〈観光最前線〉四国道の駅スイーツ祭り

2024年12月1日(日) 配信

まきのさんの道の駅・佐川「ごちそうバウム」

 四国の道の駅46カ所でスイーツをテーマとしたデジタルスタンプラリー「四国道の駅スイーツ祭り」が12月27日まで行われている。

 スマートフォンで専用ページからエントリー後、道の駅で対象スイーツを3つ購入するごとに1回抽選できる。道の駅で使える宿泊券や名産品詰め合わせなどが当たる。

 10月から始まり、これまで四国4県をはじめ全国から約800人が参加。人気のスイーツは、まきのさんの道の駅・佐川(高知県・佐川町)の「ごちそうバウム」や道の駅くるくるなると(徳島県鳴門市)の「焼きスイートポテト」、道の駅香南楽湯(香川県高松市)の「揚げパンソフト」、道の駅きなはい屋しろかわ(愛媛県西予市)の「生搾りモンブランパフェ」などで、地元食材を使ったものが好評だ。

【土橋 孝秀】

【特集 No.663】日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2024 次世代につなぐ“地域の拠点”へ

2024年12月1日(日) 配信

 旅行新聞新社(石井貞德社長)は12月1日、取材活動などを通じて見聞きした今年の観光業界の取り組みの中から、創意工夫の見られるものを独自に選び、表彰する「日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2024」を選出した。同賞は2021年に創設し、今年が4回目。グランプリは、旅館の存在意義を示しつつ、雇用維持や新規事業に努めた「加賀屋グループ」(石川県)を選んだ。優秀賞には「伊予鉄バス」(愛媛県)と、「奥出雲多根自然博物館」(島根県)を選出した。各賞の地域の拠点として次世代につなぐ新たな試みや挑戦を紹介する。

グランプリ 加賀屋グループ

心に寄り添うおもてなし、雇用維持や新規事業展開も

オンラインショップにも注力

 日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2024のグランプリに輝いた「加賀屋グループ」(渡辺崇嗣社長、石川県七尾市)は、今年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」により甚大な被害を受けた。

 和倉温泉では旗艦店の「加賀屋」、「松乃碧」「あえの風」「虹と海」の4館が営業していたが、現在も休業を余儀なくされている。

 加賀屋本館は、エレベーターを囲むガラスや通路の壁が崩れ落ちるなど建物の損壊があったが、幸い宿泊客にはけが人はなかった。エレベーターの止まった館内でスタッフは階段を駆け上がり、安全な場所へ案内した。館内放送では安心感を与えるために、「従業員の指示に従って安全な場所へ避難してください」と呼び掛けた。宿が海辺にあることから避難所となっている高台の小学校まで徒歩で誘導した。

 入浴後に浴衣姿となった宿泊客も多く、防寒着を提供した。避難所には、おにぎりやお茶などの飲食物、売店のお菓子、さらにはバスタオルや毛布、布団などを車やトラックで運び、少しでも宿泊客の不安を和らげるよう懸命に対応した。乳児用粉ミルクにはお湯が必要なため、電気ポットも持参したという。

 翌2日には、安全を考慮して、各客室の代表者1人にスタッフ5人が付き添い、20階までの客室を階段で何度も往復して荷物を運んだ。

 その後、通行可能な道路があるのか、社員が宿から金沢までのルートを確認し、宿のマイクロバスなどを総動員して金沢まで無事に送り届けた。

 加賀屋には「おもてなし日本一の宿」の呼び名が……

〈旅行新聞12月1日号コラム〉――久しぶりのソウルへ ライブ感のある屋台で食を楽しむ

2024年11月30日(土) 配信

 久しぶりに韓国・ソウルを訪れた。仁川国際空港からA,REXで到着したソウルの街は、雨に濡れて輝いていた。ソウル駅近くのホテルで2泊分のチェックイン後、客室のベッドで疲れた身体を横たえて「さて何をしようか」と思案していると、急激に空腹を感じた。何か胃袋に入れようと表に出たが、傘が無く、ソウル駅まで続く地下道を歩いた。やっと見つけた店で熱々のビビンバを食べると、もうそれだけで満ち足りた気分になった。ホテルに戻って、雨粒が滴る大きな窓越しに異国の街並みをぼんやりと眺めていた。

