全国自治体初「ヨガの聖地」認定の種子島  ウェルネスをテーマに滞在型コンテンツを造成

2021年3月17日(水) 配信

SUPヨガ(イメージ)

 鹿児島県西之表市(種子島)は2020年6月、全日本ヨガ連盟が選定する「ヨガの聖地」に全国の自治体として初めて認定された。ヨガの聖地とは、ヨガによる健康寿命増進、固有の文化や産業を軸とした地方創生と活性化など、同連盟が定めた基準を満たしている場所を認定するもので、西之表市は自然や文化、歴史と地域おこし協力隊を中心としたヨガの広報活動が評価された。

 「ヨガの聖地」認定を受け同市は今年度、独自の文化・風習、歴史、自然、食、温泉などの観光資源を、新しい生活様式に沿った対策とウェルネスツーリズムの観点で再整理・磨き上げを行うとともに、「ヨガの聖地 種子島ヨガ基本講座」を21年1月16日(土)にオンライン形式で実施。全国各地から多数の参加があった。ウェルネスをテーマとした滞在型コンテンツ造成では、少人数での受け入れやアウトドアで実施するものなど、コロナ禍においても安心安全に観光を楽しめる10プログラムを企画し、今春からの誘客に力を入れていく。

「多様性のある強い産業を目指す」 アフターコロナの宿泊産業を展望

2021年3月17日(水) 配信

(左から)多田氏、浜野氏、小林氏と、司会の内藤氏

 第49回国際ホテル・レストラン・ショー開催期間中の2月16日(火)、東京ビッグサイトで「アフターコロナ 飛躍へのロードマップ」をテーマにパネル討論会が行われた。宿泊業界の代表者らがコロナ後の観光動向を展望しながら、「多様性のある強い産業を目指していく」ことの重要性を確認した。

 登壇者は、日本旅館協会の浜野浩二会長、日本ホテル協会の小林節会長、観光庁観光産業課の多田浩人課長の3氏。基調講演「危機に強い宿泊業の経営戦略」を行ったサービス産業革新推進機構代表理事の内藤耕氏が討論の司会を務めた。

 観光庁の多田氏は、コロナ後の観光動向を、中長期的な視点から「元に戻るのではなくて、変化がずっと続いていくのではないか」と述べ、「密→疎」や「小ロット化」の定着を予想した。

 日本旅館協会の浜野氏は「地域によっては訪日外国人客が50%を超えている」と指摘し、コロナ前まで拡大していたインバウンドを、コロナ後も重視する姿勢を示した。さらに、「新しい旅のスタイルに合わせた宿泊施設に改修が必要」とし、観光庁にも支援を求めた。

 日本ホテル協会の小林氏は「中長期的には楽観している」と述べ、インバウンドも「来年から緩やかに回復していくのでは」と見る。新しい生活様式やワクチンにも期待を寄せる一方、「日本人のアウトバウンドを国内旅行に転換してもらえるような魅力が不可欠」と語った。

 内藤氏は「個人客はすでに地元で動いている。大商圏も“Go To”で動いた。一方、団体旅行や出張は厳しい」と分析する。このような状況において、「生産管理工学の見地では、宿泊施設も個人化したオペレーションの方が生産性は高まる」と力説。「団体のやり方で個人客の受け入れを考えるから難しく感じる。個人化に対応できるシステムに変えると、団体客を受け入れるのもすごく簡単。ふっ切れた方がいい」とアドバイスした。

 さらに、「いかに一人ひとりの満足度を上げていくかという品質向上と、いかに損益分岐点を下げていくかというオペレーションの問題を同時に考えながら、限られた条件のなかで打てる手を打ち、多様性のある強い産業になってほしい」と述べた。

WILLER EXPRESS、「心に贅沢な、京都お花見コース」登場

2021年3月16日(火)配信

大鳥居とレストランバス

 WILLER EXPRESS(平山幸司社長、東京都江東区)は3月19日(金)から、京都で通年運行する京都レストランバスの新コースとして、京都の桜名所を巡りながら京料理を愉しめる「心に贅沢な、京都お花見コース」を運行する。

 同コースは、川と桜のコントラストを愉しめる「鴨川沿いの桜並木」や、数種類の桜が同時に愉しめる「堀川通り」など、京都で有名な桜名所を巡る。2階建てバスならではの高い位置から見るいつもと違う景色や、オープンバスだからこその春の風を肌で感じながら、見ごろの桜や京の街並みを堪能できる。

桜懐石ランチ(イメージ)

