ホテル金波楼 ロビーなど改修 絶景テラスも設置

2021年2月2日(火) 配信

絶景の龍宮テラス

 兵庫県豊岡市・日和山温泉のホテル金波楼は昨年11月、ロビー・ラウンジなどをリニューアルオープンした。

 同館のメイン棟である「渚の館」の耐震工事に合わせ実施し、ロビーのフロント横には国内外で活躍する左官職人・久住有生氏による左官アート壁画を新たに設置して、雰囲気を高めた。フロント近くにはエレベーターを新設。これにより、玄関からフロント、フロントがあるロビーフロアから大浴場へは階段移動が必要という長年の課題を解消し、バリアフリー化をはかった。

左官アート壁画(左端)を設置したフロント

 日本海の絶景が広がるラウンジは、床をフローリングに一新し、高級感を創出。ラウンジにあったコンベンションホールの控え室を取り壊し、海に面した「龍宮テラス」を整備した。ガラスのベンチを配置し、絶好の写真スポットとなった。ラウンジではフリードリンクサービスも開始。おもてなし充実と業務効率化をはかった。

 また、「岬の館」最上階7階の特別室と特別洋室を改装し、イメージを一新したほか、厨房も作業動線と衛生区画を考慮しリニューアルを行った。

 さらに、宿のロゴマークも刷新した。地元豊岡市出身の書家・川尾朋子氏によるもので、日和山海岸の荒々しさと波涛からの日の出をイメージしたという。

NAA、貨物便が過去最高 国際線は開港年以来の数値

2021年2月1日(月) 配信

田村明比古社長。五輪を前に多くの人が受けられるPCR検査の場所の確保を検討している

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が1月29日(金)に発表した2020年の年間航空発着回数は、前年比48%減の13万6502回、航空旅客数は同76%減の1048万6427人と大幅減となった。このうち、貨物便の発着回数は同53%増の3万7316回と過去最高だった。旅客便の運休で、臨時の貨物便が運航されたことが主な要因。

 このうち、国際線旅客数は同726万5507人と5月に開港した1978年を除いて過去最低だった。日本人旅客数は同81%減の282万5394人、外国人は同82%減の321万2667人。

 国内線は322万920人で本邦LCC(格安航空会社)が就航する前年の11年に次いだ。

 田村社長は「航空需要は戻りにくい。21年は20年以上に回復すると思うが、時間は掛かる」と話した。

 7月に開催予定のオリンピックについては、「開催に備え選手・観客をスムーズに受け入れられるよう、多くの人がPCR検査を受けられる場所の確保を検討している」とした。

「入国制限で便数減も」 1月23日までは約8割減

 1月1日(金)~23日(土)までの国際線発着回数は、前年同期比77・6%減の2680回、出国旅客数は96・0%減の405人。

 田村社長は1月14日(木)から始まったビジネス関係者への入国制限について「今後は航空会社がより便数を減らす可能性がある」と危機感を示した。

オンライントリップの専用サイトを開設 JAL

2021年2月1日(月) 配信

JALオンライントリップのサイト

 日本航空(JAL、赤坂祐二社長、東京都品川区)とJALUX(篠原昌司社長、東京都港区)はこのほど、公式通販サイトJALショッピング内に「JALオンライントリップ」専用サイトを開設した。

 JALは2020年7月から、「Try on trips」(旅を試着する)というコンセプトのもと、リモート配信と物販を組み合わせたオンライン旅行サービス「JALオンライントリップ」を実施している。今回の新サイトでは、2月28日(日)に企画する第5弾の「JAL東京(羽田)-那覇デジタルフライトで行く、『沖縄の伝統食材のモダニズムとやんばるの自然』を楽しむオンライントリップ」から販売を開始している。

 沖縄編は沖縄北部の多彩な魅力を伝える旅で、事前に泡盛や「豆腐ようモダン」などの特産品が届く。それらを手に、当日は現地ゆかりの客室乗務員らコンシェルジュの案内で約90分のオンライントリップを楽しむ。料金は5400円(税込み、送料込み)。なくなり次第終了。

