セブ島への往復航空券当たる フィリピンの航空会社とミニスットプが”ハロハロ”でタイアップ企画

2019年6月25日(火) 配信

セブ島イメージ

 フィリピン最大のエアラインであるセブ・パシフィック航空(松本知彦日本支社長)とミニストップ(藤本明裕社長)は6月24日(月)~8月31日(土)の期間限定で、タイアップ企画「日本―セブ往復航空券プレゼントキャンペーン」を行うと発表した。CP期間中にクイズに答えて応募すると、抽選で10組20人に日本―セブ間の往復航空券が当たる。

 ミニストップの夏の定番デザートハロハロは、今年で発売から25年目を迎える。このハロハロの起源は、フィリピンの国民的デザートであるという。日本でハロハロを楽しむ人に、本場でハロハロを楽しんでもらい、フィリピンについての理解を深めてほしいとの思いから、今回のタイアップ企画が実現した。

セブ島イメージ②

 セブ島は7千以上の島々からなるフィリピンの中でも屈指の人気を誇り、日本からの旅行者も絶えず、世界からも多くの旅行者を惹きつけている。

 セブ島の中心であるセブ市は、マニラに次ぎフィリピンで2番目の大都市。フィリピン最古といわれる歴史ある町で、歴史的建造物も多く残っているほか、郷土料理や地元の人にも人気のショッピングスポットが多くある。

 市の東部に位置するマクタン島にはリゾート施設が充実し、シュノーケリングやスキューバーダイビング、パラセーリングなどのマリンスポーツも楽しめる。

 今回のキャンペーンエントリーは下記から。

思わず写真を撮りたくなるおしゃれスポットに変身 「層雲峡の温泉街ピクニック」開催

2019年6月25日(火) 配信

層雲峡の温泉街ピクニック ポスター

  層雲峡温泉街(北海道・上川町)で6月29日(土)、30日(日)の2日間、心も体も元気になるイベント「層雲峡の温泉街ピクニック」が開かれる。層雲峡温泉街をお祭り屋台やフォトブース、イルミネーションなどで演出。思わず写真を撮りたくなるようなおしゃれスポットに変身させ、温泉だけに留まらない層雲峡の新たな楽しみ方を提案する。

 メイン会場には、層雲峡メンチやパニーニ、3色ポテトチップスなどフィンガーフードや飲み物など11種類のメニューが味わえる屋台を出店。商店街デッキエリアは、夜間、イベント限定でレトロロマンチックな空間演出が行われ、フォトスポットも設置される。さらに、温泉街の参加ホテルがそれぞれイベント限定のアトラクションを用意。足湯やビリヤード、卓球・ナイトシアターなどが浴衣で楽しめる。

 温泉街ピクニックの企画・装飾・演出は、ライフスタイルプロデューサーの村上萌氏が手掛けた。同氏は、自社メディア「NEXTWEEKEND」で上川町を特集した冊子を発行し、上川町の移住促進プロジェクト「KAMIKAWORK(カミカワーク)」のプロフェッショナルサポーターも務めている。

「層雲峡の温泉街ピクニック」 概要

期間:6月29日(土)、午後12:00~午後9:00

   6月30日(日)、午前10:00~午後9:00

※6月30日は、は黒岳の山開き

場所:層雲峡温泉街 特設会場

参加費:屋台の飲食とワークショップ以外は無料で参加できる

軽井沢「白糸の滝」プロジェクションマッピング7月26日から開催

2019年6月25日(火) 配信

白糸の滝プロジェクションマッピング

 白糸ハイランドウェイ(曽根敏樹社長、長野県・軽井沢町)は、7月26日(金)から、「白糸の滝」でプロジェクションマッピングを行う。「白糸の滝」は上信越高原国立公園内の特別保護地域になっている。このため、環境省への自然公園法に基づく手続きを経て、動植物などへの自然環境に悪影響を及ぼさないよう生態系調査を行いながら、イベントを開いている。国内の国立公園内での自然物を対象としたプロジェクションマッピングは、「白糸の滝」でしか行われていない。

