ウィラー、関西とナガシマリゾート結ぶ直行便開始へ 日帰りでも最長9時間滞在可能

2019年11月15日(金) 配信

年間1500万人が訪れるナガシマリゾート

 高速バス「WILLER EXPRESS」を運行するWILLER EXPRESSは12月1日(日)から、大阪とナガシマリゾートを結ぶ直行バスの運行を始める。日帰り利用でも最長で9時間滞在できる運行ダイヤとし、より長く観光を楽しんでもらえるよう工夫した。片道2500円から売り出す。

 ナガシマリゾートは子供から大人まで楽しめる総合レジャー施設で、遊園地や天然温泉露天風呂、店舗数300を超えるアウトレットモールがある。現在は年間1550万人が訪れるという。

 すでに昨年末、首都圏からの直行バスの運行を開始していた。今回新たに関西圏からの直行バスを提供することで、関西圏からのインバウンドを含む観光客の誘客を狙う。

直行便概要

バス車内イメージ

運行開始日:2019年12月1日(日)

運行ダイヤ:

【大阪発|W701便】

・WILLERバスターミナル大阪梅田[6:30発]⇒ナガシマリゾート凱旋門前[9:20着]→金城ふ頭駅/レゴランド[9:50着]→名古屋駅[10:20着]

【名古屋・ナガシマリゾート発|W812便】

・名古屋駅/太閤通口[17:30発]→金城ふ頭駅/ゴランド[18:10発]→ナガシマリゾート凱旋門前[18:35発]⇒ 大阪駅前[21:20着]

シートタイプ:リラックス

運賃:2,500円~(片道)

運行バス会社:WILLER EXPRESS株式会社

予約サイト

一休、会員1千万人記念セール実施 15日正午から72時間限定

2019年11月15日(金)配信

72時間限定の特別クーポンのため要チェック

 高級ホテル・旅館の予約サイト「一休.com」を運営する一休(榊淳社長)は2019年11月15日(金)、正午~18日(月)正午までの72時間限定で「会員1,000万人突破記念セール」を行う。「一休.com」内に掲載されるホテルや旅館の宿泊料金が割引になるクーポンや、特別プランを提供する。クーポンは枚数限定。

 クーポンの取得・利用方法は、クーポン配布の対象となっている「一休.com」内の宿ページを訪問すると、宿専用のクーポンが表示される。表示されているクーポンを獲得し、予約画面で適用すると割引が適用されるようになる。

 クーポンは人気の高いプランや、祝前日・年末年始の混雑が見込まれる日取りでも適用除外にならない場合が多く、好きなプランや日取りで利用しやすい。さらに、同セール以外ですでに割引や特典付与がされているプランに対しても適用されるものが多くなっているという。

72時間限定「会員1,000万人突破記念セール」概要

 11月15日(金)正午から11月18日(月)正午までの72時間限定で、クーポン配布と特別プランを提供する。対象となる宿やクーポン内容は、特集ページから確認をお願いする。

実施期間:2019年11月15日(金)正午~11月18日(月)正午

https://www.ikyu.com/special/01/1000anniversary_coupon/
https://www.ikyu.com/special/01/1000anniversary_coupon/

※適用条件はクーポンにより異なるため、あわせて確認をお願いする

「旅館コンサルタント大坪敬史の繁盛旅館への道(53)」 トーマス・クック社、破綻の意味

2019年11月15日(金) 配信

時代に乗り遅れない工夫を

 「英旅行大手トーマス・クック、破産申請 旅行者15万人の帰国作戦が開始」という、衝撃的なニュースが流れていました。

 トーマス・クック社といえば、観光業を学んだ人なら、知らない人がいないほど、世界的に有名な旅行会社です。最初に団体旅行を始めたのも、この会社です。

 さらに、トラベラーズチェックも発明するなど、近代旅行業と観光業への貢献は、測りしれないものがあります。 本当の意味で、レガシー(遺産)となってしまったのは残念でなりません。

