全旅連青年部、第2回宿フェス開催 一般消費者や観光業界に47都道府県の魅力紹介

2024年2月20日(火) 配信

(左5番目から)塚島英太部長、菅義偉前首相

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(塚島英太部長)は2月14(水)~15日(木)の2日間、東京ビッグサイトで第2回 宿観光旅博覧会・宿フェス 2024 Ryokan Festival in Tokyo を開催した。一般消費者や観光業界に茶道や書道など日本文化を体験できるコーナーのほか、47都道府県の魅力を発信し、宿泊産業の活性化につなげるイベントに、計3万526人が来場した。

 はじめに、温泉文化のユネスコ登録へ機運を高めようと、「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録推進式典を開いた。

 「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産全国推進協議会の青柳正規会長は「温泉で温まり、浴衣で和食を食べ、おもてなしに癒される行為は、ほかの国にない日本独自の文化。素晴らしい文化を世界に認知させるべきだ」と登録に向けた趣旨を説明した。

青柳正規会長

 さらに、「温泉は全国津々浦々にある。登録で温泉のブランド化をはかることは、全国の宿泊業にとって未来に対する希望となる」と語った。

 来賓の群馬県知事で「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録を応援する知事の会の山本一太事務局長は2000年、自民党観光産業振興議員連盟の事務局長として、全旅連と特別地方消費税の廃止のために活動したことを振り返った。そのうえで「『不可能だ』との声が多かったが、全旅連と力を合わせ、撤廃できた。(登録へ)力を結集し、奇跡を起こしたい」と呼び掛けた。

山本一太知事

 続いて開いたオープニング式典で塚島部長は能登半島地震の発生に触れ「青年部は支援を全力で行う。経済も止めることなく、活性化させていきたい。これにより、さらなる復興支援を行うことができる」と語った。

塚島英太部長

 また、「全国から500を超える地域が参加している。各地の文化や風土、食など地域の知られていない魅力を発信し、宿泊業の活性化につなげてほしい」と呼び掛けた。

 来賓の菅義偉前首相は、「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産登録について「外国人を引きつける魅力として欠かせないのが温泉。日本の温泉文化を守り世界に発信するため、登録に向け全力で政府と党として取り組みたい」と話した。

菅義偉前首相

 また、会場内で行う登録に向けた署名活動の第1号として記名した。出展ブースも見学した。

登録に向けた第1号として記名した

 その後、来賓を交えたテープカットを行い、宿フェスがスタートした。

 会場では47都道府県の魅力を紹介するブースをはじめ、音楽ライブや全国にある部員の宿の宿泊券をプレゼントし、旅行需要を喚起した。

みちのく三大桜名所連絡会議が来社 まつり開催時期を前倒しへ

2024年2月20日(火) 配信

来社された宣伝隊の皆さん

 岩手県北上市、秋田県仙北市、青森県弘前市の3市で構成する、みちのく三大桜名所連絡会議は2月20日(火)、本紙を訪れ今春のそれぞれの桜まつりのPRを行った。

 このなかで、まつり期間を3市とも昨今の開花時期を考え、前倒しで開催すると説明した。

 岩手県北上市の「北上展勝地さくらまつり」は4月4(木)~29日(月・祝)、秋田県仙北市の「角館の桜まつり」は4月15日(月)~5月5日(日)、青森県弘前市の「弘前さくらまつり」は 4月19日(金)~5月5日(日)に開催する。

 北上の桜は約2㌔にわたる桜並木や公園内などに、約1万本の桜が咲く。桜並木の中を馬車や人力車でも楽しめる。角館の桜は武家屋敷群を中心に約400本のしだれ桜が、桧木内川堤には約2㌔の桜並木が続く。弘前の桜は弘前公園(弘前城)にソメイヨシノをはじめ、52種類約2600本の桜が咲く。散った桜が堀を一面に覆う花筏(はないかだ)もおすすめ。

「ホテルコンシェルジュアカデミー」設立 日本唯一のホテルコンシェルジュ養成機関

2024年2月20日(火) 配信

ホテルコンシェルジュアカデミーの特徴

 ホテルコンシェルジュ協会(田隝益美代表理事、東京都渋谷区)はこのほど、日本におけるコンシェルジュの専門人材養成と価値向上を目的として、「ホテルコンシェルジュアカデミー」を設立した。