 今回は、軽井沢の自然を基調としたコンテンツを使い、新元号「令和」への願いを取り入れた「地球の誕生・令和への願い」をテーマとしたプロジェクションマッピングとなる。

イベント詳細

開催期間:2019年7月26日(金)~8月25日(日)毎週金・土・日曜日

※8月12日(月)~8月15日(木)は毎日開催

開催時間:各日午後7:00~午後9:00

※安全確保のため、午後6:30に予備点灯開始

※プロジェクションマッピングは、1日9回実施(毎時00分、15分、30分、45分)

※混雑時は入場を制限する場合がある。

※雨天決行、中止の場合は公式ホームページなどで発表する。

来場者プレゼント:8月13日(火)、14日(水)に限り、先着200人に軽井沢チョコレートファクトリー「スイーツ」をプレゼントする。

グアムで「宝探しゲーム」を今年も開催 特賞はグアム旅行10万円相当

2019年6月24日(月) 配信

グアムで子供から大人を対象にした「宝探しゲーム」を実施する

 グアム政府観光局は7月1日(月)~10月6日(日)まで、夏休みの旅行シーズンに向け、昨年に引き続き島内を舞台にしたリアル宝探しイベント「2019グアム宝探しゲーム」を実施する。

 同イベントは、宝の地図に書かれたヒントを頼りに謎を解きをし、島内の15カ所に隠された宝物を探し出す、島内回遊型のイベントとなっている。参加費は無料で、小さな子供から大人まで楽しめるので、宝探しをしながらファミリーでグアムの豊かな自然や文化に触れられる。参加に必要な宝の地図は、到着空港内のグアム政府観光局カウンターのほか指定の場所で無料配布する。

 合計15カ所にある宝物は、人気観光エリアのタモン地区のほか、グアムの首都であるハガニア・ピティエリア、スペイン統治時代の名残が残る南部のエリアまで広く島内に隠している。見つけた宝物の数により、抽選に参加できる回数が増える仕組みになっている。特賞のグアム旅行10万円分をはじめ、レストランのディナークーポン券、グアムのバラエティグッズ、DFSギャラリアで使える商品券など、計抽選で2615人に当たる。

 また、宝探し中に撮影したグアムの写真5枚以上を#instaguamのハッシュタグをつけてインスタグラムに投稿すると、最大3回まで抽選回数が増えるインスタグアムキャンペーンも併せて実施する、

イベント概要

名称:2019グアム宝探しゲーム

主催:グアム政府観光局

企画・制作:タカラッシュ

実施期間:7月1日(月)~10月6日(日)

 ※9月30日(月)までに日本を出国した人が対象

参加可能時間:午前9:00~午後6:00

発見報告・抽選会場:

 DFS T Galleria Guam 内 TCAT特設会場(JTBコンチャラウンジ前)

受付時間:午前10:00~午後6:00

賞品:

 特賞:グアム旅行「10万円相当」 15人

 A賞:豪華レストランディナークーポン ほか 80人

 B賞:グアムバラエティグッズ 1千人

 C賞:Tギャラリアグアム by DFSキャッシュクーポン25ドル 520人

 D賞:Dポイントカード 500ポイント付 1千人

 参加賞:オリジナルメダル 先着1万人 (宝物を1つ以上見つけた人)

参加方法:

1)下記の配布場所で、宝の地図(参加冊子)を入手。

– グアム空港内グアム政府観光局カウンター

– 各ホテルにある旅行代理店ツアーデスク&ラウンジ

– 「宝探しの地図あります」のサインがあるホテルフロントデスク

※ツアーパッケージ利用者は、ホテルのチェックイン時にもらう「鍵の封筒」の中に1部を同封する。

2)宝の地図のヒントを参考に、宝物(パネル)を探す。

 宝物パネルに書かれた宝物キーワードをメモして発見報告・抽選会場へ。

3)発見報告・抽選会場で、集めた宝物キーワードの正誤判定を依頼。

 正解数によって、抽選に参加できる回数が異なる。

 指定の回数のくじを引いて、当たればその場で賞品がもらえる。

※宝物をひとつ以上発見したら、発見報告・抽選会場で参加賞のメダルがもらえる。

JTBガイアレック ヘルスツーリズム商品「旅to健康」発売

2019年6月24日(月) 配信

「かみのやまクアオルト健康ウォーキング」コース

 目的型旅行に特化したJTBガイアレック(堀江伸也社長、東京都豊島区)は6月21日(金)、新たな旅行商品「旅to健康(たびとけんこう)~ヘルシーなライフスタイルを手に入れる旅~」を売り出した。旅先の豊かな自然環境の中で行うアクティビティ、文化や食材を楽しむ食事、地域の人との交流や非日常的な空間での休養で健康意識を高め、より良いライフスタイルを目指す旅を提供する。

