旅と学びの協議会キックオフイベント 「旅と学びと幸せ」の関係性を探る

2020年6月25日(木) 配信 

旅と学びの協議会、第1回勉強会 キャプチャより

 旅と学びの協議会(代表理事=出口治明氏・立命館アジア太平洋大学学長)は6月23日(火)、キックオフイベントを兼ねた第1回勉強会をオンラインで開催した。「ホモサピエンス20万年にわたる移動の歴史からみる『旅と学びと幸せ』の関係性」をテーマに有識者がディスカッションを行った。

 同協議会はANAホールディングスが6月5日(金)に設立。「旅先で学習することの科学的根拠を検証する」ことを目的とする。

 理事は東京学芸大学大学院准教授の小宮山利恵子氏。アドバイザーに、前野隆司氏(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)、鮫島卓氏(駒沢女子大学観光文化学類准教授)を迎える。

 第1部は出口代表理事が、「ホモサピエンス20万年の歴史で、彼らは19万年かけて移動し、世界中に散らばった。人間の本質は旅ではないかと考え、そこを起点に協議会を始めたら面白いのではないかと思い代表理事を引き受けた」と語った。

 第2部の基調講演では同氏が「タテヨコ算数」ですべての問題は成り立つと主張する。「タテは『昔の人はどう考えたか』。ヨコは『世界の人はどう考えているか』。この2つの視点から考えたうえで、明確なエビデンス(根拠)を得られれば答えが導き出せる」と力を込めた。

 その後、有識者4人でパネルディスカッションが行われ、「旅と学びの関係性」と「ニューノーマル時代のオンラインとリアルの学びはこれからどうなっていくか」をテーマに各人が意見を述べた。

 今後の方針として「現代版『かわいい子には旅をさせよ』を叶えるために、協議会で検証した旅と学びと幸せの相互関係を、小中高生の教育に組み込めることを目標とする」(津田佳明氏、同協議会事務局)考えだ。

【福島県】観光学科の指導職員を募集、7月20日(月)まで

2020年6月25日(木)配信

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 福島県は県立テクノアカデミー観光プロデュース学科で、学生を指導する福島県職員(職業訓練指導員「観光」)を全国から募集している。受験申込の受付は7月20日(水)まで。

 受験資格は、1979年4月2日以降の生まれで、「大学(観光、経済、経営、社会、外国語、地理、情報または食品に関する課程)修了後、観光関連業務の実務経験を5年以上有する者」など。採用は来年4月からで、3人程度を募集している。1次試験は福島市内で7月30日(木)に実施する。

 県立テクノアカデミーは、職業能力開発促進法に基づく職業能力開発短期大学校と職業能力開発校を併せ持つ、公共職業能力開発施設。観光プロデュース学科では、地域の観光産業を総合的にプロデュースできる人材を育成し、観光業界をはじめサービス産業に関わる幅広い分野での就職を目指している。

令和2年度福島県職員採用選考予備試験(漆工芸に関する技術職、工業デザインに関...
http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/01125c/senko2-3.html
令和2年度福島県職員採用選考予備試験(漆工芸に関する技術職、工業デザインに関する技術職、職業訓練指導員)を実施します

朝ドラ「なつぞら」アニメーター・刈谷仁美氏を起用 北九州市、移住促進PRポスターを刷新

2020年6月25日(木) 配信 

北九州市移住促進PRポスター

 福岡県北九州市はこのほど、NHK連続テレビ小説「なつぞら」のオープニングアニメーションの作画を担当した刈谷仁美氏とのコラボレーションで、移住促進PRポスターを刷新した。

 刈谷氏が実際に市内を訪問し、印象に残ったスポットをイメージして作画した。テーマは「夢を叶えるなら」、「子育てするなら」、「ずっと住むなら」――の3つ。

 同市は「刈谷氏のどこか懐かしさを感じる絵のタッチが、北九州市の『角打ち』文化を表現するのにぴったりだと思った。また、幅広い年齢層に受け入れられる温かみのある絵は、PRポスターとして相応しいものになった」とした。

 北九州市の定住・移住ポータルサイト「北九州ライフ」では、イラスト制作にまつわる同氏のインタビュー記事を配信している。

上質な食事を屋形船で (船清)