 プランは、「朝食プラン」と「昼食プラン」の2種類。「朝食プラン」は、朝の京会席御膳を堪能しながら桜を愉しみ、1カ所の途中下車を含む2時間プラン。「昼食プラン」は、桜懐石ランチを堪能しながら桜を愉しみ、2カ所の途中下車を含む3時間も愉しめる。両プランに含まれる「蹴上インクライン」での途中下車は、約20分間の桜を見るウォークツアーとなる。車内での食事は、桜海老や菜の花、新筍など春の食材をふんだんに使用した出汁香る京料理を堪能できる。

 なお、コロナ禍でも安心して愉しめるよう、調理・接客をするスタッフの検温、マスクと手袋の着用はもちろん、4人掛けのテーブル席の予約を2人に制限や、バス2階部分の天井を開放して常に外気を取り入れた状態で走行するなど、3密回避と衛生管理をはじめとした新型コロナウイルス感染症対策を徹底している。

 料金は、朝食プランが大人1人6000円(3人以上の家族利用の場合は1人4800円)から、昼食プランが同9000円(同7800円)から。

サービス連合、東日本大震災から10年で談話発表

2021年3月16日(火) 配信

サービス連合が談話を発表(イメージ)

 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は3月11日(木)、東日本大震災の発生から10年の節目を迎え、談話を発表した。

 全文は次の通り。

【東日本大震災から10年を迎えて】

 東日本大震災の発生から、本日で10年を迎えました。いまだ2527人が行方不明であり、約4万1000人もの人が避難生活を余儀なくされています。

 あの日の出来事、あの日の光景は、いまだ忘れることのできないものです。今年は10年の節目となり、多くのメディアが当時のことを特集で取り上げています。しかし、被災地の復興はまだ道半ばであり、節目の一刻の注目にとどまらない、震災を風化させない取り組みが必要です。

 昨年から続く新型コロナウイルス感染症の影響により、被災地を訪れる旅行者は少なくなりました。けれども足が遠のくことで、被災地への、そして被災された皆さんへの想いが薄れることがあってはなりません。

 いま私たちは、新たな感染症の脅威にさらされています。しかしこの困難を乗り越えたとき、私たちのサービス・ツーリズム産業は、平和産業として産業の振興をつうじ、人々の交流を生み出し、被災地に笑顔を届けることで、復興の一翼を担っていきたいと思います。

サービス・ツーリズム産業労働組合連合会
事務局長 石川 聡一郎

以 上

クラツー、三井住友銀行と提携し豪華旅提案 シニア市場で異業種連携を推進

2021年3月16日(火) 配信

最上級の旅を提案

 クラブツーリズム(酒井博社長)は4月から、三井住友銀行(髙橋誠頭取・CEO)の新サービス「SMBC エルダープログラム」と提携パートナーとして、同社最上級の旅行ブランド「ロイヤル・グランステージ」のツアーを売り出す。シニア市場で異業種連携を推進するとともに、富裕層向けの旅行商品を提案していく。

 三井住友銀行が4月に始める「SMBC エルダープログラム」は、お客の長寿人生をサポートする取り組みで、シニアの多様化するニーズに応えていく。金融に加え、非金融の新たなサービスを提供し、9社が提携企業として参加する。クラブツーリズムは、「楽しむ」をテーマに、豪華観光列車の旅や最高級ホテルの貸切企画などを展開していく。

 クラブツーリズムの「ロイヤル・グランステージ」は、質を追求した少人数制の添乗員付きツアーで、「ゆとり」と「上質」を軸としたツアーを提供している。

エアトリ×プリンスホテル、春の宿泊キャンペーンを始める

2021年3月16日(火)配信

画像は「LOOK&TASTE Spring キャンペーン」イメージ

 エアトリ(柴田裕亮社長兼CFO)とグループ会社のらくだ倶楽部(二井矢祥社長)は3月12日(金)、運営するホテル予約サイト「エアトリ」と「らくだ倶楽部」で、プリンスホテルが運営する東京都内3つの宿泊施設を売り出した。これに合わせて、プリンスホテルの「LOOK&TASTE Spring キャンペーン」を、「エアトリ」の国内ホテルで4月23日(金)まで実施している。

 「LOOK&TASTE Spring キャンペーン」は、プリンスホテルが実施する首都圏12のプリンスホテルの宿泊客を対象に、1滞在1室につき5000円分の館内利用券や、直営レストランの20%オフ、1泊につき1台の駐車場無料が付く。館内利用券はホテル内のレストランやインルームダイニングのほか、ボウリングやホテル付帯の水族館などでも使えるため、安全・安心なおこもりステイを楽しめる。

