時を超え、超絶技巧の世界に迫る 特別展「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」 山梨県立美術館で11月20日(水)から

2024年10月28日(月) 配信

前原冬樹(1962年生まれ)《『一刻』スルメに茶碗》 2022年 朴、油彩、墨 ※部分

 明治時代の工芸品には精緻な技術で驚くものがある。山梨県立美術館(甲府市)では2024年11月20日(水)から25年2月2日(日)まで、明治工芸の超絶技巧のDNAを受け継いだ現代工芸と、超絶技巧を駆使した明治工芸を紹介する特別展「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」が開かれる。現代と明治という、隔たる2つの時代に制作された作品を一堂に展示することで、時を超えた超絶技巧の世界に迫る。

 本企画の第1弾は2014~15年に「超絶技巧 明治工芸の粋」として、第2弾は17~19年に「驚異の超絶技術!明治工芸から現代アートへ」として、それぞれ開催された。今回はその第3弾。今注目の現代作家17人による木彫、漆工、金工、陶磁、ガラス、ペーパークラフト、刺繍などの作品と、明治工芸の逸品もあわせて約120点展示する。

 期間中、本展を監修した山下裕二氏(明治学院大学教授)の記念講演会や、本展に出品する木彫作家・大竹亮峰氏のアーティスト・トークなども開かれる。

ジャーナリスト 貞廣 長昭

11月22日に中部観光DXセミナーを開く 参加費は無料、参加者募集中

2024年10月28日(月) 配信

DXセミナーを開催(イメージ)

 石川県観光連盟と日本観光振興協会中部事務局は11月22日(金)、石川県金沢市の石川県地場産業振興センターで、「中部観光DXセミナー」を開く。11月12日(火)まで観光事業者の参加者を募集している。参加費は無料。

 国内外の観光客数がコロナ禍以前に戻りつつあるなか、観光地域づくりにおいては今までとは異なる多角的な取り組みが求められている。とくにDX(デジタルトランスフォーメーション)を通じた人手不足の解消や広域周遊の実現は観光事業の持続可能な成長に重要な要素と考え、今回のセミナーを開催する。

 NECソリューションイノベーターイノベーション推進本部・シニアプロフェッショナルの川村武人氏が講師を務め、「地域事業者と観光客が一体となって繋がることができるDXへの挑戦」をテーマに講演する。

 時間は午前10:30~正午まで。申し込みはWebフォームから。

「全旅連青年部全国大会㏌宮崎」12月10日(火)、フェニックス・シーガイア・リゾートで開催

2024年10月27日(日) 配信

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(塚島英太部長)は12月10日(火)、宮崎県宮崎市のフェニックス・シーガイア・リゾートで第27回全国大会を開く。

 スローガンは「日本のひなた宮崎から 宿泊・観光の未来を照らす! “IMPOSSIBLE IS NOTHING”」。

 塚島体制2年間の集大成の場として、各委員会活動の報告や、地域特性を再確認し地域の未来を開拓するための事業や、一過性で終わらない地域経済発展に継続的に寄与できる事業などを対象とした褒賞発表などを行う。

 午後2時から記念式典、午後6時30分から大懇親会、午後9時30分からブロックナイトなどを予定。

六義園が11月22日~12月4日まで夜間特別観賞を実施 紅葉などライトアップ

2024年10月26日(土) 配信

「庭紅葉の六義園」ライトアップ(過去のようす)

 東京都文京区の六義園で11月22日(金)~12月4日(水)まで、「庭紅葉の六義園 夜間特別観賞」が行われる。東京都内有数の紅葉の名所である六義園を、普段は入園できない夜間に特別開園し、ライトアップやプロジェクションマッピングで彩る。同園は「日中の佇まいとはひと味違う夜の庭園で、幻想的で艶やかな紅葉をお楽しみください」とアピールしている。

 特別観賞では、紅葉エリアを中心にライトアップするほか、土蔵の壁面にプロジェクション映像を流す。園内には各所にフォトスポットを設置し、茶屋や屋台では軽食の販売もある。

