全旅連青年部、全国大会に約250人会す 鈴木部長「開催で次の代に誇りを」 第5回旅館甲子園も併催

2021年2月22日(月) 配信

鈴木治彦部長

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(鈴木治彦部長)は2月17日(水)、東京ビッグサイト(東京都江東区)で第25回全国大会を開いた。感染対策を講じたうえで、約250人の会員が会し、ユーチューブでのライブ配信も行った。鈴木部長は開催するべきか何度も悩んだが、「(コロナ禍でも実施したことを)次の代の誇りとしてほしい。想いを1つにして、アフターコロナに向けたリスタートにしたい」と招集した主旨を説明した。また、第5回旅館甲子園も併催した。

 鈴木部長は冒頭、「さまざまな関係機関からの支援で、ギリギリ宿の経営を続けられている」と述べた。今後については「(国などの)支援にいつもまで頼るわけにはいかない。依存体質になり、自立できない業界になる」と危機感を示した。

 次期部長予定者として紹介された星永重副部長(藤龍館・福島県湯野上温泉)は「ちょうど10年前の東日本大震災で被災した際の全国からの支援へのお返しがしたい」とコロナ禍での厳しい状況で立候補した理由を明かした。

星永重次期部長予定者

 「オンラインシステムなどの新しいツールを促進しながら、感染対策を講じて集まることもできるリーディング産業として、ほかの業種に見せ続けたい」と決意を語った。

次期のテーマは「観光を日本の基幹産業にKeep try」とし、「会員や全旅連、協定商社と一致団結できるようにする」と力を込めた。

 各ブロック・都道府県などの積極果敢な青年部活動に貢献した活動を表彰する褒賞制度の表彰式も実施した。今回は30件がエントリーした。

 グランプリは愛知県青年部の「愛旅連青年部オリジナル日本酒プロジェクト『旅先でしか飲めぬ酒(旅×酒)』」が獲得した。

全国大会褒賞でグランプリを獲得した愛知県青年部ら

 準グランプリには大分県青年部の「新型コロナウイルス・および感染症に関わる大分県旅館ホテル生活衛生同業組合統一の対応シート・マニュアル等作成事業」が選ばれた。

 また、旅行新聞新社賞には福島県飯坂温泉支部青年部の「温泉むずめ日本一(自称)の『飯坂温泉』」が受賞した。

旅行新聞新社賞を獲得した福島県飯坂温泉支部青年部

3施設が日本一 旅館甲子園も開く

 同日には第5回旅館甲子園の決勝大会も開催した。

 旅館甲子園は宿泊産業で働く魅力や経営理念、おもてなしへの想いなどを評価し、日本一の宿泊施設を決める。

 決勝大会は1~2次審査を経た3施設が出場し、会場にいる出席者からの投票でグランプリを決定する。

 今回は約117施設がエントリーした。同会では出場したGLAMP ELEMENT(滋賀県米原市)とホテル楊貴館(山口県・油谷湾温泉)、テラス御堂原(大分県・堀田温泉)の全3施設がグランプリとなった。

旅館甲子園の表彰式のようす。(左から)テラス御堂原の林太一郎社長、ホテル楊貴館の岡藤明史取締役、GLAMP ELEMENTの草野丈太社長

 鈴木治彦大会会長は「コロナ禍でも挑戦の大切さに気づかせてくれた」と講評した。

国際観光日本レストラン協会、例年通り総会開く なだ万社長が新理事就任

2021年2月22日(月)配信

新理事の巻木通浩なだ万社長

 国際観光日本レストラン協会(安田眞一会長、159会員)は2月18日(木)、東京ビッグサイト(東京都江東区)で2021年度総会を開いた。昨年は書面で行ったが、今年は例年通りの開催。昨年辞任した理事の後任として、なだ万社長の巻木通浩氏が新たに就任し、協会の発展のため尽力するとあいさつした。

