訪日客誘致の新ロゴ決まる、嵐が “日本の顔” に就任

「尽きることのない感動に出会える国、日本」

 観光庁は4月6日、訪日観光プロモーション用の新たなキャッチフレーズ「Japan. Endless Discovery」と桜をあしらったロゴを発表した。「尽きることのない感動に出会える国、日本」を意味するもので、海外の方々に何度も日本に訪れてもらい、その都度、桜に代表される日本の豊かな自然や歴史、伝統文化や若者文化、食や地域の人々の暮らしといった「日本の多種多様な観光資源を深く知ってほしい」という気持ちを込めた。

 03年のビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の開始とともに使われてきた「Yokoso! Japan」を7年ぶりにモデルチェンジし、英語を使用することでより広く世界に浸透させたい考え。

 また、観光立国のイメージ役として、人気タレントグループの「嵐」を観光立国ナビゲーターに起用。嵐は韓国、中国、台湾などで公演を行い、アジアでも絶大な人気を誇っており、今後は“日本の顔”として、訪日観光のプロモーションリーダーを担う。

 さらに、観光親善大使を新設し、裏千家第15代家元・千玄室氏が就任した。

休暇分散、6月に最終案、秋の国会に法案提出へ

 観光庁の溝畑宏長官は3月31日、観光業界の専門紙との会見で、休暇分散化について春と秋に5つの地域に分散して5連休を設置する政府案について、ワーキングチームなどで検討し、4月中にも中間的な方向性を示す方針を述べた。さらに、6月の政府の成長戦略としてとりまとめるまでに最終案を決め、秋の臨時国会で法案提出を目指している。仮に法案が可決した場合、実施について、1年以上の準備期間が必要だろうとの見方を示し、12年からの実施が妥当と話した。

 溝畑長官は「休暇分散化は、国民すべてに関わる問題。丁寧に説明していきたい」と語った。

「中国個人ビザ要件緩和4月中に一定の方向性」

 中国人の訪日個人観光ビザの要件緩和については、7月から中国全土拡大になるのに合わせて、年収25万元以上という経済要件の緩和や、手続きの簡素化などの調整が最終段階に入っており、「4月中には一定の方向性を示し、7月の全土拡大に間に合うようにしたい。日本への入国の敷居を低くするための最終的な調整を行っている」と話した。中国人訪日個人観光ビザは09年7月1日から北京、上海、広州の3地域を対象に発給されており、1年後の全土拡大に向けて試験的な条件などを加えていた。

日旅商品、全旅クーポンで精算、クーポン会員1500社と日旅が提携

 株式会社全旅(池田孝昭社長)と日本旅行(丸尾和明社長)は4月1日、業務提携契約を行い、全旅クーポン会送客会員(約1500会員)が日本旅行の企画・実施する国内・海外旅行商品、宿泊券については、全旅クーポンによる精算が可能となった。

 中小旅行会社が大手ホールセール商品を取り扱う場合、供託金を納めなくてはならないなど厳しい条件があるが、今回の業務提携で、クーポン会員は、自社で取り扱った日本旅行の商品の代金を一括して全旅クーポン会の精算サイトで精算できる。

 (株)全旅はクーポン会員の利便性を向上させることで、さらなる会員の増加と取り扱いの拡大を見込めるというメリットがある。一方、日本旅行は100%全額保証の全旅クーポンによる精算のため、債権管理業務が不要になるなど事務処理面での業務効率化がはかれるほか、債権の焦げ付きのリスク回避したうえで、クーポン会員の中小旅行会社に自社商品の販売網拡大につながる利点が一致した。

 全旅クーポン会送客会員と、大手旅行会社との契約は日本旅行が初めてとなる。

「びゅう」を受託販売、㈱全旅がJR東日本と提携

 株式会社全旅はこのほど、東日本旅客鉄道(JR東日本、清野智社長)と国内旅行業務提携契約を結び、JR東日本の募集型企画旅行商品「びゅう」ブランド商品の受託販売を始めた。さらに、JR東日本からユニット商品(宿+鉄道)の提供を受け、(株)全旅の「地旅」商品を組み入れた募集型企画旅行商品の造成・販売を行う。

 一方、JR東日本は、(株)全旅が提供する「地旅」商品をランドユニットとして組み入れることで、募集型企画旅行商品「旅市」のさらなる充実を目指す。

 (株)全旅は「JR東日本と今後も相互協力体制を強化し、国内旅行の活性化に向けた旅行商品の造成・販売を進めていきたい」と話している。

今年のGW旅行動向(JTB)旅行人数・費用ともにプラスへ

「国内…マイカーで遠距離志向」
「海外…3年ぶりに50万人突破」

 JTBがこのほどまとめた2010年ゴールデンウイーク旅行動向(4月24日―5月4日)によると、国内旅行人数は前年同期比0・9%増の2150万人、海外旅行人数は同4・3%増の50万8千人と、ともに前年を上回る見通しだ。