 今後は、3月に鹿児島県奄美群島、4月に石川県加賀市でのオンライントリップを実施予定だ。

長野県 佐久スキーガーデン パラダ  約15年ぶりにナイター営業を復活

2021年2月1日(月)配信

ナイター風景

  長野県の佐久スキーガーデン パラダは、2021年1月29日(金)から金・土曜日の夜に、約15年ぶりとなるナイターを実施している。

 昨シーズンは秋の台風19号(2019年10月)による影響で、上信越自動車道が11日間全面通行止めになったほか、記録的な暖冬も相まって各地のスノーリゾートは甚大なダメージを受けた。さらに今年は新型コロナウイルス感染症の影響を受けるなか、「佐久の夜空を照らし出す、希望の光」と題して、約15年ぶりにナイター営業を行うことを決めた。「見上げた先にともるゲレンデの明かりが、お客様に地域活性を与えられれば」(運営する平尾山観光)という。

 ナイター営業は2月27日(土)までの金・土曜日に実施。時間は午後5~8時。ナイター券(大人2千円、小人・シニア1千円)のほか、朝から夜まで通しで利用できるスーパー1日券(土曜のみ販売、大人5500円、小人・シニア4500円)なども利用できる。

JATA経営フォーラム、オンラインで2月26日開催 コロナ禍の旅行業経営について考える 

2021年2月1日(月) 配信

イメージ

 日本旅行業協会(JATA)は2月26日(金)、オンライン形式の「第29回 JATA経営フォーラム2021」を開く。総合テーマを「コロナ禍の今、旅行業としていかに経営するか(仮)」とし、経営層を中心とした会員に旅行業経営について考える機会を創出する。

 今回のフォーラムは、新型コロナウイルス感染拡大防止などの観点から、昨年までのリアル開催から動画配信に変更。事前収録した講演や分科会の模様を公開し、同日以降も一定期間視聴できるようにする。参加費は無料だが、視聴にはユーザーIDなどが必要となる。

 基調講演は、未来予測専門の経済評論家で百年コンサルティング社長の鈴木貴博氏が「ウィズコロナ時代 経営者が知っておくべき2020年代の未来」について語る。鈴木氏は、コロナ収束後の旅行需要の反動増を見据え、旅行業経営を「今やめるのは、もったいない」との考えを持つ。講演では、今後の予測や経営者に向けたメッセージを送る。

 特別講演は、新型コロナウイルス感染症の各種業界ガイドラインを医学的見地で監修し、日本渡航医学会理事で西新橋クリニック理事長の大越裕文氏が登壇。「~観光での国際往来再開へ~ 新型コロナウイルス対策の医学的メカニズム」と題し、旅行業従事者が注意すべき点や、ワクチン接種、ワクチンパスポートの最新情報などについて語る。

 分科会は、海外旅行や国内旅行、業界のデジタル化など5つを設定し、市場回復に向けた今後のロードマップや、ニューノマル時代の旅のカタチなどについて意見交換する。各分科会のテーマは次のとおり。

A:海外旅行市場再開と、アフターコロナの旅行商品を考える

「コロナ後の海外旅行商品の考察」

モデレーター:ジャルパック社長 江利川宗光氏

パネリスト:旅工房会長兼社長 高山泰仁氏、阪急交通社社長 酒井淳氏、ワールド航空サービス社長 松本佳晴氏

B:アフターGo Toの国内旅行

「国内旅行の新たな旅のカタチとJATAの役割」

モデレーター:JTB総合研究所 コンサルティング事業部交流戦略部長 山下真輝 氏
パネリスト:ANAセールスコミュニケーション戦略部部長 森田將裕 氏、東北アレンジャーズ代表取締役 佐藤大介氏、パソナJOBHUB事業開発部長兼ソーシャルイノベーション部長 加藤遼氏、白馬村観光局事務局長 福島洋次郎氏

C:訪日インバウンド再開へ

「訪日インバウンド復活へ向けたロードマップ」

モデレーター:東武トップツアーズ執行役員ソーシャルイノベーション推進部長 磯康彦氏
パネリスト:日本政府観光局(JNTO) 企画総室長 蔵持京治氏、JTBグローバルマーケティング&トラベル 代表取締役執行役員 黒澤信也氏、日本旅行執行役員 緒方葉子氏、東日観光国際旅行事業部営業第二部部長 中山眞一氏