 小一時間もすると、雨は上がり、濡れた道路も乾いていた。深夜近く再びホテルを出ると、先刻まであんなに激しく雨が降っていたのに空気は乾燥していた。「冬の到来を告げる風が吹き出したからだ」と一人呟いた。どこを歩いても銀杏が街中を覆い尽くし、街が一面黄色に染まっていた。ソウルという都市がこれほどまでに銀杏並木が多い街だとは、知らなかった。

 ライトアップされた南大門から明洞通りに辿り着くと、土曜の夜ということもあって、屋台の周りには若者や外国人旅行者の熱気に溢れていた。

 その中に日本人の姿も多く見られた。いや、「多く見られた」というのは正しくない。前後左右から日本語が聞こえ、ごった返していた明洞界隈の半分が日本人ではないかと思えるほどだった。近年台湾でも日本人観光客の少なさを感じる。今春訪れたマカオでは、滞在した4日間のうち日本人とすれ違ったのは、わずか1組の中年夫婦だけだった。「日本人は此処にいたのだ……」と腑に落ちた。

 2日目は朝食に明洞サヴォイホテル内のオダリチプでカンジャンケジャンを食べ、景福宮を観光した。午後は広蔵市場のメインストリート「うまいもの通り」の屋台で、タコの踊り食い(サンナッチ)や韓国餃子(マンドゥ)、韓国風海苔巻き(キンパ)、韓国名物のフライドチキンなどを存分に味わった。

 明洞もそうだったが、広蔵市場の屋台もすごい人だかりで、とりわけ外国人旅行者にとって、ライブ感のある屋台でその土地の食を楽しむことが、旅の醍醐味なのだと肌で実感した。

 夜は、焼肉店でカルビやサムギョプサル、チジミなどを味わいながら、チャミスルやマッコリで深く、心地よく酔った。マッコリはやはり、野球部が麦茶を入れるようなやかんで飲むのが旨い。モダンに、スタイリッシュに変わりつつある韓国だがマッコリをあのやかんで飲むスタイルだけは、「オシャレにしないで」と願うばかりだ。

 さて、今回ソウルを訪れた最大の目的は、韓国大統領官邸・青瓦台を観光することであった。北岳山(プガクサン)を背景に建つ青瓦台は、テレビ画面を通じて何度も見てきたが、「今は観光客に無料で全面開放されている」ことを、本紙記者から聞いて以来、無性に訪れたくなったのだ。

 最終日の早朝は、頭の芯を突き刺すほど空気は冷たかった。雲一つない空は真っ青に澄みわたり、北岳山と青瓦台が眼前に大きく現れた。歴代大統領が厳かに執務する姿を想像しながら本館の館内を見学した。「訪れて良かった」と思った。

 旅の途中、私は何度か困難な状態になったが、そのたびに通りすがりの韓国人の若い女性が優しく助けてくれた。ありがたかった。

(編集長・増田 剛)

JTB連結第2四半期、増収減益に 海外、グローバル旅行は好調

2024年11月29日(金)配信

 JTB(山北栄二郎社長)が11月22日(金)に発表した2025年3月期第2四半期(24年4~9月)の連結決算によると、売上高は前年同期比2.4%増の5223億円の増収となった。一方、営業利益は46.5%減の47億円、経常利益は53.6%減の56億円、当期純利益は45.8%減の33億円の減益となった。

 部門別の売上高は、国内旅行が2226億円(同4.5%減)、海外旅行が1093億円(同67.4%増)、訪日旅行が297億円(同3.9%増)、グローバル旅行が509億円(同49.8%増)。これら旅行部門の合計は同14.3%増の4125億円だった。

 同社によると、国内旅行は前年の「全国旅行支援」の反動減や自然災害の影響を一部受けたものの、段階的に回復傾向。海外旅行は燃油高騰や円安、現地の物価高なども影響し、依然として緩やかな回復にとどまっている。グローバル旅行は東アジアから欧州への旅行が好調で、訪日旅行も欧米市場を中心に増加したとしている。

 旅行以外は同26.4%減の1098億円。市況の回復を捉えたミーティング&イベント、旅行回復に伴う商事が好調に推移した。成長戦略の一つである観光DX領域は、デジタルメディア事業を中心に前年比を超え、着実に伸長しているという。