 訪日外国人旅行者数が回復するなか、ホテルを含む観光業界での人材不足や人材育成の急務が指摘されている。旅行者の要望に応えられるコンシェルジュの需要が首都圏のみだけでなく、地方においても求められているとして、人材育成を行う。

 日本のコンシェルジュ人材育成の課題として、同協会は、「養成プログラムが構成・提供されていないという問題があり、OJTに頼っている状況にある。求められる知識やネットワークの広さから、未経験者や新入社員がコンシェルジュ業務に就くことは難しいとされている」とした。

 同協会では、コンシェルジュの専門人材の養成を目的として、養成プログラムを構築した。長年業務に携わってきたメンバーが、専門の教育・指導を行う場を作り、効率的・効果的なカリキュラムを提供する。

 養成カリキュラムでは、ホテルコンシェルジュ経験者から指導・講義や、実践的なアドバイスを行い、ホテル入社までフォローアップする。さらに、国内のホテルと連携・提携し、実地体験の場を提供する。さらに、国内ホテルへの紹介・採用・派遣登録や、将来的には公的資格の認定制の導入を検討している。

 また、ホテル勤務経験者のホテルへの再就職支援や、ホテル・旅館への講師派遣なども行う。

 第1弾として、東京マリオットホテル(佐藤巨輔総支配人、東京都品川区)と契約を結び、ホテルコンシェルジュマスターコースの授業を開始した。

海外教育旅行シンポジウム 3月15日(金)に開く(観光庁)

2024年2月20日(火) 配信 

観光庁は3月15日(金)、海外教育旅行シンポジウムを開く

 観光庁は3月15日(金)、海外教育旅行シンポジウムを渋谷ソラスタコンファレンス(東京都渋谷区)で開く。23年度「海外教育旅行プログラム付加価値向上支援事業」で、学校関係者や旅行事業者より、教育的付加価値の高い海外教育旅行プログラム企画を公募し、優れた企画を採択した。さらに採択した企画に対して、アドバイザー派遣や視察などを通して高付加価値なプログアラムの開発支援を行った。

 シンポジウムでは、同事業で開発された海外教育旅行プログラムの成果報告などを行う。

 第1部報告会では、海外教育旅行の再開や導入を検討している教員などを対象に、学校関係者と旅行事業者が協力して企画・開発した海外教育旅行プログラムを紹介する。

 第2部のシンポジウムでは、「教育的価値の高い海外教育旅行の促進について」をテーマに、プログラムを選定した有識者がパネルディスカッションを行う。

 シンポジウムは3月15日(金)の午後2時30分~午後6時まで。参加費は無料。リアル・オンラインのハイブリッド形式で開く。

 申し込みは3月13日(水)まで受け付ける。

近畿日本ツーリスト、大河ドラマ館の運営受託 「光る君へ 越前 大河ドラマ館」2月23日オープン

2024年2月20日(火) 配信

しきぶきぶんミュージアム外観

 近畿日本ツーリスト(瓜生修一社長、東京都新宿区)は2月23日(金・祝)、福井県越前市に「光る君へ 越前 大河ドラマ館」(しきぶきぶんミュージアム内)を開館する。同市内の公民連携の組織である「紫式部プロジェクト推進協議会」から運営管理業務を受託し、入場券販売や入場者数管理などの業務にあたる。

 館内には、大河ドラマ「光る君へ」のあらすじ、脚本家はじめスタッフ紹介、登場人物の相関図、代表的衣装、小道具などを展示。4Kシアターを設け、出演者インタビューやメイキング映像を交え、越前の大河ドラマ館でしか見られない独自映像作品を上映する。

