No.440 千草ホテル、市場環境にどう適応していくか

千草ホテル
市場環境にどう適応していくか

 高品質のおもてなしサービスを提供することで、お客様の強い支持を得て集客している宿の経営者と、工学博士で、サービス産業革新推進機構代表理事の内藤耕氏が、その理由を探っていく人気シリーズ「いい旅館にしよう!Ⅱ」の第5回は、福岡県北九州市八幡で千草ホテルを経営する小嶋亮社長が登場。結婚式場業の定義に縛られず、「アニバーサリー・デザイン・カンパニー」へと発想の枠を広げ、内製化した自社の強みを活かす千草ホテル現場の取り組みを語り合った。

【増田 剛】

 
 

〈「いい旅館にしよう!」プロジェクトⅡシリーズ(5)〉
千草ホテル

 ■小嶋:千草という名前が生まれたのは1914年で、料亭から始まっています。千草は千の草、つまり雑草のことで、「雑草のようにどんなに踏みつけられてもたくましく生き残っていきましょう」という創業者の思いが込められています。

 当時、官営八幡製鉄所ができて非常に街が盛り上がっていました。私の曾祖父が愛媛から北九州の八幡に出てきて、港湾労務者として働いていたのですが、曾祖母が小料理屋を開くと繁盛したため、料亭を始めたという流れです。料亭千草は八幡製鉄所など大企業の社長や重役の接待に使っていただいていたようです。

 戦後は、焼け野原の中で料亭を再開しました。うちは分家筋にあたり、曾祖父の長男が料亭を継ぎ、次男だった私の祖父が分かれて、1942年に割烹旅館を始めました。これが千草ホテルの直系の流れです。料亭と同じく官官接待需要を取り込みつつ、旅館機能を付加した感じです。

 しかし、あくまでも接待が中心で、宿泊機能が現在も“サブ的”な位置付けなのは、そこがスタートだからです。

 父の代になって結婚式が盛り上がり、その後、「レストランウェディング」や「ハウスウェディング」に取り組むようになっていきました。私は2015年7月に専務から社長に就任しました。

 ■内藤:完全にマーケットの需要にあわせて業態転換していったのですね。

 ■小嶋:現在は、洋室宴会と和室宴会という2種類があるのですが、洋室宴会でブライダルが伸びていき、和室宴会は今でも確実にある接待需要を取り込むために、八幡エリアに関しては広げています。最近は個人客も増え、全体の半分を占めています。…

 

※ 詳細は本紙1640号または9月15日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

観光庁関係に208億円、訪日受入基盤を整備(16年度第2次補正予算)

 政府は8月24日の臨時閣議で、2016年度第2次補正予算を決定した。観光庁関係は208億円が計上された。一般会計として「訪日外国人旅行者受入基盤整備・加速事業」に155億円、「地方誘客のための緊急訪日プロモーション」に45億円。東日本大震災復興特別会計で「東北地方へのインバウンド推進による観光復興事業」に8億円が充てられた。

 国交省は補正予算国費に1兆2257億円を計上。16年8月2日に閣議決定された「未来への投資を実現する経済対策」で掲げられた4本の柱に基づき編成をした。(1)1億総活躍社会の実現の加速(2)21世紀型のインフラ整備(3)地方の支援(4)熊本地震や東日本大震災からの復興や安全・安心、防災対策の強化――この4つの柱のうち、21世紀型のインフラ整備に3828億円を計上。観光庁関係の約96%の予算がこの中に計上され、そのほか、大型クルーズ船の受入環境改善に165億9500万円や、羽田空港などの機能強化に101億3900万円、良好な水辺空間の形成による観光地の魅力向上に21億6800万円が充てられた。

洋彩和膳ラミュゾン

 栃木県日光市の「鬼怒川グランドホテル夢の季」を取材してきた。今年10月に旅館開業50周年を迎える同館では、年間を通してさまざまな50周年記念事業を実施している。

 なかでも注目の取り組みは6月にオープンした、「会話」と「食事」と「お酒」を楽しむ大人の空間、新感覚食事処「洋彩和膳ラミュゾン」だ。初の「R―12」指定で小学生以下の子供は利用ができない。

 コンセプトは「和の要素」を重視した洋食スタイル。和食だが見た目は完全にフレンチのフルコース料理。当初は20―30代の女性客を想定していたそうだが、実際にふたを開けてみると利用客の多くは50―60代の中高年層だったという。箸を使い、器は有田焼など和の陶器を中心に、日本酒はワイングラスでいただくという徹底したこだわり。センスが光る。

