〈旬刊旅行新聞2月11日号コラム〉冬の小さな旅 大雪、豪雪 春の訪れが待ち遠しい

2018年2月9日(金) 配信

厳しい今年の冬。春が待ち遠しい

 今年の冬は全国各地で大雪や豪雪を降らしている。東京都心でも20㌢を超える積雪を記録するなど、寒い冬となっている。まだまだ冬本番の最中にあるのだが、早くも春の訪れが待ち遠しい気持ちになっている。

 これだけ寒いと、「温泉に入りたい」という気持ちが体の内側からフツフツと湧いてくる。昨年12月の上旬に箱根の温泉に入ってから、数えると2カ月も温泉に入っていない。

 私の体は一定期間温泉に入らないと、そわそわと落ち着きを失ってくる。具体的にどのような症状かというと、これまでに入ってきた素晴らしい温泉を片端から思い出し始める。そして心地よかった記憶を何度も自然反芻しながら、カレンダーを眺め「どこかで温泉旅行に行けないか」と思案する。これは私だけでなく、家族も同様の症状が現れるようだ。「最近温泉行ってないから、そろそろ温泉行きたいね」という会話が自然と交わされることになる。私の症状が家族に伝染したのかもしれない。

 東京に大雪が降ったあと、少し寒さが緩んだ日があった。私は性懲りもなくオートバイのエンジンをかけて、襟巻を首に巻いて、家からも遠くない自然あふれる公園に出掛けた。

 このむやみやたらに広い公園は休日になると、多くの人で溢れるのだが、まだまだ肌寒い季節のためか、園内を歩く人影はまばらだった。木々の下や遊歩道の隅々には、管理人がシャベルでかき集めた雪の塊が散在しており、東京における大雪の名残を感じさせた。

 この公園は子供たちがまだ小さいころ、よく連れてきた。アスレチックや、園内を走る子供用の電車、長い滑り台などの遊具が当時のままの姿を現した。春には広い芝生に座り、お弁当を広げて薄紅色の桜を眺めた記憶が蘇ってきた。間もなく桜の季節がやってくるな、と冬の透明な青い空を眺めた。

 冬の間は、どうしても体を動かす機会が減ってしまう。まして、雪で路面が凍結などすると、外にあまり出ない。暖房の効いた室内にこもることが生活の中心となり、身体が鈍って仕方がない。ずっと、ぬくぬくとした快適な環境にいると、その快適さに嫌気がさしてくるのだから、面倒くさい性格である。思いきって玄関を出て、オートバイに跨りアクセルを開くと、指先がちぎれそうなくらい冷たかったが、襟巻を靡かせながら公園に向かったのだった。

 自然の中を歩きながら、枯れた細い枝を見上げると、すでに梅の芽が出ていた。こんなところにも小さな春の訪れを感じさせた。公園の奥にある牧場には、年初に生まれたばかりの子牛や、子羊たちが濁りのない目でこちらを眺めていた。新しい生命がこの寒さの中でも誕生していたのだ。

 池はまだ鮮やかな色彩のない冬景色だった。久しぶりにローボートにも乗った。枯れ木の並木をかいくぐるように、ボートは静寂な水辺を流れた。行き止まりの地点まで来るとUターンした。帰路はまるで大学のボート部員のように、一生懸命にオールを漕いだ。ボートから降りると体がポカポカしてきたので、牧場のソフトクリームを食べた。すると今度は体が冷えたので、ホットココアを飲んだ。

 冬の小さな旅ではあったが、早く春が来ないか、と待ち遠しい想いが一層強まった旅であった。

(編集長・増田 剛)

【KAYAK・山下雅弘氏に聞く】日本人向けサイト構築を “一人ひとりの旅スマートに”

2018年2月9日(金) 配信

カントリーマネージャー
山下雅弘氏

 米国・プライスライングループのKAYAK(カヤック)は昨年7月に、山下雅弘氏を日本のカントリーマネージャーに登用し、日本市場に本格的に参入した。利用者は順調に増えている。まずは海外旅行での利用を軸に、国内旅行での利用も見据え、日本人向けのサイト構築をはかっている。山下氏に日本市場での現状や取り組みのほか、メタサーチとしての展望を聞いた。【聞き手=飯塚 小牧、構成=平綿 裕一】