D:デジタル化

「デジタル庁発足 旅行業界におけるデジタル化も待ったなし」

モデレーター:沖縄ツーリスト㈱会長 東良和氏
パネリスト:エイチ・アイ・エス 執行役員本社情報システム本部長 加堂直行氏、グーグル顧客開拓戦略室マネージャー 森美月氏、陣屋代表取締役女将 宮崎知子氏、ビーエス観光社長 水野剛氏

E:コロナ禍で生まれた旅行商品考察

「令和の旅行商品考察~コロナ禍の旅番組視聴から見える価値のつくり方~」

プレゼンター:梅津事務所代表 梅津和洋氏(TV旅番組視聴研究家)
ナビゲーター:池永操氏

ZOOMのラジオ体操評価 東京都スポーツ推進企業などに認定、ジャルパック

2021年2月1日(月) 配信

 

「ZOOM de 本気の!ラジオ体操」風景

 ジャルパック(江利川宗光社長、東京都品川区)はこのほど、東京都の2020年度「東京都スポーツ推進企業」とスポーツ庁の「スポーツエールカンパニー2021」にそれぞれ認定された。ZOOMを使ったラジオ体操など、社員の健康増進のためにさまざまな健康促進活動を行っていることが評価された。

 同社は、社員が自律的に健康経営を考える「WHIP(ホイップ)」という取り組みを実施している。「わたしらしく働く」をキャッチコピーに、一人ひとりが主体的に働き方を考えることを推進している。

 具体的な取り組みとしては、2020年4月から毎週1回、全社員を対象にオンラインラジオ体操「ZOOM de 本気の!ラジオ体操」を実施。また、JALアスリート社員によるストレッチやトレーニングを紹介するイベントを開くなど、在宅勤務下でも健康に過ごす取り組みを行っているという。このほか、社内報では検診の促進や、健康レシピの紹介など継続的に健康情報を発信している。

LINEの友達申請で2500円相当の飲食クーポンゲット  飛騨高山のキャンペーン、期間を3月1日(月)まで延長

2021年2月1日(月)配信

LINEのQRコード

 岐阜県の飛騨高山旅館ホテル協同組合は、2020年末から実施している「飛騨高山クーポンでいっぱいLINE食う~ポン」の後半の期間を、2021年3月1日(月)泊まで延長した。

 LINEで「飛騨高山旅館ホテル協同組合」に友達申請すると、先着2500人までLINE食う~ポンが取得できる。取得後、3月1日(月)までの平日に組合加盟の宿泊施設に宿泊すると、フロントで2500円相当の「LINE食う~ポン」(紙クーポン)がもらえる。クーポンの引き換えは1人1枚なので、同伴者がいる場合、それぞれがLINEで友達申請し、クーポンを取得する。紙クーポンは、麺類やスイーツ、飛騨牛など、地域の味覚を複数の店舗から選べる。使用期限は2021年3月3日(水)まで。

あなたが好きな露天風呂のある宿 結びの宿 愛隣館(岩手県・新鉛温泉)

2021年2月1日(月) 配信

 旅行新聞新社ではホームページ上で「あなたが好きな露天風呂のある宿」のアンケート調査を実施しました。人気を集めた宿のなかからおすすめの施設を紹介します。

結びの宿 愛隣館 岩手県・新鉛温泉

川の湯「岩露天風呂」

 3つの豊富な源泉を17の浴槽で楽しめる温泉好きにはたまらない宿。花巻温泉郷でも珍しい飲用できる温泉は、効能も抜群でリピーターも多い。立地は豊沢川と緑豊かな自然に囲まれた抜群のロケーションで、森林浴と併せて湯浴みを堪能することができる。

 2019年7月には、大浴場が装いを新たに「山の湯」としてリニューアル。内湯には新たに寝湯が備わり、浴槽や洗い場はより快適な現代風のしつらえに生まれ変わった。「森の湯」、「川の湯」と合わせて3カ所の大浴場で、源泉掛け流しの「陶器風呂」、ヒーリング効果抜群の「シルクバス」、深さ90㌢の「腰掛湯」、名物の立って入浴する「立湯露天風呂」など、17の浴槽を満喫できる。

 四季折々の景色が楽しめると評判の広い和室「花かんむり」は、ミキハウス子育て総研「ウェルカムベビーのお宿」認定ルーム。お部屋でのご夕食に加え、月齢に合わせた離乳食、赤ちゃん布団などのオプションが充実した専用プランは赤ちゃん連れの家族に人気が高い。

