面電車 一日乗車券をスマホで

2023年8月1日(火)配信

リーフレット

 ジョルダン(佐藤俊和社長、東京都新宿区)は8月1日(火)、とさでん交通(樋口毅彦社長、高知県高知市)が販売する「バス・路面電車一日乗車券」をモバイルチケットで売り出した。ジョルダンが運営するアプリ「乗換案内」から、スマートフォンで購入できる。

 「バス・路面電車一日乗車券」は、路線バスのとさでん交通をはじめとした各路線と路面電車(市内均一区間)が一日乗り放題となるお得なチケット。県交北部交通の全線、高知東部交通の高知~安芸線、高陵交通の須崎~西芝線、嶺北観光自動車の田井~医大病院線を含む。このうえ、高知のグルメやシーカヤックなどの体験プラン、高知城歴史博物館など、高知県内の38カ所の施設で利用できる優待特典クーポン付き。

 同サービスの提供により、「バス・路面電車一日乗車券」をキャッシュレスで購入できるため窓口の営業時間や並ぶ時間にとらわれず、スマートフォン1つで、高知の移動がより便利になる。

 価格は税込で大人1800円、子供900円。

秋田市・男鹿市・潟上市が連携 「あきた観光パスポート」開始

2023年8月1日(火) 配信

観光情報やお得なクーポンを配信

 秋田県秋田市と男鹿市、潟上市の3市はこのほど、連携事業で情報発信サービス「あきた観光パスポート」を開始した。観光情報の発信やエリア内の周遊促進、消費促進を目指す。

 パスポートは、スマートフォンアプリ「LINE」を活用して3市の共同アカウントを開設。観光客が現地を訪問する際に必要な観光や土産、飲食店などの情報、クーポンを一元的に提供する。

 3市は位置情報を活用した現地での周遊促進や、クーポン提供による消費促進のほか、利用者の行動をデータとして蓄積。旅ナカでの情報提供にとどまらず、定期的なメッセージ配信などで旅アト、旅マエを包括して観光のリピーターやファン拡大を狙う。

 観光スポットや観光コースを写真付きで掲載し、マップで紹介するほか、観光案内も可能。また、インバウンド向けに英語と中国語(繁体字)の多言語に対応している。

オリエンタルホテル 東京ベイ 最上層2フロアを「The Orientalフロア」に改装

2023年8月1日(火) 配信

南仏プロヴァンスの地中海をイメージ

 オリエンタルホテル 東京ベイ(千葉県浦安市)はこのほど、最上層2フロア(11~12階)の客室をリニューアルし、8月1日(火)から供用を開始した。

 「ベビーズスイート」、「キディスイート」という0歳児から6歳児がいる家族向けの客室で構成していたフロアを、旅行需要の高まりに合わせファミリー層から学生グループ、女性グループなどあらゆる需要を取り込めるよう、「The Orientalフロア」に改装した。

 99の客室は、室内を南仏プロヴァンスの地中海をイメージしたブルーを中心に、気品あるゴールドをアクセントに採用し、上質で落ち着いた雰囲気に仕上げている。

 改装後は全室に靴を脱いでくつろげるよう「玄関スペース」を設けたほか、シャワールームやバスルームには、人気美容ブランド「ReFa」のファインバブルシャワーヘッドにドライヤー、ヘアアイロンを設置するなど、「快適な寛ぎ空間」での滞在を心ゆくまで満喫できる環境を整えた。

 オリエンタルホテル 東京ベイは、JR京葉線新浦安駅北口直結の東京ディズニーリゾート®・パートナーホテル。客室数511室、、料飲施設2店舗、大中小の宴会場、チャペルなどを備えている。

フェアメニュー(イメージ)

 現在、同ホテル2階のレストラングランサンクでは、8月31日(木)までの期間限定で、「昭和レトロ」がテーマのランチ、ディナービュッフェを展開している。運営するオリエンタルホテルズ&リゾーツが運営する同ホテルを含めた4ホテルで行われているフェア。

 旧オリエンタルホテル伝統の味を復刻した「神戸ハイカレー」や昭和の定番スイーツ「プリンアラモード」など、昭和を知らない世代も新鮮さを感じられる“懐かしさ”と“新しさ”を兼ね備えたユニークなメニューを多数用意している。

保津川遊船企業組合 「保津川下り」の運航を再開

2023年8月1日(火) 配信

再発防止対策を策定

 保津川遊船企業組合(豊田知八代表理事、京都府亀岡市)は7月17日(月)、転覆事故により休止していた「保津川下り」の運航を再開した。

 運航に際し同社は、学識経験者や関係の行政機関による専門的な助言・指導のもと再発防止対策を策定。同対策項目のすべての 実証を終え、安全運航点検が確認できたことから、再開を決定した。 

 運航再開に際しては、亀岡市が安全対策費として2000万円、雇用支援として500万円を援助した。

 同社では全船に、転落落下防止のつま先ストラップや操船足場のストラップ、転倒防止用の安全ロープ、最新のIP無線機とトランシーバーを設置し、救命具を肩掛け型自動膨張式救命具や固型式救命具に更新した。

 また今後は、身長80㌢以下の子供は乗船不可とし、出向前にはセーフティトークを実施する。加えて船頭は、落水時の避難誘導手法を習得した。

さまざまなプランを割引価格で販売 「食べて!遊んで!ハマって!ハマ旅」キャンペーンをスタート(横浜観光コンベンション・ビューロー)