 記事によると、欧州連合(EU)離脱による景気低迷を不安視した英国の観光客が、海外旅行を控えたことが影響した、との記述もありましたが、それだけが主要因でないことは、明らかだと思います。破綻の大きな要因とみられるのは、「21世紀の時流に乗り遅れた」ことだと思います。
 

 つまり、IT化やOTAへの対応など、「個人で旅行を予約する」という時代の潮流から外れたことでしょう。

 世界的な潮流としては、「旅行会社を通さずに、個人で旅行を手配する人」が増えた、ということが影響していると思います。この「個人化」と「IT化」の流れは、旅行業界、観光業界だけでなく、すべての業種で起きています。

 宿泊産業で考えると、インターネット販売が盛んになってきた頃は、リアルエージェントからネットエージェントに販売主軸が移行する「旅の窓口エフェクト」や「じゃらんエフェクト」(※造語です)によって、リアルエージェントの影響が薄くなってきました。

 最近では、ネットエージェントはオンライントラベルエージェントと名称を変えて、リアルエージェントの市場を奪う形になったのに加え、外資系OTAが個人予約の大半を抑えるようになってきています。

 つまり、個人予約というマーケットが拡大すると同時に予約の主軸が、リアルエージェントからネットエージェント、ネットエージェントから国内OTA+外資系OTAへと予約媒体が増えて、競合が一層激しくなっているという状況です。

 こうしたなか、リアルエージェントが盛り返すことは、なかなか難しくなっています。

 とくに、日本の旅行社の数は、人口に対して多すぎるように思います。さらに、宿から提供された部屋を、旅行会社が売り切れないという状況では、未来はありません。

 宿泊施設の中には、リアルエージェントの比率が高いところもあるでしょう。ただ、それも特別な理由がない限り、永遠にその状態が続くことはないと思います。

 世界の旅行会社不要時流が、日本でどう影響するのか注目するとともに、宿泊施設が、リアルエージェントとの付き合い方を考える、良い機会になると思います。
トーマス・クック社の事例は、日本の旅行会社にも、特別なことではないはずです。

コラムニスト紹介

大坪敬史氏

旅館コンサルタント 大坪 敬史 氏

大手旅行会社での実務業務を経て船井総合研究所入社。インターネットを駆使したWeb販促&直販売上倍増&即時業績向上ノウハウには定評があり、数多くの宿泊産業の業績向上に貢献。観光文化研究所を設立し代表取締役。

92店舗でカキなど瀬戸内の魚介類がお得に楽しめる 広島市などで「瀬戸内かき海鮮食堂」キャンペーン展開中

2019年11月15日(金) 配信

広島酒呑童子・広島の地酒 利き酒セット(1500円)

 広島「食」の観光キャンペーン実行委員会は2020年2月29日(土)まで、食の観光キャンペーン「瀬戸内かき海鮮食堂」を行う。広島県広島市や呉市、山口県岩国市など広島広域都市圏にある92店舗で、牡蠣や穴子など瀬戸内の魚介類を使ったキャンペーン期間限定メニューを、値ごろ感のある価格で楽しめる。

広島HOP’S・かきのクリームつけパスタ(700円)

 メニューは、500円で楽しめるテイクアウトから、豪華な夕食セットを3千円で満喫できるディナーコースまで5種類の定額制。専用の冊子には、さらにお得に海鮮グルメが味わえるクーポンや、10のモデルコースを掲載している。

 飲食後にもらえるカードを集めて応募するカードラリーや、インスタグラムを活用したフォトコンテストも実施する。カードラリーでは広島市内と郊外の協力店各1枚ずつの応募券を集めて応募すると、広島―東京(羽田線)往復航空券などが当たる。

 インスタグラムキャンペーンでは、「瀬戸内かき海鮮食堂」と廿日市産かきをPRするプロジェクト「牡蠣くるみ」がコラボレーションする。

 それぞれのインスタグラム公式アカウントをフォローし、ハッシュタグ「#瀬戸内かき海鮮食堂」「#牡蠣くるみ」をつけてキャンペーンに関連する写真を投稿すると抽選で「殻付きかきとむき身のセット」などの賞品が当たる。今年は「瀬戸内かき海鮮食堂」限定メニューのほか、キャンペーンののぼりやパンフレットなどの写真投稿も対象とし、参加しやすくしている。

