映画「二十四の瞳」製作60周年、多彩な記念イベント実施、香川県・小豆島

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 木下惠介監督・高峰秀子さん主演の不朽の名作映画「二十四の瞳」が1954年9月に公開され、今年で製作60周年を迎えるなか、映画のロケ地となった香川県小豆島では今夏、多彩な記念イベントが予定される。
 8月24日には、「二十四の瞳映画村」(小豆島町田浦)プロデュースによるトークイベント「喋楽苦(しゃべらく)」が開催される。イラストレーターや俳優などマルチに活躍するリリー・フランキーさん、映画監督・橋口亮輔さん、スタジオジブリ代表取締役プロデューサーの鈴木敏夫さんの3人を招き、木下監督や二十四の瞳などについて、喜怒哀楽トークを繰り広げる。リリー・フランキーさんが主演し、橋口監督がメガホンを取った映画「ぐるりのこと。」の上映も行う。
 土庄町立中央公民館で午後1時45分から6時10分まで。入場無料で先着800人限定。
 一方、「二十四の瞳映画村」では8月24―30日の7日間、「月のしずくと映画のしらべ」と題し、村内のライトップと映画上映などの夜間営業を行う。夜間営業は午後6時30分から9時30分まで。
環境に優しい畜光石を地面に埋め込み、村内の天満宮参道や花畑の周辺、ギャラリー松竹座映画館の周辺など135平方㍍をライトアップ。柔らかな光が、ノスタルジックな村内を一層神秘的に浮かび上がらせるという。畜光石に名前と願い事を書き、光の奉納箱に入れる「願い石」の仕掛けもある。
 二十四の瞳を常時上映する映画館では、鈴木敏夫さんが推奨する映画「風の中の子供」、橋口亮輔さんが推奨する映画「故郷」を特別上映。風の中の子供は同3時30分から、故郷は夜間営業となる同6時45分から。
夜間営業の入村料は大人(中学生以上)500円、小人(小学生)250円。通常営業入村の場合は当日入場券の提示で再入場可能。
 映画村の有本裕幸専務理事は「製作60周年を迎え豪華映画人を迎えてのトークショーや上映会、それに連動した映画村のライトアップなど、ぜひこの機会に小豆島の星空とライトアップをお楽しみください」と話している。

 写真は二十四の瞳映画村のライトアップ

『全国旅館おかみの集い』ページを更新いたしました。

『全国旅館おかみの集い』ページを更新いたしました。

 今年で25回目の節目を迎える全国旅館おかみの集い(全国女将サミット2014東京、佐藤幸子実行委員長)の参加案内と申込書を更新いたしました。

平成26年9月16日開催「女将サミット2014」の詳細をご確認いただけます。
詳しくはコチラから。(弊社の『全国旅館おかみの集い』ページへリンクしています)

 
☆「全国旅館おかみの集い」とは☆
 全国の旅館・ホテルの女将が一堂に集まり、互いに悩みや課題を話し合い、各界著名人による講演、分科会を通じて学び、併せて女将のネットワークづくりのための懇親を深める場です。(通称:女将サミット)

次世代の宿泊施設の一方向性 ― “アフリカ的”の日本的な解釈へ

 現在の旅館が最も重視しているのが「接客、おもてなし」とすれば、次のパラダイムは「意識的に接客しない『空間の価値』ではないか」と、サービス産業革新推進機構代表理事の内藤耕氏は語った。これは7月9、10日に東京都内で開かれた「科学的旅館・ホテル経営フォーラム」の一コマである。

 内藤氏は「お客が感じているのに、旅館がまだ気づいていない新しい価値が出てきている」と指摘する。「宿の元々の価値は寝る場所を提供する『施設』。これに、『料理』が加わり料亭的なオペレーションが入ってくる。最近は『接客、おもてなし』が注目されているが、最先端を走る幾つかの旅館では、『空間の価値』を重要視し、『目尻では見ているけど、お客様に声を掛けられるまで何もしない』という姿勢が増えてきている」として、大洗の里海邸金波楼本邸や、日田市のホテル風早、能登半島の“いたらない、つくせない宿”を謳う「湯宿さか本」などの例を挙げた。

