花の駅で花観光推進、“まちづくりの拠点に”(ぐんま花の駅ネットワーク推進協)

福田具可会長
福田具可会長

 ぐんまフラワーパーク(群馬県前橋市)で8月4日、「ぐんま花の駅ネットワーク推進協議会」発会式が行われた。同協議会は「花と緑の施設を『花の駅』として登録し、観光客の誘致とサービスの向上など、花観光を推進すると共に、地域振興、交流、産業の活性化をはかる」ことが目的。

 福田具可会長は、日本全国に花の駅がほとんどないことに触れ「花の駅は群馬から全国に広がっていくと感じている。全国的にみて新しい動きだ」と話し、「花育を通じて子供たちの豊かな心を育てることと、花のまちづくりの拠点になることが、同協議会の果たす役割になる」と強調した。

 その後の経過報告の中で「今後群馬中を回りながらこの会を広めていくために、会議は各施設の持ち回り方式で行うこと」や「花ごよみの早期作成」、「スタンプラリーやサービス品の提供の検討」など、今後の活動について確認が行われた。

登録施設代表者の皆さん(出席した15施設)
登録施設代表者の皆さん(出席した15施設)

 ぐんま花の駅登録施設は次の18カ所。

 花の駅美野原(中之条町)▽小野池あじさい公園(渋川市)▽鼻高展望花の丘(高崎市)▽ぐんまフラワーパーク(前橋市)▽赤城山不動院 龍願寺(前橋市)▽赤城クローネンベルク(前橋市)▽尾瀬岩鞍ゆり園(片品村)▽JR渋川駅前広場(渋川市)▽渋川スカイランドパーク遊園地(渋川市)▽高崎クリスマスローズガーデン(高崎市)▽高崎白衣大観音(高崎市)▽つつじが岡公園(館林市)▽東武トレジャーガーデン(館林市)▽花の駅 花楽の里(中之条町)▽花の駅・片品 花咲の湯(片品町)▽花寺 吉祥寺(川場村)▽花の寺 常楽寺(太田市)▽しだれ桜の宝積寺(甘楽町)

歯科医療と観光が連携、日本初のデンタルツーリズム

信頼性の高い日本の歯科医療
信頼性の高い日本の歯科医療

 外国人観光客が年々増加するなか、中国を中心とした外国人富裕層向けの歯科治療サービスに特化した「デンタルツーリズム」を、福岡市内の医療関係会社「ジャパンメディカル」(西原正治社長)が開発。経済産業省の中小企業の新連携事業として今年2月に認定を受け、具体的な旅行商品化に向け動き出した。

 事業は同社がコア企業として総合企画・プロデュース。高度歯科医療を提供する「お口のケアクリニック」(福岡市)や患者のツアーサポートなどを行う「メディカルコンシェルジュ」(同)の3者が連携して取り組む。

 検診やインプラント、審美などの治療で信頼性の高い日本の歯科医療サービスを観光業と連携して提供する医療ツーリズムは日本で初めてで、激増する中国の訪日市場に向けて提供する新たなコンテンツとして注目を集めそうだ。

 デンタルツーリズムは東南アジアをはじめとする海外では普及しているというが、この事業では連携する3者と九州大学歯学部などが技術支援するフォロー体制も構築。

 さらに課題となる医療ビザ取得支援体制や歯科医療通訳サービスの提供、中国・上海の大学、歯科医院などとの提携による帰国後のアフターフォローも行う。

 また、滞在中の患者や同伴する家族に対しては、観光、ショッピングなどの中国語によるガイドサービスを提供しトータルでケアしていく。

 具体的な提供サービスでは、初回向けの検診がレントゲン検査、口腔内検査、歯石取り、色素沈着の除去(ヤニ取りなど)などの口腔内クリーニングで、初回は治療を行わず、次回の治療について説明をし、まずは患者の信頼を得る。

 検診時間は約3時間を見込む。オプションでは30分で口腔がん検査もできる。2回目以降がインプラント、審美の治療で、治療期間は30日から90日間を見込む。

 価格は検診が30万円、口腔がん検査が10万円、審美治療80万円、インプラント180万円を設定する。

 中国では政府系の病院が多く、セカンドオピニオンが得にくいことや、慢性的な医師不足と、医療技術に対する不安も多く、日本の医療サービスを経験することへの欲求は強いという。

 観光庁がまとめた「中国から日本への医療観光者数予測」では、年率19%増の成長を予測。2016年に1万3千人、17年には1万6千人が見込まれている。

 事業では、国内のインバウンド旅行社や中国の提携旅行社とマージン契約を結び、旅行商品化・パッケージ化を進めるほか、WEBサイトを活用し認知度を向上させる。

 売上計画では、初年度に1800万円。5年後には8040万円を見込む。

川越・氷川神社の「縁むすび風鈴」、8月末まで(埼玉県)

