読売旅行、添乗員同行ツアーをワクチン接種済か陰性限定に

2021年9月21日(火) 配信

読売旅行バスツアー(イメージ)

 読売旅行(坂元隆社長)は9月17日(金)、自社の添乗員同行団体ツアーの参加者を、新型コロナウイルスのワクチンを2回接種済みか、検査結果が陰性だった人に限定すると発表した。10月1日以降出発の同ツアー全商品が対象で、参加者は同行するスタッフを含む。現在の感染防止ガイドラインを引き続き順守したうえで、安心・安全な旅を楽しめるようにする。

 具体的には、①2回目の接種から出発前日までに14日(アストラゼネカ製は15日)以上が経過②出発の3日以内のPCR検査か抗原定量検査で陰性――のいずれかを満たすことが参加条件。出発当日に確認できる書類や写真データなどを提示する必要がある。ツアー催行に当たっては、感染状況や緊急事態宣言、都道府県知事の指示などを総合的に勘案しての判断とする。

 既に10月以降のツアーを予約しているお客には、読売旅行から順次電話にて説明する。また、検査を希望する人には、郵送方式で検査を実施している民間検査機関を、自社Webサイトなどを通じて紹介するとした。

 坂元社長は「旅行市況の低迷が続くなか、『ワクチン・検査パッケージ』は需要回復の切り札になると期待している。引き続き感染防止対策に万全を期したうえで、そろそろ旅に出たいというお客様の思いに応えていきたい」とコメントしている。

交通総合文化展21の入選作品を発表 優秀作は上野駅に展示、日本交通文化協会

2021年9月21日(火) 配信

「大好きなふるさと故郷」 (増田俊次さん作)

 日本交通文化協会(滝久雄理事長、東京都千代田区)は10月27日(水)~11月1日(月)まで、「鉄道の日」実行委員会とともに、東京・JR上野駅で日本の芸術や文化、観光の振興を目的とした「交通総合文化展2021」を開く。過日、同文化展の一環で観光や鉄道の旅にまつわる写真や俳句を一般募集し、このほど入選作品を発表した。文化展で入選作品を一般公開する予定。

 写真部門は「日本の交通もしくは新しい観光地」、俳句部門は「日本の鉄道や日本の良さを表現したもの」をテーマに募集。応募総数は、写真部門で1048作品、俳句部門で5047作品となった。

 写真部門は国土交通大臣賞に、増田俊次さん(福岡県在住)の「大好きなふるさと故郷」が輝いた。作者は作品について、「阿蘇外輪山山麓にある南阿蘇村には阿蘇の大地をこよなく愛し、地道にたくましく生きる農業家族がいます。『農業を継いだのはこの村のこの自然を子供たちに残したいから』と言う彼ら。美しい自然と家族の温もり、そして大好きな故郷を守っていくという思いを感じてもらえたらうれしいです」とコメントしている。

 講評では、審査員で写真家の清水哲朗氏が「生産者のご家族でしょうか。収穫した稲穂を手に満面の笑みを浮かべている姿に見ているこちらも自然と笑みがこぼれます。作者の巧みな話術と信頼関係の賜物でしょうが、周辺環境の捉え方含め画面構成力が素晴らしいですね。『人を通じてその土地の魅力を知る』のは観光の原点かもしれません」と評価した。

 なお、同協会のウェブサイト中の「交通総合文化展」のページで全作品を閲覧できるという。

【特集No.591】ふけの湯“ライダーの聖地へ” 全国から大集合するイベントも

2021年9月21日(火) 配信

 蒸ノ湯温泉ふけの湯(阿部剛右社長、秋田県鹿角市)は今年からライダー限定の宿泊プランを企画し、好評を博している。コロナ禍で一般客が激減するなか、遠方から遥々オートバイで訪れる宿泊客は増えている。二輪専用の車庫も設置し、“ライダーの聖地”としての環境整備を進めている。試行錯誤を繰り返しながら、アフターコロナを見据えたプランも考案中だ。「年に一度、全国からライダーが集合するイベントも開いてみたい」と語る阿部社長に話を聞いた。