【古沢 克昌】

中間取りまとめに向け、業務独占後の論点を整理(通訳案内士制度検討会)

第17回検討会のようす
第17回検討会のようす

 観光庁は8月25日、東京都内で第17回「通訳案内士制度のあり方に関する検討会」を開いた。業務独占廃止の閣議決定後に開催した第14回から、計3回の検討会で提示された論点を整理。9月上旬になされる予定の中間取りまとめに向け、意見交換を行った。

 これまでの委員らの主な意見が、(1)業務独占の廃止と名称独占(2)有資格者の利用促進策(3)有資格者の品質の維持・向上(4)非有資格者対策(5)地域ガイド制度(6)通訳案内士試験(7)全国的な通訳案内士団体の創設――の7つにまとめられた。

 今後は名称独占のみとなるため、外国語の幅広い表記も含めて検討し、名称だけでなく、有資格者だと見てわかる指標を作るべきとの意見が出た。通訳案内士情報の見える化や、リストの一元化、問い合せに関するワンストップ窓口の設置も必要とされた。有資格者と地域ガイド、非有資格者の違いが分かるようにグレード制創設などの意見も挙がった。

 有資格者ガイドの品質の維持・向上に関して多くの委員から研修制度、更新制度の導入に対する意見があり、旅程管理に対する知識の向上をはかるべきとされた。ただ、更新制度を仮に3年に1度とした場合、案内士は各自治体に登録されているため、自治体の負担が増す懸念も示された。

 地域ガイド制度は、通訳案内士の4分の3が都市部に偏在している現状で、対策の1つとして拡大、普及させるべきとの主張も出た。また、非有資格者対策は、登録させるべきとの意見が多く、観光警察の設置や苦情受付窓口の設置などもあった。一方、試験については、実際の業務に即した知識を問うべきだという意見が目立った。

 全国的な通訳案内士団体の創設に関しては、(1)案内士の品質を高める(2)利用者とのマッチング(3)雇用機会の創出――の3つの機能を持つべきとされた。内規を定め、自主的な組織運営などを含め、グローバルな交流の場を受け持つ団体にすべきとの意見が出た。

 また、同検討会に先立って開かれた第16回の検討会では、東京都、和歌山県、京都市が地域ガイドに関する取り組みの先例を報告した。

ピローアドバイザー講習会、四万温泉「つるや」で開く(日本橋西川)

ピローアドバイザーの資格取得に向けた講習会を実施
ピローアドバイザーの資格取得に向けた講習会を実施

 群馬県・中之条町の四万温泉「鹿覗キセキノ湯つるや」(関良則社長)はこのほど、寝具販売の日本橋西川(東京都中央区、西川八一行社長)と連携して、宿泊客に快適な睡眠を提供するため、一人ひとりに合った最適な枕を提供する宿泊プランづくりを始めた。

 同館の関社長がかねてから計画していたもので、日本橋西川のグループ会社である西川産業が認定するピローアドバイザーの資格取得に向け、5月下旬に睡眠と枕の講習会を1日かけて実施した。全従業員が枕に関するピローアドバイザーの資格取得を目指し、サービスを向上させることでリピーターの確保につなげたい考えだ。

 講習会では、高さや硬さが適切な枕で眠るといびき防止や肩凝りの解消につながることや、快眠には香りや部屋の色、衣類などが関係することなどを学んだ。

 講習修了後に全従業員がレポートを提出し、11人のピローアドバイザーが認定された。今秋には、宿泊客がアドバイザーの意見を参考に、素材や高さ、硬さが異なる9種類の枕の中から最適なものが選べる宿泊プランを開始する予定だ。

 関社長は「旅館にとって、宿泊客の快適な睡眠は欠かせないものです。ピローアドバイザーで取得した知識を生かして、お客様により良い睡眠を提案していきたい」と意気込みを語った。

バス旅行の安全確保へ、企業間の適正取引促す(委員会設置)

 日本旅行業協会(JATA)と、全国旅行業協会(ANTA)、日本バス協会は、8月30日に「貸切バスツアー適正取引推進委員会」を設置するとともに、第一回委員会を開いた。バスツアーの需要拡大と、貸切バスを利用した旅行の安全確保を目的とする。