国際観光日本レストラン協会の安田眞一会長

 安田会長は「業界を取り巻く環境は大変厳しいものがある」と昨年度の現状を振り返った。そのうえで、「昨日から新型コロナのワクチン接種が始まり、東京オリンピック・パラリンピック開催の機運が高まるのではないか」と言及。「6月末まで『Go Toトラベル』が再開する話もある。非常に期待するところである」と語った。

 協会は引き続き、食を通じた社会貢献、食文化と伝統の保持、豊かな食文化の実現など飲食店の発展のために取り組む。さらに、コロナ禍による会員店舗の運営のため、国や行政などの経営支援や補助金、融資などの情報を適時に提供する。

 21年度は、昨年度コロナ禍により中止を余儀なくされた経営者研修をはじめ、すべての事業を実施する予定だ。

 総会後、京懐石みのきち新宿住友ビル店(新宿区)で研修会を行った。

函館・湯の川温泉「割烹旅館若松」  リニューアル経て2021年4月20日(火)より営業を再開

2021年2月22日(月)配信

割烹旅館若松(外観)

 コロナ禍で無期限の休館となっていた函館・湯の川温泉「割烹旅館若松」は、リニューアル工事を経て2021年4月20日(火)から営業を再開する。

 3密回避とプライベート重視の両視点から、1階に貸し切り半露天風呂を2カ所増設。食事は従来通り部屋や個室での提供を基本とするなか、大浴場に加え貸し切り風呂の組み合わせで、コロナ禍での対応を万全にし、再開する。

 今年1月8日(金)からの緊急事態宣言の再発令、GO TO トラベル事業の一時停止、インバウンド復活の見通しが立たないなど、今後の不安材料は尽きない。だが函館・湯の川のシンボル的存在として1922(大正11)年の創業以来、1世紀にわたり続く歴史を引継いでいく。再開に際し、「営業再開感謝特別プラン」も販売する。

「NPO法人ふるさとオンリーワンのまち」理事長・津田令子氏が自身のラジオ番組で認定エリアの魅力を続々紹介

2021年2月22日(月) 配信

NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長 津田令子氏

 津田令子氏は、「FMチャオ! 熱海・湯河原」で自身がレギュラー出演する「トラベルキャスター津田令子の土曜旅カフェ」の中で、御前崎市(静岡県)や安曇野市(長野県)など、「ふるさとオンリーワンのまち」に認定された地域を特集し、観光魅力などを紹介している。

 「NPO法人ふるさとオンリーワンのまち」の 理事長を務める津田氏は、本紙のコラム記事をはじめ、さまざまなメディアを通じて旅の素晴らしさを伝えている。

 とくにラジオ番組「トラベルキャスター・津田令子の土曜旅カフェ」は、毎月第1土曜日の午前9時30分から10時までの30分間、リスナーに向けて、これまで津田氏が訪れたり、旅した観光地や、宿、グルメ、思い出深い体験、そして、その土地でたくさんの笑顔を生んでいる“かけがえのない魅力的な人々”を紹介する人気番組だ。

 2020年4月からスタートした「旅行たび通信」のコーナーには、旬刊旅行新聞の増田剛編集長も出演し、旅行業界の最新情報や流行などについても語り合っている。

 昨年12月のオンエアでは、「ふるさとオンリーワンのまち」第2号に認定された御前崎市観光協会の会員宿が、50項目にも及ぶ厳しいチェック項目をクリアしてお客を迎える「安心・安全」の取り組みに着目。また、同市で養殖された高級魚「御前崎クエ」の美味しさなどをアピールした。

 今年2月6日の放送では、第8号認定の安曇野市を特集。認定理由の1つ、「朝が好きになる街」にスポットを当て、宿泊しなければ見ることができない安曇野の夜明けの美しさを津田氏が熱く語りかけた。

