TCSAインバウンド検定実施へ 初級試験を12月18日に東京と大阪で

2021年10月14日(木) 配信

12月18日に初級の検定試験を実施する

 日本添乗サービス協会(TCSA、三橋滋子会長)は12月18日(土)、第1回「TCSAインバウンド検定」の初級試験を東京と大阪の2会場で行う。11月19日(金)まで受験者を募集している。当初、今年の6月に開催予定だったが、緊急事態宣言が発出されていたことから、延期していた。

 近年、増加する訪日観光客に対応するインバウンドスタッフには、観光客が日本国内を安全かつ快適に旅することができるよう、必要な情報を提供しながら移動をサポートする能力や知識、適性などが求められている。こうしたなか、TCSAは検定を設け、一定の基準に従って学ぶことで、技能を身に付けることができると期待する。

 TCSAは検定を始めるにあたり、厚生労働省のスタートアップ支援事業で「特別委員会」を設置。長期間にわたり、試験問題の作成やテキストの発刊、トライアル試験の実施など、準備を行ってきた。

 なお、今回の初級試験の受験資格に年齢や学歴、職歴など制限はなく、幅広く受験者を募っている。申し込みは同協会ホームページから。受験料は5000円(会員・賛助会員は3000円)。

旅のUDアドバイザー開講1周年記念 「私の旅のユニバーサルデザイン」①  多様な要望を叶え 創意工夫を――JTB大和鶴間イトーヨーカドー店 飯島鈴子氏

2021年10月14日(木) 配信

JTB大和鶴間イトーヨーカドー店    飯島鈴子氏

 

 私は、長きにわたり店頭販売に携わっており、今まで数多くのお客様との出会いがありました。 

 
 なかでも印象に残っているのは、聴覚に障害のあるお客様を担当した際、筆談でのコミュニケーションに時間がかかってしまった経験です。当時はどう伝えればいいのか知らなかったのです。

 
 障害のあるお客様を対応する際にきちんとした知識を学びたいという思いから、旅のユニバーサルデザインアドバイザー資格の存在を知り、取得を志しました。

 
 この資格を取得する際に行われた座学学習や、グループディスカッションで、ユニバーサルデザイン(UD)についての知識を深めました。さらに実技講習では、白内障を患う高齢者を理解するための白内障体験・車イス使用者と視覚障害の体験をし、以前に担当した聴覚に障害のあるお客様については、筆談は簡潔に伝えれば良く、UDトークの活用もできる事などを学びました。

 
 この講習を受けて学んだ貴重な体験が私を一旦立ち止まらせてくれました。無意識に当たり前だと思っていたことが、実は思い込みだったことに気づくことができたのです。

 
 私が所属している相模・湘南エリアでは、毎月店舗ごとにテーマを決め、社員向けオンライン勉強会を行っています。私が旅のユニバーサルデザインアドバイザー資格を取得したことがきっかけとなり、大和鶴間イトーヨーカドー店では「ユニバーサルツーリズム」について、上司・同僚らにサポートをもらいながらオンライン勉強会を開催致しました。

 
 開催する前に、店舗内でのミーティング時に簡単なポイントを話し、意見を出してもらい本番に備えました。勉強会では、「カウンター業務に関わるユニバーサルデザイン」をメインに、高齢者・視覚、聴覚障害・補助犬の理解に触れ、車イスのお客様が来店した時に案内すべきカウンター場所のルール化など、普段の業務ではあまり意識されていなかった合理的配慮に関心を持ってもらう貴重な機会になったと思います。

 
 JTBでは、年齢、国籍、障害の有無などにかかわらず、「お客様に安心してご利用いただける旅行会社」を目標に掲げ、ユニバーサルツーリズムを体系的に構築し、全社で精力的に取り組んでいます。そして、この取り組みが旅行業界初の「beyond2020プログラム」として政府に認証されました。

 
 私は資格取得を機に、より一層ユニバーサルツーリズムの取り組みを通じて、すべてのお客様の多様なご要望を叶え、期待を超える価値をご提供し、創意工夫ある旅行商品を提供していきたいと思います。