2020年6月25日(木) 配信

船清が運航する屋形船「牛若丸」

 船清(東京都品川区)は、隅田川以外で初めて屋形船の営業を始めた。一期一会をキーワードに、利用客とスタッフ間をはじめ、利用客同士のコミュニケーション促進に力を入れている。

 同社の乗船場は東京都品川区に位置する。最寄り駅のJR品川駅からは徒歩15分ほど。乗船場は同社専用のため、長時間の停泊が可能。これによって大人数の団体客にも対応できる。受付や待合所などは和をモチーフした造りが特徴だ。

 船は午後6時ごろに出港する。東京都・お台場にあるレインボーブリッジの下を通り、隅田川を北上。船頭は途中の勝どき橋や、浅草寺などの観光名所の近くを通過する際、各スポットの魅力を紹介する。

船の窓から見る隅田川の景色

 東京スカイツリーの脇に到着したときには、船を停泊させる。利用客は15分ほど船の屋根に上がり、景色を楽しめる。

デッキからの眺め

 その後、来た道を戻り、お台場の海岸から100㍍ほどの場所まで進行する。ここでは、フジテレビや、お台場海浜公園などを、船ならではの海面に近い角度から楽しめる。5分間の停泊時間のほか、前後10分ほどでは屋根の上が開放される。

 料理にも力を入れている。天ぷらなどの調理を船長が行う。このため、従業員には約5年、調理の修業期間を設けている。また、肉料理など鮮度を維持しやすい料理は、調理のみ行う料理人が用意する。

提供する料理の一例

 利用客からは「『屋形船で、こんなに質の高い料理が食べられると思わなかった』などの声が届く」(伊東女将)と自信を見せる。

JNTO、誘客プロモ再開前に「安心・安全情報の発信が重要」 インバウンド再始動への道筋示す

2020年6月25日(木) 配信

説明を行う金子正志理事

 日本政府観光局(JNTO)は6月24日(水)、東京都内の本部で会見を開き、誘客プロモーション再開に向けた取り組みについて語った。金子正志理事は、プロモーション再開の前段階として「日本の安心・安全情報の発信が重要」との考えを示した。

 そのうえで「日本の観光は、感染症対策を行っているという情報発信が大事。受入体制が整っていることを伝え、日本が旅行先として安心と思ってもらう必要がある」と述べ、外国人旅行者に日本の安全をアピールすることの重要性を語った。

 JNTOが発信できる安心・安全な情報には、観光業界や自治体などが策定した感染拡大防止ガイドラインの公表や、ガイドラインに沿った感染拡大防止策を講じている観光地の情報、外国人旅行者の受入体制が整っている病院の紹介などがあるとした。金子氏は「これらの情報を分かりやすく発信することが求められる」と述べた。

 プロモーションの再開は、国内外の状況を踏まえ、市場ごとにタイミングを判断する。現時点では、東アジアからスタートし、東南アジア、欧米豪の順を想定する。再開の判断材料は①物理的な条件②国内の受入環境③海外の消費や旅行業界のトレンド変化――を挙げる。物理的な条件は、日本と各市場の新型コロナウイルス感染症が収束していることや、海外から日本への渡航制限、日本の入国制限が解除されていることが前提になる。

 国内の受入環境については、「観光地の受入体制が整わないと、インバウンドは呼ぶことができない。そのためには、まず国内旅行が回復することが極めて重要」と述べた。また、インバウンド受け入れに対する気運の醸成や、国内世論の動向を注視する必要があるとし、「世論がインバウンドの呼び込みしても良いと考える状況が、非常に重要なポイント」との認識を示した。

 また、インバウンドの再開は、東アジア市場などの近隣諸国から順次対応していく見込み。「東アジア市場に依存しすぎではないかという声もあるが、新型コロナウイルス感染症の発生が早かった分、収束も早いとみている。日本との距離も近く、意識して取り組んでいる」と語った。

 政府が目標に掲げた「2020年に訪日客4000万人」が、今年の観光白書に記載がなかったことについては、「一刻も早く訪日客を連れてきたいという気持ちはあり、(4000万人に)向かっていこうというベクトルはある。方向性は変わらない。30年6000万人という目標はある。継続してやっていく」とコロナ禍後の反転攻勢に向け、意気込みを語った。