 一方で、「接客、おもてなし」の力のすごさを感じたフォーラムだった。内藤氏も「ニーズが多様化するなかで、お客様に『お聞きする』ことでムダがなくなる。接客、おもてなしの力を軽んじないほうがいい」と強調した。

 ビジネスホテル「ホテルナンカイ倉敷」は立地条件に恵まれないなかで、多くのリピーターやファンを獲得している。表面的には違いが見えなくとも、細部へのこだわりが顧客の心を掴む一つの例である。宿泊客は水島コンビナートで定期修理をする長期出張者が多いなかで、「お客様がテーブルで取りづらい調味料があれば、さっとお手元に近づけて差し上げます」という田中正子支配人の言葉に涙が出そうになるのである。数々の店で食事をし、宿にも泊まったが、取りづらい調味料を手元に近づけてくれた店はほんのわずかだ。これはホテルナンカイ倉敷の末端のおもてなしであるが、同時に全体を表している。旅行新聞新社が発刊した「いい旅館にしよう!」の中にもさまざまなエピソードが語られている。

 台風の影響でフォーラムに急きょ参加できなくなった鹿児島県・南きりしま温泉の天空の森の主人、田島健夫氏は「天空の森は人間性を回復する場所。人間も自然の中の一つであり、建物も自然と調和している。欧州の人からは“アフリカ的”だと言われたりします」と語っていたのが強く印象に残っていた。天空の森も「空間の価値」を重要視する極北であろう。

 そこで、再び、“アフリカ的”という言葉が頭に鳴り響く。私はアフリカに行ったことがないので、あくまでも想像の域を出ないが、私なりの解釈をすると、“アフリカ的”という表現は、「大地との密接な関係」のことではないかと考える。快適性を追求する都市生活者は、ますます大地の「土」から離れゆく。しかし、極限まで離れ過ぎると、「もっと大地に近づきたい」という動物としての本能が疼いてくる。

 近い将来、都市生活者は休息を求めるとき、高層ビルから一段、さらにもう一段、降りていき、大地と抱き合う、密接な関係が築けるリゾート空間を今以上に渇望するだろう。“アフリカ的”というキーワードが、今後日本的に解釈され、これまでになかった交配によって、新たな価値観を創出するのではないか。

(編集長・増田 剛)

No.377 女性が活躍する社会の実現 - “仕事継続をあきらめないで”

女性が活躍する社会の実現
“仕事継続をあきらめないで”

 政府は6月24日、成長戦略「日本再興戦略改訂版」を閣議決定した。第2次安倍晋三内閣は発足当初から女性の活用を掲げてきたが、改訂版では女性の就業率を2020年までに73%へ、指導的地位を占める女性の割合を約30%まで高めることを改めて明記した。各所で取り組みが進むなか、日本の次世代社会モデルを検討するプラットホーム「プラチナ社会研究会」の分科会では、女性が活躍する社会の実現に向け、女性視点で議論を展開。社会全体への提言のほか、女性自身にも「仕事継続をあきらめない」ことなどを提案する。

【飯塚 小牧】

 
 
 
人生の中で重点を変え、仕事も生活でも自己実現

 三菱総合研究所が事務局を務めるプラチナ社会研究会は、高齢化問題などを産業化することで、デフレと雇用問題を解決しようという「プラチナ構想」に基づき、次世代社会モデルを検討し、社会に提示していくためのプラットフォーム。2010年に設立され、14年5月現在、民間企業や自治体、教育機関など401団体で構成する。観光産業では、旅行業の近畿日本ツーリストやJTB、地方団体のやまなし観光推進機構などが参画している。

 同プラットフォーム内の「女性のライフスタイルから考えるプラチナワークスタイル分科会」(幹事=博報堂、凸版印刷、三菱総合研究所)は、…

 

※ 詳細は本紙1552号または7月25日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

国民意識の啓発を、無電柱化へ民間組織発足

小池百合子氏と実行委員会のメンバー
小池百合子氏と実行委員会のメンバー

 「景観・観光」「安全・快適」「防災」の観点から、民間の立場で無電柱化を推進する「無電柱化民間プロジェクト」実行委員会が7月10日に設立され、同日に東京都千代田区のホテルニューオータニで発足記者発表会を開いた。国民意識の啓発や新設電柱を原則禁止にする法律の策定を目指す。

