木曽への支援を、復興応援運動を展開中

 長野県と岐阜県にまたがる御嶽山の噴火で、観光業など地域経済に影響を受けている長野県では、関係団体が「木曽復興を応援する運動」を展開している。

 呼びかけ人は、県や長野県市長会、長野県町村会など。各団体は、木曽地域での宿泊や木曽の物産品の購入をPRしている。

 木曽エリアは現在、スキーシーズンを迎え、開田高原マイアスキー場(木曽町)などは運営中。御嶽山の噴火により、火口から4キロが入山規制となっており、「おんたけ2240」(王滝村)は営業を見合わせている。

 長野県大阪事務所では、南木曽町に伝わる防寒着「なぎそねこ」を販売中。手作りならではの着心地が特徴という。

 同事務所の松澤繁明所長は、「木曽エリアに多くのお客様に来ていただき、支援の輪を広げていきたい」と話している。
          
 九州観光推進機構と九州運輸局はこのほど、韓国・済州島発のトレッキング「九州オルレ」の新コースを3つ認定。2月までに随時オープンする。九州オルレは今回の認定で、全15コースとなる。

 第4次コースとなる今回の3コースは、八女コース(福岡県八女市)、別府コース(大分県別府市)、天草・苓北コース(熊本県天草郡)。

 すでにオープンしている八女コースは、山の井公園から始まる全9・2キロ。所要時間は3、4時間。童男山古墳、市指定記念物の犬尾城址などが見どころとなる。別府コースは、志高レストハウスから出発する全11キロで、所要時間は4、5時間。由布岳や鶴見岳を望む山上湖「志高湖」などを通る。2月28日にオープンする天草・苓北コースは、富岡港を起点とした全11キロ。所要時間は4、5時間。富岡城や白岩崎などを巡る。

クルーズシェア20%へ、新店舗、ブランドで強化 (JTB)

JTB首都圏・生田亨社長(中央)
JTB首都圏・生田亨社長(中央)

 JTB(髙橋広行社長)は2014年12月5日、クルーズ事業強化の一環でJTB首都圏(生田亨社長)にクルーズ専門店「JTBクルーズ銀座本店」をオープンし、東京都のJTB本社で、新ブランドの紹介や事業の説明を行った。新店舗展開や地域創生に着目した新規事業で2020年度のクルーズ取り扱いシェアを20%まで伸ばす。

 JTB総合研究所によると、13年度の日本のクルーズ人口は23万8千人で、JTBグループのシェアは14・9%(約3万5500人)。20年度には約60万人がクルーズを利用する見込みで、シェア20%(12万人)を目指す。訪日クルーズと合わせるとクルーズ全体で30万人が目標。生田社長は「日本は世界的にクルーズ事業自体が少ないが、昨今の観光需要の増加を考えると今後の伸び代が期待できる分野。さらに20年の東京オリンピックでも市場拡大が予測できる」と期待を寄せた。

 新店舗「JTBクルーズ銀座本店」を展開するクルーズ事業部は、14年10月にJTBロイヤルロード銀座事業部のクルーズ部門とPTSのクルーズ企画部門を中心に統合した新組織。新店舗やクルーズ強化店舗にはクルーズコンサルタントが常駐し、専門店としてのサービスを増強する。ブランドも一新し、JTBロイヤルロード銀座の「クルーズセレクション」とPTSの「PTSクルーズ」をひとつにした「JTBクルーズ」を販売する。高品質型の「プレミア」と価格訴求型の「バリュー」の2ブランドで商品の種類や価格帯を広げ、バラエティーに富んだ商品を展開する。

 商品発売日の1月9日時点でプレミア50コース、バリュー120コースを用意し、スポット別のコースも造成する。新商品発表はプレミアが4月と10月、バリューが1月と7月の各年2回。

 オープン記念商品として、プレミアから「憧れのクイーン・エリザベスで巡る欧州ショートクルーズ9日間」、バリューから「セレブリティイクノスで巡る東地中海9日間」が発売される。また、特別企画として「限界に挑船!!」シリーズを発表した。今回は「新造船 コスタ・ディアデマで航く西地中海周遊クルーズ11日間」で、燃油サーチャージ込みで18万8千円からの設定。同シリーズは四半期に1回発表する予定。

 今後の国内商品造成について、JTBクルーズ銀座本店日本船デスクの三宅明人総支配人は「北陸新幹線とのセットや船旅のメリットがある北海道や沖縄の島方面に注目している」と語った。