 2017年の本格参入後、利用者は順調に増えている。サイトを開設した14―17年前半より、山下氏が就任した17年後半からのほうが伸び率は高く、「自然に上手く伸びてきた」と山下氏は振り返る。ただ日本に参入した外資系旅行サイトでは、後発の部類に入る。「一番の目標はカヤックを知ってもらうこと」。今年度はとくに認知度向上に注力する。

 メタサーチは利用者に合う旅行情報をあらゆるサイトを横断・比較して検索できる。利用者を増やすため、サイト作りには“スピード”と“正確性”を重視する。香港にアジアチームを置き、エンジニアが日本人向けに研究・開発を繰り返している。

 日本人はモバイル比率が高い。カヤックにおける全サーチの4割以上がモバイルで、その中でもアジアのモバイル比率は高く、日本と韓国は頭一つ抜きん出ている。

 他方、日本人はモバイルで検索するものの、予約はパソコンで行う割合が高いという。「モバイルの強みとPCの強みを生かしたサイトを心掛けている」とモバイル一辺倒とはせず、日本人のニーズに対応させる。20年までに日本人向けサイトとしてのカタチを完成させていく方向だ。

 海外版カヤックでは04年にサービスを開始し、より多くの機能を持っている。

 米国ではLCC(格安航空会社)に対抗するため、各航空会社はエコノミークラスの棲み分けを実施。荷物の預けや座席指定などの有無で、さらにクラスを分け、低廉化させた。海外版カヤックはこれらのクラスも選択できる。

 日本でこの動きはまだないが「すぐに導入できる準備は整えている」。ただ海外で成功した機能が、日本で受けるとは限らない。日本人と外国人ではサイトの好みが異なるため、ABテストなどを徹底し“日本人に合う機能”を日々追求している。

 目指す姿は単なる旅行サイトではなく旅行ツールだ。「一人ひとりの旅をスマートにする」。ユニークな機能のサービスも提供する。

 とくに力を入れたのが「Trips(トリップス)」だ。トリップスは網羅的な無料旅程管理ツール。ホテルやレンタカー、チケットなどの予約完了メールを転送すれば、自動で旅程を組んでくれる。異なるサイト上でそれぞれ予約したメールも対応可能。旅程は友人とシェアもできる。

 フライトの運航状況を伝えるアラートやドライバーに現地住所を伝える機能も搭載。「旅を総合的にサポートできる。非常に可能性があるツール」と自信をみせる。

 このほか、「Explore(エクスプロア)」は旅先を気温やスポーツ、アクティビティなどを条件に検索ができる。昨年にはSNS(交流サイト)のインフルエンサーを招いたイベントを実施。インフルエンサーも「現地の気温で行き先を調べられることは驚いた。とても便利で嬉しい」と太鼓判を押す。 

 民泊にも積極的だ。すでに日本で民泊サービスを開始し、開発を進める。ブッキング・ドットコムや米国エクスペディア系のホームアウェイなどの民泊施設を掲載。「民泊は日本の若年層に定着しつつある。日本市場の民泊を重要視している」と語る。

 カヤックは国内旅行も使えるが、まずは海外旅行での利用を軸に置く。先行する外資系OTA(オンライン旅行会社)らも、海外旅行サイトとして日本市場への普及をはかった。

 この流れを踏襲するが、国内旅行での利用者増加はすでに視野に入っている。OTAと異なり、サイト掲載に対する営業などの準備期間は不要。「国内情報も充実し、技術・データ量ともに不足はない。あとはマーケティングやPRをいつ本格的に始めるか検討し、実行するだけ」と視界は良好だ。

 カヤック利用者のターゲット層に関しては、20―40代の男女とする。とくに「若年層はまだOTAを使いこなしてはいない。ここに余地はある」とみる。昨今、インスタ映えをテーマにした女子旅などが活況を呈している。このパッケージ化された商品が好調だということは、ホテルや航空券を個別に購入できるOTA市場では未開拓エリアだといえる。

 若年層は海外の言葉や安全に不安を感じ、海外の旅に不慣れな部分もある。一方で今後旅慣れて自信を持てば、FIT(個人旅行)として旅程を作るニーズが生まれてくる。「若者が個々人で自由に旅程を組むようになればOTAは必須。メタサーチで検索する必要性は向上する。ここで我われの出番になる」。