 コーポレート部門は、人材面ではリファラル採用の導入、IT&DX面ではデジタル・IT資源の見える化や生成AIを活用した基盤開発、ユースケース実装と「スマートワーク」実現のための基盤整備など、将来に向けて積極的に投資した。

 24年度の通期見通しでは、年度当初に計画した営業利益116億円の達成を目指す。

オリエンタルランド、東京都と連携協定結ぶ 28年度「ディズニークルーズ」見据え

2024年11月29日(金) 配信

 オリエンタルランド(吉田謙次社長兼COO、千葉県浦安市)はこのほど、日本を拠点とするクルーズ事業を展開するにあたり、東京港を主要な発着拠点とすることとし、関連する取り組みについて協力していくことを目的に、東京都(小池百合子知事)と連携協定を結んだ。

 具体的には、クルーズ事業の実施に向けた環境づくりや、クルーズ事業を通じて心豊かな子供を育てる活動、東京臨海副都心地域における賑わいづくり――など両者が協力していく。

 同社はクルーズ事業の展開に向けて、2025年度から「ディズニークルーズ」の造船をスタートし、28年度の就航を目指している。東京都と連携して「ファミリーエンターテインメントクルーズ」という、オリエンタルランドならではのレジャー実現に取り組む構え。

NAA、10月外客数9カ月連続で最高 コロナ禍前から29%増

2024年11月29日(金) 配信

田村明比古社長

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が11月28日(木)に発表した2024年10月の総旅客数は、前年同月比14%増の342万9795人となった。このうち、国際線の外国人旅客数は同25%増の195万2721人と9カ月連続で過去最高だった。コロナ禍前の19年同月比で29%増。円安を背景に近距離アジアが好調だったことが主な要因。

 国際線の総旅客数は前年同月比21%増の280万5651人。このうち、日本人旅客数は同22%増の67万1888人。コロナ禍前の19年同月比では43%減だった。

 国内線旅客数は前年同月比10%減の62万4144人。19年同月比5%増となった。

 総発着回数は前年同月比13%増の2万874回。旅客便のうち、国際線は同18%増の1万3813回。国内線は同12%減の3814回だった。

 田村社長は「アウトバウンドは緩やかな回復傾向が続く」との見通しを示した。

中国前年比79%増 韓国コロナ前の2倍

 11月1(金)~23日(土)の国際線出国旅客数は前年同期比20%増の98万人。19年同期比では同7%減となった。

 このうち、中国線は同79%増の12万2100人。19年同期比では12%減。韓国線は前年同期比20%増の19万2700人。19年同期比では111%増だった。

 田村社長は「紅葉やサンクスギビングを利用した北米からの旅客数が増えた」と説明した。

 年末年始については「訪日需要は引き続き、高い。海外旅行はハワイなどのリゾート路線が好調だ」と話した。

リゾバスタッフに箱根フリーパスを提供 ヒューマニックなどが労働力不足改善狙う

2024年11月29日(金) 配信

仕事の合間に箱根観光が楽しめる

 小田急グループのヒューマニック(清水良社長、東京都新宿区)と小田急箱根(水上秀博社長、神奈川県小田原市)、小田急電鉄(鈴木滋社長、東京都新宿区)は12月2日(月)から、リゾートバイトスタッフに「デジタル箱根フリーパス」を提供する。仕事の合間に箱根観光が楽しめるよう企画したキャンペーンで、箱根での就労を促し、労働力不足の改善をはかりたい考え。

 ヒューマニックが運営する、リゾートバイト求人サイト「リゾバ.com」を通じて箱根で働くリゾートバイトスタッフに、2日間有効の企画周遊券「デジタル箱根フリーパス」を配布する。フリーパスは大涌谷を俯瞰するロープウェイや芦ノ湖の遊覧船、登山電車など8つの乗り物が乗り放題になる。余暇充実のほか、地域との関係性や愛着醸成、顧客とのコミュニケーション活性化によるサービスの品質向上などを狙う。

 対象は御殿場を含めた箱根エリアのうち、同社が指定する観光施設65施設で期間中に2カ月以上の就労が見込まれる人。就労開始から1週間後に順次配布する予定。期間は12月2日~2025年3月31日まで。