 JTBでは10月1日に新組織としてクルーズ事業部を設立し、現在は(1)クルーズ事業の強化(2)全国のクルーズ機能強化店整備とクルーズコンサルタントによるサービス(3)クルーズ専門店「JTBクルーズ 銀座本店」オープン――の3本柱で事業を進めている。また、「地域創生」への貢献として、日本の寄港地を活用した観光事業を自治体と展開する。生田社長は「地域の活性化の手段はこれまでは新幹線や高速道路だったが、これからはクルーズも手段になり得る」と提言した。

【お知らせ】第40回プロが選ぶ100選は1月11日発表

 弊社が主催しております、2015年の第40回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」、第35回「プロが選ぶ観光・食事、土産物施設100選」、第24回「プロが選ぶ優良観光バス30選」と選考審査委員特別賞「日本の小宿」10施設が決定しました。

発表は
 1月11日付「旬刊旅行新聞」紙上および、
 1月11日に弊社ホームページ(当サイト)で公開いたします。

発表までいましばらくお待ちください。

日本最長「三島大吊橋」が来年開業、旅行会社に向け見学会(静岡県三島市)

富士山を望む大吊り橋の建設現場を見学
富士山を望む大吊り橋の建設現場を見学

 三島市観光協会(静岡県三島市)は12月18日、首都圏旅行会社を対象に、来年12月に開業予定の日本最長の人道吊り橋「箱根西麓・三島大吊橋」の現地見学会を開いた。大吊橋は、箱根峠から車で約10分の位置に建設中で、三島と箱根の新たな周遊観光にも期待がかかる。当日は21社23名が参加し、同市観光協会が実施する着地型ツアー「三嶋大社正式参拝ツアー」なども体験。オープンを1年後にひかえ、三島の魅力や首都圏からのアクセスの良さを、旅行会社にアピールした。

 大吊橋は現在、箱根峠近くの山中城址公園西側の国道1号線沿いに建設しており、完成すれば大分県の「九重“夢“大吊橋」(390メートル)を抜く、日本一長い全長400メートルの人道大吊り橋が誕生する。事業主は、アミューズメントや観光開発を手掛ける「フジコーグループ」(三島市)で、見学会では、同社の社員が建設現場を前に、進捗状況や今後の工程などを説明。開発事業部の大村正弘部長は、「橋上からは壮大な富士山を楽しめ、西側には夕陽と駿河湾の絶景も望む。箱根や伊豆へのアクセスもよく、新たな観光スポットとして立ち寄っていただければ」と力を込める。

 吊り橋の幅は、車イス同士すれ違うことができる1.6メートルで、往復の経路を予定する。ほかにも付帯施設として軽食や土産物、地場産品を販売する店舗、大型駐車場やトイレ、休憩スペース等も充実させる。

 見学会後には、参加者と、市やフジコー関係者を交えた、旅行商品造成に向けた意見交換会を実施。三島市観光協会の山口賛事務局長は、「三島は首都圏から車で約1時間40分ほどでアクセスでき、箱根エリアからもほど近い。来年の大吊り橋開業を見据え、頂いた意見を生かし、三島への誘客を促進していきたい」と話した。

【JTB年末年始旅行動向】過去2番目の3045万人に、9連休でも“短めの旅行”

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 JTBはこのほど、年末年始(2014年12月23日―15年1月3日)に1泊以上の旅行に出かける人の旅行動向を発表した。これによると、今年の旅行は9連休でも短めの傾向が強く、総旅行人口は過去2番目の3045万人にのぼると推計した。

 今年の年末年始は最大9連休となり、昨年に次いで長い連休が取りやすい日並びになり、総旅行人口も昨年の3053万人に次いで過去2番目の数値となった。一方、年末年始の平均旅行予定日数は3・5日と短い。「仕事が厳しいので昨年より日数を減らす」という意見が目立つことや、13年4月から一貫して所定外労働時間の対前年比が増加していること(厚生労働省・毎月勤労統計調査)から、業績回復傾向を背景に日々の仕事が忙しくなっていることが伺える。

 アンケート調査から旅行の交通手段をみると、「乗用車・レンタカー」が前年同期比4・2ポイント増の67・5%と1位。鉄道は「新幹線」が同3・7ポイント減の15・3%、「JR在来線・私鉄」が同4・5ポイント増の14・0%となった。また、宿泊場所については、「旅館」「ホテル」「民宿」「ペンション」を合わせると同1・1ポイント減で、「実家」と回答した割合が同3・3ポイント増。

 国内旅行は1、2泊の旅行が増え、3泊以上が減少したことが挙げられる。今年は長い休みを利用して長期旅行に行く動きが見られたが、来年の仕事始めが今年より1日早いことから、年末に旅行に行く傾向が考えられる。出発日のピークは12月31日の見込み。観光地はユニバーサル・スタジオ・ジャパンや富岡製糸場、富士山が継続して人気。