 カヤックはただ単に価格比較や情報量を提供するだけではない。「勘違いされがちだが、最終判断は利用者にある。すべての情報・可能性を『見やすく、わかりやすく、素早く、簡単に』検索できるサイトを作り上げることが重要な役割だ」と強調した。

【特集 No.483】働き方改革の可能性 テレワークで地域活性化を

2018年2月9日(金) 配信

 昨今、叫ばれる働き方改革。現在の仕事内容を見直すことで有給休暇取得率の向上や残業の圧縮を実現し、余暇時間を創出することは観光業界にとって歓迎すべきだろう。また、テレワークなど働く場所を変える改革は、ロングステイや移住など新たな需要を生み出せる可能性があり、地域活性化策の1つとして期待できる。地域や施設にはどんな工夫が求められているのか、新しいビジネスモデルと併せて紹介する。
【飯塚 小牧】

働き方改革とテレワークの広がり

 日本テレワーク協会は2000年に設立した(前身は1991年設立の日本サテライトオフィス協会)。企業や地方自治体などの団体257会員が所属する。「テレワーク」とは、ICT(情報通信技術)を活用し、場所と時間を自由に使った柔軟な働き方のことで、在宅勤務などがこれに含まれる。まさに働き方改革の代表選手だ。

 広がりの背景について、事務局長の富樫美加氏は「日本では2000年代に高速インターネット回線やiPhoneの発売、アマゾンのクラウドサービスの開始などICT環境が整備され、利用コストが下がったことが考えられます」と振り返る。テレワークは災害時のBCP(事業継続計画)にも有用なため、11年の東日本大震災後も注目を集めた。

 その後、政府の働き方改革への取り組みが大きな転換となる。第2次安倍内閣発足後から、世界最先端IT国家創造宣言や1億総活躍国民会議、テレワーク事業などが開始。「15年ごろから働き方改革に関して予算がつき始めました」。

 働き方改革が必要な理由として、少子高齢化が進むことによる労働力不足や市場のグローバル化への対応などを挙げる。こうした課題を解決するには、育児や介護などで仕事を辞めた女性や、リタイア後の高齢者に社会復帰してもらい、労働力と既成概念に捉われないアイデアを市場に投入する必要がある。

 しかし既存の働き方は、働き盛りの男性を想定しているため、こうした人材が働く環境が整っていない。そこで、場所や時間を選ばずに仕事ができる「テレワーク」の導入が、多様な人材や働き方の実現に寄与すると考える。

働き方改革は地方にチャンス

 他方、テレワークを始めとした多様な働き方は地域にとってもチャンスとなる。和歌山県・白浜町や徳島県・神山町、北海道・別海町などはサテライトオフィスの取り組みに力を入れる地域。サテライトオフィスとは、本社や支社以外の小さな拠点のこと。市町村が不動産物件を用意し、企業に貸し出す形態が多いという。場所を選ばず仕事ができ、柔軟な思考ができるIT企業などと親和性が高い。「白浜は核となる企業と同業種の企業に声を掛け、IT企業のコミュニティを作っています。豊かな自然や子育て環境が良いことなどのほか、ビジネス上のメリットを創出することが大切だからです」。

 神山町はもともと企業誘致の観点ではなく、地域活性化のために地元のNPO法人がアーティストを呼び込む運動をしていたという。そこでできたクリエイティブなコミュニティに注目した企業が、社員に知的な刺激が得られるのではないかと考え集積した。「町も宿泊施設を整備したほか、移住した人の見学ツアーなどをNPOと共に取り組んできました。そのうち、若い人が定住してレストランを開くなど、〝住む町〟として魅力的になりました」。少子高齢化・人口減少が進むなか、移住者を呼び込むことは多くの自治体の課題。しかし、神山町のように成功するのは一握りだろう。…

※詳細は本紙1702号または2月15日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

在日外国人向けの英語版生活情報誌 最新版を無料提供

2018年2月9日(金)配信 

「The Expat’s Guide to Japan」表紙

マイス(長崎聡子社長、東京都新宿区)は2018年2月10日(土)、日本に中長期滞在する外国人に向けて、滞在に必要な情報をまとめた英語版生活情報誌「The Expat’s Guide To Japan 2018」を発行し、在日外国人へ無料提供する。

「The Expat’s Guide to Japanとは」

 外資系企業の駐在員など、日本に中長期滞在される外国人のために、査証や住民登録などの諸手続きから、公共サービスの種類と申込み方法、インターナショナルスクールや英語が通じるレストラン・病院の紹介など、生活に必要な情報をまとめた104ページの英語版小冊子。在住者の多い、東京・横浜の情報を中心に掲載している。