 11月13日(水)東京都内で行われた発表会で広島市経済観光局観光政策部、観光企画担当の長谷部良治氏は、「消費増税にもかかわらず、多くの店が昨年と同じに価格設定にしているので、お得感がより強まっている」と魅力を語り、「広島を訪れていただき、キャンペーンパンフレットを片手に(海鮮グルメを)楽しんでください」と来訪を呼び掛けた。

楽天LIFULL STAY、HomeAwayとインバウンド強化策開始

2019年11月15日(金)配信 

 楽天グループの民泊事業会社である楽天LIFULL STAY(太田宗克社長、東京都千代田区)は2019年11月14日(木)、世界大手のバケーションレンタルサイトのHomeAway(米国テキサス州オースティン)との民泊事業における業務提携に基づき、インバウンド強化策を始めたと発表した。

 楽天LIFULL STAYが運営する宿泊・民泊予約サイト「Vacation STAY」掲載の日本国内の民泊施設や簡易宿所などのバケーションレンタル施設が、HomeAway上に掲載され予約可能となった。

 さらに、HomeAwayはグローバルでの集客力を生かした訪日旅行者へのマーケティングを行い、インバウンドの需要拡大につなげるという。在庫の獲得から集客、販売まで両社が協力して行い、物件オーナーや訪日旅行客に魅力的なサービスの提供を実現させる狙いだ。

 昨今、訪日旅行者から多様な宿泊施設供給へのニーズが高まるなか、今後両社は民泊サービスの提供を通じて、訪日旅行者の宿泊施設の選択肢を広げるとともに、地方都市を含めた日本のさまざまな地域に対する認知拡大と送客強化を目指す。

【会員募集中】著名イラストレーターの会員カードがもらえる 「いがいと!福知山ファンクラブ」

2019年11月14日(木)配信

福知山城デザインの会員証

 2020年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公・明智光秀ゆかりのまち・京都府福知山市はこのほど、市外に住む人を対象にした「いがいと!福知山ファンクラブ」を設立した。会員登録は無料で、入会するとジブリ作品美術監督・山本二三さんら著名イラストレーターが描いたオリジナル会員カードがもらえる。

 ファンクラブ会員へのメールマガジンやシティプロモーションサイトに加え、ふるさと納税やSNS(交流サイト)などとも連携し、福知山の魅力を継続して届けていく。

「いがいと!福知山ファンクラブ」おすすめポイント

1)有名イラストレーターが手掛けた選べる会員証
 デザインは、ジブリ作品の美術監督で、『天空の城ラピュタ』などの背景画などを手がけた山本二三さんによる「福知山城」、人気ゲームソフト『戦国無双』や雑誌『歴史人』などで知られる武将イラストの巨匠・諏訪原寛幸さんの「明智光秀」、江ノ電のポスターなどで知られ、独特の世界観が人気のイラストレーター・ジュジュタケシさんによる「日本一(世界一)の鬼瓦」の3種類。入会時に好きな会員証を選べる。

2)福知山と”つながる”メルマガを月1回配信
 毎月1回、福知山市からメールマガジン「ふるさと福知山通信」が届く。Web版の『広報ふくちやま』や旬の話題、イベント情報、地域での体験やボランティア活動の募集、ふるさと納税返礼品の紹介などのほか、ファンクラブ会員限定の情報も。

3)市内の飲食店・宿泊施設で割引などの特典も
 市内の協力店舗や事業所で会員カードを提示すると、店ごとの優待サービスを受けることができる。

入会方法

 下にある市の専用ページから申し込む。優待割引などの情報もマップ付きで紹介している。

いがいと!福知山について

 福知山市は中心部では都市基盤が充実し、郊外では自然豊かな農山村の風景が広がる、街と田舎、両方の魅力を持っている。その多方面な魅力を生かし、まちのイメージ向上と移住定住を進めていくため、「いがいと!福知山」をブランドメッセージに「いがいと!子育てしやすいまち」「いがいと!肉のまち」などのフレーズで市の売り込みに力を入れている。