【増田 剛、木下 裕斗】

遠方からのライダー「大切にしたい」

 蒸ノ湯温泉ふけの湯は今春、雪の重みで内湯が潰れ、4月25日(日)にオープンした。

 人気のライダー限定素泊まりプランは和室6畳(トイレ無し)に1人1泊6000円(税込)、おにぎり付きで6月末からスタートした。

 「ライダーには破格の値段で提供しています」と阿部剛右社長。さらに、「オートバイを大切にされている宿泊客のために、このほど車庫を設置しました」と語る。

 なんともライダーへの愛を感じる。というのも、剛右社長自身、大のオートバイ好き。最近は、中学生の娘とのタンデムツーリングを楽しんでいる。「親子ツーリングで(ふけの湯に)お越しいただくのも、きっと楽しいと思います」と笑顔を見せる。

 盛岡方面からふけの湯に向かう途中には、ライダーにとって全国有数の人気ツーリングコース「八幡平アスピーテライン」がある。剛右社長は「アスピーテラインを楽しんだあと、自慢の温泉と料理でリラックスしてほしい」と話す。

 ふけの湯には、元々ライダーが多く訪れていた歴史がある。

 「昭和のころからオートバイでのお客さんは多かったです」と剛右社長の母・恭子女将(会長)は語る。「オートバイの団体が来ると、一般の宿泊客も客室の窓を開けて喜んで見ていたくらいです。その当時は『1部屋に何人でもいいから安く泊まりたい』という宿泊ばかりでしたが、今は1人で1部屋が主流ですね」。

 営業担当の秋元義浩取締役は「1部屋に2人が宿泊すると5000円で、1000円安く泊まれる」とアピールしていますが、ほとんどが1人1部屋で予約されます」という。

 ハーレー・ダビッドソンやBMW、ドカティ、トライアンフなど海外メーカー、ホンダやヤマハ、スズキ、カワサキなど国内メーカーのさまざまなオートバイに乗ったライダーが毎日、ふけの湯に押し寄せる。

 宿泊客に占めるライダーの割合は2割程度だったが、ライダー向け限定プランを販売したところ、4割以上まで比率が上がっているという。

 8月30日(月)からホームページに「二輪(バイク)専用の車庫ができました」と掲載すると、予約がさらに増えました(秋元取締役)。……

【全文は、本紙1842号または9月27日(月)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

〈旬刊旅行新聞9月21日号コラム〉ライダーが共有する美点――風雨にもへこたれない「耐性の強さ」

2021年9月21日(火) 配信

 今号の1面で、蒸ノ湯温泉ふけの湯(秋田県鹿角市)は、オートバイの宿泊客に支持されているという、さまざまな取り組みを取材した。旅行新聞バイク部としても、今回の取材は部活動の大きな成果となった。

 
 私自身、数年前に北海道をオートバイで1周したものの、その後は近場の道を走る程度に甘んじていた。取材に当たり、自宅から700㌔ほども離れたふけの湯へ、夕方までに辿り着けるか、一抹の不安はあった。

 

 
 オートバイの旅をしながら色々なことを考えた。例えば、1人旅と、複数で旅をすることの決定的な違いは何か。複数の場合、「最大公約数」の中で、楽しみを最大化する努力が、最重要であるということだ。

 
 日常生活でストレスを感じ、「旅でスッキリと発散しよう」と旅に出たが、事あるごとに志向やリズムが異なり、ケンカになることもしばしばである。日常生活よりも旅への期待が大き過ぎたために、さらに失望が深くなるケースもある。

 
 だから、「旅は楽しいはず」などと過剰に期待をしてはいけないのだ。

 

 
 今回の取材兼東北ツーリングは、午前3時台にスタートし、先述の通り、700㌔を走破するという過酷さもあり、「修行」と捉えていた。このため、最初から「楽しい」などという甘い考えはなかった。

 
 「オートバイの旅が好き」という時点で、暑さ寒さ、風雨にもへこたれないという「耐性の強さ」を最低限、共有しているのが美点だ。熊にも2度遭遇し、濃霧や激しい雨との闘いもあった。

 
 とくに山形県寒河江市の宿を出発した最終日の4日目は、晩秋のように終日気温が上がらず、朝から夕方まで容赦なく雨が降り続けた。同行した木下部員と、途中のサービスエリア(SA)で熱いコーヒーを飲んで震える体を温めた。もはや戦友のようなものだ。

 
 しかし、旅が終わってみると、何かを成し遂げた達成感でいっぱいである。少し前に、同じようなルートをクルマで旅をしたが、旅を終えたときに、目にしてきた風景の鮮明度がまるで違う。

 
 もちろん、クルマの方が断然、快適だ。雨に濡れる心配がないだけでも、安心感がある。それでも、あえて50歳も過ぎてオートバイで旅をすることに意味があることを、再認識した旅だった。

 