 同委員会では通報窓口を設け、運賃違反などの情報が寄せられた場合には当事者に対し改善を求め、指導を行う。また、同委員会の審議で行政指導が必要とされた事案については、管轄行政官庁に通知する。

 委員は、加藤博和名古屋大学大学院環境学研究科准教授と佐藤博康松本大学名誉教授、三浦雅生弁護士、廻洋子淑徳大学教授、國谷一男全国旅行業協会副会長、船戸裕司日本バス協会常務理事、興津泰則日本旅行業協会国内・訪日旅行推進部長の7人。そのほか、国土交通省自動車局と観光庁観光産業課がオブザーバーとして参加している。

宿泊販売190万人へ、10月から「日本の旬 九州」CP

330人が参加しキックオフ
330人が参加しキックオフ

JTBグループ、観光復興を支援

 JTBグループが全社挙げて10月から実施する国内観光キャンペーン「日本の旬 九州」のキックオフミーティングが8月31日、熊本市内のホテルで開催された。JTBグループや旅ホ連関係者、九州各県行政・団体関係者、交通関係者など330人が参加した。

 日本の旬は1998年から、「日本の魅力再発見」をテーマに全国各地で展開されており、九州は九州新幹線全線開業の2011年から5年ぶりの開催。熊本地震からの観光復興をキャンペーンで後押しする。

 開会宣言でJTB国内旅行企画執行役員の戒田智彦九州事業部長は「JTBの優位性で九州方面の感動需要拡大をはかり、震災からの観光復興の動きを加速させたい」と決意を述べた。

 このあと、JTB常務の今井敏行国内事業本部長と常務でJTB国内旅行企画の大谷恭久社長が主催者としてあいさつした。

 今井本部長は「震災後に2千人の社員が現地視察して支店で安全性を共有し、お客様に正確な情報を伝えた」と報告。そのうえで「エースの第2四半期が九州全域販売で前年比70%まで回復、インターネットのるるぶトラベルが7月120%、8月140%、9月160%と伸びている」と説明し、「すべての販売網を使い、日本の旬九州で宿泊販売190万人を達成する」と約束した。大谷国内旅行企画社長は、日本の旬九州後の持続的な需要喚起のため、「2017年度上期に九州をエース重点販売方面として展開する」ことを明らかにした。

 日本の旬九州は「五感に触れる新体感の旅」をテーマに3月31日まで展開。世界遺産、世界遺産候補を巡るプランでは、セスナ機から見る軍艦島周遊フライトや長崎夜景クルーズ、官営八幡製鉄所関連の施設見学ツアー、宗像大社正式参拝と非公開襖絵の特別見学などを盛り込む。

 JTBファームでの「あまおうイチゴ狩り」や九州温泉満喫チケット、感動魅力人が各地で案内するプランなどを企画。長崎ランタンフェスティバルでのエース専用ラウンジや雲仙仁田峠の夜間バス運行、九州各地の本格的な美食を味わうプランも設けた。

第2期「九州ふっこう割」、9月9日から販売開始、最大4―5割引

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 九州観光推進機構は8月26日、熊本地震の観光復興対策で実施する割引付旅行プラン助成制度の第2期「九州ふっこう割」事業について、9月9日から旅行商品販売を始めると発表した。

 同事業は地震でキャンセルが相次いだ九州7県の宿泊施設や観光施設に観光客を呼び戻すため、国の支援助成金180億円を活用し7月から開始したもので、12月までの期間、150万人泊の集客を目指す。

 第1期は7―9月の夏休み需要期に焦点を当て、早期回復と即効性を重視して全体予算の約7割を配分した。 第2期は10月1日から12月28日までの宿泊分を対象とする。

 対象となる旅行形態は、国内外向けのオンライン宿泊旅行商品などの宿泊・日帰り旅行商品、割引宿泊券、訪日外国人向け周遊型宿泊旅行商品などのなかから、各県の選択制となる。

 とくに、第2期では九州域外からの誘客強化を目指しており、旅行会社には宿泊単品より足付きの周遊型旅行に取り組んでもらう。福岡、長崎、熊本、大分、宮崎5県で販売の割引宿泊券は抽選方式とする。

 上限割引率は熊本・大分県が50%、他の5県が同40%。上限金額も宿泊のみが最大1万円、交通付き宿泊旅行が2万円、周遊型宿泊旅行が2万5千円、着地型は5千円を設定する。