 旬の食材を生かした夕食は、ハーフバイキングを楽しめる「かまどダイニング」と水入らずの時間を過ごせる「お部屋食」。また、朝食バイキングでは、石窯オープンキッチンから提供される料理や「はなまき朝ごはんプロジェクト」による地元の野菜料理が好評だ。

宿データ

山の湯「岩露天風呂」
川の湯「陶器露天風呂」

住所:〒025-0252 岩手県花巻市鉛字西鉛23

TEL:0198(25)2619 FAX:0198(25)2938

チェックイン:午後3:00 チェックアウト:午前10:00

風呂:大浴場「山の湯」「森の湯」「川の湯」、貸切風呂「ちゃっぷん」

泉質:ナトリウム一硫酸塩泉、ナトリウム・カルシウム一硫酸塩泉

客室:全100室

料金:1万2000~6万円(税別)

〈観光最前線〉日常の景色に美を求めて

2021年1月31日(日) 配信

静岡の小さなまちの夕景

 とても静かで、寂寥を覚える年明け。新年になり、非常事態宣言が発令されるかもしれないと知ったのは、静岡県の海辺のまちに向かう電車の中。一気に現実に引き戻された。

 最近は、常にマスクをして、消毒してということへの気疲れ(不謹慎かもしれないが)から、極力外出をしないようにしている。しかし、静岡の小さなまちで見た景色は美しく、その瞬間だけ、コロナ疲れを忘れさせてくれた。

 今、地域活性化の手法として、ロケツーリズムへの取り組みが各地で盛んだ。何気ない日常の風景の美しさに気が付かせてくれることが魅力だと自分は思う。コロナ禍で家で過ごす時間が多い今、テレビを通じ気になる場所がたくさんできた。

 コロナ禍が過ぎ去ったらば、小さなまちに、何気ない美を探しに行こう。

【後藤 文昭】

 

「観光革命」地球規模の構造的変化(231) バイデン政権とグローバル化

2021年1月30日(土) 配信

 1月20日に民主党のジョー・バイデン氏が第46代米国大統領に就任した。78歳での大統領就任は歴代最高齢で、副大統領には女性・黒人・アジア系で初となるカマラ・ハリス氏が就任した。新政権の閣僚も非白人と女性を積極的に登用すると共に、オバマ政権で政府高官を務めた人財を要職に配置した。

 トランプ前大統領が生み出した「米国の分断」を正常化すると共に、新型コロナウイルス対策と経済再建を成功させることがバイデン政権に課せられた重い責務である。

 とくに、トランプ前政権の失政による世界で最悪のコロナ禍の惨状(感染者約2500万人、死者約42万人)をより良く改善することが至上命題になる。コロナワクチンの成果が顕著に挙れば、バイデン政権の求心力は一気に高まることになるが、コロナ禍の沈静化に失敗すれば、バイデン政権に対する不満が一挙に表面化する。

 大統領選におけるトランプ氏の得票数は約7380万票で、トランプ人気はいまも根強いと言われている。しかもトランプ支持者の約7割は未だに「大統領選で不正があった」と信じているらしい。

 トランプ支持者の多くは、世界の歪みや自らの苦境がグローバル化のせいだとみなしている。一方、民主党急進左派のサンダース上院議員とその支持者も基本的に反グローバリズムである。

 つまり右派も左派も共にグローバル化に対して強い不満を抱いており、バイデン政権がグローバル化の方向に進むと、両派から攻撃されることになる。バイデン政権はコロナ禍対策と共に、グローバル化政策についても慎重にならざるを得ないわけだ。

 菅首相はコロナワクチンの導入によって、一刻も早くコロナ禍を収束させて、東京五輪を開催し、諸外国からの来訪者を受け入れて、観光立国政策を軌道に乗せたいと考えている。菅首相はあくまでも「2030年インバウンド6千万人」という政府目標を堅持する考えだ。

 旅行・観光業界にとってはありがたいことであるが、米国のみならず、世界的にグローバル化を再考する動きが生じている。日本でも、グローバル化の進展を前提にしたインバウンド依存型の観光立国政策を見直して、「ポスト・コロナ時代の観光」に相応しい多様性のある観光立国政策を再構築すべきであろう。

 

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。