 
 オートバイで宿に着くと、ふけの湯でも、不老ふ死温泉(青森県)、寒河江市のホテルでも、スタッフが出てきてくれて、二輪専用の車庫を案内してくれた。秋田県鹿角市の「比内地鶏 ぐりとる」では食事中に大雨になったため、「屋根のあるところに置いてください」とわざわざスペースを空けてくれた。

 
 北海道・稚内のノシャップ岬の小さな宿に泊まったときも、「バイクにいたずらをされないように、フロントの前に置いてくださいね」と優しく言ってくださった。その心遣いがうれしくてならない。

 
 今回のツーリングでは、サービスエリアや宿で、北海道や大阪、香川などから長期の旅をしているライダーと出会い、短い会話を交わした。同じライダーとして、細かなことを語らなくとも「苦楽」を共有できる土壌を感じ、自然に笑顔が生まれた。

(編集長・増田 剛)

津田令子の「味のある街」「渋沢栄一チーズブッセ」――渋沢×北区 飛鳥山おみやげ館(東京都北区)

2021年9月20日(月) 配信

「渋沢栄一チーズブッセ」1個172円(税込)▽東京都北区西ヶ原2-16(飛鳥山公園管理事務所内)▽☎080(4787)9842。

 
 先日、飛鳥山公園(東京都北区)にある飛鳥山博物館内の「渋沢×北区 青天を衝け(今年度のNHK総合テレビ放映の大河ドラマ)大河ドラマ館」を訪ねた。館内に入ると高さ8㍍の大型スクリーンが正面にある。ドラマの世界観を表現した圧巻の映像作品が出迎えてくれる。
 
 パリ万博そして明治へのコーナーでは、激動の時代に奔走する栄一と徳川慶喜の姿を描いたドラマシアターが見どころの1つ。パリ万博のCG撮影などドラマ制作の舞台裏を覗くことができる。栄一役の吉沢亮さんと慶喜役の草彅剛さん、五代才助役のディーン・フジオカさんや杉浦愛蔵役の志尊淳さんなどへのインタビューも必見だ。
 
 「青天を衝け」の世界を満喫できるのが、パネル・衣装・小道具の展示だ。実際に撮影で使用された衣装や小道具、相関図パネルなど興味深いものばかり。栄一の洋装や慶喜公の軍服など、ドラマで見たあの衣装が見られると好評を博している。
 
 公園内にある渋沢史料館の井上館長らによるパリ万博解説パネルや、ドラマ内に登場したパリ万博日本ブースのセットの再現が見られるのは北区ならではの企画といえるのではないか。
 
 私も体験したのだが「あなたも1万円札の肖像に⁉ なりきり1万円札」のコーナーが人気を集めている。ブースで撮影した自分の顔が、お札の肖像風に変身するというユニークな企画なのだ。画像はスマホでダウンロードできるほか、飛鳥山公園内のおみやげ館横にある印刷所で印刷(有料)できるので、ぜひ試みてはいかが。
 
 展示を見たあとに訪ねたのが、大河ドラマ館とともにオープンした「渋沢×北区 飛鳥山おみやげ館」だ。北区の事業者を中心に開発された渋沢オリジナル商品をはじめ、区内の魅力ある土産品を取りそろえている。
 
 渋沢翁の好物であるオートミールを使った食品や、幼少時代にゆかりのある藍染雑貨、新1万円札関連商品などストーリー性を感じながら楽しめる。イラスト入りの「時代を駆けた渋沢栄一チーズブッセ」を、お土産に買うことにした。

(トラベルキャスター)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

「街のデッサン(245)」「インサイト・ツーリズム(内発型観光)」が次代を興す、マイクロ、納税からふるさと観光へ

2021年9月19日(日) 配信

日本平ホテルからの勇壮な景観

 この「街のデッサン」シリーズの数回前に、「旅の絵葉書」について書いた。友人のアトリエで彼女の父親が旅先で購入したという絵葉書をいただいたのであるが、私の故郷・清水のものだった。観光名所の日本平からの風景で、堂々とした富士山と茶畑の下に広がる清水の町と伊豆半島が駿河湾を囲んでいる。子供のころに何度も実際に体感した風景であるが、改めて見入ってしまった。

 世界中の卓越した景観を経験しているが、これ以上に勇壮で壮大な構図を持つパノラマに出会ったことがあるか思いつかない。浦安のディズニーシーに火山の町のモデルがあるが、仮に日本平からの景観全体をテーマパークとして建造したらどのくらいの費用が掛かるのか。いや、いくら投資をしても不可能であろう。