 今年のGWは4月30日を休めば7連休となる。加えて、高速道路のETC休日特別割引も7日間連続で適用され、国内はマイカー利用の宿泊旅行の増加や、遠距離志向が強まることが予想される。また、大河ドラマなどの影響で、高知や松山、長崎の人気が高まりそう。平安遷都1300年祭で関西方面の観光客の増加も見込まれる。

 一方、海外旅行は、曜日配列の良さや、安定した円高が後押しし、07年以来3年ぶりに50万人を超える見通し。遠距離では欧州、ハワイ、近場ではグアムや中国の人気が高まっている。

 1人当たりの旅行平均費用も上回りそうだ。国内旅行は同3・0%増の3万8千円。海外旅行は同4・7%増の22万3100円と増加する見込み。

「旅ぷらざレンタカー」ヤフートラベルと提携、10年度は8億円を目指す(日旅)

 日本旅行とヤフーが提携し、4月1日から日旅「たびプラザ」のレンタカー予約サイト「旅ぷらざレンタカー」が、Yahoo!JAPANが運営する旅行情報サービス「Yahoo!トラベル」のレンタカー予約カテゴリーに加わった。

 「旅ぷらざレンタカー」への参画レンタカー会社数は現在約3500店舗だが、提携による相乗効果も見据え、随時拡大しながらレンタカー販売の拡大を目指す。「旅ぷらざレンタカー」の今年度販売目標は8億円(前年度は5億円)に設定している。

4月28日リニューアルオープン、新生ハウステンボスが始動、HIS会長の澤田氏が新社長に

「観光ビジネス都市目指す、3年後に売上130億円見込む」

 旅行会社のエイチ・アイ・エス(HIS、東京)によって経営再建を目指すハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)は3月26日、HTB内のホテルで今後3カ年の事業計画を発表した。新生HTB社長にはHISの澤田秀雄会長が就任。テーマパーク単独路線から転換し、他の企業や専門機関と連携して「観光ビジネス都市」を目指していく。2011年度に営業利益の黒字化をはかり、12年度は入場者152万人、売上高130億円、営業利益3億円を見込む。

 記者会見に臨んだ澤田社長は冒頭、HISやホテル、スカイマークエアラインなどこれまでの取り組み事業と九州産交、モンゴルの銀行、信濃鉄道など再生した実績を強調。「HTB再生は今まででもっとも難しく、もっとも楽しい案件になると思う。スタッフ、市民、九州経済界など全員の応援で世界に誇れる観光ビジネス都市にしていきたい」と決意を述べた。

 新生HTBのコンセプトは(1)花と自然を大切にする王国(2)ゲームとエンターテイメントの王国(3)健康と美の王国――の3つを掲げ、4月28日の第一期リニューアルオープンから、有料のテーマパークゾーンをホテルヨーロッパ前の運河までとし、他のエリアをフリーゾーンにして展開する。

 フリーゾーンにはアウトレットやコールセンターなどのベンチャー企業を誘致し、さらに医療観光、リフレッシュリゾートの観光ビジネス都市としてアジアを中心に国内外からの集客を目指す。 テーマパークゾーンは、閉鎖中の店などを半年から1年かけオープンして集約させ、にぎわいのある楽しいエリアに生まれ変わらせる。有料ゾーンからフリーゾーンへの往来も自由にできる。

 入場料金の見直しも行い、現在の大人3200円を2500円に引き下げる(GW、正月など繁忙期は3千円)ほか、5月6日―7月16日までのキャンペーン期間は、平日の午後3時半―5時半を入場無料、6時以降は200円にする。高いと言われた食事料金なども見直す。

 オープン後は外部顧問の協力でさまざまなエンターテイメントも展開する。4月28日―5月5日までは、フォークグループとして活躍した「あのねのね」の清水国明さんが中心になり、コンサートやミュージカル、イリュージョンなど行う。芸能人が定住し、専用劇場で芸を披露する構想もあるという。

 園内を使った実体験型の宝探しイベントは、全国35カ所で実績を残す「ラッシュジャパン」が担当。閉鎖中のミュージアムスタッドではフジテレビが7月ごろに「ホラータウン」をオープンさせる。オルゴールや美術品など生かした洋風怪奇の館にし、イルミネーションでゴースト達の夜を演出する。夏前には200のキャンプサイトをつくり、釣り掘りもオープンする。秋には世界的なガーデニング大会の開催も計画する。

 閉鎖中のホテルデンハーグは、「入場者300万人を目途に再オープンを検討」(澤田社長)とし、当面は既存ホテルの稼働率アップを目指す。

新千歳国際線旅客ターミナルビル3月26日にオープン

 北海道新千歳空港の新しい国際線旅客ターミナルビルが3月26日に開業した。従来の施設に比べると5倍の広さになる。年間最大100万人の利用も可能という。総事業費は約206億円。全体のオープンは来年夏を予定している。

 国際線旅客ターミナルビルは、鉄骨造り(一部鉄筋コンクリート)地上4階、地下1階建て。延べ床面積は1階部分のサービス道路も含め約6万1300平方メートル。1階はバス・タクシー乗降場や手荷物荷捌き場。2階が到着ロビーで3階が出発ロビーとなり、4階はラウンジやフードコート。土産物店などの商業施設は、利用客が集中する2、3階フロアをメインに配置されている。