 2008年の初版発行以来、各国大使館、外資系企業、外国人の利用が多い不動産やマンションなど400カ所以上の施設に配布・設置。東京・横浜に在住の外資系、日系企業の役員・社員、大使館員、IT技術者らやその家族を中心に、広く利用されている。英語圏の外国人コミュニティ内での知名度も高く、生活情報誌としての地位を確立。在住者だけでなく、訪日観光客や短期滞在者にも便利な観光情報や東京、横浜の交通情報も掲載している。

目次

Basic Information

 気候、通貨、慣習、祝祭日、年中行事など

Visas & Residency

 査証に関する諸手続き方法、各種登録申請など

Starting a Business

 日本での会社の設立方法、諸許認可、事務所、税金、専門家など

Settling In

 各種サービスの紹介と申込方法など

Housing

 住宅事情と種類、住宅探し、不動産会社や引越業者のリストなど

Cars

 車の運転に関するルール・標識や国際免許、車の購入と売却など

Shopping

 コンビ二、100円ショップなど日本特有の店の説明、英語対応ショップのリストなど

Eating Out

 日本料理の紹介、日本特有の飲食店の説明、英語対応可レストランリストなど

Education

 東京と横浜のインターナショナルスクールとプレスクールのリスト、日本の教育システムの紹介

Medical Care

 日本の医療システム、緊急時の対処法、予防接種・医療費助成制度、英語対応可能な病院リスト

Health, Sports, & Body Care

 英語対応の美容院、スパ・フィットネス、各種スポーツ情報など

Culture & Recreation

 メンバーシップクラブ、趣味・カルチャースクール、エンターテインメント施設、美術館・公園、スポーツ観戦、歌舞伎など日本文化

Trips & Entertainment

 首都圏日帰りや1泊程度の観光スポットやレジャーの紹介、キッズエンターテインメント、旅行会社リスト

Transportation

 電車・バス・タクシーの乗り方、羽田空港と成田空港へのアクセス

Emergencies & Disaster Prevention

 緊急時の連絡先や119番での会話例、地震や台風への備え

Basic Japanese Words & Phrases

 基本的な日本語の単語とフレーズ

Railway Map & Area Map

 東京・横浜の路線図、主要エリアマップ

媒体概要

媒体名:The Expat’s Guide to Japan 2018

対応言語:英語

発行:2018年2月10日(土)

サイズ・仕様:A5サイズ/104ページ/4色カラー

価格:無料

主要配布箇所

各国大使館(フランス・カナダ・オーストラリア・ロシア・スペイン・イタリア・アイルランドなど)

商工会議所(ドイツ・フランス・カナダ・フィンランド・オーストリア・オーストラリアなど)

役所/文化交流会(港区役所・新宿文化/国際交流財団・足立区役所・千代田区役所・品川区役所など)

インターナショナルスクール(Nishimachi International School、St. Mary’s International School、St. Maur International School、THE AMERICAN SCHOOL IN JAPANなど)

レジデンス・宿泊施設(Oakwood・Latour・ウェスティンホテル東京・ヒルトンホテルなど)

観光案内所(羽田空港国際線到着エリア・東京都庁など)

ご利用・配布について

 本誌を利用いただける法人様を募集している。外国人スタッフがいる日本企業・外資系企業、外国人居住者の多いアパートメント、外国人の利用が多い施設など、配布・設置してもらえる拠点を広く募集している。株式会社マイスまで問い合わせください。注文の際には、送付部数と送付先住所、担当者の名前をお知らせください。見本誌の請求もお気軽にお申し付けください。

オンライン版

 オンライン版として、The Expat’s Guide to Japan 公式サイトでは、冊子の内容に加えて、掲載企業とのコラボレーションによる特集記事、全国各地のイベントの案内や季節ごとの記事などを展開し、70カ国以上からのアクセスを集めている。ほかにも、Facebookで日本の情報を継続的に発信している。

 The Expat’s Guide to Japan 公式サイト:

The Expat’s Guide to Japan Facebook:

広告掲載について

 本冊子、オンラインサイトともに、読者層にPRを考える企業の広告出稿を受け付けている。詳しい内容について資料を送付するため、株式会社マイスまで問い合わせください。

会社概要

法人名:株式会社マイス

代表者:代表取締役社長 長崎 聡子

所在地:〒160-0004 東京都新宿区四谷4-11

設立:1996年6月

事業内容:多言語によるセールスプロモーション

      多言語医療会話コンテンツの制作

独自コンテンツを開発 健康福祉部が差別化の力に(上天草市)

2018年2月9日(金) 配信

骨密度を測定する参加者(2月3日のイベントにて)

 健康寿命の促進と観光客を呼び込む手段の1つとして、「健康づくり」に耳目が集まっている。他地域との差別化を実現するためにはどうすれば良いのか? 上天草市(熊本県)では、健康福祉部が観光イベントに協力。独自のアイデアを生かすことで、差別化につながるコンテンツづくりを進めている。
【謝 谷楓】

分野外の知見を生かす

 ヘルスツーリズムや日本版CCRC、観光資源を健康づくりに生かす取り組みが全国で活発化している。1月には、玉野市(岡山県)が、旅行会社大手との提携を発表。退職者コミュニティの形成に向け、一歩前進した。同市では農泊(農山村漁村滞在型旅行)の企画造成を検討するなど、提携先の旅行会社の持つノウハウを存分に利用する構えだ。

 ヘルスツーリズムの主なコンテンツは、ウォーキングや入浴(湯治)、食事など。地域の自然や特産品に触れ、楽しめるよう工夫することで消費額の増加に結びつけたい狙いもある。一方それだけでは、地域ごとの差別化が難しいという課題が残る。風光明媚な場所と美味な食材を堪能する体験は、豊かな自然を持つ日本では難なくクリアできるからだ。観光分野以外の知見に基づくコンテンツの創出が必要とされる。

数値化で健康意識高める

 住民の健康意識向上と交流人口増加に取り組む上天草市(熊本県)では昨年、市の健康福祉部が中心となって「複合型スポーツ&ヘルスツーリズム事業」を立ち上げた(協力=民間活力開発機構)。課題の1つである市内の特定健康診査受診率を上げるためには、具体的な数値を示すことが欠かせないと考え、観光イベントに骨密度や肌年齢、血圧を測定するブースを設けた。初年度ということもあり成果は未知数だが、健康づくりが観光イベントのコンテンツとして機能することを示した。

 この取り組みは2月3日、天草四郎観光協会との共催によるウォーキングイベント「菜の花ウォーキング(上天草市トレッキングフェスティバル)」でも行われた。昨年11月に行った取材に対し、同市健康福祉部の松本洋司参事は「継続して展開することで、市民やリピーターの健康志向を高める役割を果たしていきたい」と語り、健康に着目したオリジナルコンテンツづくりが、市民の健康増進と市外からの誘客には必要不可欠との考えを示している。

多様なニーズに応える工夫を

前田眞治氏がトークショー

 2月のイベントでは、入浴医療の第一人者とされる前田眞治氏(国際医療福祉大学大学院教授)をゲストとして招聘。ウォーキングイベント後に、前田氏によるトークショーを開き、一歩踏み込んだ取り組みを目指す。

 トークショーは美容と炭酸の関係をテーマにしたもので、ダイエットに効く炭酸水の活用方法など、健康づくりに関する具体的なアドバイスが行われた。トークショー後には「天草五橋めぐり遊覧船」に乗り、大矢野島などの島々をつなぐ橋の眺めを楽しむクルージングを実施。ゲストと参加者の交流がはかられた。参加費は遊覧船と合わせて1人1000円。ダイレクトメールや市のホームページを通じ事前に周知し、13人が集まった(定員20人)。

 市民や観光客のなかでも健康に対する意識はさまざま。関心の高い参加者とビギナー双方に届く施策はないかと考えたときに、著名人によるトークショーに辿り着いたという。

 前田氏は温泉や炭酸水の研究で有名。炭酸博士の異名を持ちテレビをはじめとしたメディアでの露出も多い。有料のトークショーを設けることで、ウォーキングよりも一歩深く健康づくりに励みたい参加者のニーズに応えた格好だ。実際、阿蘇エリアから訪れた参加者からは、「テレビでの話を参考にしています。今日の話を通じ、さらに理解が深まった」という声が上がっている(30代女性)。ビギナーからの反応も良く、ダイエットに効く入浴・食事方法について多数の質問が寄せられた。