 海外旅行は、旅行人数が67・9万人、旅行平均費用が前年同期比2・3%増の22万2千円。出発日のピークは28日、次いで30日。帰国日のピークは1月3、4日の見込み。観光地は台湾やハワイが継続して人気が高い。最近ではベトナムやシンガポールも注目されている。

 同調査は、航空会社の予約状況と業界動向、グループ販売状況、1200人へのアンケートから推計。アンケート調査は10月31日―11月12日に、全国200地点の15―79歳までの男女を対象に実施した。

No.390 日本秘湯を守る会 40周年座談会 - 「情けの旅文化」~継承と共創~

日本秘湯を守る会 40周年座談会
「情けの旅文化」~継承と共創~

 日本秘湯を守る会(佐藤好億会長、179会員)が今年創立40周年を迎えた。1975年4月に東京・上野精養軒で33人の小さな仲間からスタートし、激変してきた観光業界のなかで、「情けの旅文化」や自然環境を守り続け、発展してきた。12月15日には、創立の地・上野精養軒で40周年記念式典を開く。本紙は「継承と共創」をテーマに佐藤会長をはじめ6人による座談会を開き、次世代へつなぐ「日本秘湯を守る会」の将来ビジョンを熱く語り合った。

【司会=本紙編集長・増田 剛】

 
 
 

地域の文化財として宿を守る

 ――40年前、日本秘湯を守る会創立時の社会状況はどのようなものでしたか。

佐藤:創立当時の昭和50年代は戦後からの復興の後半期。経済状況でいえば右肩上がりで、現在の「アベノミクス」の状況は当時と似ている面があると思います。そのような社会状況のなかで、観光地化できない湯治場では「未来がない。ビルディングのような館を追いかけていかなければ経営は難しい」と考えていました。そんな時代に、一山越えたところにひっそりとある宿はお互いに共通の認識や意識もあり、「秘湯とは人なり」という話を申し上げても通じ合えるものを感じました。囲炉裏端の灯りを提灯の中に取り込んで未来を考えようと語り合いながら、仲間づくりをしてきました。…

 

※ 詳細は本紙1571号または12月16日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

歌舞伎町にゴジラ出現 ― 世界中の旅人がカメラを構える地に

 福岡の高校を卒業してから、東京に上京した。さまざまな手続きのため、その時期一度だけ母親と小倉駅から新幹線に乗って東京に向かったことがあった。高層ビルが建ち並ぶ都心近くに差しかかったときのことだ。母親が車窓から目に入った鉄塔を指差して、「ねぇ、あれは東京タワーと違う?」と遠慮のない、よく通る声で隣の席の私に聞いてきた。あからさまに田舎者と思われたくない私は、「は? 何が」と聞こえないふりをしたが、母親は「あれは東京タワーなんやろ?」とさっきよりも大きい声で再び聞いてきた。周りを見ると、スーツ姿で経済誌や英字新聞などを広げた都会的なビジネスマンだらけ。おそらく東京タワーで間違いないだろうけど、遠くなのでなんとなく小さく見え、もしかしたら、なんでもないただの鉄塔かもしれないと今一つ確信が持てず、私は自信を持って「そうさ、母さん。あれが東京タワーさ。母さんはあんなものが珍しいのかい」と言えなかったのだ。単なる鉄塔を東京タワーと母親に説明しているところを、前の席に座る見ず知らずの紳士がおもむろに振り返って「お母さん、息子さんは東京タワーとおっしゃっていますがねぇ、残念ながらあれは東京タワーではありません。つまらない鉄塔ですよ、ハハハ」と訂正されてはかなわないと思っていたのだ。

 東京で一人暮らしを始めてからは、渋谷に行けば忠犬「ハチ公」の像の前に立ち、まるで彼女と待ち合わせをしているかのようにときどき腕時計などを見ながら、「これがかの有名なハチ公か」と何度も眺めた。「もしかしたら、タモリに会えるかもしれない」と、新宿の「アルタ」前に用もなく昼ごろ行ったりした。もちろん東京タワーにも行った。

 友人も、親戚も、誰一人知人のいない東京の街で、東京を象徴するような場所を訪れては、小さな感動を繰り返していた。

 その習性は、その後もしばらく続いた。札幌に行ったときは時計台を見に行ったし、海外旅行ではパリの凱旋門、ニューヨークのタイムズスクエア、ロンドンのビッグベン、ローマのスペイン広場など定番中の定番に“取りあえず”行った。

 憧れの観光地には人々を強く惹きつける象徴的な建築物や風景があり、世界中の旅人たちは、その場所で感慨に浸る。

 あれから20年以上が経ち、色々なところを旅してきた。そして、東京での生活が福岡での生活よりも長くなってきた。それでも、もし東京を初めて訪れる地方の若者や、外国人に東京を案内するとしたら、やはり定番中の定番に連れて行くと思う。そのあとは、その人の興味のある場所などに勝手に行ってもらえばいいのだ。