 同委員会では、政府と自民党が推進する無電柱化の趣旨に賛同し、民間の立場から応援していく。

 実行委員長を務める日本芸術院会員で東京芸術大学名誉教授、大阪芸術大学教授の絹谷幸二氏は会見で、「諸外国は無電柱化が進んでいる。景観を損ねている面もあるし、震災などの際に電柱が倒れるリスクもあり、防災の観点からも無電柱化の意義は大きい」と語った。

 日本の電柱の本数は1987年に3007万本、2008年に3525万本、12年に3552万本と年々増加。世界の各都市の無電柱化率を比べると、ロンドンが100%(04年)、パリが100%(04年)、ベルリンが99%(12年)、ニューヨークが83%(11年)、ソウルが46%(11年)に対し、東京は32%(12年)と大きく遅れている。下水道普及率が約3%のジャカルタにおいてもコタ駅周辺で35%と無電柱化が進められている。

 同プロジェクトでは(1)工事経費抑制のための直埋設立の推進(2)地上機器を置く民地確保の手法確立(3)新設の電柱は「原則禁止」とする法律の策定――を今後の目標に設定した。(1)CSRで企業への協力依頼(2)民地の軒下に地上機器を配線するなど協力のお願い(3)予算の確保(4)税制による優遇(5)無電柱化基本法の策定――を活動方針に掲げる。

 また、来賓の自民党無電柱化小委員会委員長を務める小池百合子衆議院議員は無電柱化小委員会の中間とりまとめとして(1)新設電柱を原則禁止とするなどの「無電柱化基本法」の策定(2)技術革新(3)国民の意識改革――を挙げ、「無電柱化は景観だけでなく、防災や自転車・車イス・ベビーカーが通りやすくするという観点でも必要なこと。実行委員会の皆さんと連携しながら、国民全体の意識を変えていきたい」と語った。

奄美が「熱い」夏

 僕の故郷は奄美群島の徳之島にある。何もない島で、有名なのはハブと闘牛、黒糖焼酎に、世界最長寿だった泉重千代翁くらい。観光客はほとんどいない。飛行機を鹿児島で乗り換えないといけなく、往復の交通費だけでかるく10万円は飛ぶからだ。7月1日にバニラエアの成田―奄美大島線が就航した。奄美大島からフェリーを使えば、往復3万円ほどで行けるので、観光客増加と島の活性化に期待したい。

 「奄美黒糖焼酎 島酒Week」が有楽町・銀座の飲食店33店舗で31日まで開かれ、奄美群島の代表18銘柄が並ぶ。個人的には、暑い夏でも、サトウキビの甘い香りとまろやかさが味わえるお湯割りがおすすめだ。21日には有楽町駅前広場でイベントを開催。奄美群島出身の歌手や伝統芸能「八月踊り」のステージが見られる。暑い夏に、ぜひ奄美群島・徳之島の熱いパワーを感じてほしい。

【伊集院 悟】

旅館の生産性革新へ、“科学的”経営フォーラム開く(サービス産業革新推進機構)

内藤耕氏
内藤耕氏

 サービス産業革新推進機構(内藤耕代表理事)は7月9、10日の2日間、東京都内で第1回「科学的旅館・ホテル経営フォーラム~生産性革新に基づく品質と収益の強化」を開き、全国から若手旅館経営者らが熱心に聴講した。

 9日のセッション1「収益力を強化する旅館・ホテル計数管理」では、湯元舘会長の針谷了氏が「“管理会計”で現場の見える化」、一の湯社長の小川晴也氏が「“人時生産性”で経営効率化追求」、湯主一條社長の一條一平氏が「“日次原価管理”でサービス品質強化」について講演した。

 10日午前のセッション2「21世紀宿泊サービスのビジネスモデル新展開」では、里海邸金波楼本邸主人の石井盛志氏が「“癒し”のくつろぎ別荘宿」、ホテルナンカイ倉敷の田中正子支配人が「“居心地”よい空間」について語った。

 午後からのセッション3「おもてなし品質革新する作業現場のプロセス変革」では、網元の宿ろくや社長の渡邉丈宏氏が「“マルチプレイヤー化”で現場作業平準化」、向瀧社長の平田裕一氏が「“手間”をかけてコスト削減」、越後湯澤HATAGO井仙社長の井口智裕氏が「“レストラン”として旅館経営」をテーマに登壇した。