 コロナ禍で、思うように旅行ができない人に向けては「信州安曇野リンゴジャム&りんごジュースの詰め合わせ」など、多彩なお取り寄せメニューも紹介した。

 次回3月6日(土)では、第7号認定の日本一のキャベツの生産地「嬬恋村」(群馬県)の魅力を発信する予定だ。

 津田氏は「NPO法人ふるさとオンリーワンのまちは、2012年9月の第1号認定の千葉県鎌ケ谷市~分水嶺モニュメント『雨の三叉路』以来、人の目につきづらく、気づかずに通り過ぎてしまいそうな“さりげない地域の宝物”の発掘・発見のお手伝いをしてきました。今後も、公式メディア『旬刊旅行新聞』やSNS(交流サイト)を含め、さまざまな媒体を通じて地域の魅力の発見、発信に努めていきます」と力を込める。

「トラベルスクエア」 森さん辞任 サービス業も発言を

2021年2月20日(土) 配信

 

 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森会長が、やっと辞任まで漕ぎついた。あの女性差別発言は国難だった。

 あ~、それにしても、世界経済フォーラムが2019年12月に発表した各国の女性差別度を査定するジェンダーギャップ国際ランキングの日本の位置は121位だよ。

 僕はこのコラムでも再三、あらゆる業界での女性進出について言及してきたつもりだ。10年も前に提唱されたトウェルブ・サーティ(20年には日本の組織で女性管理職が30%を超えるようにしよう、という運動)がむしろ後退していることに苦言を呈したし、ホテル旅館や外食産業のパーティーなどでの女性の数の少なさにうんざりだと指摘もしてきた。

 翻って、我が観光・飲食業界からのこの一件についての反応がさっぱり聞こえてこない。我関せず、なのだろうか?

 全旅連、日本旅館協会、日本ホテル協会、JF(日本フードサービス協会)などの公的組織が女性差別問題にこれをきっかけに本格的な改革姿勢を示してもいいのでは。

 これからは女性の会長、理事長なども積極的に登用し、新しい風を吹かせたく思います、くらいのステートメントがあっていいように思う。

 コロナで閉塞している状況に女性の力をたっぷり借りて、風穴を開けるんだ、という力強い姿勢を社会に示すと、世間に好感されると思う。

 まして、女性の活動領域が多いサービス産業、女性大ウェルカム。協会レベルでも女性をどんどん増やしていくくらいのことを言ってのけてほしいと切に思うのだ。

 それにしても、後任の川淵さん選びもねえ。

 やめる人が後継指名をするというのはルール違反でしょう。それに、この委員会のメンバーは肩書の軽重に関わりなく遠慮すべきだろう。懐かしい用語だが、昔の「ボス交」の匂いが漂う。

 実際、アフターコロナで女性の雇用、活用は不可欠だと思う。

 女将さんという旅館業界特有の職位でも、それは飾り物ではなく、
 ①顧客サービスの最前線の接点役
 ②従業員全体をまとめる教育者
 ③若い従業員には良き相談相手で母親、姉さん役
 ④料理や全体のホスピタリティレベルをキープするスーパーバイザー(監督・助言者)役
 ⑤コミュニティや業界へのソーシャルコンタクト役――の5役だろう。

 この中で、いちばん欠けているのが、この⑤の社会の中での位置づけではないか。業界トップに「女の身でなにができる」という本音が見え隠れする雰囲気を僕も感じないわけではなかった。

 くどいようだが、女性活用が大事というなら、まずこのあたりから声を上げてほしいものだ。

 

コラムニスト紹介

松阪健氏

 

オフィス アト・ランダム 代表 松坂 健 氏=1949年東京・浅草生まれ。1971年、74年にそれぞれ慶應義塾大学の法学部・文学部を卒業。柴田書店入社、月刊食堂副編集長を経て、84年から93年まで月刊ホテル旅館編集長。01年~03年長崎国際大学、03年~15年西武文理大学教授。16年~19年3月まで跡見学園女子大学教授。著書に『ホスピタリティ進化論』など。ミステリ評論も継続中。

 

「観光人文学への遡航(8)」 カント「永遠平和のために」②訪問権の意味

2021年2月21日(日) 配信

 カントは、国内法、国際法の上位に「世界市民権」を位置付け、その世界市民権は訪問権、すなわち、「外国人が他国に足を踏み入れても、それだけの理由でその国の人間から敵意をもって扱われることはないという権利」のみに限定した。