 加えて、しきぶきぶんミュージアム内には、紫式部が暮らした越前の文化や歴史を紹介する展示、お土産やグッズを購入できる物販販売所が設置される。

 開館時間は午前9時~午後5時(最終入館4時30分)。入場料は大人600円、小・中学生200円、20人以上の団体割引あり。

「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録20周年 都内で記念サミット開く

2024年2月20日(火) 配信

前列左から一見勝之三重県知事、山下真奈良県知事、岸本周平和歌山県知事、詩歩氏

 和歌山、三重、奈良の3県で構成する「吉野・高野・熊野の国」事業実行委員会は2月8日(木)、7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録20周年を迎えるのを記念し、東京都内で記念サミットを開催した。観光客を誘致しようと、メディア関係者や旅行事業者など参加者約150人に向けて、世界遺産など地元の魅力をアピールした。

 同事業は2010年度から、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を中心とした紀伊半島地域の観光振興と地域活性化をはかるため、3県共同で取り組んでいる。

 サミットでは、「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」プロデューサーの詩歩(Shiho)氏を迎え、「紀伊山地の霊場と参詣道」の絶景スポットを題材とした記念トークショーを行った。後半には、沿線市町村長による地域の魅力紹介や、3県知事と詩歩氏による記念トークセッションもあり、盛会裏に終わった。

3県知事と詩歩氏による記念トークセッションのようす

 トークセッションは、山下真奈良県知事や一見勝之三重県知事、岸本周平和歌山県知事が、各県それぞれの世界遺産登録20周年の取り組みと今後の連携を説明した。

 奈良県では、旅行事業者向け商談会「奈良県観光見本市(仮称)」の開催や、交通事業者と連携した広報展開、SNSやWeb、雑誌などさまざまな媒体で誘客促進の活動を展開していく。山下知事は「今回説明した奈良県中部・南部には、本当に素晴らしい観光資源があり、ぜひ国内外の皆様に回ってほしい。奈良県の周遊型観光にスポットを充ててPRしていきたい」と力を込めた。

 続いて和歌山県では、「令和の熊野詣 熊野古道リレーウォーク」により、23年12月~24年3月まで熊野古道の紀伊路を分けて踏破するイベントを行っている。岸本知事は「一段落したら来年度に(熊野古道の)中辺路をリレーするイベントも行う。できるだけ物語性を持たせたい」と話した。このほか、和歌山県立博物館で特別展や展覧会、20周年記念御朱印などの記念イベントを実施・PRしていくとした。

 最後に三重県では、伊勢から熊野までを分けて踏破する「熊野古道伊勢路踏破ウォーク」や、同じく道の世界遺産があるスペイン・バスク自治州から関係者を招いた国際シンポジウムを開催予定。2次交通の実証運行や、受入環境を整備するとして、一見知事は「バスの待ち時間を短くして色んなところに行けるようにしたい。補助率を見直し、多くの上質な宿泊施設を呼び込みたい」と意気込みを語った。

人生を変える旅を考える 旅と学びの協議会シンポジウムが参加者募集

2024年2月20日(火) 配信

3月19日に開催

 ANAホールディングスは3月19日(火)に、「旅と学びの協議会シンポジウムVol.8 人生を変える旅~変革的旅行経験とは~?」を開く。オンラインでは一般の参加者も募集している。参加は無料。

 同協議会は、これからの時代を生き抜く力をつけるため「旅」という非日常の環境での「学び」の可能性を模索してきた。今回は「変革的旅行経験」をテーマに、旅の刺激で学ぶことが自己認識や変容につながっていることを考察する。

 午前は「人生を変える旅」をテーマに、イデアラボ研究員の中島実穂氏が講演「旅行は私を変える:変革的旅行経験の研究動向」を行う。また、慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授で旅と学びの協議会アドバイザーの前野隆司氏が「旅と学びとウェルビーイング」と題して登壇する。午後の部では今年度の活動を会員が発表する。

 シンポジウムは午前10時~午後2時まで。申し込みは公式サイトから。

空間に没入し迷いながらいろいろな作品に出合う 森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス開館 

2024年2月20日(火) 配信 

Bubble Universe

 麻布台ヒルズ(東京都港区)に2月9日(金)、「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」が開館した。

 22年閉館の施設を、東京・お台場から移転。デジタルアート集団「チームムラボ」が生み出す「地形の記憶」、「境界のない群蝶―地形の記憶(仮)」など約50作品を五感で楽しめる。なかでも、色とりどりに光る球体が部屋を埋め尽くし不思議な空間を生み出す「Bubble Universe」は、注目の作品のひとつだ。