 その号の原稿をコピーして、何人かの清水で一緒に学んだ中学や高校の友人に送ってやった。多くの友人たちが改めて故郷の持つ価値を見直し、その熱い郷土愛に火を付けたようで、誰もがまた清水に帰省し、故郷を再観光し、その良さを評価し、このコロナ禍にあっても未来に向けて勇気を貰いたいものだと、それぞれ思いを伝えてきた。私はそんな返信文を読み返しながら、ポストコロナでは海外に出掛けていくことや、観光地ではインバウンドの再興に期待するのも大切であるが、それ以前に「ふるさと観光」という新しい視点での国内の観光新生の実現性が高いのでは、と考えてもみた。

 故郷という存在の価値の大きなポイントは、私のように東京に出てそのまま故郷を離れてしまった人間にも、家業を継いで住み続けている人間にも、若かりしころに小中高での学びのストックがあることや、故郷の文化や風土の習いを身に付けてきたことである。それらは心深くにたくさんの襞=インサイト(創造や発見、洞察の糧)として、私たち個人の生きる「資本」となっていることだ。

 同級生だった教育学者で明治学院大学教授だった岩辺泰史氏から、私の原稿を読んで中学時代に国語を学んだ中島浩先生の短歌集「ポロシャツを着て」が送られてきた。岩辺と私は中島先生から「文学青年」かぶれになるような影響を受けたが、その本の第1行目の短歌に「若きうちよき師よき友よき読書常に持つべく怠るな子らよ」と詠っている。今、子供たちの「読解力」の欠如が問題視されているが、私は中島先生のお陰でそれを免れたのだ。故郷は、実は未来を俯瞰するインサイトの宝庫だ。それらに出会うインサイト・ツーリズムの可能性を故郷の旧友から示唆された。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

 

「提言!これからの日本観光」 情報は「観光」の血液

2021年9月18日(土) 配信

 国は平成半ばから、「観光立国」を国策の柱に掲げてきた。とくに、外国人観光客の誘致による「観光」の振興に力を入れており、目標人数も掲げた。当初の目標は2020年に、2000万人とした。円安が急速に進み、近隣諸国から“爆買い”と揶揄された買い物を目的とした大勢の観光客が、激増したため、急きょ目標は4000万人と倍増を目指すことにした。

 国を挙げての誘致努力や、東京オリンピックの開催が決定したことなどで、18年には3000万人を超えた。20年に4000万人の突破も視野に入ろうとしていたが、日本はコロナ禍に見舞われ、観光目的の来日は停止状態に追い込まれた。

 コロナ禍を克服し、1日も早い「観光」の復興をはかるべく、国は30年に6000万人とした目標は変えていない。

 しかし、訪日客が最も多かったコロナ禍直前に、近隣諸国に極端に偏っていたことが課題だったこと。また、外国人観光客がいわゆる有名観光地に集中したことなどから観光客の増加が、地域住民の日常生活に悪影響を与えていたことなどが反省されなければならないと思う。

 従ってコロナ禍からの観光復興は過去の事例を反省し、受入態勢も再考する必要がある。現在の情報化時代では、量・質共に充実した観光情報を国内外に改めて適確に発信するべきだと考える。

 日本の観光アピールについては、観光客の多い近隣諸国や交流機会が多いアメリカなど重点が置かれる傾向にあった。

 今後は、訪日客数の少ない国などへも万遍なく情報を発信する必要がある。具体的には、日本政府観光局(JNTO)などの公的機関からの発信のほか、国内各企業の在外支店や取引先、個人の交友関係活用などあらゆるチャンネルを活用するべきと思う。

 また、情報を質的量的に充実させるためには、日本各地のキメ細かい情報を届ける必要がある。

 東海旅客鉄道(JR東海)のイギリスとフランス、オーストラリアにある在外事務所は10年間、各国で読まれている日本の観光ガイドブック10冊を調査。毎年4月には、各都道府県別の掲載ページ数を調べた。その結果、延べ5千㌻の日本の地域紹介ページのうち約50%が、東京と大阪、京都の情報が占めた。中部地域は10%ほどだった。ほとんど紹介されていない県さえもあった。

 一部のガイドブックは、「交通の要衝で観光地への通過点にすぎない」とか「工業都市で観光都市ではない」など地域にとってマイナス情報を載せていた。発行日から2年前の新幹線時刻表を掲載している本もあった。これらは、その都度、出版社に連絡し、修正してもらっている。