5千円引きでお得、「JALで行く 空行け!九州キャンペーン」

2019年11月14日(木)配信

11月~2月出発に使える5千円クーポン配布中

 ジャルパック(江利川宗光社長)は2019年11月14日(木)、九州観光推進機構(石原進会長、福岡県福岡市)と連携し、九州への旅行需要を喚起する「JALで行く 空行け!九州キャンペーン」を始めた。航空券と宿泊を組み合わせた「JALダイナミックパッケージ」で、1人につき5千円割引となるお得なキャンペーンを利用できる。利用人数は2人以上。先着2000枚まで。

「空行け!九州キャンペーン」5千円クーポン詳細

予約対象期間:2019年11月14日(木)~20年2月28日(金)

 ※なくなり次第終了となる

出発対象期間:2019年11月25日(月)~20年2月29日(土)

利用人数:2人以上

割引額:1人につき5000円

利用上限数:先着2千枚

 (往路福岡空港利用:600枚/往復福岡空港以外利用:1400枚)

旅行代金条件:

対象:九州・奄美地区空港到着のお客様

 ※今回のキャンペーンは、九州観光推進機構からの補助金を活用し実施する

申し込みページ:※利用空港により異なる

往路 福岡空港利用:

往復 北九州/大分/長崎/熊本/宮崎/鹿児島/種子島/屋久島空港利用:

往復 奄美大島/喜界島/徳之島/沖永良部/与論空港利用:

障害者アーティスト26人の作品展示 「可能性アートプロジェクト展 in 長楽寺」開催へ 凸版印刷

2019年11月14日(木) 配信 

前回の展示のようす

 長楽寺(京都府京都市)は2019年11月15日(金)から12月8日(日)まで、障害者アートを展示する「可能性アートプロジェクト展 in 長楽寺」開く。26人の障害者アーティストが「無限の可能性・才能」をテーマに描いた31点の作品が並ぶ。

 企画・運営は凸版印刷(東京都千代田区)と良いお寺研究会(東京都品川区)が担う。凸版印刷の最新技術を活用し、作品と連動したAR(拡張現実)コンテンツも取り入れ、作品をより楽しめるよう工夫を凝らした。

作品『せんじゅかんのん』

 作品「遠呂智墨(おろちぼく)」を使用した襖絵(ふすまえ)や、掛け軸と組み合わせた作品「せんじゅかんのん」にスマ-トフォンをかざすと、「作品が動き出し、お経を聴くことができる」(同社)という。

 展示会は昨年に引き続き2年連続での開催となる。作品を印刷した紙製飲料缶「カートカン」や卓上カレンダーなども販売する。障害者アーティストの支援と寺院を広く一般に公開することで、障害者の自立といった社会的課題解決と経済的利益の両輪を回すビジネスモデルを構築する狙い。

 凸版印刷では2018年に、「障がい者の自立支援」と「企業の人財開発」を組み合わせた試みとして「可能性アートプロジェクト(※1)」を始めた。「今後も障害者アーティストの自立支援の拡充と、その過程を通して次世代リーダーの育成を推進していく」と語った。

 「可能性アートプロジェクト展 in 長楽寺 2019」 開催概要

展示会場 長楽寺

場所:長楽寺 書院(京都府京都市東山区八坂鳥居前東入ル円山町626)

TEL: 075-561-0589

開催日:2019年11月15日(金)から12月8日(日)

開館時間:午前9時00分から午後5時00分(長楽寺開門時間)

拝観料:

【11月30日(土)まで】 ※特別展期間のため特別拝観料

大人:650円、小・中学生:300円

【12月1日(日)から】

大人:500円、小・中学生:250円

長楽寺URL

※1 「可能性アートプロジェクト」

 凸版印刷の持つ「印刷テクノロジー」を活用することで、障害者アーティストの作品を価値化し、社会的課題解決(障害者の自立)と経済的事業活動が両立するビジネスモデル構築を目指す取り組み。