新たに21のストーリーを認定 47都道府県に日本遺産

2020年6月24日(水) 配信

姨捨の棚田の月景色©信州千曲観光局

 日本各地の魅力的な地域の物語を認定し、文化財を広く活用する日本遺産。文化庁は6月19日(金)、新たに21件を認定した。

 東京都の地域ストーリーが認定されたことで、47都道府県すべてが日本遺産を有することになった。なお、同庁は日本遺産の総数が目標として掲げていた100件を超える104件となったことから、2020年度の募集をもって新規の受付を当面終了する。

 21のうち、地域型(1つの自治体のみ)は「月の都千曲―姨捨の棚田がつくる摩訶不思議な月景色『田毎の月』―」(長野県千曲市)など8件。シリアル型(複数の自治体で展開)は、「もう、すべらせない!!~龍田古道の心臓部『亀の瀬』を超えて行け~」(奈良県・三郷町、大阪府柏原市)など13件となる。

船上ならではの景色と食を (屋形船 晴海屋)

2020年6月24日(水) 配信

屋形船

 「屋形船晴海屋」は、「江戸の粋」をコンセプトに、「江戸らしさ、屋形船の素晴らしさ」が伝わるよう、細部にまでこだわったおもてなしをモットーにしている。

 船内では旬の食材をふんだんに使用した手作りの会席料理が味わえる。なかでも毎朝豊洲から仕入れる新鮮な江戸前穴子を1匹ずつ捌き、船内で揚げるアツアツの天ぷらは絶品。花見が楽しめる春と、花火大会が行われる夏は特に多くの人でにぎわう。

おすすめの天ぷら

 晴海屋の乗合船では、晴海乗船場~レインボーブリッジ~お台場~隅田川・清洲橋付近を巡る。船の発着場所は、晴海乗船場(朝潮小型船乗り場)。
 

 船内では、毎朝豊洲市場で仕入れた魚介を使用した揚げたての天ぷらや、すき焼きなど贅を凝らした和食懐石が楽しめる。

 乗船場を出発すると船は、勝鬨橋や永代橋など隅田川に架かる個性的な橋をくぐりながら、清洲橋付近まで進む。同橋付近ではデッキから、ライトアップされた清洲橋と東京スカイツリー見ることができる。中央大橋に架かるメッセンジャーの像の正面など、船上ならではの景色は必見だ。

船上からの眺め
ライトアップされた清洲橋と東京スカイツリー

 隅田川を下った船は、海に出て、レインボーブリッジをくぐり、お台場沖に至る。

 ここで、約1時間停泊。船内の光量も抑えられ、夜景を眺めながら、ゆったりと食事を楽しめる。また、デッキに上がり夜景観賞を楽しむこともできる。

 船内で案内などを担当するスタッフは、「無数の屋形船の灯りがお台場の夜景と重なることで、陸から見る夜景の何倍も美しい光景を見ることができるのが魅力です」と屋形船ならではの贅沢なひとときを表現する。

箱根登山鉄道、7月23日運転再開 箱根観光周遊ルートが全面復旧へ

2020年6月24日(水) 配信

出山鉄橋を渡る100形

 箱根登山鉄道(神奈川県小田原市)はこのほど、7月23日(木)から箱根登山鉄道の運転を再開すると発表した。

 箱根観光周遊ルートが全面復旧する。また、これに伴い、箱根湯本駅―強羅駅間の代行バスと、箱根登山バスへの振替輸送は7月 22日で終了する。

 同列車は昨年10月に発生した台風19号の影響で、10月13日から箱根湯本駅―強羅駅間で運を見合わせていた。沿線各所では、倒木や線路への土砂流入、斜面崩落による橋梁流失など、甚大な被害が発生した。

アパホテル、大森駅前徒歩1分にオープン 「今後も宿泊需要の旺盛なエリアに展開」

2020年6月24日(水) 配信

開業披露式典のようす。左から2番目が元谷外志雄代表、左から3番目が元谷芙美子社長

 アパホテル(元谷芙美子社長、東京都港区)は6月24日(水)、アパホテル大森駅前をオープンした。東京都大田区では4棟目となる。JR京浜東北線大森駅から徒歩1分。羽田空港から路線バスで約30分の好立地に配置した。

