原田農園 ワイナリーとカフェ参入 4月22日グランドオープン

2023年5月4日(木)配信

原田農園のワイナリー外観

 群馬県沼田市で観光農園を手掛ける「原田農園」(原田良美社長)はこのほど、ワイナリーおよびカフェの運営事業に参入した。本社近くの遊休地にワイナリーとカフェを建設。原田農園が果実酒の製造免許を取得し、県産品種のリンゴ「ぐんま名月」を使ったシードルの醸造に取り組む。カフェでは自社で採れた果物を使ったドリンクなどを提供する。

【古沢 克昌】

 新設したワイナリー「利根沼田果実酒醸造所」とカフェ「フルーツカフェ」の両施設の総面積は、2千平方㍍以上で今年2月に完成した。国の事業再構築補助金を活用したほか、群馬銀行や農林中央金庫、日本政策金融公庫から開業支援の融資を受けた。

 原田農園は1952年5月創立。リンゴ農園として創業し、現在はイチゴ、サクランボ、ブルーベリー、桃、ブドウなどの果物から野菜、キノコなど幅広い種類で観光農園を運営する。建設したワイナリーは4月上旬に稼働させ、まずはリンゴを原材料とするシードル醸造を行う。ワイナリーでのジュース類も含めた生産量は年間1万9400㍑が目標。地元産のブドウを使用したワインや、他の果実酒の生産も検討している。

 製造した商品は本社に併設された直売所やカフェで販売する。醸造には自社で収穫した果物を使うほか、近隣の農園で収穫されたものも買い取る計画で、規格外品も一部使用し、廃棄量を減らしてSDGs(持続可能な開発目標)を推進する。

 カフェではイチゴシェークやリンゴジュースなど、自社栽培の果物を使った飲み物を提供し、自家製バウムクーヘンなどの土産品も販売する。現在は本社で実施しているジャム作り体験などもカフェに移行し、今後は自社商品の魅力を発信する拠点にしたいという。

 3月1日にプレオープン、4月22日にグランドオープンした。原田農園子会社の原田ファーム(群馬県・昭和村)が運営を行う。

 原田農園はフルーツ狩りが売上の大半を占めており、コロナ前には年間約50万人が訪れていた。外出自粛となったコロナ禍は大打撃を受け、観光客数は約1割にまで落ち込んだ。 

 同社の原田光敏取締役は「観光客が激減したなかで収穫した作物をどう消費していけばいいのか悩んだ時期もあった。加工品にすることで長期間楽しめる特産品を作り上げたい。カフェではフレッシュな状態で提供できる場を増やしたいと考えて開業した」と話している。

 問い合わせ=原田農園 ☎0278(22)3991。

地域振興の具体策 行田おもてなし観光局設立 市と連携し県内第3の観光都市へ(行田市)

2023年5月3日(水) 配信

吉松良祐氏(左)と富山紀和事務局長

 市内の神社が設置した花手水がSNS(交流サイト)で話題となり、注目が集まる埼玉県行田市。21年には「観光」による地域振興の具体策として、行田おもてなし観光局(地域DMO)が設立され、市とDMOが連携し観光地形成に向けた取り組みを進めている。「行田市を川越市、秩父市に並ぶ県内第3の観光都市に」と意気込む行田市環境経済部商工観光課、観光グループの吉松良祐氏と、行田おもてなし観光局の富山紀和事務局長に展望を聞いた。

観光振興目指しDMO立ち上げ

 行田市は埼玉県名の発祥となった埼玉古墳群や忍城など多彩な観光資源はそろっていたが、観光地としての知名度が高い場所ではなかった。しかし2012年、忍城を舞台とした映画「のぼうの城」が話題となったのを皮切りに、「田んぼアート」が15年に絵柄の面積が世界最大であると認められギネス世界記録に認定、17年には市内でロケも行われたテレビドラマ「陸王」が放送されるなど、観光に関わるトピックスが次々と重なったことにより飛躍的に注目度が高まった。

 地域DMOの設立はこうした追い風が吹くなか、地域全体で「観光」を切り口とした地域振興の機運が高まったことが嚆矢となった。

 行田市環境経済部商工観光課、観光グループの吉松良祐氏は「地域DMOの立ち上げは、観光振興への具体策として最初に手掛けた事業です。観光の専門組織であるDMOが観光データの収集・分析をはじめとしたマーケティングや戦略的なプロモーション、観光関連施設の運営などを行い、観光行政の方針の決定や観光関連のハード整備などは行政が行う。役割分担を明確にすることで、観光振興を効率的、効果的に進めることが狙いでした」と当時を振り返る。