縁むすび風鈴

 2000もの風鈴が軽やかな音色を奏でる「縁むすび風鈴」が8月31日まで、埼玉県川越市の氷川神社で開かれている。

 古墳時代創建の歴史を誇る氷川神社は、スサノオノミコトなど5祭神を祀り、縁結びや夫婦円満、家庭円満の神社として親しまれている。ここで2年前から、境内に縁結びの風鈴を飾ったところ評判を呼び、昨年は約20万人が訪れる人気の催しになった。

 神社を訪れた人たちは、社務所でいただいた木札に願いごとを書き、風鈴にぶら下げる。その後、風鈴がぶら下げられた風鈴棚が設けられている「縁むすび風鈴回廊」を巡る。なかには、絵柄が一切描かかれていない風鈴もあり、夜にライトを当てると幻想的な風景が現出する。若い2人が「小江戸」散策の後、神社を訪れ願い事をかなえる風景は、川越の夏の風物詩になりつつある。

【旅行ライター&エディター 三堀裕雄】

【イベント概要】
■期 間 : 7月9日(土)~ 8月31日(水)
■会 場 : 川越氷川神社(埼玉県川越市宮下町2-11-3)
■時 間 : 午前9時 ~ 午後9時まで

など、詳細は川越氷川神社 縁むすび風鈴特設サイト(http://www.hikawa-fuurin.jp/)から。

2017年度版「プロが選んだ日本のホテル・旅館100選」書籍発売!

17年度版100選本、8月から全国書店発売

2017_100senbook

 2017年版「プロが選んだ日本のホテル・旅館100選&日本の小宿」の書籍が、8月から全国の書店で発売されました。定価 は2,160 円(本体 2,000 円 + 税8%)、A4変形判、オールカラー 168ページ。発売元は自由国民社(東京都豊島区)です。

 今年1月に発表した「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」入選施設と、選考審査委員特別賞「日本の小宿」を受賞した歴代の宿、計104軒をセレクト。料理やもてなし、温泉など、各施設の魅力をカラー誌面でご紹介しています。一部の宿で「2次元バーコード」も掲載したほか、弊社が事務局を務める「ピンクリボンのお宿ネットワーク」加盟施設はロゴマークを付けてご紹介しています。

 巻末には「総合100選」のほか「もてなし」「料理」「施設」「企画」各100選の入選施設一覧をリストとして掲載しました。まさに、ホテル・旅館のガイドの決定版!といえる本です。ぜひお手にとってご覧ください。

 全国の書店、当ホームページ上部の「刊行物お申込み」からご購入できるほか、
アマゾンや楽天
(自由国民社様の本書紹介ページへリンクしています)でもご購入いただけます。

【8月26‐28日】新潟県関川村で「大したもん蛇まつり」を開催

第29回大したもん蛇まつりチラシ

 新潟県関川村の夏の一大イベント「大したもん蛇まつり」が8月26―28日まで開かれる。今年で29回目。

 大したもん蛇まつりは、関川村で1967(昭和42)年8月28日に発生した羽越大水害と村に伝わる大蛇伝説をテーマに、88年から実施している。メインイベントの大蛇パレードでは、長さ82・8メートル、重さ2トンの竹とわらでつくった大蛇を担ぎ、村内を練り歩くユニークで勇壮なまつり。大蛇は竹とわらで作った世界一長い蛇として、01年ギネスブックに認定されている。

 大蛇パレードのほかにも花火大会、盆踊り大会、福まきなども行われる。このほか、ゲスト出演パレードに兵庫県から「南京玉すだれ」と、福島県の阿波踊りうつくしま連による「阿波踊り」がゲスト出演。ギネス認定大蛇のパレードと合わせて、日本の伝統芸能も楽しむことができる。

 そのほか、今年はJR米坂線全線開通80周年を記念して、28日に快速「べにばな」が記念列車として運行され、越後下関駅で歓迎セレモニーが行われる。運行区間は新潟―米沢駅間を1往復運行で、往路が午前8時43分新潟発、同11時31分米沢着(越後下関着は同9時45分)。復路が午後6時32分米沢発、同9時22分新潟着(越後下関発は同8時21分)を予定する。

【イベント概要】
■期 間 : 8月26日(金)~8月28日(日)の3日間
■会 場 : 「関川村役場(新潟県岩船郡関川村大字下関912)」周辺
■内 容 
開催日:8月26日
 ◎8・28羽越水害殉難者供養祭

  午前10時~ (湯沢観音公園)
 ◎安全祈願祭・ミニ大蛇パレード
  午後5時30分~ (蛇喰おりのの碑)