 夜間特別観賞期間は、通常通り一度午後5時に閉園したあと、6時に再開園する。夜間入園には、特別観賞券が必要。特設サイトでのオンライン事前購入は900円、当日窓口で購入する場合は1100円で現金のみ。いずれも1日の販売枚数には制限がある。小学生以下は無料で入園できるが、中学生以上の付き添いが必要。

HIS、本社社屋買い戻しへ 売上増加による業績見通しと手元資金増加で

2024年10月25日(金) 配信

 

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は10月31日(木)、SMFLみらいパートナーズから神谷町トラストタワー(東京都港区)4階、5階の本社社屋を買い戻す。売上の回復による業績見通しと手元資金の増加を鑑みて、決定した。

 新型コロナウイルスの拡大による業績悪化を理由に2021年、SMFLみらいパートナーズへ譲渡した本社社屋に関わる信託受益権を買い戻し、信託契約を解除。所有権を取得する。

 取得額は325億円。引き渡しも同日を予定している。

瀬戸内国際芸術祭2025が4月18日(金)から開催 エリア数は最多の17に

2024年10月25日(金) 配信

企画発表会のようす

 瀬戸内国際芸術祭2025が4月18日(金)から、香川県の直島や高松港など計17エリアで開催される。瀬戸大橋と志度・津田、引田が追加され、最多のエリア数となる。「海の復権」をテーマに、「爺さま婆さまの笑顔」、「行って良し、来られて良し」をキャッチフレーズに実施される。瀬戸内の島々が人口減少や高齢化で地域の活力が低下するなか、地域活性化につなげる。

 今年で通算6回目となる瀬戸内国際芸術祭は3年に1度、瀬戸内の島々で美術作品の展示や楽団によるイベント、地元の伝統芸能と連携したイベントなどを催している。今回は春会期を4月18日(金)~5月25日(日)、夏会期を8月1日(金)~31日(日)、秋会期を10月3日(金)~11月9日(日)にそれぞれ実施される。

 10月24日(木)に旅行会社とメディアを対象として開いた企画発表会で、実行委員長の池田豊人香川県知事は、瀬戸内海が今年国立公園への指定から90年を迎えたことから、魅力を次の世代に継承するため、さまざまなイベントを催していることを紹介。そのうえで、「芸術祭は(未来に)魅力をつなげる大きな原動力だ。これまで以上に応援してほしい」と呼び掛けた。

池田豊人実行委員長

 福武總一郎総合プロデューサーは、「来年開催される大阪・関西万博の来訪客を芸術祭に誘客していく」と意気込みを語り、「香川県と岡山県、兵庫県の美術館と連携して、現代美術展を開くことで、これまで以上に広い瀬戸内エリアをアートの一大祭典場所にする」とアピールした。

福武總一郎総合プロデューサー

 具体的に、3県の8つの美術館が、日本人の現代アーティストによる作品を中心とした展覧会を行う。最先端の美術作品のほか、それぞれの地域の文化と魅力を発信。8館共通の割引チケットも発売する。

 また、今回の芸術祭はこれまで以上にアジア各国とつながりを広げ、関係性を深めることで、瀬戸内国際芸術祭がアジアの文化芸術の中核を担っていくことを目指す。ベトナムやタイ、インドネシア、中国、台湾、韓国など11カ国のアーティストが参加する。

 瀬戸内国際芸術祭実行委員会は船を乗り継ぎ、島を巡りながら、瀬戸内の多島美や、島の文化、暮らしに触れること魅力としている。このため、土日を中心に混雑を予想。通常は直接渡れない島同士を結ぶ航路の運航や、島内バスを増便する。混雑予想カレンダーも公開し、来場者の分散をはかる。

 チケットについては、初めて特別早割を設定。来年1月17日(金)まで同チケットを3800円で販売でする。通常料金は19歳以上の大人1人が5500円、16~18歳は2500円、15歳以下は無料。