星野リゾート・星野代表、Go Toに4つの提言 「補助率下げ、長期化を」

2021年10月13日(水) 配信

星野佳路代表。訪日外国人の回復には相当な時間が掛かるとした

 星野リゾート(長野県・軽井沢町)の星野佳路代表は10月13日(水)の会見で、再開が見込まれる「Go Toトラベルキャンペーン」について、「旅行代金の50%とした補助率を下げたうえで、外国人観光客の需要回復まで継続できること」など4つの提言を発表した。

 「外国人観光客の回復が見込めないなか、継続性を重視するべき」と理由を語った。

 さらに、急激な回復は、感染拡大につながる可能性があることから、「割合は需要の下支えになる程度に設定するべきだ」と述べた。

 同提言では、「1泊2万円とした金額や旅行代金や曜日によって補助率を変えないこと」も求めた。

 「(昨年Go Toで)お客様への説明に多くの時間が掛かり、生産性が低下した」と強調した。

 昨年Go Toを中断した際も、「事務処理が煩雑だった」ことを踏まえ、宿がワクチン接種歴または陰性証明書などの提示を求めるワクチン検査パッケージを導入し、感染者数が増加しても継続することを提唱した。

 このほか、一部メディアが報じた高級旅館に恩恵が偏っていたことに触れ、「観光地では多くの旅館・ホテルの予約が増加した」と指摘した。

 今後制度を変える際は、「コロナ禍の影響をとくに受けた都市部と、旅行客が大きく減少した沖縄県への補助を拡大してほしい」と要望した。

 今後の訪日外国人旅行客の需要回復として、今年11月に国内のワクチン希望者への接種が完了したと仮定したうえで、「今冬から来春までに一部の国を対象に隔離が解除される」と予測。具体的には、新型コロナウイルス感染拡大防止への効果が日本で発揮されたファイザーとモデルナ製のワクチン接種国としてアメリカとカナダを挙げた。

 一方、コロナ禍前の2019年に訪日客数の約7割を占めていた中国と韓国、台湾、香港では、両社製のワクチン接種者が少ないことから、「相当な時間が掛かる」とした。ただ、「国は大阪府で実施される25年日本国際博覧会までに、4カ国における外国人観光客の隔離を免除しないといけない」と語気を強めた。

 このため、同社は25年ごろまではマイクロツーリズムを含めた日本人客の誘客に力を入れる。このうち、マイクロツーリズムについては「東京都とほぼ同じ1200万人の人口を抱える九州で力を入れる」と意気込んだ。

 今後の開業予定では、11月5日(金)に「OMO5京都祇園」(京都府京都市)、22年1月14日(金)に「界 ポロト」(北海道・白老町)をオープンすると発表した。

 OMO5京都祇園は京都府で3軒目のOMOブランドとなる。

OMO5京都祇園の玄関。コンセプトは「今日は祇園ぐらし」

 「京都はリピーターが多いことから、旅の目的に合ったホテルを選んでほしい」と(同社)語る。

 コンセプトは「今日は祇園ぐらし」。同ホテルは、街の人がお祝いごとで訪れる老舗での買い物とお茶の堪能などを提案する。

 界 ポロトは界ブランドの北海道初進出となる。昨年7月にオープンしたアイヌ文化を発信するウポポイに隣接する。

 コンセプトは「ポロト湖の懐にひたる、とんがり湯小屋の宿」。

 大浴場があるとんがり湯小屋では、ポロト湖と一体感を感じながら、美肌効果があるというモール温泉を楽しめる。

ワクチン・検査パッケージ技術実証、宿泊施設108施設を追加(観光庁)

2021年10月13日(水) 配信

観光庁はこのほど、ワクチン・検査パッケージ技術実証を行う宿泊事業者を発表した

 観光庁は10月13日(水)、観光分野での「ワクチン・検査パッケージ」の運用に向け技術実証を行う旅行会社11社の対象ツアー38件に加え、新たに宿泊事業者23社108施設と、JTBメディアリテーリングの対象ツアー2件の追加を発表した。

 ワクチン・検査パッケージの技術実証は、感染対策と日常生活の両立をはかっていくため、実務的な運用や効果を確認するため実施する。飲食やイベント、旅行の各分野でそれぞれ必要な技術実証を行う。

 今回の技術実証では、旅行会社が実施するツアーや宿泊施設を対象に、感染防止対策を継続したうえで、ワクチン接種歴の確認や事前の検査のオペレーションなどを検証する。併せて、事業者や旅行者に対するアンケート調査などを実施する。