 
 この意味とは、国家の枠組みを越えて交流する人々の安全を守るためには、国内法、国際法を越えた普遍的な理念が必要であるということである。世界市民権という考え方がなければ、他国の人々と友好的な関係は構築できないとし、永遠平和の構築のためには、国際法よりもさらに上位の概念として、世界市民権を共通認識として持つことの必要性を、カントは強く主張した。そして、その世界市民権の中身とは、訪問権、たったこれだけなのである。

 
 ここで、カントは訪問権を客人の権利と明確に区別した。客人の権利とは、そこに当然の如く居続ける、言い換えれば移民である。移民となるならば、受入側の政府は言語の習得の援助をし、就業の機会を提供し、もし彼らが失業したときは、生活保護などの社会保障を与えなければならない。カントは無条件な移民受け入れに関しては、世界市民権の範疇外とみなしている。

 
 なぜならば、やってきた外国人を敵として扱うということは、最初から受入側が客人を敵として扱う場合よりも、客人側が受入側を敵とみなしつつ入国することの可能性が高いからである。なるほど、確かに訪問する側が丸腰でただ交流を求めているだけならば、そこまで憎悪が広がることはないが、なぜ憎悪が広がるかというと、極めて不正な態度を取る客人がやってきて、そこに当然の如く居続けるからなのである。

 
 カントが活躍した時代は、まさにヨーロッパ諸国による侵略と植民地支配の真っ只中であった。直接武力で制圧して支配したり、現地住民同士を分断させ、反目させることで、自分たちの支配権を獲得したりした。カントは、小国が大国に飲み込まれることを強烈に批判しているが、大国の横暴な態度に対して強く警鐘を鳴らしている。

 
 カントは著作において、日本が鎖国政策を採り、ヨーロッパ民族のうちオランダ人だけに来航を許し、しかも彼らを自国民との交際から締め出したという措置を賢明であると評価している。訪問時における友好とは、受け入れにのみ求めるのではなく、訪問者の態度としても求められるものなのである。

 
 ところで、この友好という言葉、気になって多くのカントに関する翻訳本、論文、著作などを調べてみると、訳者によって、普遍的友好、好遇、歓待とさまざまであったが、気になって原文を見てみると、Hospitalitatすなわちホスピタリティである。カントが考えるホスピタリティを来月は検証する。

 

コラムニスト紹介 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。日本国際観光学会会長。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

3・11から10年 観光を「人」の受け皿に(観光庁・蒲生長官)

2021年2月19日(金) 配信

観光庁は2月17日、会見を開いた(蒲生篤実長官)

 観光庁の蒲生篤実長官は2月17日(水)に開いた会見で2月14日(日)に福島県沖で発生した地震について、「大きな被害があったなどの具体的な報告は受けていない。引き続き情報収集に努める」とした。また、3・11から10年目の所感として、「ハード面での復興は進んできたが、ソフト面を支える『人』がまだ戻ってこない。観光が彼らの受け皿になれれば」と期待を語った。今後、地元の有識者と意見交換を行う意向を示した。

 蒲生長官は、2011年の東日本大震災や、昨年からの新型コロナウイルス感染拡大などの影響で、日本の中でも「とくに観光業が痛んでいる地域の一つである東北で地震が発生した」として、情報収集と対応にあたる。現在大きな被害についての報告は寄せられていないが、風評被害や各種課題について東北運輸局と連携して引き続き対応していく。

 緊急事態宣言の延長に伴い、Go Toトラベル事業の一時停止も3月7日(日)まで延長になった。国土交通省では、独自の新たな支援措置として、①感染拡大防止策の一層の強化に取り組む事業者への支援②Go Toトラベル事業の一時停止に伴う年末年始等のキャンセル料無料に関して追加で生じた事務費用への支援──の内容の精査を行っていると報告した。