参加者の質問に応える前田氏

差別化につながるコンテンツを

 ウォーキング後の測定は誰もが参加できる全方位型の取り組みだが、トークショーでは参加費と定員を設けた。理由は、参加者を飽きさせないためにある。自然に触れるだけなら上天草市外のイベントでも良い。参加者個々人の健康づくりと観光誘致を同時に実現するためには目新しさが求められる。有料コンテンツの導入は、「上天草市のイベントでは常に新しいコンテンツがある」という認識を広げ、他地域との差別化につながる。今回は、実証実験という位置付けのため参加費用は最低限に押さえられているが、来年度以降はより本格化させる可能性も。

岡田美術館「田村一村」展を貸切で クラツーが限定ツアー

2018年2月8日(木)配信

田中一村「熱帯魚三種」昭和48年(1973)岡田美術館蔵 c 2017 Hiroshi Niiyama

奄美を愛した孤高の画家、田村一村の世界を辿る――。クラブツーリズムは4月5日(木)、岡田美術館『初公開 田中一村の絵画』開幕前日貸切鑑賞会」を開催。現在関連ツアーを売り出している。

   田中一村は、50歳で鹿児島県・奄美大島に移住し、亜熱帯の植物や鳥などを題材に生命力あふれる新しい日本画の世界を切り拓いた日本画家。展覧会では岡田美術館所蔵の作品5点を初公開するほか、東京美術学校の同級生・東山魁夷や、画風や生き方に共通点が多く指摘されている伊藤若冲らの関連作品も併せて展示される。クラブツーリズムは特別展開催日の前日に、岡田美術館を特別に終日貸切とし、美術館内で実施する講座付きツアーや箱根の美術館を巡るツアーなどと組み合わせた商品を造成。3月4日(日)には、クラブツーリズム本社で岡田美術館の学芸員による「みどころ講座」(参加費無料)を開催する。

岡田美術館「田中一村展」貸切鑑賞会(例)

開催日:4月5日(木)

旅行代金:1人、1万5800円(日帰りバスツアー)

行程:

首都圏各地発→【午前】岡田美術館(貸切鑑賞)・昼食→【午後】箱根ガラスの森美術館・秩父宮記念公園 →各地着

問い合わせ先:

クラブツーリズム株式会社 首都圏バス旅行センター

TEL: 03-5998-2233 (月~土曜日 午前9:15~午後5:30/日曜・祝日 休 )

※他プランなどは特集ページまで。

 

北九州市 市制55周年アンバサダーに草刈正雄さん就任

2018年2月8日(木)配信 

草刈正雄さん(右)と北橋健冶北九州市長

福岡県北九州市(北橋健治市長)は2月7日(水)、東京・大手町の経団連会館で「第10回北九州市応援団の集い」を開いた。市制55周年を記念して、俳優・モデルの草刈正雄さんが同市アンバサダーに就任した。

 草刈さんは小倉生まれで、小倉西高校時代には軟式野球部で全国大会に出場した経歴を持つ。委嘱式で北橋市長は「北九州市の魅力を多くの人に伝えてください」と語り、アンバサダーの委嘱状と名刺を渡した。草刈さんは「年を重ねると、ふるさとに帰りたい気持ちも強くなってきます。大きな役割をいただき、光栄に思います」と笑顔を見せた。

小倉祇園太鼓を演じる草刈さん

 北九州市は、「田舎暮らしの本」(2016年8月号)の「生涯活躍のまち」構想を推進する自治体を対象とした「50歳から住みたい地方ランキング」で1位となるなど、移住・定住の誘致にも力を入れ成果が表れている。北橋市長は、「人口は九州2位の約95万人と比較的大きな都市でありながら、物価や不動産も安く、緑多い豊かな自然に囲まれている」とアピール。2014年には合計特殊出生率が1・56と、全国の政令指定都市の中ではトップとなり、「どの世代にとっても住みよいまち」を証明している。

北九州市の特任大使が集結

 

10回目を迎えた「応援団の集い」には400人を超える関係者が一堂に会した。同市の特命大使委嘱式も行われ、観光大使としてミュージシャンの小森順二(GUNN)氏と、アーティスト・小説家・ファッションデザイナーの袴着淳一氏、大学教授・コメンテーターの原岡薫氏の3氏が新たに就任した。