 同商品は、JTB総合研究所(野澤肇社長、東京都港区)内にある業界初のヘルスツーリズム(健康増進型旅行)研究機関である「ヘルスツーリズム研究所」監修のもと、「ヘルスツーリズム認証」を取得したプログラムをベースに各地の健康資源を生かしたコースとなっている。今後、さらなる設定コースの拡大を行っていく考え。なお、ツアーに関する詳細は、JTBパンフレットスタンドに掲載のパンフレットから。

現代人は旅行にも健康要素を取り入れたい!?

「癒しの森セラピーウォーキング」コース 宿別プログラム(外房サイクリング)

 2018年のヘルスツーリズム研究所の調査によると、生活が便利になる一方、多忙でストレスを抱える現代の多くの人にとって、健康への興味・関心は非常に高く、旅行にも健康の要素を「取り入れたい」「すでに取り入れている」と回答した人は78%にも上るという。

 「旅to健康」の全11コースは、主に健康の3要素である「運動」「栄養(食)」「休養」をテーマに展開する。

 「運動」は、地域の観光も楽しみながら豊かな自然環境の中で体を動かすことで、日ごろの運動不足解消や運動することの心地良さを実感してもらうことを目的とする。「栄養(食)」では、地域の食文化や地産地消の食材を生かしながら健康面で工夫を凝らした食事を提供。そして、日常から離れてゆったりとした時間を感じながら、温泉入浴や地域の人々との交流で「休養」することで、自身の健康について顧みる機会になることを期待している。

 JTBガイアレックは、「健康経営優良法人2019~ホワイト500~」認定を受けたJTBグループの企業として、今後もヘルスツーリズムを通じた健康経営®推進を進めていく方針だ。

「旅to健康」コース一例

瀬戸内ビューティー タラソと温泉の旅(岡山県 玉野市)

 瀬戸内の美しい景色を眺めながらのサイクリングや浜辺でのストレッチを通して、なかなか続かない運動習慣を身につけるコツを知ることができるプログラム。

こころ・からだ よみがえる 健康ながゆ旅(大分県 竹田市)

 自然景観の中でのウォーキングに加え、疲労回復をはじめ血行促進作用が期待される世界屈指の高濃度炭酸泉への入浴で心身の健康を促すプログラム。

サンスター心身健康道場体験(大阪府 高槻市)

 オーラルケア用品・健康食品などを販売するサンスター株式会社とのコラボレーションにより、同社の社員向け健康増進施設「サンスター心身健康道場」にて、オリジナル玄米菜食ランチ、体のゆがみを整える体幹運動・ストレッチや歯科衛生士による口内の健康講座を取り入れ、さまざまな観点から健康を考えることができるプログラム。

 また今後、さらなる健康経営®への関心の高まりを受け、同商品を法人向けにアレンジして提案するとともに、モニターツアーなどを実施する予定。

※「健康経営®」は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標。

市場に出回っていない貴重な鮎を楽しむ 7月7日、山梨県・丹波山村でイベント開催

2019年6月22日(月) 配信

昨年の鮎まつりのようす

 丹波山村役場(山梨県)の温泉観光課は7月7日(日)、道の駅たばやまで「丹波川鮎まつり」を行う。まだ市場に出回っていない丹波川鮎を存分に楽しめる。

 同祭りは、貴重な丹波川鮎を多くの人に知ってもらおうと昨年初めて開催され、村の夏の風物詩となっている。会場では、鮎のつかみ取りや、魚を美味しく焼くための串さしのコツを学べる鮎の串打ち体験、鮎釣りを始めたい人におすすめの鮎つり教室を実施。 丹波川天然鮎の炭火塩焼きや、鮎めしなどを堪能できる「丹波山のおいしいものブース」や、梅の酒蔵、小澤酒造とコラボショーンして生まれた丹波山限定酒の味比べが楽しめるブースも設けられる。