国際線マイル航空券が最大50%減額! ANA Xが12月2月からキャンペーン開始

2024年11月29日(金) 配信

発券期間は12月2~20日まで

 ANA X(神田真也社長、東京都中央区)は12月2日(月)から「ANA国際線特典航空券最大50%減額キャンペーン」を開始する。ハワイやヨーロッパ、中国、東南アジア、オセアニア方面の対象路線・便のANA国際線特典航空券が通常より少ないマイル数で予約できる。

 同社によると、12月の航空券発券は11月よりも燃油サーチャージが安くなるため、お得に旅行が可能という。

 キャンペーンはWebサイト限定で、公式サイトやアプリからログイン後に特典航空券予約から申し込む。発券期間は12月20日(金)の午後11:59まで。搭乗期間や必要マイル数は路線によって異なるため、詳細はサイトから要確認。

温泉地の活性化支援へ 21温泉地に2100万円寄付(バスクリン)

2024年11月29日(金) 配信 

「日本の名湯」を公認している全国21カ所の自治体・団体へ総額2100万円の寄付を行った

 バスクリン(三枚堂正悟社長、東京都千代田区)は11月20日(水)、日本の名湯応援プロジェクトの一環として、全国21温泉地が掲げる温泉地活性化に向けた「アクションプラン」に活用してもらうため、各温泉地に総額2100万円の寄付を行った(1温泉地当たり100万円)。

 同社は2021年から、コロナ禍の影響で観光客の減少や経営環境の変化を受けた温泉地の活性化と支援を目的に、温泉タイプ入浴剤「日本の名湯」シリーズの売上の一部から寄付を実施する「日本の名湯」応援PJを続けてきた。

 21年8月~23年8月まで集めた寄付金の総額は、5711万9566円。

 同社は、「温泉地の活性化や課題解決に向けて、今後も温泉地と一体となり、さまざまな支援を続けていく」とした。

 寄付を行った「日本の名湯」公認団体・温泉地は次の通り。

▽十勝川温泉旅館協同組合(北海道)
▽登別国際観光コンベンション協会(北海道)
▽蔦温泉旅館(青森県)
▽乳頭温泉郷協同組合(秋田県)
▽鳴子温泉郷観光協会(宮城県)
▽福島県・金山町
▽塩原温泉観光協会(栃木県)
▽熱海市観光協会(静岡県)
▽伊豆市観光協会修善寺支部(静岡県)
▽野沢会(長野県)
▽木曽おんたけ観光局(長野県)
▽山代温泉観光協会(石川県)
▽濁河温泉管理組合(岐阜県)
▽奥飛騨温泉郷観光協会(岐阜県)
▽龍神温泉協会(和歌山県)
▽湯原町旅館協同組合(岡山県)
▽道後温泉旅館協同組合(愛媛県)
▽嬉野温泉観光協会(佐賀県)
▽別府市旅館ホテル組合連合会(大分県)
▽九州アルプス商工会/長湯温泉観光協会(大分県)
▽黒川温泉観光旅館協同組合(熊本県)

11月29~12月1日、東京タワーで大分の魅力を発信 「おんせん県おおいた『地獄蒸し祭り』」

2024年11月29日(金) 配信

グルメや音楽ステージが楽しめる人気イベント

 大分県の魅力を発信する「おんせん県おおいた『地獄蒸し祭り』in東京タワー2024」が11月29日(金)~12月1日(日)まで、東京タワー(東京都港区)で開かれる。グルメや特産品販売、音楽ステージの実施など大分の魅力が詰まった恒例のイベント。

 大分県の人気イベント「由布院牛喰い絶叫大会」の体験や、おおいたにちなんだ曲を熱唱するカラオケ大会、誰でも“競り”を体験できる「間越え 来だんせへ市」など、参加型ブースも多数展開する。

 特産品は海の幸、山の幸が集結し、唐揚げやかぼすブリなどが楽しめる。TVでも話題の移動式寿司トレーラー「すし寅」も登場する。

 また、「別府温泉」が源泉かけ流しで体験できる「足湯」を設置して温泉をアピールする。

 開催時間は11月29日が午後5~9時まで、30日が午前11~午後9時まで、12月1日が午前11~午後6時まで。