 これまでに文化大使には、イラストレーター・小説家のリリー・フランキー氏や、平野啓一郎氏ら45人が就任。スポーツ大使には元バトミントン選手の潮田玲子氏ら20人、観光大使にはタレントのロバート(秋山竜次氏、馬場裕之氏、山本博氏)ら34人が就任。3分野で計99人の特命大使が北九州市の魅力を積極的に発信し、応援している。

【速報】日本航空(JAL)と百戦錬磨が資本・業務提携

2018年2月8日(木) 配信

日本航空(JAL)と百戦錬磨が資本・業務提携を発表した。民泊を通じた地域活性化に、自治体らとともに三位一体で取り組む(日本航空の本田執行役員(右)と百戦錬磨の上山社長)

日本航空(JAL、植木義晴社長)と百戦錬磨(上山康博社長)は2月8日(木)、資本・業務提携を締結したと発表した。出資は数億円単位で、昨年末に完了している。日本航空執行役員で、国内路線事業本部長も務める本田俊介氏が、百戦錬磨の社外取締役に就任する予定。JALは、民泊を通じた地域活性化に本腰を入れる。

 百戦錬磨は2012年の創業以来、一貫して合法民泊の推進に注力してきた。物件予約サイト「STAY JAPAN」の運営以外にも、「農山漁村滞在型旅行」いわゆる農泊やイベント民泊面でも実績を持つ。地方行政や地域の観光企業に対するサポート事業も手がけており、地域振興での成果も多い。2月には、地方と外国人旅行者が交流できる宿泊施設を大阪市で立ち上げた。

 日本航空は、百戦錬磨の有する民泊分野でのノウハウと送客力を高く評価。提携することで、地方での経済活性化と宿泊施設不足の解消を目指す。モデル事業第1弾として、奄美エリア(鹿児島県)での空き家・古民家の利活用と誘客増に着手する。今後は、地方行政と協力し、三位一体となって、誘客に励むこととなる。

 両社が持つ販売チャネルの連携と共同プロモーション企画も行う予定で、外国人旅行者がローカルエリアを訪れる仕組みをつくる。

 8日(木)に東京都内で行われた合同記者会見で、日本航空の本田俊介執行役員は、「プラットフォームだけでなく、合法民泊の推進や、地方への送客実績など、同社(百戦錬磨)は他の仲介業者にはない特徴がある」と、提携に至った理由を説明した。日本航空の狙いは、誘客を通じた地域活性化にあり、数ある民泊プラットフォーマー(仲介業者)のなかでも、百戦錬磨をパートナーとして選んだ理由もそこにある。

日本航空は、百戦錬磨の有する民泊分野でのノウハウと送客力を高く評価。自社単体ではカバーしきれない領域を、提携によって補完する

 他の民泊仲介業者と提携する可能性については、「都市型や空き家活用だけに留まらず、地域への誘客に力を入れる民泊展開をするなら、十分(可能性は)ある」とした(本田執行役員)。

 百戦錬磨の上山社長は、「まずは奄美から取り組みをスタートさせる。我われから声を掛けるだけでなく、地域からの要望にも応えていきたい。事業については、単発で終わる一過性のものではなく、継続できる経済基盤づくりに取り組む」と強調した。

 現時点ではとくに目標数は設定していない。また、地域との連携体制については事業内容によっては一部有償となる場合もあるという。

食と漆器の祭典「輪島あえの風冬まつり」2月10~18日開催

2018年2月8日(木)配信 

冬まつり告知画像

石川県輪島市では、「第30回輪島あえの風冬まつり」を2018年2月10日(土)~18日(日)まで開催する。漁獲量日本一を誇る「ふぐ」を大きく取り上げ、数多くのメニューも用意する。

第30回輪島あえの風冬まつり

第30回 輪島あえの風冬まつり〜「食」を堪能、「漆」に触れて〜
http://www.wajimacci.or.jp/aenokaze.htm
「輪島あえの風冬まつり」〜食を堪能、漆に触れて〜 平成30年2月1日(水)~18日(日)開催

輪島の冬の魅力がぎゅっと詰まったイベント多数開催!

 伝統工芸品・輪島塗がお得に手に入る「輪島塗ありがとう市」や、ユネスコ無形文化遺産である田の神を祭る神事「あえのこと」など、能登の食文化が体験できる「食談義」の他、輪島酒蔵めぐりなど、イベントが目白押し!