 また今年は八ヶ岳&清里フェアを同時開催し、朝直送の八ヶ岳高原野菜や萌木の村ROCKカレーなどの魅力も発信する。

「第2回丹波川鮎まつり」 概要

日時:7月7日(日)、午前10:00~午後16:00まで

場所:道の駅たばやま

内容:

・丹波山のおいしいものブース

・八ヶ岳&清里フェア

・鮎のつかみ取りコーナー

・鮎の串打ち体験コーナー

・丹波山の日本酒三種の利き酒コーナー

・鮎つり教室 2時間でコツを知ろう 

※料金は、 釣具一式、おとり鮎、日釣り券がついて2000円。18歳以上の1グループごと2人までの教室で、先着予約制。問い合わせは、道の駅たばやま観光案内所(TEL=0428-88-0411)まで。

HIS、東北・新潟からチャーター直行便企画 年末年始のハワイツアー発売開始

2019年6月24日(月) 配信

ハワイイメージ

 エイチ・アイ・エス(HIS)は6月21日(金)、東北・新潟エリアでチャーター便を利用した年末年始のハワイツアーを売り出した。ハワイへの定期便のない仙台空港と福島空港、新潟空港から直行チャーター便を展開する。

 年末年始にホノルルへのチャーター便就航は、仙台空港・新潟空港で4年ぶり、福島空港では空港設立以来初となる。国内線の乗り継ぎや鉄道などの交通機関を利用する手間を省き、地方空港からも気軽にハワイ旅行を楽しんでもらえるようにした。

 

仙台空港発ハワイ6日間

 出発日:12月27日 旅行代金:29.98万~63.98万

 出発日:12月28日・30日 旅行代金:34.98万~71.98万

福島空港発ハワイ6日間

 出発日:12月29日

 旅行代金:34.98万~71.98万

新潟空港発ハワイ6日間

 出発日:12月31日

 旅行代金:34.98万~71.98万

「トラベルスクエア」ムラビトのいないムラ

2019年6月24日(月) 配信

風景は人のぬくもりがあって、初めて暖かいと感じる(写真はイメージ)

  ムラがなくなるのが問題なのではない。ムラビトがいなくなることが問題なのだ。

 
 とあるリゾート経営の先達がこう漏らした。

 
 そこは日本を代表する高原リゾートで、他の観光地が羨むような集客力をもっていても、外周に位置する村々の過疎化が止まらないという。

 
 十数年前までは子供たちが都会に出ても、そういうところで細々と農業を営む人がいてくれた。でも最近はそういう方々も高齢化で家や田畑を売り都会移住している人が増えているというのだ。買い手は金融力をもつファンドなど。最近は古民家ブームみたいなものがあるので、すぐに取り壊さないで、新しいリゾートとして再生させようという試みも多いという。

 
 オーナーのファンドは都会から運営者を呼んで、地元出身ではない人を責任者として送り込む。人手不足だから外国人を含め多くの人を地元以外から調達する。

 
 ベッドメイクや清掃、後始末などは都会からきた専門業者がやり、食事などは、仕入れ力が強くて安い業務用スーパーなどで調達し、それをバイキングやバーベキューのようなお客さん参加型(実は省力化)で賄う。

 
 やってくるお客さんはインバウンドも多くて国際的だけれど、ほとんどがインターネット予約で、電話などで旅館やホテルの生身の声も聞くことなくやってくる。もうすぐ自動チェックイン機も導入されるだろう。キャッシュレス時代がそれを後押しする。

 
 外見は自然のなかに佇む古民家。ほのぼの懐かしい日本の「原風景」とやらがあるように思える。でも、そこに村人がいるのだろうか?