開催日:8月27日
 ◎花火大会

  午後7時~ (高瀬温泉周辺)
 ◎大盆踊り大会
  午後8時~ (高瀬ふるさと会館前駐車場)

開催日:8月28日
 ◎大蛇パレード

  午前9時30分~12時15分 (垂水の里~関川村役場)
 ◎ステージイベント
  午前10時15分~ (関川村役場前)
  内容:龍泉太鼓披露、よさこいソーラン、ズンバなど。
 ◎ゲスト出演パレード
  午前11時~ (「道の駅」関川~関川村役場)
  内容:南京玉すだれ(兵庫県)、阿波踊りうつくしま連による阿波踊り(福島県)。

など、詳細は関川村ホームページ(http://www.vill.sekikawa.niigata.jp/)から。

「日本橋」の上空 ― 日本の首都の観光の力が敗北した姿

 銀座や日本橋界隈は、同じく東京を代表する魅力的なエリアの新宿や渋谷、池袋にはない“粋”を感じる。老舗の寿司屋や鰻屋なども点在する一方で、流行の最先端を行く店舗も次から次に進出し、街に緊張感が漲っている。そんな粋な銀座・日本橋ではあるが、いつも残念に思う瞬間がある。それは、国の重要文化財に指定される「日本橋」の上を跨ぐ首都高速道路を目にする時である。

 前回の東京オリンピックが開催された前年の1963年に、日本橋の真上を横切るように首都高速道路が建設された。そして、再び4年後に東京五輪が開催されようとしているが、日本橋の上の首都高速道路は、今も半世紀以上前の日本の社会状況と人々の意識を映し出したままだ。

 日本橋は、江戸幕府を開いた徳川家康が1603年に全国道路整備計画に際し、木造の橋を架けたのが始まり。五街道の起点として、また江戸らしいにぎわいと活気に溢れ、絵師・安藤広重など浮世絵の風景画としても数多く描かれている。

 日本人の旅のスタイルは、五街道整備の影響を大きく受けており、東京における日本橋の「物語性」は計り知れなく大きい。当然のように首都高速道路の地下への移設を求める声や運動もあるが、移設費用との兼ね合いもあり実現していない。現在の日本橋の状態は、「観光の力」が十分に発揮されておらず、経済損失の方が大きいのではないかとも感じる。

 発展途上にある国の都市は活気があり、魅惑的だ。“混沌”も一つの文化として面白いし、興味深いものではあるが、一方で抑制の不在を感じる。多くの人々が生活する都市は、さまざまな層の欲望がぶつかり合う。そして、最終的に政治力や経済力の強い者の力に引っ張られていく。そうすると、その強引さと引き換えに、必ず「負」の遺産が現れる。つまり、安っぽい“アメ玉”をしゃぶらせられた末に、一部の経済的欲望に屈服した都市の恥部があちこちに散見されることになる。世界的に人気を集める都市や美しい田園エリアは、安っぽい“アメ玉”に簡単に屈しない矜持があり、威厳が漂う。これこそが観光の力を発揮している姿である。

 東京のような大都市には、人・金・モノ・情報が集中するので多種多様な力学が働き、抑制が難しい。逆に、地方の過疎部は、それらが集まらない。このため、多くの自治体が避けたがる「産業廃棄物の集積場」などを誘致しなければならず、観光の力が無力化され、挙句に、地域の自然環境との調和を崩す。

 東京の文化と歴史を象徴する「日本橋」上空に首都高速道路が跨ぐ状態は、日本の首都の観光の力が敗北した姿である。美しい田園風景に、産業廃棄物を受け入れる姿勢に通じる。観光の力とは、経済に屈服してみじめな姿を晒さない構造を作ることである。いわば戦いである。

 今は無理かもしれないが、数十年後に、首都高速道路が地下に移設され、日本橋の上に青空が広がれば、そのときは、日本全体に大きな意識の変化があったことになるだろう。“日本橋の上を跨ぐ高速道路”のような状態は、全国のあらゆるところで見つけられる。観光立国を目指す日本は、訪日外客数の拡大を一つの指標としている。だが、本当の観光立国の意味するものは、国民全体の意識の中にある。

(編集長・増田 剛)

No.437 「ピンクリボンのお宿」シンポin諏訪、おもてなしを深化させる

「ピンクリボンのお宿」シンポin諏訪
おもてなしを深化させる

 ピンクリボンのお宿ネットワーク(会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将、事務局=旅行新聞新社)は6月24日に、RAKO華乃井ホテル(長野県諏訪市)で「ピンクリボンのお宿シンポジウムin諏訪」を開いた。NPO法人HOPEプロジェクト理事長の桜井なおみ氏や、ワコールリマンマ課の小高恵氏、すわ姫会の白鳥和美会長らが登壇し、各々の立場から「おもてなし」に対する熱い想いとノウハウについて語った。会場には、関係者からマスコミまで、多くの聴講者が詰めかけた。