 14階建て、全347室。2階には大浴殿と露天風呂を備える。

 全客室禁煙。全室に50㌅以上の大型液晶テレビを設置する。館内案内をテレビ画面上で表示し、大浴殿の混雑状況を確認できる機能を搭載。テレビリモコンで、チェックアウト時間の延長手続きができる「セルフ延長機能」を備えた。

 チェックインはスマートフォン決済、クレジット決済で接触を最低限に抑える。今年の夏以降には、アプリチェックイン専用機の導入を予定。

 ビジネス面だけではなく、国内レジャー、インバウンドなど、幅広い宿泊需要を期待する。

 開業披露式典で、アパグループの元谷外志雄代表は「新型コロナウイルスの影響で東京五輪が開催延期するなど、観光業は大きなダメージを受けた。しかし、当社は一時的なイベント需要に合わせてホテルを開業しているわけではない。今後も出店計画に変更はない」と明言した。

 さらに、今年4月には新型コロナ患者受け入れのために、一棟借上げ方式で全国6ホテルを提供し、政府に協力したことに触れ、「国難ともいえる状況ではあるが、今後も東京、大阪、福岡など、宿泊需要の旺盛なエリアにドミナント展開し、同ブランド(直営・フランチャイズ)として10万室達成を目指したい」と力を込めた。

 元谷芙美子社長は、「五輪が延期になっても代表は『大丈夫、むしろチャンスだ』と話している。これは本グループが50年かけて、財務体質を筋肉質なものにしてきたからこそ出た言葉。今まで売上は落ちたことがなく、会社の結束力を強めるために、今期も黒字にしていきたい」と意気込んだ。

アパホテル大森駅前 外観

イーグルバス、国内初の電気ボンネットバスの運行を開始

2020年6月24日(水) 配信

2色の電気ボンネットバス

 イーグルバス(谷島賢社長、埼玉県川越市)は6月19日(水)、国内初の電気ボンネットバスの運行を始めた。

 川越市の観光地をめぐる観光路線バス「小江戸巡回バス」として使用する。排気ガスが出ず、音も静かな電気バスを導入することで、国際観光都市を目指す川越にふさわしい環境づくりを目指す。

 導入車両は、中国の電気バスをベースに、日本で改造した同社のオリジナルモデル。既存ボンネットバスと同様に、蔵の街並みに合うデザインを採用した。既存車両より車体を一回り大きくすることで、車内空間を拡充。乗車定員を増やすとともに、バリアフリーにも対応しており、電動リフトを装備することで車イスによる乗降を可能にした。利用者からの要望が多かったパスモ(交通系ICカード)も導入している。

バス車内

 川越の観光テーマの1つである、「夜の観光」も盛り上げる。
 車体は、ライトアップするができ、バス走行時に周辺を青いライトで照らすことで、川越の街を緒的に彩る。さらに、「川越氷川神社 良縁祈願祭」などのイベント時には、出入口フロア上にライトでイベントマークを照射。デザインは、4種類用意した。

夜の電気ボンネットバス

 もともと電気ボンネットバスバスは、「小江戸川越春まつり」が開かれる3月28日からの運行を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行によりイベントが中止となり、延期されていた。

 谷島社長は、「都道府県をまたいだ移動の自粛要請が解除されるのに合わせ、運行日を決定した。川越に観光客が戻る一助になれば」と力を込める。

 また、アフターコロナの川越の観光に関し、行政と川越市内の事業者が連携して行う「こえよう川越」プロモーションの実施に向けて動いていることも紹介。「市民に勇気を与え、観光客には『川越は安心な場所だから来てください』とPRすることが目的。そのために、今出されている業種別ガイドラインを遵守し、安心安全な地域をつくり、新型コロナウイルスの収束後には、より国際観光都市に近づけられるよう頑張りたい。今回のバスの導入は、その一環」と説明した。

 17日には、川越市役所で関係者を招いてのお披露目会が行われた。バス試乗後川合善明川越市長は、「川越の古い街並みに合うバスなので、多くの観光客にお越しいただければ」と期待感を語った。

川合善明川越市(左)、谷島賢社長