 説明会を開き市民への協力を要請するなど約2年の準備期間を経て21年1月、行田おもてなし観光局を設立、3月には、観光庁の観光地域づくり候補法人(地域DMO)として登録された。

 現在は市が観光行政の方針の決定や観光関連のハード整備、フィルムコミッション事業を実施。観光局は、観光データの収集・分析をはじめとしたマーケティングや戦略的なプロモーション、観光関連施設の運営、各種旅行事業の展開に努めている。

観光地を目指し土産物施設整備

物産館店内

 21年4月、「観光物産館ぶらっと♪ぎょうだ」がリニューアルオープンした。店内では、埼玉銘菓としても有名な十万石ふくさやの十万石まんじゅうや山本の奈良漬などの地元の名産品と、観光局が開発した商品を販売。なかでも大きな反響を呼んでいるのが市内の事業者と開発した「行田の餃子」で、年間約9千袋売れている。この餃子は皮には主にうどん粉として用いられる行田の地粉「あやひかり」が使われており、こしがありモチモチとした食感が楽しめるのが特徴。餃子はプレーンとチーズ、行田の在来の枝豆入り(期間限定)と水餃子の4種類で展開しており、22年12月にはJR行田駅前観光案内所に自動販売機も設置された。

 行田おもてなし観光局の富山紀和事務局長は「行田が観光地になるために重要なことの1つが、『お土産を買う場所が整備されていること』だと思っているので、売り場づくりでは観光客の期待に応えるという意識を大切にしました。同時に、これまで利用していただく機会が少なかった市民の方々に日常的に利用していただける場所にしたいという思いもありました。今では市民の方が餃子を買いにこの場所を訪れ、合わせて色々なものを購入してくださるので、売上も伸びています」と成果を語る。

 そのうえで、「観光物産館の売上が伸びることで、市民の協力と信用も得られ、新しいことにも挑戦ができる環境が整い始めています。また売上という目に見える成果を示せることは、DMO成功のカギだと感じているので、今後も観光地化に向けた新商品の開発にも力を入れていきます」と語る。

地域の回遊を生む約100カ所の花手水

市内の花手水

 20年4月、行田八幡神社が設置した花手水がSNS(交流サイト)で話題になった。この状況に対し市は訪れた人へのおもてなしとして花手水の数を増やそうと、近隣住民への声掛けを開始。その後、市民からも「設置したい」という声が上がり毎月2週間限定のイベント、「行田花手水week」へと発展。今では神社仏閣に加え商店、民家の軒先約100カ所に花手水が置かれるまでになり、中心市街地の回遊が生まれた。

 また、同イベント中、一夜限定で花手水をライトアップするイベント「希望の光」も行われており、開始した21年4月から23年3月までの18回でのべ5万2千人が来場し、約1億2千万円もの経済効果をもたらした。

 加えて、これらのイベントなどにより市内の主要観光施設の入込客数はコロナ前である19年の45万3808人から、22年には72万4931人へと大幅に増加、花手水を置く商店の売上増にもつながっている。「イベント期間を2週間に限定し、ライトアップを1日だけにしたこと、さらには暑さで長く花が持たない7~8月と、寒さが厳しく人があまり外出しない1月はイベントを中止したことなど、さまざまな要素がプラスに働き、参加する市民の皆様が負担に感じずに続けていただけていることもイベントが発展し続けている要因の1つ」(観光局・富山事務局長)。

 花手水を置く商店の関係者も、「取り組みを始めてから、中心市街地を歩く人が増え、なかには何回も足を運んでくださる人もいる。きれいな花を浮かべることで多くの人に足を止めてもらえ、写真も撮っていただけるので、励みになっています」とイベントの効果を語った。

 地域に賑わいを呼び込んだ同イベントは今年2月、地域資源を積極的に活用し、地域と協働で、知名度向上に貢献している点などが高く評価され、地域活性化センター主催の「第27回ふるさとイベント大賞」で「ふるさとキラリ賞(選考委員会表彰)」を受賞した。