 来年4月に東京・新宿の8階建て新宿東宝ビルの屋上テラスに実物大のゴジラの頭部が設置される。地上52メートルの位置で、1954年の第1作の「ゴジラ」と同じ高さだ。歌舞伎町の街から眺めるゴジラの頭部をCGで見たが、新宿の新たな観光スポットになるだろうと思う。ゴジラはハリウッド映画にも登場し、世界的なモンスターキャラクターである。大阪・道頓堀の「グリコ」の看板も「大阪だ!」と感じる街の象徴的な風景として溶け込んでいる。歌舞伎町の「ゴジラ」も街に根づき、世界中の観光客がカメラを構える東京観光の定番になってほしいと思う。

(編集長・増田 剛)

観光教育で近ツーと連携、新学科の履修サポート(横浜商科大)

横浜商科大学柴田学長(左)と近ツー木島本部長
横浜商科大学柴田学長(左)と近ツー木島本部長

 横浜商科大学(柴田悟一学長)は11月26日、近畿日本ツーリスト(小川亘社長)と観光振興で連携協力をする基本事項について協定を結んだ。2015年度の「観光マネジメント学科」新設に合わせ、近畿日本ツーリストが単位履修とセットで本格的にサポートし、実践的な観光教育を目指す。

 柴田学長は学科新設について「文化交流・まちおこし・都市景観など、どの分野にも観光が関わるようになり、広く人材育成をしていくうえで新学科を新設した」と述べ、商学部のなかでも観光を1つの重要な柱とすることを強調した。

 近畿日本ツーリスト営業統括本部首都圏営業本部長の木島正人氏は「旅行業で培ってきたノウハウを活かし、観光分野における人材育成となる旅行やイベントなど具体的な案件の立案や実施に関することに協力することで、横浜商科大学を全面的にサポートする」とし、「2020年に向けて可能性が広がるなかで観光に関するグローバルな人材育成に寄与したい」と述べた。

 具体的には同社が運営している「温泉DE女子フットサル大会IN箱根」に学生が参加し、実際にスポーツイベントを運営することで現場を学んでもらう。

 そのほか、現役学生による着型商品の開発や販売など、学生が自ら立案したツアーを学生自らが販売できるようにサポートしていく予定。

祖谷の古民家

 祖谷と書いて「いや」と読める人は少ない。「東京に行くと、そやと呼ばれる。認知度アップが必要です」と徳島県三好市・祖谷の関係者。県西部、剣山山系と吉野川に抱かれた祖谷は豊かな自然が残る。私の父親が祖谷の小歩危(こぼけ)出身で、小さいころよく一緒に帰省したこともあり祖谷には強い愛着がある。

 東洋文化研究家のアレックス・カーさんは日本全国を旅したなかで、祖谷に最も心を動かされ、現地で築300年の古民家を購入・改修し、居を構えた。アレックスさん監修のもと、三好市は古民家再生事業を行い、現在6棟で宿泊することができる。

 来年、その古民家に泊まろうと計画中。父から私へ、私から子へ。祖谷の風景は脈々と受け継ぎたい日本の原風景だと思う。

【土橋 孝秀】

第40回「100選」決まる、新たに8施設入選、1月11日発表

11月25日に行われた100選選考審査委員会
11月25日に行われた100選選考審査委員会

表彰式は1月23日

 旅行新聞新社・100選選考審査委員会は11月25日、東京都港区の浜松町東京會舘で「第40回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の選考審査委員会を開き、総合100選と審査委員特別賞「日本の小宿」10施設を決定した=写真。

 「第35回プロが選ぶ観光・食事、土産物施設100選」「第24回プロが選ぶ優良観光バス30選」などを加えた主なランキングは、本紙2015年1月11日号紙面および、同1月11日に更新する旬刊旅行新聞のホームページで発表する。

 今回の総合100選では、新たに8施設が入選。表彰式は来年1月23日、東京都新宿区の京王プラザホテルで開かれる。

 「第40回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」は、全国1万6310の旅行会社(支店や営業所を含む)を対象に専用ハガキによる投票を募り、集計した投票結果を後援団体の日本旅行業協会(JATA)や全国旅行業協会(ANTA)の関係者、旅行作家、旅行雑誌編集者で構成される選考審査委員会で審査し、決定した。主催は旅行新聞新社で毎年実施している。今年も10月1―31日まで投票を受け付けた。今回も旅行会社の皆様からのたくさんのご投票ありがとうございました。