 財源については、「感染拡大防止」の観点から支給する①に関しては別枠で設け、Go Toに係る事務費用としての②はGo To予算を充てる予定。

 事業再開にあたって、「全国知事会から寄せられているアイデアや意見は一つの選択肢になり得るとして、参考にさせていただいている」とした。当初は、「1月31日(日)を一つの区切りとして制度を進めてきた」と振り返り、分科会からの意見を踏まえ課題解決を目指していく意向を示した。

 ワーケーションやブレジャーに関しては、「各省庁も参加しており、内閣官房も熱心に取り組んでくれている」と期待した。

 一方で、受け手である「地域」の受入準備は順調に進んでいるものの、「送り手である『企業』が、ワーケーション・ブレジャーの捉え方に苦心している。簡易版のリーフレットを基に、詳細版パンフレットを作成しているので、しっかり広報していきたい」と課題を語った。

 蒲生長官は、ワーケーションなどの新しい働き方について、「働き方改革は、その途中にある新しい旅のスタイルへの大きな推進力となる。企業と地域のマッチングを行い、感染拡大防止に努めながら、強靭な観光業界を目指していきたい」と力を込めた。

映画「『浅田家!』×三重県津市」がロケーションジャパン大賞グランプリ 市民の郷土愛醸成など評価

2021年2月19日(金) 配信

中野量太監督らが登壇

 第11回ロケーションジャパン大賞の表彰式が2月18日(木)東京都内で行われ、映画「『浅田家!』×三重県津市」がグランプリに選ばれた。市民の郷土愛醸成と同地への観光誘客に貢献し地域活性につなげたことが評価された。

 津市の前葉泰幸市長は、「新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着いていた10~11月には、映画を見た人が全国から訪れ、専修寺には例年の3~4倍の入り込みとなりました。今はまたコロナで大変な状況ですが、スクリーンを通じてまちを映し出してくれることが、地域に活力をもたらしてくれるのだと実感しました」とコメントした。

 監督の中野量太氏は「ロケハンをしながら、町のにおいを感じました。このにおいがする町に住んでいる人を描けばいいんだな、とすぐに思い浮かびました」と津市の印象を語った。そのうえで、「行く場所、行く場所で撮りたい画が浮かぶことがロケ地の魅力であり、津市の強さ。映画を支える土台はロケ地。津市の皆さんと一緒に大賞をいただけて嬉しいです」と喜びを語った。

 同賞は、ロケ地情報誌「ロケーションジャパン」(地域活性プランニング)が主催するもので、①支持率②撮影サポート③行楽度④地域の変化――4つの指標と約6千人の一般投票を基に審査された。今年は、2019年12月~20年10月31日に公開、放送された30作品・52地域がノミネートされた。

 同誌の山田実希編集長は、「エンタテインメントと地域のタッグは、さまざまな聖地を生み、このことが日本の元気につながっていきます。また自由に旅ができるようになった際には、受賞作品をもう一度観て、聖地に旅に出てください」と総評に代わりメッセージを発信した。

 同日、「ロケツーリズムアワード」の授賞式も行われた。地域大賞には、ロケ地パネルやマップを使ったロケ地ツアーが好評な千葉県茂原市が受賞。企業大賞に選ばれたリーガロイヤルホテル東京は、ロケ実績を活用した情報発信に積極的を積極的に行い、採用活動のPRなど、ロケツーリズムによる企業ブランディングの好事例を生み出したことが評価された。

茂原市
リーガロイヤルホテル東京

 同賞は、「観光客の増加率、経済効果」や「観光誘客・集客を向上させる取り組みなどを審査し、ロケツーリズム協議会(藤崎慎一会長)の会員から選出される。

 第11回ロケーションジャパン大賞準グランプリ以下の受賞は次の各作品と地域。

【準グランプリ】 連続テレビ小説「エール」×福島県福島市

【特別賞支持率部門】 映画「糸」×北海道・上富良野町

【特別賞 行楽度部門】 映画「弱虫ペダル」×静岡県浜松市

 

【地域の変化部門】 映画「星屑の町」×受賞地域:岩手県久慈市

クラツー、ニュージーランド・テカポ湖から生中継 オンラインの星空観賞ツアー販売 

2021年2月19日(金) 配信

テカポ湖の星空(イメージ)