 今回、新たに選定した宿泊事業者23社は次の通り。

▽稲佐山観光ホテル(1施設)

▽海栄館(16施設)

▽鬼怒川パークホテル(1施設)

▽琴平グランドホテル(1施設)

▽JR四国ホテルズ(7施設)

▽四国開発建設(1施設)

▽大根屋(1施設)

▽タカミヤホテルグループ・ホールディングス(10施設)

▽竹川観光(1施設)

▽長栄館(1施設)

▽道後プリンスホテル(1施設)

▽鳴子観光ホテル(1施設)

▽南部屋旅館(1施設)

▽西村屋(2施設)

▽ハマノホテルズ(2施設)

▽プリンスホテル(11施設)

▽ホテル三日月グループ(4施設)

▽MANPA(2施設)

▽八千代(1施設)

▽湯郷グランドホテル(1施設)

▽よろづや観光(2施設)

▽ロイヤルホテル(2施設)

▽ワシントンホテル(38施設)

岐阜県・下呂温泉観光協会 中電とCO2削減宿泊プラン発売へ 脱炭素社会実現に向け

2021年10月13日(水) 配信

旅館向け説明会後、記者発表する瀧会長

 2020年にSDGs事業の認定を受けた岐阜県の下呂温泉観光協会(瀧康洋会長)は、中部電力ミライズ(大谷真哉社長)とともに、脱炭素社会の実現に向け、二酸化炭素(CO2)削減につながる新たな宿泊プランを導入する。

 温泉街の旅館・ホテルが通常より割高な、発電時にCO2を排出しない水力や太陽光由来の「CO2フリー電気」を使用。中部電力ミライズは、「CO2フリー購入証明書」を供給施設に発行する。宿泊料金には、電気料上乗せ分の一部を加算し、旅行者と旅館・ホテルがともに「エコチャレンジ」に取り組めるようにする一方、土産購入補助券や生ビール1杯プレゼント、客室アップグレードのほか、「CO2フリー貢献証書」発行などの特典を用意し、利用を促す。

 取り組みは温泉街の観光振興などをはかる「下呂未来創造プロジェクト」の第1弾。2021年10月12日(火)に、下呂市内で宿泊施設向け説明会を開き、参加を呼び掛けた。地球環境への意識が高まるなか、早ければ年内にも一部旅館での販売を始める。

ドバイ国際博覧会をオンライン視察 2025万博参画の参考に(日本旅行)

2021年10月13日(水) 配信

日本旅行はこのほど、「2020年ドバイ国際博覧会」のオンライン視察を始める

 日本旅行(小谷野悦光社長)西日本営業本部は2022年3月31日(木)まで開催している、「2020年ドバイ国際博覧会」のオンライン視察を始める。4年後に控えた「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)の参画を検討する企業や団体に向けて、オンラインでの会場視察や関係者との商談ができる機会を提供する。

 大阪・関西万博でのパビリオン出展やテーマ事業協賛、未来社会ショーケース事業出展、会場整備参加、運営参加などといった幅広い参画を考えている企業・団体が対象となる。

 商品特徴として、要望を事前にヒアリングした「完全オーダーメード型」で視察を組む。ドバイ国際博覧会や日本館の関係者に向けたインタビュー録画や、LIVEセッションも相談に応じる。

 また、ドバイ在住の現地ガイドが、希望する場所からライブ中継や、事前撮影のVTR制作で案内する。

 このほか、視察先とのアポイント代行や、視察先・交渉内容に応じた通訳手配も行う。

 基本プランとして、LIVE中継(4時間)または事前撮影によるVTR制作(1回)が15万円。日本語ガイド、撮影スタッフ、データ通信費用(1回)、万博入場料を含む。

 要望に応じて、アポイントメント1件につき2万円、通訳4時間で6万7000円をオプションとして付けられる。

「ご当地怪獣」で地域活性化を 47都道府県の伝統や特産モチーフにしたご当地怪獣PJ始まる

2021年10月13日(水) 配信

(左から)発表会の司会を務めたBOYS AND MENの本田剛文さんとシャチホコング、大村知事、谷口社長(©GKP)