白山開山1300年の節目へ、白山市の観光戦略語る

「白山開山1300年」記念ロゴ
「白山開山1300年」記念ロゴ

人と人の触れ合いが大切

 石川県内最大の面積を誇る、白山市。2005年2月1日、1市2町5村(松任市、美川町、鶴来町、河内村、吉野谷村、鳥越村、尾口村、白峰村)が合併して誕生した同市は、来年白山開山1300年の節目の年を迎えるにあたり、市のPRに力を入れている。白山市の魅力を全国に広めるために奮闘する、同市観光課の米林歩課長と、同市東京事務所の酒井誠一所長に、白山市の観光の現状と、今後の展望や課題を聞いた。【後藤 文昭】

 ――白山が来年開山1300年を迎えます。

■酒井:今年3月に市内の各種団体から構成する「白山開山1300年記念事業実行委員会」を組織しました。「次代へつなぐ1300年」をテーマに、18年までの3カ年で「広報」、「市民参加型」、「イベント事業」を3本柱とする活動を始めています。今年度は、とくに広報活動に力点を置くこととし、「記念ロゴマーク」を活用したマグネットシートなどPRグッズの作成・配布などを行うとともに、「『灯りでつなぐ1300年』プレイベント」や、8月10―11日の記念事業成功祈願登山の開催など、来年に向けて機運を盛り上げたいと考えています。

 ――開山1300年イベント以降はどのような取り組みを考えていますか。

■酒井:この1300年を節目にそれ以降も「白山」を全国に広めていきたいと考えています。そのためにもまずは白山市民一人ひとりが「白山の恵みに感謝するなど、改めて白山の素晴らしさを再確認される」ことが重要です。市民の声を取り入れ市民参加型のイベントを実施し、市民の皆さんとともに白山を県外に発信して行きたいと思います。

 ――白山は国立公園ですが、整備などは。

酒井:環境省と、国土交通省と石川県により、宿泊施設や登山道などはほぼ整備され、今後も避難小屋や要望のあるトイレの整備、「白山比咩神社」の奥宮も1300年にあわせて改築が進められています。

 ――白山市のこれまでの観光PRの問題点は。

■酒井:白山市は05年に1市2町5村が合併してできた市で、観光分野でも現在醸成中です。今までは8つの旧自治体単位の観光協会などで推進していましたが、市として1つになり、まとまるのが大変でした。当初はPRも市内各地域に点在するそれぞれの観光地を平等に行おうとしたため、わかりにくくなってしまい、目玉も作れませんでした。今はいい具合にまとまってきて課題は整理されてきたように感じます。ただ次の段階として、「白山」と、「白山比咩神社」を核に進めていくための効果的なPRの課題も出てきており、そのために東京事務所が1つの発信基地になりたいと思っています。  

 また、もともと観光業に携わる人が多い「山ろく地域」への新幹線開業効果の波及が薄いことが課題でもあります。これはPR不足に加え、2次交通の確保が難しいことなどが考えられます。 

■米林:合併後10年が経過し、とくに若い世代を中心に白山市全体を考えていこうという人も増えてきており、観光客に万遍なく白山市の魅力を伝えられるようになっていくと思います。それと、白山市からの発信だけでは弱いので、強力な情報発信と情報収集を東京事務所に期待しています。

 ――北陸新幹線の開業効果は。

■酒井:新幹線の開業によって、昨年のウルトラマラソンでは首都圏からの参加者が増加するなどの効果があり、観光客は増えました。それでも、金沢市が開業で湧いたような状況にまではなっていません。市としては、白山にあるものを個性としてPRしていきたいですね。その個性の1つに、宿泊施設(温泉)などが「コンパクト」であることがあります。コンパクトであるからこそ、少人数に濃い、深いおもてなしができると思っています。「金沢旅行の半日でいいから、白山市に立ち寄っていただきたい」と常々口にするのは、まずは半日、白山の温泉や旬の食材などを堪能してもらいたいからです。

 ――今後北陸新幹線をどう活用されますか。

■酒井:白山市には全国に5カ所しかない北陸新幹線の「総合車両所」があります。春からJRが市内団体限定に無料公開を始め、夏以降には市外団体も対象に無料車両所見学ツアーを開催しています。将来的には車両所を核としたツアー造成をJRと協議し、実現できれば県外からの誘客もはかれると期待しています。また、北陸新幹線が福井県まで延伸したとき、白山市や周辺自治体の産業や観光などに大きな影響を与えると思うので、新幹線白山駅実現に向けても、努力していきたいと思っています。