 現在、国際線の定期便はソウル、上海、北京、香港、台北、グアムなど9路線、週42往復している。チャーター便の2009年の実績は26都市966便になる。

 なお、国内線へつながる連絡施設は2階(来年には3階にもオープンする)。動く歩道や電動車などを導入。宅配や手荷物一時預りのカウンター、ポーターサービスもある。

KNT、日旅、トップツアーが「コロ旅」参加、コロプラ 佐賀県と自治体初の提携も

 携帯位置情報ゲーム「コロニーな生活☆PULUS」(コロプラ)を配信しているコロプラ(馬場功淳社長)は3月23日、サイト内に設置した旅行情報提供サービス「コロ旅」を拡充した。新たに近畿日本ツーリスト(KNT)と日本旅行、トップツアーが旅行商品の提供を開始し、参加旅行会社は計5社となった。また、今回追加した新ツアーは、自治体との初提携として、佐賀県の協力で企画した商品も発表した。

 「コロ旅」は、ゲームユーザー向けに特別企画されたユーザー専用ツアーで、原則団体パッケージツアーの「コロ旅オフィシャルツアー」と、一般向けに企画された既存の各種ツアーにゲーム情報を付加した「コロ旅特選ツアー」で構成。新たに参加した3社は特選ツアーから売り出し、今後はオフィシャルツアーを展開していく予定だ。

 KNTは、同社が注力する北陸方面のツアーを発表するほか、オフィシャルツアーとして、軍艦島など得意とする目的地へのツアーを提供していく。日本旅行は、ゲームの特性からユーザーが飛行機より列車旅行を好むことに着目し、JRキップと宿泊を組み合わせて提供する。さらに、トップツアーはユーザーの多くが社会人であることから、出張者向けのフライト付宿泊プランを展開する。地方出発の出張プランなどユーザー向けに趣向を凝らした商品も発表予定だ。

 一方、初の自治体連携ツアー「佐賀制覇!佐賀の歴史・自然・ふれあいの旅」(企画・じゃらんリサーチセンター)は、5月22日、6月26日の設定で、いずれも1泊2日の旅。佐賀県の全面協力で行う佐賀県制覇のオフィシャルツアーで、佐賀の歴史や、焼物文化、地元の人々との触れ合いなど、観光要素を多く盛り込んだ。羽田発は4万5800円(2人1室利用時の1人料金)。募集人数は各回とも44人。

 現段階の発表ツアーは、すべてデータ版として提供され、各種ツアーの催行を踏まえて最終調整し、本年度中には全国各地へのツアーをスタートさせる予定だ。コロプラは、今後も「コロ旅」を通して、若年層の旅行マーケットの拡大に寄与したいとしている。

アジア人のニーズと実態、インバウンドセミナー開く(AISO)

 NPO法人アセアンインバウンド観光振興会(AISO、理事長=王一仁・総合ワールドトラベル社長)は3月23日、東京都内で新インバウンドセミナー「アジア人訪日旅行者のニーズと実態」を開いた。今後発展が見込まれるアジア市場のインバウンドランドオペレーターがパネリストとして、実態と課題などを語った。

 王理事長は冒頭のあいさつで「AISOは2006年に10社が集まり発足。インバウンドのランドオペレーターとして、ガイド問題などで政府に提言なども行ってきた」とし、日本政府観光局の賛助団体であり、3月末には日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ)の会員に承認される予定と紹介した。

 基調講演はTIJ事務局長常任理事の柵木鬼美夫氏が「TIJのインバウンド市場における取り組み」を紹介した。

 アジアのインバウンド市場の実態を紹介するパネルディスカッションでは、ジェイテック部長の石井一夫氏、太陽トラベルゼネラルマネージャーの梅村文峰氏、総合ワールドトラベル社長の王一仁氏、BICO社長の李碩鎬氏が登壇。司会は、セミナーを共催するポータル・ジャパン代表取締役の村山慶輔氏が務めた。

 中国市場について、石井氏は「デパートや専門店で買うブランド品など日本人が提供するものに中国人は安心感を持っている。そのほか、神戸牛や松阪牛、フグ、カニなどグルメもブランドを好む。温泉イコール露天風呂のイメージで、日本庭園の佇まいに露天風呂があると喜ぶ」などと話した。

 台湾市場について、梅村氏は「リピーターが増えており、温泉、美食ばかりでは難しい」とし、奥尻島など台湾人がまだ行っていない日本や、台湾人の健康志向にマッチしたさらに深い内容のツアーの必要性を述べた。

 韓国市場について李氏は、「新宿に泊まり、原宿、表参道、青山、渋谷109と周り、恵比寿から代官山、自由ヶ丘まで行ってショッピングするという日本人の若者と同じようなシティーツアーが人気」と紹介した。

 香港市場について王氏は「香港人が世界で一番行きたい都市は札幌。ショッピング、温泉、カニ、雪遊びの4拍子がそろっている」と紹介。また、「都市ツアーも人気が高く、東京では新宿、大阪では心斎橋、梅田などの安いビジネスホテルに泊まって夜遅くまで遊ぶ」と話した。