 クラブツーリズム(酒井博社長)はこのほど、美しい星空が見られる場所として知られる、ニュージーランド・テカポ湖から生中継の星空観賞ツアーを売り出した。現地在住の星空ガイドによる解説に加え、宇宙と星空について学べる新施設の見学など、リアルタイムで南半球の夜空を紹介する。

 生配信で案内を行う日本人星空ガイドの小澤英之氏は、テカポ湖の星空の世界遺産登録を目指した活動を行っている。ツアー当日の3月14日(日)は、南半球でのみ見られる星や、先住民マオリ族と星にまつわる話、2019年に開館した施設「ダークスカイエクスペリエンス」の館内などを紹介する。

 ツアー名は「ニュージーランド星空講座・星空ガイドが現地から生中継!」(コース番号:K0064-990)で、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を利用して実施する。設定日は、3月14日(日)午後6時~7時15分。参加費は1人1000円となっている。

企業への浸透目指す ワーケーション推進議員連盟が総会開く

2021年2月19日(金) 配信

ワーケーション推進議員連盟は2月17日、第2回総会を開いた

 ワーケーション推進議員連盟(鶴保庸介会長)は2月17日(水)、第2回となる総会を開いた。ワーケーション自治体協議会や日本テレワーク協会、内閣官房、総務省、厚生労働省、環境省、観光庁の代表者らが出席し、ワーケーション推進への取り組みの現状を報告した。地域や宿泊施設の受け入れ準備が進んでいる一方で、送り手である企業のワーケーション導入が遅れているなど課題点を共有し、今後の方向性を確認した。

 鶴保会長は総会の冒頭で、「ワーケーションは観光政策の一つに留まらず、地方への移住や地方活性にも関わる『新しい働き方』だ」と述べ、「新たな働き方を模索している時代であるため、活発な意見交換や議論を行ってほしい」と期待を語った。

 2017年度から全国の自治体に先駆けてワーケーションの取り組みを始めた和歌山県では、開始から3年間で、104社910人が同県でワーケーションを体験した。

 和歌山県企画部企画制作局情報政策課長の桐明祐治氏は、「ワーケーションが普及しているアメリカとは勤務形態が違うので、日本型のワーケーションを考える必要がある」と提言した。

 日本テレワーク協会の調査によると、企業がワーケーションに期待するのは生産性や競争力強化など、「仕事志向」であることが明らかになった。同協会は、「体験アクティビティや食事の内容よりも、働く環境が整っているかで宿泊先を選ぶ人が多いのが特徴」(大沢彰主席研究員)と分析した。

 この傾向を踏まえ、休暇を取得しやすくする「休暇型」としての普及よりも、「仕事型」として高い付加価値を生み出す新しい働き方である「地域型テレワーク」という名称を付けて浸透させることを提案した。

 総務省は昨年11月、「地域型テレワークトライアル」として、和歌山県・白浜町と長野県・軽井沢町で、自治体との意見交換や地域のサテライトオフィスでの勤務を体験する取り組みを行った。

 内閣官房、総務省、厚生労働省、環境省、日本テレワーク協会会員の企業の職員らが参加し、人事制度面や情報セキュリティの確保、新型コロナウイルス感染症対策などの事前準備のもと行われた。

 観光庁では、ワーケーション普及に向けて企業・地域向けパンフレットを3月下旬までに作成する。企業向けには、実施形態ごとの事例紹介や、社内規定作成のポイント、導入ステップなどを掲載する。

 参加議員からは、「過疎地域にこそ訪れてほしいので、整備を急ぐ必要がある」、「自治体と企業をつなぐコーディネーターがほしい」、「家族でのワーケーションには、子供向けのアクティビティやプランが必要になってくるので、保育関係や厚生労働省も取り組みを考えてほしい」など、活発な意見が交わされた。

 同議連では今後もヒアリングを重ねて政府への提言などを行っていく。次回の総会では、宿泊事業者にも意見を聞く予定だ。