 こうしたなか、市商工観光課の吉松氏は次の展開は「インバウンド誘致」と語り、「行田花手水をフックに、忍城や埼玉古墳群、足袋蔵など代々受け継いできた歴史的遺産を国外に対してもプロモーションをしていくことで、海外からの来訪につなげていきたい」との方向性を示す。

市と局が連携深めブランド形成へ

 行田市の観光地化に関し、「秩父市、川越市に並ぶ第3の観光都市にする」ことを目標に掲げる市商工観光課の吉松氏と観光局の富山事務局長。実現に向け吉松氏は「両者が連携を深めながら観光施策を推進することが、地域経済のさらなる発展と、埼玉県第3の観光地としてのブランドの形成、確立につながる」と強調。

 観光局の富山事務局長は、「観光でまちを活性化させるにはとにかく来ていただける人を増やすことが必要になります。そうしたなかで昨年度は、行田市の実施した貸切バスによる団体型旅行促進事業助成金事業により、1万5千人以上の方を呼び込むことができ、たくさんの方に行田を知っていただきました。これからも引き続き、我われの使命である市の観光地化の推進と県内外への情報発信の基盤整備を着実に進めていきます」と決意を語った。

城崎文芸館で麦わら細工職人展開催 大麦の藁原料の桐箱や色紙など展示(城崎温泉観光協会)

2023年5月2日(火) 配信

特別展のポスター

 城崎温泉観光協会(会長=高宮浩之・山本屋社長)は9月末まで、城崎温泉ゆかりの作家に関する展示を行う城崎文芸館で、麦わら細工職人である前野治郎さんの特別展を開催している。

 麦わら細工は江戸時代から続く城崎温泉の伝統工芸で、大麦の藁を原料として桐箱や色紙に細工する。兵庫県の伝統的工芸品と豊岡市の無形文化財に指定されている。特別展では、その保存と振興に努めてきた前野さんの作品と思い綴ったパネルを展示する。入館料は大人1人500円、中高生300円、小学生以下200円。同館は城崎温泉街に位置。アクセスは城崎温泉駅から徒歩約5分。

未訪問者5割半ばが1年以内の訪日を予定 「訪日外国人に関する調査・ベトナム」 アスマーク調べ

2023年5月2日(火) 配信

アスマークはこのほど、「訪日(旅行)外国人に関する調査」ベトナム版の結果を発表した

 マーケティングリサーチを行っているアスマーク(町田正一代表、東京都渋谷区)はこのほど、「訪日(旅行)外国人に関する調査」のベトナム版の結果を公開した。調査では、訪日経験は「訪問したことはないが、今後する予定がある」が最も高く、これまでに日本を訪れた人は6割を超えた。また、訪日未経験の人の5割が1年以内の訪日を予定していることが分かった。

 調査は2022年12月26(月)~28日(水)、ベトナムの20~40代の男女(有効回答数300サンプル)にアンケートを行った。

 訪日経験と訪れた時期について、男性に比べ、女性の方が訪日経験あり・半年以内に訪れたと答えた人の割合が高かった。とくに、「女性40代」は、半年以内の訪日が半数を占め、直近の旅行者が多かった。

 また、訪日予定時期を聞くと、5割半ばが1年以内の訪日を予定しており、女性の方が半年以内の訪問意向が高い。

 「円安状況であることは訪日のきっかけになるか」を聞いたところ、「なっている」と答えたのは4割、「とてもなっている」のは3割弱だった。

 日本を訪問するときに楽しみにしていたこと、していることを聞くと、「自然・景勝地観光」が最も高く、「日本の文化体験」や「日本食を食べる・日本の酒を飲む」が同程度で続いた。

参加者100人が無事故祈る 最上峡芭蕉ライン観光が安全運航祈願祭

2023年5月2日(火) 配信

鈴木富士雄社長

 山形県・最上地域を代表する「最上川舟下り」を運行する、最上峡芭蕉ライン観光(鈴木富士雄社長)は4月25日(火)、戸沢村古口の戸沢藩船番所で、安全運航祈願祭を開いた。昨年まではコロナ感染拡大の防止のため縮小して行われていたが、今年は観光関係者100人が参加して無事故を祈願した。

 出羽三山神社の山伏による神事に続き、鈴木社長が「アフターコロナを見据えてグランピング施設や船の改装など大型の投資を進めてきた。今後も安全運航に努めていきたい」とあいさつした。