栂池高原ホテルが破産手続き開始 負債は9億3000万円(帝国データバンク調べ)

2024年10月25日(金) 配信

 栂池高原ホテル(郷津喜久代代表、長野県・小谷村)は10月9日(水)に長野地裁松本支部から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約9億3000万円。

 同社は1965(昭和40)年3月創業、72(昭和47)年7月に法人改組されたホテルの運営業者。栂池高原スキー場のゴンドラリスト乗り場近くに立地したホテルで、冬季はスキー客、夏季はトレッキング客に利用されていた。

 しかし、バブル経済の崩壊や、95年7月の豪雨災害、施設の老朽化などにより集客が低迷していた。

 さらに新型コロナの影響で資金繰りが逼迫し、先行きの見通しが立たなくなったことから事業継続を断念し、21年3月までに営業を停止していた。その後、「23年6月に社有の本店建物を売却するなど、債務の返済に努めたが完済には至らなかった」(帝国データバンク)としている。

「GI南会津」誕生でイベント開催 福島・南会津の酒の魅力を発信

2024年10月25日(金) 配信

鏡開きのようす(左から3人目が渡部町長)

 福島県・南会津町の地酒が今年8月、国税庁の酒類の地理的表示「GI」指定を受けた。仙台国税局は10月21日(月)、東京都港区の八芳園で「GI南会津」誕生を記念したスタートアップイベントを開き、南会津の清酒の魅力を発信した。南会津の清酒は総じて口当たりが柔らかく、米本来の甘みと酵母のフルーティーさが引き立てられ、後味がすっきりしているのが特徴という。

 「地理的表示(GI)」は地域の共有財産である「産地名」を守るためのもので、地域ブランド保護の枠組みとして国際的にも広く認知されている。今回は開当男山酒造と国権酒造、会津酒造、花泉酒造の4酒蔵・7銘柄が「GI南会津」の認定を受けた。福島県内での酒類のGI指定は初めて。また、原料米や製造場が単独の町内での指定は全国初。

 仙台国税局の中村広樹局長は、世界でも産地を保全する取り組みとして知られる「GI」の認定により、「南会津の酒が世界に羽ばたくきっかけになる。今年は日本の『伝統的酒造り』がユネスコ無形文化遺産に登録される見込みだ。ますます清酒への興味が集まるのではないか」と期待を述べた。

 また、渡部正義町長は「小規模な町単独での認定は初めてとなり、これも4つの酒蔵の頑張りのおかげ。酒造りの大きな飛躍を迎えた」と喜びを語った。同町ではこれまでも地酒での乾杯を奨励する「南会津町乾杯条例」を制定するなど、清酒の普及に努めてきたという。渡部町長は「今後もイベントの開催などで魅力発信を支援していきたい」と意気込んだ。

 イベントでは、福島県酒造組合特別顧問で福島県日本酒アドバイザーの鈴木賢二氏が「GI南会津の日本酒について」と題し、基調講演を行った。鈴木氏は南会津の清酒が美味しい理由について、福島市などと比べると冬場が特に低温なことや豪雪地帯により超軟水に恵まれていることなど自然的要因に加え、優れた技術の共有化がはかられていることなどを紹介した。

 鏡開き後には、参加者にGI南会津の酒が振舞われ、参加者は蔵元らのトークを聞きながら、八芳園の料理長が4つの酒蔵の酒に合うように考案した料理とのペアリングを楽しんだ。

10月26日開催の墨田区「北斎祭り」で弘前ねぷたを運行 弘前の魅力を発信

2024年10月25日(金) 配信

弘前ねぷた「源頼光、大江山酒呑童子を討つ」

 弘前観光プロモーション実行委員会(事務局=青森県弘前市観光部観光課)は10月26日(土)~27日(日)に東京都墨田区で開催される「北斎祭り」で弘前ねぷたの運行を行う。展示や物産販売なども行い、弘前の魅力を発信することで誘客をはかる。