      芸能プロダクションのフォーチュンエンターテイメント(谷口誠治社長、愛知県名古屋市)とグループ会社のタニプロモーション(同、東京都渋谷区)は10月12日(火)から、日本全国各地の特徴や歴史をモチーフにした「ご当地怪獣」で、地域を活性化する「ご当地怪獣プロジェクト」を開始した。

 47都道府県ごとに考案した「ご当地怪獣」で、日本各地域の伝統文化や特性を国内外に発信し、地域や観光の活性化をはかる。

 今後は、地方自治体やテレビ放送局などと協力し、来年を目途にご当地怪獣を活用した展示会やイベント、土産品やふるさと納税の返礼品グッズ制作のほか、47都道府県ごとの怪獣を描くドラマ制作を目指す。また、鉄道会社と連携した観光プロモーションなども検討。世界への発信については、2025年の大阪万博でのパビリオン展開などを展望する。

 同日、愛知県で開いたプロジェクト発表会で、谷口社長は「コロナ禍で観光産業や我われのエンターテイメント産業は非常に厳しい状況だ」とし、「皆が思うように動けない今だからこそ、ご当地で根付くものを作り、地域の魅力を伝え、地方から元気を届けたい。怪獣を悪者ではなく、日本を救うシンボルにしていきたい」と熱い想いを語った。

 また、大村秀章愛知県知事と愛知県のご当地怪獣「シャチホコング」がゲストとして登場した。大村知事はプロジェクトが愛知県からスタートすることに触れ、「愛知県からぜひ全国に羽ばたいてほしい。シャチホコングには、子供たちに怖がられながらも愛される怪獣になってもらいたい」と期待を込めた。これを受け、谷口社長も「今後も一緒に愛知県を盛り上げたい」と応えた。

 ご当地怪獣は、各地域に生息する心優しい怪獣。遥か昔、日本列島に砕け散った隕石は各地の地下深くに潜ったが、その正体は知的生命体の思いを受けて変化する「怪獣物質」だった。人間の行き過ぎた自然破壊や環境破壊を戒めるためにその土地の力を得て今、「ご当地怪獣」となって人間の前に姿を現した――というストーリー仕立てになっている。

 ご当地怪獣は愛知県のシャチホコングのほか、東京都のパンダンや、大阪府のヒョウガラヤン、岐阜県のウノミドン、奈良県のシンロックなど、それぞれの個性が光る。

世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」めぐる「道南・青森 縄文『ドキドキ』スタンプラリー2021」開催

2021年10月13日(水)配信

 北海道観光振興機構 道南地域分科会は2021年10月15日(金)~2022年1月31日(月)に、世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」めぐる「道南・青森 縄文『ドキドキ』スタンプラリー2021」を開催する。スタンプを集めると、抽選で北海道道南エリア、青森県の特産品が当たる企画だ。

 道南の江差町・上ノ国町・松前町にある全11施設、函館市・北斗市・厚沢部町にある全14施設、青森県の青森エリアにある全3施設など、エリアごとに全10カテゴリーを設定し、スタンプを設置。専用のスタンプラリーシート(特設Webページでも入手可)にスタンプを押し応募する。集めたスタンプ数に応じて、「縄文コンプリート賞」(全10カテゴリーからスタンプを1つずつ計10個)のペア1泊2日宿泊券ほか、道産おつまみセットなどの特産品が、抽選で150人当たる。

 

旅行「我慢している」9割 旅先は「沖縄」が1位に(エアトリ)

2021年10月13日(水) 配信

エアトリはこのほどコロナ禍が落ち着いたら行きたい旅先についてアンケートを行った

 エアトリ(柴田裕亮社長、東京都港区)はこのほど、新型コロナ禍が落ち着いたら行きたい「国内の旅行先」についてアンケートを行い、結果をまとめた。調査によると、旅行を「我慢している」と答えたのは86・5%にのぼった。コロナ禍が落ち着いたら行きたい旅行先では、45・8%と約半数が「沖縄」と回答した(複数回答)。

 旅行に行くことを「すごく我慢している」と答えたのは最多の45・1%。「我慢している」と答えた41・4%と合わせると、約9割が旅行を我慢していることが分かった。

 これらの人にコロナ禍が落ち着いたら行きたい都道府県について聞いたところ、1位は45・8%で「沖縄」、2位は43・5%で「北海道」と接戦に。3位は17・8%で「京都」、4位は14・7%で「福岡」という結果になった。