 今年は特に、輪島市が漁獲量日本一の「ふぐ」を大きく取り上げ、輪島朝市や道の駅「輪島ふらっと訪夢」でふぐ鍋を振る舞うほか、市内16の店舗で期間限定のふぐメニューが味わえる。(2月1日~2月18日)

輪島塗ありがとう市

<輪島塗ありがとう市>

日時:2018年2月10日(土)~18日(日) 午前10:00~午後5:00

会場:輪島市文化会館

食談義 あえのこと

<食談義>

開催日:2018年2月10日(土)・17日(土) ※要予約

内容:

2月10日(土)

・ワイン工場見学と能登牛食談義

・輪島ふぐを使ったフランス料理の食談義

2月17日(土)

・茅葺の里三井あえのこと体験食談義

・御陣乗太鼓とあぜのきらめき食談義

輪島酒蔵めぐり

<輪島酒蔵めぐり>

期間:2018年2月10日(土)~18日(日)

時間:午前10:30~11:30/午後2:00~3:00

場所:市内酒造店

問い合わせ先

輪島あえの風冬まつり実行委員会 tel:0768-22-7777

大阪・福島エリアを光で満たす3日間 福島ネオンナイツ2018

2018年2月8日(木) 配信

イベントを通じ福島エリアを広く発信

JTB西日本と一本松海運からなる「大阪WEST Hubコンソーシアム」は2月14日(水)から、大阪・福島エリアを舞台にしたライティングイベント「福島ネオンナイツ2018」を開催。来場者に無料配布されるサイリウムブレスレットの光と合わせて、福島エリアを光で満たす。

「大阪WEST Hubコンソーシアム」は、JR福島駅からほたるまち(福島港)までの「福島エリア」のさらなる賑い創出を目的として結成された。今回のイベントは、「水都大阪コンソーシアム」から「平成29年度 水都大阪舟運創造推進事業」を受託して行われる。期間中ABCリバーデッキ「ザ・ストライプカフェ」で無料配布される「サイリウムブレスレット」を「福島ネオンナイツ」参加72店舗で提示するとさまざまな特典が受けられる。

福島ネオンナイツ2018 イベント概要

期間:2月14日(水)~16日(金)

内容

「福島ネオンナイツ」参加72店舗で特典が受けられるサイリウムブレスレットを無料配布

概要:

注文時にサイリウムブレスレットを提示すると、ワンドリンクサービスなどの特典が受けられる。

※同一店舗での特典利用は1人1日1回

サイリウムブレスレット配布日時:

2月14日(水)~16日(金)、午後5:00~午後8:00

サイリウムブレスレット配布場所:ほたるまち「ザ・ストライプカフェ」

「クルージングバー featuring BANDA」がほたるまち(福島港)に登場

3日間限定のクルージングバー(写真はイメージ)

概要:

スペインバル「BANDA」と船がコラボレーションし、3日間限定のクルージングバーを設置する。

乗船代:1千円(税込)

※1人につき1オーダー制。ドリンク・フードALL500円(税込)

出航時間:午後6:20発・午後7:20発・午後8:20発・午後9:20発

クルーズ時間:55分。ただし最終は50分

定員:30人

※乗船時に必ず「サイリウムブレスレット」を提示。

大阪市内各所から福島エリアへアクセスできる「リムジンボート」を運航!

 概要:12人までの小型リムジンボートを貸し切りで利用できる(事前予約制)。乗船または下船がほたるまち港であれば大阪市内各所のアレンジが可能。

運行時間目安:約50分

料金:1隻2万円(税込)

予約・問い合わせ先:一本松海運

TEL:06-6441-0531

ビジュアルポイパフォーマンス

概要:パフォーマンス集団「ポイラボ」によるビジュアルポイを利用したパフォーマンスショーを開催。「ビジュアルポイ」とは、ニュージーランドマオリ族の伝統的なダンスと最新テクノロジーを融合させたパフォーマンス。 

ポイラボイメージ

開催日時:2月14日(水)~16日(金)。午後7:00~午後8:00

開催場所:ABCリバーデッキ および ほたるまち水上

ネオンアートギャラリー

概要:大阪のネオンサイン制作会社「MAVERICK」が制作するネオンアートの数々をほたるまちに設置。

開催日時:2月14日(水)~16日(金)。午後7:00~午後11:00

開催場所:ABCリバーデッキ