 外国で、発出されている日本の観光情報をたえずチェックすることをはじめ、最新で適確な日本の情報をリアルタイムに、オンラインで発信する必要性を痛感した。

 コロナ克服の努力と並行して、観光情報の発信環境の整備と点検が急務である。「情報は『観光』の血液」なのだから…。

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

8月の訪日外客数、オリパラ関連の入国で2.6万人 19年比は99.0%減(JNTO発表)

2021年9月17日(金) 配信

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 日本政府観光局(JNTO、清野智理事長)が9月15日(水)に発表した8月の訪日外客数(推計値)は、前年同月比199.1%増の2万5900人だった。国際的な移動の制約が続いているものの、東京五輪・パラリンピックの選手や関係者の入国などにより、前年同月を上回った。

 だが、一部の例外を除いて国境をまたぐ往来が停止し、観光目的の入国も引き続き認められていないことから、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年同月比では99.0%減の低水準となった。

 市場別の人数は、米国の3000人が最も多く、次いで中国の2400人、フランス1800人、韓国1600人、英国1300人と続いた。

 日本人の出国人数は、前年同月比78.0%増(19年同月比96.9%減)の6万6100人で、今年最多だった。

JTB、中村江里子さんが案内するパリ、バルセロナのオンラインツアー販売

2021年9月17日(金) 配信

ツアーイメージ

 JTB(山北栄二郎社長)は10月7日(木)、フリーアナウンサーの中村江里子さんがフランス・パリと、スペイン・バルセロナを紹介する海外オンラインツアーを実施する。中村さんの住むパリの街をライブトークで紹介するほか、バルセロナの現地ガイドと中継をつなぎ、中村さんが選んだお気に入りスポットから生配信を行う。JTBスタッフの「またいつかヨーロッパを訪れてほしい」という願いをこめ、自宅で楽しめる旅の機会を提供する。

 オンラインツアーは2部構成で、第1部は中村さんのパリの自宅のほか、家族で訪れる店や散歩コース、お気に入りの風景などを事前に撮影した動画とともに紹介する。

 第2部は、中村さんが夫のバルト氏と訪れたバルセロナの思い出の場所や、話題のグラシア通り、活気あふれるランブラス通り界隈など、ガイドが現地から生中継する。

 ツアーは、10月7日(木)午後8時~9時30分の90分間で、料金は1端末につき20ユーロとなる。中村さんへの事前質問を募集するほか、ツアー中もチャットで受け付ける。また、参加者の中から抽選で5人に、中村さんが選んだお土産が当たるチャンスもある。

 元フジテレビアナウンサーの中村江里子さんは、20年前にフランス人のバルト氏と結婚後、パリに移住した。現在は3児の母であるとともに、パリと東京を行き来しながらテレビや講演会などの仕事を続けている。

HISら、海外で日本食販売する協働体設立 アフターコロナで訪日客増へ

2021年9月17日(金) 配信

ロンドンに開業する店舗のようす

 エイチ・アイ・エス(HIS、澤田秀雄会長兼社長)とテロワール・アンド・トラディション・ジャパン(二瓶徹社長、東京都豊島区)は9月16日(木)、食と観光を海外で発信する協働体「Fooravel & Delivalue」(フーラベルアンドデリバリュー)を立ち上げた。海外で日本食などを販売し、アフターコロナに訪日外国人旅行客を増加させたい考え。

 同協働体の名称は、FoodとTravelを組み合わせたFooravel(フーラベル)とdeliveryとvalueを組み合わせたDelivalue(デリバリュー)を組み合わせた造語。

 テロワール・アンド・トラディション・ジャパンは、日本全国の伝統食品製造業者や生産者らが共同で設立した法人。国内外で中間業者を介さないビジネスを展開。フランスやドイツ、オランダ、スイス、イタリア、イギリス、ポーランド、スペインなどに日本食品を輸出している。一方HISは、海外61カ国で、マーケティングや営業、販売などを行う商社事業を運営する。

 両者は各社の強みを生かしたうえで、日本食などを流通させる。10月2日には、イギリス・ロンドンに日本のお酒やお茶、食材などを売り出すアンテナ店を開業する。今後は、ドイツ・フランクフルトに米や日本酒、焼酎、黒糖、とろろ昆布、七味唐辛子などを売る店舗も開く。このほか、スペイン・マドリッド、イタリア・ローマ、ミュンヘンでもオープンする予定だ。