 ねぷたの運行は北斎通りで10月26日(土)の午後4:30~5:30まで。4時から出陣式も開催する。ねぷた題材は鏡絵「源頼光、大江山酒吞童子を討つ」、見送りは「林檎観音」。また、27日(日)の午前10:30から、すみだ北斎美術館で弘前ねぷた絵師によるねぷた絵の制作実演を行う。

 弘前銘菓やりんご生果など物産販売は26日に実施する予定。

11月9(土)~11日(月)、宮城県仙台市で「観光レジリエンスサミット」 観光分野の防災・復興の知見を各国と共有(観光庁)

2024年10月25日(金) 配信

観光庁は11月9(土)~11日(月)、仙台市で「観光レジリエンスサミット」を開く

 観光庁は11月9(土)~11日(月)、UNツーリズムと連携し、宮城県仙台市でアジア・太平洋地域などの国・国際機関が参加する閣僚級会合「観光レジリエンスサミット」を開く。

 世界的に台風や地震など自然災害が頻発化しており、直近では、新型コロナの感染症によって観光業が大きくダメージを受けた。コロナ以降、外的要因に対して観光分野の脆弱性が顕在化した。

 観光庁国際観光部参事官(国際関係)付の大西美和課長補佐は、「観光分野のレジリエンス(強靭性・回復力)の向上が世界的課題となっている。日本はもともと自然災害が多いため、普段から災害に対した備えや、復興段階における観光振興への取り組みなどにも豊富な知見を有している。

 今回は、アジア・太平洋地域の国・機関を招待し、各国が有する経験・知見を共有し、観光レジリエンス向上に向けた取り組みの方向性をまとめたい」と話した。

 11月9日(土)は、秋保温泉の伝承千年の宿 佐勘で、参加国・機関の代表者とのバイ会談や歓迎レセプションを行う。

 11月10日(日)は、仙台国際センターで閣僚級会合や、斉藤鉄夫国土交通大臣と郡和子仙台市長の記者会見を実施予定。

 さらに、東北観光促進に向け、参加者には東北地方各地の食、文化、自然などの魅力ある観光資源を体験してもらうため、半日・1泊2日のエクスカーションを行う。

 仙台市主催の半日エクスカーションでは、仙台市内を周遊し、東日本大震災の教訓と復興の歩み、自然と文化を体験する。

 観光庁主催の1泊2日エクスカーションは、岩手県平泉町・宮城県松島町をめぐるAコースと、福島県会津若松市をめぐるBコースの2コースを用意した。

 関連イベントとして、9日(土)に観光レジリエンスサミットを開く。基調講演には、国連防災機関駐日代表の松岡由季氏が登壇。

 パネルセッションは、観光レジリエンス研究所代表の髙松正人氏がモデレーターを務める。

 パネルセッションⅠは、「観光危機発生時への備え─観光客・旅行者の安全と安心を確保するために必要なこと─」をテーマに、PATA持続可能性及び研究部長のPavnesh Kumar氏、国土交通省気象庁仙台管区気象台気象防災部長の塚本尚樹氏、仙台観光国際協会の結城由夫氏、和倉温泉・加賀屋支配人の道下範人氏が参加する。

 パネルセッションⅡは、「危機後の事業継続と復興への備え─観光地・観光事業者への影響を最小限にするために必要なこと─」をテーマに、日本観光振興協会常務理事の内山尚志氏、東日本旅客鉄道マーケティング本部くらしづくり・地方創生部門長の沢登正行氏、東北大学災害科学国際研究所教授の丸谷浩明氏、カリブ地域災害緊急管理機関JICAカリブ地域総合防災アドバイザーの松村直樹氏が参加する。

 シンポジウムや会合関係者向けに、おもてなしイベント「AOBAYAMA MORNING」を青葉山公園仙臺緑彩館で開く。日本文化体験として、呈茶、着付け、風呂敷包みなどの体験メニューを用意したほか、ビュッフェや講演会、ブース展示なども行われる。

 なお、情報は10月24日(木)時点のもの。今後変更する可能性がある。