 実施ホテルは、ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町、ザ・プリンスパークタワー東京、ザ・プリンスさくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪・高輪花香路、グランドプリンスホテル新高輪、東京プリンスホテル、品川プリンスホテル、新宿プリンスホテル、サンシャインシティプリンスホテル、東京ベイ潮見プリンスホテル、川越プリンスホテル、新横浜プリンスホテル。

 キャンペーン情報の詳細は、「エアトリ」の国内ホテルから。

全6室の隠れ宿 歴代横綱・大関を癒した温泉 「二百年の農家屋敷 宮本家」

2021年3月16日 (火)配信

[写真右から]白鵬関、宮本社長、鶴竜関

 日本唯一の力士の宿――。歴代の横綱、大関を癒した温泉宿が、埼玉県秩父郡小鹿野町にある。

 宮本荘グループの宿「二百年の農家屋敷 宮本家」は、200年以上の歴史を持つ農家屋敷を改修した古民家旅館で、客室は母屋と別邸併せて全6室。囲炉裏や五右衛門風呂など、古き良き日本の生活が体験できると評判だ。

 12代目当主で元幕内力士の宮本一輝社長(元・剣武輝希)は自身のキャリアを生かし、力士の時のようにお客様にファンになってもらえるようグループならではのサービスを日々提供している。 

 料理は、自家製農園の採れたての野菜や果物、清流で育った川魚、奥秩父の山菜や山の幸などの地元の里山素材を囲炉裏などで調理し提供。力士ならではの当主直伝農家屋敷風ちゃんこ鍋は、同館でしか味わえない。また、薪で沸かす五右衛門風呂は全国でも希少な大釜風呂で、日本古来の薪炊きを味わえる体験型の風呂として注目を集めている。

 敷地内には本物の農家の蔵を改造した「蔵BAR」があり、先祖伝来の宮本家独自の製法で造る「山の実酒」を食前酒として提供する。果実酒を含めると50種類以上もあり、当主自らがバーテンダーとなってサービスしてくれるので宿泊客の楽しみの1つとなっている。蔵BARの2階展示室には、宮本家に代々伝わる雛人形や屏風の数々、12代目当主の化粧まわしなどが展示されている。

 同グループの「秩父西谷津温泉旅館 宮本の湯」は、国技館をモチーフにした「土俵露天風呂」と、秩父地域最大の貸し切り露天風呂を備えている。客室数は、通常客室が15室、合宿棟客室が4室で、貸切研修ペンション森の風みやもとを完備。宮本の湯直営の体験型農場「秩父ふるさと村」を利用する人の宿泊が多い。

土俵露天風呂

 「秩父ふるさと村」は、季節ごとの野菜の収穫や川遊び、動物のふれあい、そば打ちなどさまざまな田舎体験ができる。収穫した野菜を使ってピザやカレーを作って食べることや、そば打ち体験で収穫したクルミを「クルミたれ」作りまで体験できる。

料理にもいちごを使用 東京ベイ東急ホテル「ベイサイドストロベリーフェア」 

2021年3月16日(火) 配信

「いちご入り四川風麻婆豆腐」

 東京ベイ東急ホテル(千葉県浦安市)は3月6日(土)、レストランコーラル テーブルで「ベイサイドストロベリーフェア」をスタートした。関係者一押しの「いちご入り四川風麻婆豆腐」や「いちごの天ぷら」などイチゴを使用した料理が味わえる。

 片之坂亨料理長は、「多くのホテルでは、スイーツを主体にイチゴのフェアを展開されます。一方、我われは、和、洋、中華のさまざまな料理に取り入れています。一見すると味の想像がつかないと思いますが、食べてみて、組み合わせの意外性とおいしさを味わってください」とPRする。

 同フェアは昨年2月に初めて開催したが、新型コロナウイルス感染症の影響で約1カ月で終了した。ホテルは2回目を迎えるにあたり、福島県川内村の農園で千葉県の会社が栽培した新品種のイチゴ「よつぼし」を新たに用意。昨年12月に初収穫を終えたばかりで数が少なく、入荷状況に左右されるが、入荷時はデザートやトッピングとして提供している。

ストロベリールーム

 ホテルでは、同フェアをホテル宿泊客にも広くPRするため、新たに「ベイサイドストロベリーフェア宿泊プラン」も造成した。ホテル11階コンセプトフロアにある「プリンセスルーム」6室をイチゴのデザインを施した「ストロベリールーム」に模様替え。1泊2食付きや、ランチ付きプランを展開している。