石井貞徳社長
石井貞徳社長

 主催した内藤氏は「今後も年1回程度、このような旅館経営者を対象としたフォーラムを開きたい」と語り、「いい旅館にしよう!」対談シリーズを掲載してきた旅行新聞を代表して石井貞徳社長が「本紙も連携を深め、旅館全体の活性化に貢献したい」と述べた。
 
 
 
 
 

瀬戸川礼子著「女将さんのこころ」、好評販売中

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女将55人の人生を綴る、旅行新聞新社発刊

 旅行新聞新社はこのほど、「おもてなしの原点 女将さんのこころ その一」(瀬戸川礼子著)を発行した。本書は旬刊旅行新聞で2000年から連載中の人気コラム「女将のこえ」から55人の女将さんを取り上げ、最新情報に加筆・修正したもの。

 著者はジャーナリスト・中小企業診断士として全国あらゆる業種業態の企業に赴いている瀬戸川礼子氏。なかでも旅館の女将さんの取材歴は22年を数える。

 旅館に泊まりに行っても、一人の女将さんとゆっくりと話す機会はなかなかない。本書は「女将」という人間にスポットを当て、それぞれの女将さんが考えるおもてなしから人生哲学まで、1人4ページを割き紹介している。

 女性の生き方のみならず、地域社会への貢献、社員教育、会社経営、後継問題、日本文化の継承、お客様へのおもてなし、働く意義についてなど、多様なテーマが登場する。

 旅行好きの方だけでなく、さまざまな考えや人生に触れる本としても読み応え十分だ。

 なお、「その二」も年内、または年明けに発行を予定している。

 上製本240ページ。価格1800円(税込1944円)。

 ご購入は旅行新聞新社ホームページから=http://www.ryoko-net.co.jp

 問い合わせ=電話:03(3438)2718。

野天湯もっと気楽に

 全国に点在する野天湯。自然に溶け込む開放感は最高だが、混浴のケースが多い。山陰の名湯で知られる温泉地では、野天湯で男性がみだりに身体を露出しているようなようすを目にし、名湯の印象が台無しになったことがある。

 河川に温泉が湧く「砂湯」で有名な岡山県の湯原温泉では最近、大手下着メーカーと共同で女性用の「湯あみ着」を開発。体のラインが目立たず、肌に張り付かないよう工夫されている。同温泉地では以前から「入浴のルール」として男女ともにタオルの着用などを推奨。混浴と聞いて尻込みする女性は少なくない。まして前述のような光景を見ればなおさらだ。温泉地あげての取り組みは心強く、女性が野天湯を楽しむ一歩につながる。全国で取り組みが広がることを願う。

【市沢 美智子】

キャンベル氏が講演、第1回「温泉塾」開く(日本温泉協会)

小口潔子委員長
小口潔子委員長

 日本温泉協会の女性部委員会(小口潔子委員長)は7月11日、東京・永田町の都道府県会館で、新企画として「第1回温泉塾セミナー」を開いた。米国生まれの日本文学研究者で、東京大学大学院教授のロバートキャンベル氏が「日本文化と温泉」をテーマに講演した。

 小口委員長は「温泉を提供する側よりも圧倒的に多い温泉利用者の目線から見たさまざまな取り組みも必要」とし、「女性部委員会は新しい切り口で、温泉の温かさ、計測できないが確かな効果が認識できる不思議な魅力に迫っていきたい」と語った。

 キャンベル氏は、17―18世紀にかけて、江戸幕府の徳川吉宗8代将軍の時代、「交通(街道)を整備していかないと日本が一つの国体として繁栄できない」として、先端的な発想を生み出し、実施していったことを紹介した。

 また、「『村継』制度をつくり、街道を通る遠来の客が困ったり、犯罪に遭ったり、病気になったりしたときに、そこに住んでいる農家や商業的な店を営んでいる人たちが責任を持って手当てをした」と述べ、「ヨーロッパではキリスト教の限られた空間の中で『巡礼の道』という、似たようなものが同時代に生まれたが、日本のように全国的に一つの交通網として“街道”があり、ハードだけではなく、ソフト面でも地元の人たちのおもてなしが行われていたことは、江戸時代の一般の人々は、世界に誇る高い見識と実績があった」と語った。