 また、門真和人東北運輸局海上安全環境部長と西堀公司最上総合支庁産業経済部長、加藤文明戸沢村長がそれぞれの立場で祝辞を述べた。

 会場では、地元の戸沢学園の4年生による「最上川舟唄」が披露された。式典後、関係者や子供たちが試乗船に乗り最上川の景観を楽しんだ。

 

佐藤幸子さん(日本の宿古窯) 「縁」出版のお祝い会開く 全国から親しい女将さんも集結

2023年5月2日(火) 配信

お祝い会に全国から旅館女将が集まった(前列左から5番目が佐藤幸子さん)

 日本の宿古窯の副会長・佐藤幸子さん(山形県・かみのやま温泉)は、2023年4月、永年接してきた各著名人の〝縁〟を「残された言葉」として書き留め、人間味あふれた生き方をまとめた書籍「縁」を発刊した。著者として10冊目で、書肆犀(しょしさい)から出版した。定価1500円(税別)。

 出版をお祝いして親しい女将さんが、かみのやま温泉の「日本の宿古窯」に集まり、櫛壽を迎えた幸子さんと懇親を深めた。

 幸子さんは「からっぽの金庫から、日本の宿古窯を育て上げ、からっぽの段ボール箱をメモでいっぱいにして、9冊ものエッセイを書いた。この〝縁〟が記念すべき10冊目を書き上げた。これからも皆様とのご縁を大切にしていきたい」と話している。

北海道知事認定ガイドと巡る本格的アドベンチャートラベル ジャルパック 

2023年5月2日(火) 配信

星空カヌー

 ジャルパック(平井登社長、東京都港区)はこのほど、北海道知事認定アウトドアマスターガイド・安藤誠氏監修による、水の大地「釧路湿原」と悠久の「阿寒摩周」国立公園をテーマにしたツアーを売り出した。同ツアーは、アドベンチャートラベルの定義とされる「自然」「アクティビティ」「文化体験」を満たす本格的なアドベンチャートラベル商品の第2弾。

 ポイントは、北海道知事認定アウトドアマスターガイド兼プロカメラマンの安藤氏が案内する国立公園の特別保護区や天然記念物エリアで、手つかずの自然の雄大さを楽しめること。その日の天候や顧客の興味に沿ったオリジナルの旅行を安藤氏がプロデュース。トワイライト&星空カヌーで悠久の「阿寒摩周国立公園」などを満喫する。

安藤夫妻

 宿泊は安藤誠・忍夫妻が営む宿、ウィルダネスロッジ・ヒッコリーウィンド。地元鶴居村や北海道産の食材をふんだんに使った食事を提供する。北海道フードマイスター資格保持者の安藤忍氏と一緒に作る日本のスローフード「おむすび」や、天気が良ければ屋外BBQや焚火を囲んだBARタイムなども設ける。

 出発日は7月20日(木)と7月27日(木)、8月3日(木)、8月10日(木)、8月17日(木)、8月24日(木)の6日間。行程はすべて3泊4日。募集人員は60人(1出発日あたり最大10人まで)。旅行代金はダイナミックパッケージのため、変動があるが一例は大人1人26万8000円。

由布院の「金門坑。」、「一休Plus+」に加盟へ(一休)

2023年5月2日(火) 配信

金門坑。

 高級ホテル・旅館の予約サイト「一休.com」を運営する一休(榊淳社長、東京都千代田区)は5月1日(月)、今年4月から大分県・由布院温泉の「金門坑。」が「一休Plus+」に加盟したと発表した。

 「一休.com」の中でもさらに厳選された宿で構成された「一休Plus+」は、国内のオンライン旅行予約サイトでは「一休.com」でのみ予約ができるという。

露天風呂付き離れ客室「藍」

 今回加盟した「金門坑。」は、湯布院の中心街から車でわずか5分にある、幻想的なクヌギの森に点在する小さな村のような宿。雄大な自然に包まれた15室の客室は全室温泉付きで、露天風呂付き離れ客室と、イギリス・コッツウォルズ地方の田舎村をイメージしたメゾネットタイプのテラスハウス棟から選べる。風呂は客室内の温泉のほか、貸切湯3カ所と露天風呂「オン・ザ・ヒル」も設けている。