2023年8月1日(火)配信

コンテンツは順次掲載

 横浜観光コンベンション・ビューローは8月1日(火)、「食べて!遊んで!ハマって!ハマ旅」キャンペーンをスタートする。

 横浜の多彩な魅力を満喫できるさまざまなプランを割引価格で販売する企画で、割り引き上限は、最大2千円。販売期間は2024年2月29 日(木)までで、予算上限に達し次第、受付を終了する。

 販売するコンテンツは、若者からシニア層まで幅広く利用できる「遊ぶ」と、夫婦やカップルなどが特別な日を横浜で過ごす際の利用に最適な「食べる&泊まる」の2つのカテゴリーに分けて用意する。

 食と宿泊を組み合わせたプランを販売する「食べる&泊まる」のカテゴリーでは、宿泊ホテル内レストランでの食事だけではなく、市内にあるレストランと組み合わせたプランも造成することで、横浜で楽しめる食体験を訴求。割引額は、実際の支払金額により変動させる予定だ。

 キャンペーン特設ページでは同日から、順次、「工場夜景クルーズと中華街で選べるディナープラン」、「セグウェイでヨコハマ人気スポット巡りツアー&YOKOHAMA AIR CABIN」、「ヘリコプター搭乗体験&横浜人気スポット5景めぐりバスツアー」などのツアーを掲載していく。

 コンテンツのラインナップは、横浜観光の定番商品として人気のあるものに加え、新規に複数の施設を組み合わせたツアーなども造成し、横浜を初めて訪れる人だけではなく、リピーターの人にとっても新たな発見があり、何度でも横浜を楽しめるよう工夫する。

 担当者は「夏から冬までシーズンごとにお得に楽しめる観光キャンペーンが始まります。訪れる皆様が『横浜』の食やアクティビティ、ホテル宿泊など多彩な魅力を満喫できる様々なプランをご用意しております。何度来ても楽しい横浜の魅力に触れていただき、思い出に残る素晴らしい旅をお楽しみください」とPRする。

〈旬刊旅行新聞8月1日号コラム〉団体旅行復活へ――送客・受入両方が根を張って存在する

2023年8月1日(火) 配信

 コロナ禍の制限がなくなり、まちや観光地が活気を取り戻しているのはいいことだが、よく利用するスーパーマーケットや、居酒屋、飲食店などは、「スタッフ急募」の貼り紙が入口付近にずっと掲示されている。

 

 時給を見ると、最低賃金レベルのところが多く、「この時給ではなかなか人は集まらないだろうな」と思う。原材料費の高騰や、エネルギーコストの上昇など、経営者にとっては逆風ばかりの状況で、時給を上げることもままならないことは容易に想像できる。

 

 帝国データバンクがこのほど実施した、企業の「正社員・アルバイト」従業員動向調査によると、総従業員数が「減少(戻っていない)」した割合が最も高かったのは、ホテル・旅館などの「宿泊業」で、62・4%と約3分の2を占める。2番目は「飲食店」で58・3%という結果となった。3位は「娯楽業(パチンコホールなど)」だ。

 

 一方、総従業員数が「コロナ前水準(減少の割合が低い)」だった業種は、「医療業」がトップ。2位は「自動車・自転車小売」、3位は「農林水産」、4位は「職別工事」、5位は「専門サービス」と続く。

 

 

 人手不足は、コロナ禍の前から宿泊業や飲食業で大きな問題となっていた。従業員がいないため、やむなく満館にせず予約を制限する宿や、アルバイトがいないために夕方から店を閉める飲食店も見受けられた。

 

 その人手不足の状態のまま、突如新型コロナウイルスの感染が拡大し、およそ3年間にわたり行動制限が繰り返し出され、宿泊業界や飲食業界から多くの人材が離れていった。

 

 団体客を安く受け入れる宿泊業界は薄利の代表格だったが、近年は「高付加価値化」事業に向けた補助制度などを活用して、使われていない宴会場を、客単価の高い個人化に切り替えて、客室や個室食事処に改修し、宿泊単価を高めていく動きが一層加速している。宿泊客の満足度が上がり、利益が増えた宿は一定の成功を収めたと言える。

 

 

 最近は個人や小グループの旅行がコロナ禍前と比較して遜色ないほど回復している。他方でコロナ禍で最も大きなダメージを受けたのは、団体旅行だ。

 

 コロナ禍で団体旅行が完全に消失したため、「団体客を捨てる」決断の“最後の一押し”となり、大広間を潰した宿は多い。1つの方向性として、勇気ある決断として尊重したい。

 

 

 一方で、3年間一度も使われなかった宴会場を、さまざまな葛藤の末に残し、団体旅行の復活を期待する宿も全国にたくさんある。

 

 旅行業界には、「旅行会社が団体客を旅館に送客する」という主軸があった。旅行会社と車の両輪として旅館や土産物施設、その仲介的な役割として案内所などが存在し構成されていた。やがて個人化やIT化が進み、一般旅行者がスマートフォンを片手に宿や航空券、新幹線などを予約する流れが主流となり、業界の人と人の結び付きは、年々薄くなりつつある。

 

 団体旅行の復活へ徐々に動きが出ているなかで、先日、団体客を受け入れている旅館経営者の生の声を聞く機会があり、久しぶりに旅行業界らしいなと、新鮮な感じがした。団体旅行を扱う人たちは今もしっかりと根を張って存在している。団体を送客する旅行会社と、受入側の旅館や、土産物施設を応援したい。

 

(編集長・増田 剛)