これまでの障害者アート作品の活用事例として、紙製飲料缶「カートカン」や卓上カレンダーへの採用・販売や、ARコンテンツの制作、絵本出版などの実績がある。

これらのビジネスモデル構築を凸版印刷の企業研修プログラムとして採用し、 次世代リーダーの育成にも活用している。

*記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標

東海汽船 創立130周年 生活航路を守りながら伊豆諸島の観光に注力

2019年11月14日(木) 配信

(左から)太田理絵氏、早川佳男氏、上田直人氏

 東海汽船(山﨑潤一社長、東京都港区)は11月15日、創立130周年を迎える。同社は1889年に誕生し、18年後に伊豆諸島に暮らす島民の生活を守るために定期航路を開いた。1928年からは観光分野にも進出し、伊豆大島を観光地として整備。2017年からはブランド「プラネタリウムアイランド」を確立し、伊豆諸島への観光誘客を推進している。離島観光を軸に、同社の歴史や、これまでの取り組みをまとめた。

 社史編纂室の早川佳男室長は、「東海汽船は創業以来、幾度もの危機を迎えてきた。しかし、伊豆諸島に住む人々の生活航路を守り続けてきたから、ここまで来ることができたのだと思っている」と会社の歴史を総括する。 

 東京湾汽船会社(現東海汽船)は1889年、渋沢栄一の発案により、当時東京湾内に乱立していた船会社のうち内国通運など4社が合併して誕生した。1891年、印鑑の材料になるツゲ材を輸送するために、東京府(現東京都)の要請で御蔵島への定期運航を開いたのが、同社の伊豆諸島航路の始まりとなる。

 1907年には、伊豆諸島の島民の生活を守るために東京府が出した要請を受命し、伊豆大島、利島、新島、神津島、三宅島、御蔵島への定期航路を開いた。

 会社設立以来、伊豆諸島への定期航路を守り続けてきた同社が、観光分野に進出するのは、28年から。きっかけになったのは、27年に発生した金融恐慌。同社の株を60%保有していた東京渡辺銀行が倒産し、創業以来最大の危機を迎えた。

 この危機を救ったのがが、貴族院議員の中島久万吉、郷誠之助と、彼らが主催するサロンに集まっていた若手実業家ら。このとき、社長として中島久万吉、常務として林甚之丞、彼らの多くが経営に参加した。

 林氏は会社発展のために大島や三崎、館山などの自社航路を視察。その過程で、伊豆大島に魅力を感じ、「東京府民のオアシスになる」と確信したという。

 そして林氏は、大資本家の根津嘉一郎に大島の魅力などを説き、彼からの融資を元手に観光分野に進出した。

 このとき伊豆大島には、自然公園や大島観光ホテル(58年から藤田観光が大島小涌園として運営)=写真=を建設したほか、島内の道路の舗装も実施しバス会社も作った。

大島観光ホテル玄関(提供:東海汽船)

 下田にも、静岡県や下田町からも整備費を負担してもらう形で港を整備し、下田で初めてとなる温泉をひいた観光ホテルを建設するなどし、多くの観光客を集めた。

 伊豆大島はその後、林氏と同じ思いを抱いた日産コンツェルンの鮎川義介によって、さらなる発展計画が構想された。鮎川の構想では、波浮港をクジラが泳ぐ水族館にし、島には保養所を建て、豪華客船を毎日運航する計画だったという。しかし、この計画は、太平洋戦争の影響で断念している。

 戦後も東海汽船は、65年に大島温泉ホテルを開業するなど、伊豆大島の観光と密接に関係しながら今日に至る。

 早川氏は会社の歴史を振り返ったうえで、「私たちが運航している航路は、台風などの自然災害に左右される。会社には、そういったリスクに関わらず、利益を上げられる事業を生み出してほしい」と将来の展望を語った。

プラネタリウムの島伊豆諸島の認知度拡大へ

 東海汽船では2017から、「プラネタリウムアイランド」というブランドをつくり、伊豆諸島への観光誘客をはかっている。旅客部門広報宣伝グループの上田直人氏は「星空は、伊豆諸島のすべての島で共通する自然素材。夏のシーズンは予約が埋まるほど多くの人に離島航路を利用いただいているが、冬の時期はそうならない。なので、星がきれいに見える冬の離島への観光客を増やすためにスタートした」と説明する。