【謝 谷楓】

 
 
 シンポジウム冒頭、畠ひで子会長は「旅館やホテル、医療機関が参画する同ネットワークは、手術後のあとを気にしてしまう女性が、何回でも旅にでて、心行くまで旅先で入浴を楽しんでもらうためのもの」と、同ネットワークの取り組みを再確認しつつ、「同ネットワークは現在129会員。設立から5年で会員数は2倍以上に増えた。今年はホームページも刷新し、情報発信にも力を入れる」と語り、一層の躍進を約束した。

 これを受け、来賓の小松仁長野県衛生技監兼保健・疾病対策課課長は、「それぞれの特徴に合わせた生活のしやすさを社会がサポートしていかなくてはならない。そのために、我われ行政やピンクリボンのお宿ネットワークはある」と今後の飛躍に期待を示した。また、金子ゆかり諏訪市市長は、4 月に制定された障がい者差別解消法に触れ、「同法のなかには、女性であるが故に、複合的な困難に直面していることに配慮しなくてはならない理念がある」と語り、乳がん患者や体験者にサービスを提供する同ネットワークの活動に理解を示した。…

 

※ 詳細は本紙1637号または8月2日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

ポケモンGO 配信開始、観光産業との連携に期待

ポケモンGOに夢中な外客(東京・秋葉原)
ポケモンGOに夢中な外客(東京・秋葉原)

 アメリカに本社を置くNiantic,Inc.は7月22日に、日本でのスマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO」の配信をスタートした。先立って配信されたアメリカでは、2千万以上のダウンロードがなされ、一大ムーブメントを引き起こしている。

 同ゲームは、地図と連動し、現実世界を移動しながらポケットモンスターを捕まえるもので、観光産業での活用に期待がかかる。

 陣取りゲームの要素も兼ね備えており、日本でも、歩きスマホや運転中の余所見などトラブルが発生している。

 その一方で、鳥取県の平井伸治知事は、「砂の多い砂丘でありますので、スナ(砂)ホ・ゲームであるということでございまして、鳥取砂丘スナホ・ゲーム解放区の宣言をここにさせていただこうと思います」と知事記者会見で語り、「ポケモンGO」を県内への誘客の一手段として捉える姿勢を見せた。

 出歩かなければ、成果を得られない仕様となっており、観光産業との連動に注目したい。(6面に関連記事)

【謝 谷楓】

訪日数1千万人突破、震災からの早期回復目指す、田村長官

 田村明比古観光庁長官は7月20日に行った長官会見で、今年1―6月の訪日外国人旅行者数が1171万3800人と、初めて半年で1千万人を超え過去最高となったことについて「東アジアを中心としたクルーズ船の寄港回数の増加や、航空会社との共同キャンペーン、そして熊本地震からの旅行需要回復が見られたことが訪日需要を引き上げた」と報告した。

 田村長官は今後の訪日者数増加に向けた対策として、「夏期休暇などの旅行シーズンに向けて、震災の影響からの早期回復を目指す」とし、先日取りまとめられた「九州の観光復興に向けての総合支援プログラム」に掲げられた施策を確実に進めていくと述べた。

 また、7月8日に行われた第1回「旅行業界情報流出事案検討会」で大手企業と中小企業のセキュリティ対策方法を分けて考えるべきとの意見が出されたことについて、田村長官は「個人レベルでも必要となってくる、アンチウイルスソフトの更新などが十分にできているのか疑問が残る」と述べ、今後有識者たちからの意見を踏まえたうえで、中間取りまとめを行っていくと語った。

ポケモンGOで地域の魅力を

 海外では日本よりも先に配信され、世界各地で社会現象となっているスマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO」。プレイヤーからは地元の魅力を再発見でき、観光案内マップとして利用できると注目を集めている。

 ポケモンと位置情報ゲーム「Ingress(イングレス)」を掛け合わせたゲームで、スマートフォンの位置情報を利用し、実際に歩き回ってポケモンを集めることができる。地図上の現実世界と連動した観光名所をめぐる必要があり、まちの人気スポットから石碑や壁画などの隠れた名所まで見つけられる。周遊観光客として、ゲームを通じて地域の魅力に触れられるのだ。

 今後、ゲーム製作側に動きがあれば、まち巡りのほか、周遊バスや人力車などと組み合わせた観光客も増えるかもしれない。

【長谷川 貴人】