 同美術館は、決められた順路がない「地図のないミュージアム」であることが特徴のひとつ。各作品が他の作品と混ざり合うなど変化を続けることで、常に違う見え方が楽しめる。鑑賞者が触れたり、歩いたりすることでさまざまな変化が起こるといった仕掛けも用意されており、担当者は、「全部の作品を網羅的に見ていくのではなく、空間に没入し迷いながら、いろいろな作品に出合ってください」と楽しみ方をPRする。

「津田令子のにっぽん風土記(106)」新たな観光拠点を生かして~ 千葉県館山市編 ~

2024年2月20日(火) 配信

「道の駅グリーンファーム館山」2月16日オープン
館山市観光協会観光まちづくりセンター室長 木村 義雄さん

 「館山市は温暖な気候が特徴で、一足早く春の訪れを感じることができますよ」と館山市観光協会観光まちづくりセンター室長の木村義雄さんはおっしゃる。2月16日には、新たな観光拠点「道の駅グリーンファーム館山」が開業。「これまで以上にこの地でのんびりゆったり海と里を、さらには新鮮野菜などのお買い物をお楽しみいただけるのではないでしょうか」と期待を込める。

 

 「今年は花が早く咲いていて、城山公園の梅の花や水仙も満開を迎えていますので、早めに来ていただくことをお勧めします」と話す。

 

 イチゴ狩りも既に最盛期を迎えている。「例年だと、5月の連休までシーズンですが、今年は若干時期が早まりそうな気がします」という。

 

 市内では「館山いちご狩りセンター」と、「とよふさいちご園(館山観光いちご狩りセンター)」で楽しむことができ、「農園に行くにはレンタサイクルが便利です」と語る。JR館山駅西口の館山市観光協会には電動アシスト付き自転車や、スポーツバイク、クロスバイク、子供用自転車など幅広い用途で使える自転車がそろっている。市内の農園までは、15~20分ほどで行ける。時間や体力に合ったコースも案内してくれるのでまず観光協会を訪ねたい。

 

 待望の「道の駅グリーンファーム館山」は、地域の観光と農産業をつなぎ、食や収穫の体験を通して新しい房総の魅力を体験できる体験型の道の駅だ。木村さんは「市の食の魅力を高め、市民や観光客の皆さんにもその魅力を知ってもらう『食のまちづくり拠点施設』としての役割を担い、多くの方に愛される食と体験のテーマパークを目指しています」と話す。たくさんの野菜や果物も販売され、ここでしか買えないオリジナル商品もある。

 

 「採れ立ての野菜を中心としたボリューム満点のメニューや、ジビエを使った限定メニューもありますよ」とアピールする。周辺も整備して、収穫体験や乳しぼり体験ができる企画を計画中だという。さまざまな体験ができる「農場を兼ね備えた道の駅というのが大きな特徴で、五感で楽しんでもらいたいと思っています」と木村さん。

 

 「ここで館山の溢れる魅力を満喫していただけるように、さまざまなメニューをそろえ、ご案内をしております。ぜひお立ち寄りいただければと思っております」。食材の宝庫館山に、また一つ観光の目玉が誕生した。早速訪ねてみなければ。

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

〈観光最前線〉クラファン実施 金沢の旅館「滝亭」

2024年2月20日(火) 配信

 石川県・和倉温泉の旅館「のと楽」などを運営する「のと楽グループ」(谷﨑裕社長)は、能登半島地震により一部建物に被害が出た金沢のグループ旅館「滝亭」の修繕および施設の向上を目的としたクラウドファンディングを始めた。募集期間は4月7日まで。

 「滝亭」はガラス窓や壁、天井が損壊し、展示していた美術品が破損するなどしたものの、甚大な被害を受け休業中の「のと楽」に比べ、早い立ち直りが期待できることから、まずは「滝亭」の修繕と磨き上げに注力すべく、今回のクラファン実施に至ったという。

 現在、「滝亭」と山代温泉にあるグループ旅館「森の栖」は通常営業している。

【塩野 俊誉】