特急の隣席を小児料金で確保 東武鉄道がサービス開始

2021年3月16日(火) 配信

リバティ

 東武鉄道はこのほど、特急乗車の際に隣席を小児特急料金でキープできるサービスを開始した。 通常1人の乗車に対して1座席分としている特急券販売だが、ソーシャルディスタンスを確保して乗車を希望する人に、隣の席を同時購入できるようにした。

 対象は伊勢崎線特急「りょうもう」号と「リバティりょうもう」号の全列車、全区間で、期間は4月25日(日)までの土・日曜日、祝日。

 販売は東武線の駅窓口で行い、駅の券売機・チケットレスサービスでは取り扱わない。なお、隣席の乗車券は不要。

旅と学びの協議会、不便さでの学びを 新しい旅の需要創出はかる

2021年3月15日(月) 配信

基調講演では旅で新しいことが知れると強調した

 旅と学びの協議会(出口治朗代表理事)は2月16日(火)、オンラインシンポジウム「第4回『ポストコロナの旅と不便益』」を開いた。同協議会はANAホールディングスが2020年6月に設立した。「旅は多様性への理解力や課題解決力など21世紀を生き抜く力を育む」という仮説を科学で明確化することで、旅行を通じた新しい需要創出を狙う。今回は、所要時間が長いことなど旅の不便さによる学びを共有したほか、同協議会の活動内容を紹介し、新メンバーを募集した。

 同協議会は昨年9月に第1期の会員を募集した。企業や教育機関、自治体などから26団体が集まった。観光業界からは日本航空(JAL)や東日本旅客鉄道(JR東日本)、地球の歩き方などが参加する。このほか、ソフトバンクや日本アイ・ビー・エム、品川女学院など観光業以外の会員も所属している。

 基調講演では、駒沢女子大学観光文化学類准教授の鮫島卓氏が「ポストコロナの旅と不便益『旅と学びのツーリズム・リテラシー』」と題した講演を行った。

 冒頭、21世紀を生き抜く力を育成する旅の例として、グアム(アメリカ)のビーチにある旧日本軍の施設トーチカを示した。

 同施設は戦時中に一部が破壊され、大きなコンクリートの塊に見えるが、旅行者自らが調べれば、戦争の激しさを理解できる」と紹介し、「『自ら学ぶ姿勢』が身に着く」と説明した。

 そのうえで、とくに力が身に付く旅として、「不便だからこそ旅行者が得られる効能がある『不便益の旅』」と定義した。

 具体例としては、イギリスで盛んだという徒歩での旅行「フットパス」を紹介した。鮫島氏は、「徒歩は移動時間や疲労など不便なことがほかの移動手段と比べて多いが、ゆっくり移動することで地域文化の理解などが進み、21世紀を生き抜く力を育む」と説明した。

 一方で、まだ明確化していないことが多いとして、「協議会で皆さんと一緒に、不便益による旅で身に付く効能の数を増やしていきたい」と語った。

 その後、事務局の大下眞央氏がテーマ別に4グループに分かれて活動していることを紹介。各グループの代表者が活動内容を紹介した。

 このうち、A1は新たな旅の教育プログラム開発を目的に設定している。地域と連携した中高生向けの教育プログラムの開発や、21世紀を生き抜く力を育める修学旅行を企画する。

 グループ代表のソフトバンク部長の杉原倫子氏は「多くの人の力を結集して、1つでも多くプログラムを完成させたい」と意気込みを語った。

 A2は、地域と連携したうえで、社会人の学び直し「リカレント教育」を実施するほか、旅による人事研修など、働く人をターゲットに旅行プログラムを造成する。

 JOB HUB部長の加藤遼氏は「時代の変化が激しくなるなか、働く人は常に、新しいスキルを身に着ける必要性がある。旅で五感を刺激することで、新しい学びになるようにしたい」と決意を述べた。

 B1は、旅の効能の明確化に特化する。旅は交通手段や宿泊先、旅ナカの時間配分など決断事項が連続することから、意思決定力が増すことや、異文化交流における個人の成長などを数値化する。

 日本アイ・ビー・エムの上甲昌郎氏は「難しい内容だが、楽しみながら、挑戦していきたい」と参加を呼び掛けた。

 C1は、活動実績をメディアやSNS(交流サイト)を通じて、発信する。また、旅による効能をまとめた書籍の発行もはかる。

 TABIPPOの清水直哉氏は「19年における日本人のパスポート所持率は23%。とくに低い若者を中心に、旅の効能をアピールし、海外旅行の需要を喚起したい」と強調した。

 全体総括では事務局の久保哲也氏が「活発的な参加者が多いので、普段の業務で生かせる気づきもある。ぜひ加入してほしい」と呼び掛けた。