 食事は「自然の旬を愛でる。」をコンセプトにつくられ、宿泊客によるクチコミの中でも、とくに評価の高い項目。吟味された旬の食材を自然に近いかたちで楽しめる。

弘法大師誕生1250年 5月から記念大法会 高野山キャラバン隊

2023年5月2日(火)配信

「こうやくん」も来社した

 和歌山県・高野山のキャラバン隊が4月13日、本紙関西支社を訪れ、今年の弘法大師空海誕生1250年を記念した大法会をはじめとする各種催しや、ゆかりの地を巡るスタンプラリーなどをPRした。

 来社したのは「高野山真言宗 総本山金剛峯寺」高野山執務公室の藪邦彦室長と山田智広さん、和歌山県観光連盟の成田佳代事業課長と中村佳代プロジェクトマネージャーの4人。

 高野山を開創した弘法大師空海が誕生して今年で1250年を迎えるのを記念し、高野山では、弘法大師の誕生日である6月15日を中心に、その前後となる5月14日―7月9日までの毎週日曜日、「宗祖弘法大師御誕生1250年記念大法会」を執り行う。子供のころから聡明であった弘法大師にあやかり、現代の子供たちが健やかに賢く育つことを願う稚児行列も、大法会に合わせて行う。

 また、同期間中は高野山の金剛峯寺において、主殿の持仏間に安置され、普段は非公開となっている御本尊「弘法大師坐像」を特別公開。今年12月31日までは、記念御朱印を授与するほか、5月13日―7月9日までは、壇上伽藍根本大塔、金堂、金剛峯寺、高野山大師教会、高野山霊宝館、徳川家霊台の6カ所の拝観と、限定記念品が付いたお得な参拝証も販売する。

 このほか、来年12月31日までは、弘法大師ゆかりの地である高野山の金剛峯寺と、生誕地である香川県の善通寺、真言密教の根本道場である京都府の教王護国寺(東寺)の3カ所を巡る「3霊跡巡礼スタンプラリー」を実施。3カ所すべてを回りスタンプを集めた人には、記念品として特製日本手ぬぐいを進呈する。

 一行は「この機会に、ぜひ高野山へお越しください」とアピールした。

山野草の宿 二人静 竹村章氏 地侍の上穂十一騎 大阪のガイドにPR

2023年5月2日(火)配信

天王寺区のガイドに史実を紹介

 徳川方の領地であった旧上穂村(現長野県駒ケ根市)の地侍11人が、大阪の陣において真田信繁(幸村)配下として徳川方と戦った――。駒ケ根高原早太郎温泉「山野草の宿 二人静」健康アドバイザーの竹村章氏が4月11日、大阪の陣の舞台となった大阪府・天王寺区で活動する「てんのうじ観光ボランティアガイド協議会」のメンバーたちに、駒ケ根と大阪を結ぶ隠された史実を紹介した。

 11人の地侍は「上穂十一騎」と呼ばれており、1614年に起こった江戸幕府(徳川方)と豊臣家による戦「大阪冬の陣」において、豊臣方の武将、真田信繁に与するため密かに大阪城に入城。有名な「真田丸」などで活躍し武功をあげたとされる。

 さらに、翌15年の「大阪夏の陣」でも、再び真田配下として参戦。道明寺の戦いや天王寺口の戦いで奮戦するも、最後は11人全員が討ち死を遂げたという。

 彼らが徳川方の支配地域出身であったにもかかわらず、真田のもとに馳せ参じたのは、もともと武田家の属領であったことや、当時、この一帯を治めていた遠山氏の圧政に苦しんでいたこと、彼らが各家の次男、三男であったことなど、さまざまな要因が考えられるが、上穂村の家々が明治のころまで、この事実を外部にほとんど口外してこなかったため、詳細な資料が残っておらず不明な点が多い。

 大河ドラマ「真田丸」が放送された2016年ごろに、竹村氏が上穂十一騎のうちの一家で、今も駒ケ根市に暮らす直系の家族に話を聴き、了承を得たうえで、「上穂十一騎」のことを、もっと広く知ってもらおうと発信を始めた。

 竹村氏はウェルネスツーリズムや千畳敷カールといった駒ケ根市の取り組みや魅力も紹介しながら「駒ケ根市にある光前寺には、上穂十一騎を祀るほこらもあります。皆さんが地元をガイドする際に、この史実を頭の片隅に置いていただくとともに、ぜひ研修旅行などで駒ケ根にお越しください」とアピールした。