 ――では、白山市の観光の今後の展望については。

■酒井:白山だけで首都圏から誘客を進めることは、正直難しいと考えます。例えば昨年、白山市の宿泊者数が近年にはないほど増加しましたが、これは金沢市に宿泊できなかった観光客が流れていたことも1つの要因です。そこで白山市の観光は、金沢市と連携した取り組みが重要になっていきます。

■米林:金沢市との連携は、両市の思いが合致して成り立っています。金沢市は、リピーターにつなげるために金沢を拠点に加賀や能登へという思い、一方、白山市は1日目に金沢市、2日目は白山で遊ぶという流れを作りたいという思いです。

 具体的な例として、金沢に泊まった人が早朝見に行くところはないかという話のなかで提案をして、両市で作り上げた企画の1つが、「白山比咩神社おついたちまいり」です。

 また、「加賀地域連携推進会議(オール加賀会議)」(石川県小松市と加賀市、白山市、能美市、野々市市、川北町の6市町で構成)を通じ、3年前から周辺自治体と共同で情報発信などをしています。来年の白山開山1300年でも連携して取り組もうとする機運はできてきています。

 ――最後に、白山市の観光施策を、今後どのように進めていきますか。

■酒井:未確定なものが多いですが、観光専門の「白山市観光連盟」が動き始め、金沢市とも連携をしてイベントを行い始めていますし、環白山ということで、白山を取り巻く自治体が手を取り合って行う事業もいくつかあります。

 首都圏で白山市東京事務所として、出逢った方一人ひとりに、「石川県白山市の魅力」を発信していきたいです。

■米林:来た人を迎えるという意味では、白山市に住んでいる人が市に誇りを持つことが、最も大切だと思います。観光では、風景や、食べ物も大事ですが、人と人の触れ合いが一番大事です。最終的な目標は住みたいと思えるまちになることで、白山市もそうなれればいいと思います。

 そして、多くの人に「白山市」を知ってもらい、訪れていただけるよう努めていきたいです。

 ――ありがとうございました。

「西洋旅館」を続々展開、今後10年で15―20店へ(ひらまつ)

「ザ・ひらまつホテルズアンドリゾーツ熱海」のイメージ
「ザ・ひらまつホテルズアンドリゾーツ熱海」のイメージ

 高級フレンチレストランなどを展開する「ひらまつ」(陣内孝也社長、東京都渋谷区恵比寿)は8月25日、東京都内で同社の新たな事業の柱として、日本のおもてなしによるヨーロッパの旅館(西洋旅館)を順次展開していく方針を説明した。今後10年で15―20店出店し、ホテル事業全体で年間売上300億円を目指す。

 同社は「ひらまつ」や「ポール・ボキューズ」などのブランドで、日本全国とパリを合わせて33のレストラン・カフェを展開している。創業35周年を迎えるにあたり、ホテル事業に着手した。今年7月15日には三重県志摩市に、全8室の直営ホテル「ザ・ひらまつホテルズアンドリゾーツ賢島」をオープン。同ホテルは伊勢エビやフグ、アワビをはじめ、豊富な海の幸・山の幸を使ったフレンチを提供している。宿泊料金は1泊2食(2人1室)13万円からに設定しており、予約は好調という。

 10月27日には静岡県・熱海に全13室のホテルを開業する。建物は、日本の美を表現する現代の名工・木下孝一棟梁による数寄屋造り。レストランは地産地消を基本とし、自由な発想で贅を尽くしたディナーを用意する。宿泊料金は1泊2食(2人1室)で、1人8万7千円からに設定。

 12月末には、神奈川県・箱根での開業を予定している。そのほかにも、沖縄県・宜野座村への出店も計画している。

 陣内社長は「ホテル事業は20年前からの構想。『西洋旅館』と『滞在するレストラン』がコンセプトで、日本旅館の “おもてなしのこころ”を取り入れ、スモールラグジュアリーホテルのノウハウを蓄積しながら、軽井沢や広島、仙台、北海道、九州にも展開していきたい」と語った。

 滞在客に向けては、「和の勉強をしたシェフも多く、長期滞在客には和食を提供することも可能」と説明した。