 20年夏に就航する「3代目さるびあ丸」も、最上階のトップデッキの床を柔らかいゴムチップにし、デッキに横になりながら星空を眺められるようにする。船内にも、星空を想起させる仕掛けを施したい考えだ。

 同部門広報宣伝グループの太田理絵グループ長は、「生活航路を維持することは重要だが、離島への観光誘客も運航継続するうえでは重要」と強調する。そのうえで、「新造船の就航を契機に、離島の魅力発信を強化し、インバウンド需要の取り込みも進めたい。併せて東京湾納涼船の知名度も上げていきたい」と思いを語った。

箱根リトリートフォーレ「芸術家になるホテル」を通年企画 第1弾はモネにまつわる特別料理とポーラ美術館をセットに

2019年11月14日(木)配信

旅する画家モネのあしあと

 箱根・仙石原の温泉ホテル「箱根リトリートフォーレ」は、「芸術家になるホテル」と題して、アートを鑑賞するだけでなく、創り、特別メニューを味わえる企画を、通年で始める。アートの街・仙石原の美術館作品にちなんだ料理を味わい、作品創りを体験し、さらに美術館を訪れることで理解を深め、仙石原のアートを盛り上げる。第1弾として印象派画家のモネにまつわる特別メニューとポーラ美術館入館券がついた宿泊プランを来年3月末まで販売する。

芸術家になるホテル『味わう×創る×観る』

メニューはフレンチコース

 仙石原は多くの美術館があり世界的に有名な作品が所蔵されている。美術館での鑑賞をより深く理解し、楽しんでもらいたいと考え、それらの作家や作品にちなんだアートを創り味わう宿泊プランを用意する。

 料理は毎回異なる作家をとりあげ、そのストーリーやテーマにまつわるメニューを用意する。一部は自身で作品を仕上げるメニューもあり“味わう”だけでなく“創る”も体験してもらう。美術館の入館券が付いているので、実際にその画家の作品を鑑賞することで、より一層鑑賞が印象深いものとなる。

 ホテルのデッキテラスとラウンジにはアートワークスペースを設けているので、パステルなどを使い風景の塗り絵なども楽しめる。

「旅する画家モネのあしあと」クロード・モネ編

クロード・モネ「睡蓮」1907年 油彩/カンヴァス ポーラ美術館蔵

 フランス印象派画家「モネ」は美食家として有名だ。モネが残したレシピの数々より、秋の地元の厳選食材を用いて箱根風にアレンジした特別フレンチコースをポーラ美術館監修・協力のもと開発した。「ブランマンジェのベリーとアサイーのスープ仕立て」は、モネの代表作《睡蓮》にも描かれている、「水の庭」を、皿の中に再現。仕上げに、マロウブルージュレにレモン汁をかけることによって、水の庭が夕焼けで変わるようにゆっくりと変化する様子を楽しめる。

宿泊プラン名:
 【アートな宿泊プラン】画家『モネ』の世界を、観て、食べて、作る旅
販売期間  :2020年3月31日まで
料金    :2名1室利用時、2万7千-10万7千円(1泊2食付/税込)
       ※部屋タイプと曜日により料金が異なる
特典    :ポーラ美術館入館券
       ※睡蓮の作品は複数あるため、期間中に展示替えされる場合もある
料理コース :特別メニュー「旅する画家モネのあしあと」全6品

ホテル概要

 ホテル名「箱根リトリートフォーレ」の“フォーレ”とは「前へ」という意味のスウェーデン語で、従来型の温泉宿ではない進化型の「スモールギャザリング」を楽しむホテルスタイルを提供している。

ホテル名称:箱根リトリートフォーレ
所在地  :神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1286-116
部屋数  :37室(広さ27-109平方メートル)
料金   :1泊2食付一人25,200円~(消費税、入湯税別)
アクセス :
 小田原駅・箱根湯本駅よりバスで「俵石・箱根ガラスの森前」停下車、徒歩5分
電話   : 0460-83-9090(午前10:00-午後7:00)