 旅先や年代を問わず寄せられた意見として、「家族や友人に会いに行きたい」という声が多かった。同社は、「ワクチン接種も進んできていることから、『次の旅行を楽しみにしている』という前向きな気持ちの人が多くいることがわかった」と分析した。

 一方で、「我慢していない」と答えた人が10・8%、「まったく我慢していない」が2・7%だった。

 旅行に行くことを我慢していない人に対し、旅行以外の娯楽を聞いたところ、1位は34票で「映画鑑賞」、2位は26票で「読書」、3位は15票で「ゴルフ」という結果になった。

 調査は9月28日(火)~10月3日(日)、男女1607人に対してアンケートを実施した。

エステー・岡部事業部長に聞く 除菌は清掃に組み込みを 持続可能な感染対策を提案

2021年10月13日(水)配信

ビジネス開発事業部 岡部豊事業部長

 エステー(鈴木貴子社長、東京都新宿区)は今年7月、千葉県浦安市で「除菌応援プロジェクト」を発表した。長引くコロナ禍のなか、宿泊業をはじめとした企業に対し、「感染対策とサービスの両立」に取り組めるようサポートしていく。同社ビジネス開発事業部の岡部豊事業部長に、企画の背景や提案内容を聞いた。

【鈴木 克範】

昨夏、除菌剤市場参入

 日用品メーカーのエステーは昨夏、一度のふき取り作業で、約1カ月間除菌効果を発揮する業務用除菌剤「Dr.CLEAN+除菌・ウイルス除去スプレー(ドクタークリーン)」を発売し、除菌剤市場に参入した。宿泊施設などの感染症防止策で、頻繁なアルコール除菌が強いられるなか、「持続除菌」という新しい解決策を提案している。

使用シーン例

 同社は「空気をかえよう」を企業スローガンに掲げ、消臭剤や防虫剤における消費者市場で高い知名度・シェアを誇る。「強みである商品開発力や技術を、業務用分野などにも広げていきたい」という。そのため、現場ニーズの把握も力を入れている。

ニーズ知り策を提案

 今年6月には「コロナ禍の接客業の感染症対策に関する実態調査」(宿泊業や介護施設など接客を伴う6業種に従事する630人から回答)を行った。結果、除菌作業を行う人の約7割が、「感染への不安がある」としたほか、7割以上が「作業に負担を感じる」と答えた。また約4割が正しい除菌方法の理解・実行ができていないことも判った。

 「除菌応援プロジェクト」ではこの結果を踏まえ、企業や社会に対し、除菌の正しい知識や効果的な対策の啓発を行い、「前向きで持続可能な衛生対策が行えるようサポート」していく。7月15日には千葉県浦安市のホテルでワークショップを取り入れた発表会も開いた=本紙8月1日号既報。主力商品「ドクタークリーン」の提案と併せて取り組む。

「持続除菌」で作業負担減へ

 同社が現場課題のソリューションとして提案するドクタークリーン。その仕組みは、ひとふきの作業でアルコール除菌を行うとともに、銀系抗菌剤を含んだ超親水膜でコーティングされ、除菌・ウイルス除去効果が約1カ月持続するという、除菌と抗菌の2つの効果を同時に叶える商品だ。あるホテルでの導入効果では、1日あたりの除菌作業時間は約3分の1に、アルコール使用量は半分に減らすことができたとしている(同社試算)。

 これまで宿泊施設などでは、アルコール除菌と清掃は別々の作業だった。そのため、通常業務に感染対策が加わり、現場への作業負担が重くのしかかっている。ドクタークリーンは同じ場所に塗り重ねることで、より強固な抗菌コーティングを得られることから、「例えば日に一度(同商品を使って)の除菌作業、その後は汚れたときのふき取り清掃」などで最大効果を発揮する。持続可能で効率的な衛生対策という視点から、「今後は除菌作業を、いかに清掃のなかに組み込むかが重要では」と提案する。

ステッカー表示で対策の「可視化」を

 同社では、ドクタークリーンによる衛生対策の実施を伝える告知ステッカーも用意し「対策の可視化」に力を入れる。認知度の高いエステーのロゴが入ったデザインだ。

 ドクタークリーンの販売価格はオープン(エステー直販サイトでの売価はスプレータイプ本体500㍉2本セットで税込5896円)。つめかえ用2㍑もある。