 
 風景は人のぬくもりがあって、初めて温かいと感じるものと思うのだ。そこに生まれ育った人たちの息づかいや体温がなかったら、それは良くできた映画などで使うオープンセットにしかならないのじゃないか、と。ムラビトのいないムラは、ある種フェイクな存在にすぎないのではないか。

 
 じゃ、どうすればいいのかと問われると、すぐさま答えは出せないけれど、少なくとも、ムラビトがいなくなっても、それをムラというのか、という根源的な問いかけに対する真摯な思考は忘れてはいけないと思うのだが、いかがだろう。

 
 米国の一角に、この男女同権、ジェンダーフリーの世の中に、貞淑でよく気が付き、夫やボーイフレンドを立てる女性ばかりいる町があって、そこを訪れる男性旅行者がみんなファンになってしまうという物語があった。男にとっての桃源郷だが、その町、「ステップフォードの妻たち」の正体は実は○○〇トだった、というオチである。フェイク日本情緒がそんなことにならないかといらぬ心配をしている。結構、こわい物語でしょ。

 

コラムニスト紹介

松坂健氏

オフィス アト・ランダム 代表 松坂 健 氏
1949年東京・浅草生まれ。1971年、74年にそれぞれ慶應義塾大学の法学部・文学部を卒業。柴田書店入社、月刊食堂副編集長を経て、84年から93年まで月刊ホテル旅館編集長。01年~03年長崎国際大学、03年~15年西武文理大学教授。16年~19年3月まで跡見学園女子大学教授。著書に『ホスピタリティ進化論』など。ミステリ評論も継続中。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(173)」島嶼部の魅力を活かす(広島県呉市)

2019年6月23日(日) 配信

平清盛ゆかりの音戸の瀬戸(呉市秘書広報課提供)

 広島県呉市といえば何をイメージされるだろうか。少し歴史好きの方なら、間違いなく旧海軍鎮守府や司令長官官舎、戦艦大和を建造したドック(船渠)などを思い浮かべることであろう。

 事実、呉市の観光客の圧倒的多数が、海事歴史科学館「大和ミュージアム」を訪ねる。まさに人気集中だか、他のエリアへの回遊性に乏しいのが最大の課題である。

 その呉が、「中世からの鎮守府であった」と言えば驚かれるだろうか。

 鎮守府のある呉湾から外側に向けて少し走ると、平清盛が開削したといわれる「音戸の瀬戸(おんどのせと)」がある。狭い海峡で、干潮時には歩いて渡れたため「隠渡」と呼ばれたのが由来である。この音戸のある地域一体は「警固屋」と呼ばれる。現在の地名は後の毛利氏の時代だが、ここに警護の武士を駐屯させたことが由来である。つまり、この地は古い時代から「鎮守の地」であったのである。

復元遣唐使船を展示する長門造船歴史館(倉橋島)

 海峡の対岸には、清盛が遣唐使船を建造したとされる倉橋島が続く。その復元遣唐使船のある長門の造船歴史館とその周辺の遺構は、この地が古くから造船の島であったことが容易に推測できる。

 呉に限らないが、瀬戸内の島々は海の交易拠点として栄えた。その一つ、下蒲刈島は、世界記憶遺産となった朝鮮通信使の拠点であった。往時の通信使の行列や接待用の料理を再現した御馳走一番館(朝鮮通信使資料館)や松濤園など、誠に魅力的な場所である。

 さらに、突端にある大崎下島には、重要伝統的建造物群保存地区を擁する御手洗の集落がある。ここは日本遺産の北前船の寄港地として有名だが、もとは伊予国(現愛媛県)の河野氏に属する村上水軍が警護していた。室町時代後期、ここを安芸国(現広島県西部)の小早川氏が掌握し、以来、広島藩の先端基地として栄えた。

 こうした魅力に満ちた呉市の島々だが、交通の不便さから、観光客はなかなか足を運びにくい。蒲刈から大島下島に続く「とびしま海道」は、近年その景観を知るサイクリストたちが徐々に増えている。

 現在、広島市に来訪する訪日外国人客は250万人を超えている。しかも欧米系の観光客が多い。呉市の島嶼部の魅力は、間違いなく彼らを惹きつけるであろう。

 その呉市では、来年度から「観光振興ビジョン(仮称)」の策定を予定している。この計画策定においては、海軍鎮守府のある中心部をさらに活かすとともに、これら島嶼部の魅力を引き出す2次交通や観光の受け皿、人材、仕組みづくり、海外向けプロモーションなどが当面の最大の課題である。

 筆者は呉で3年前から「観光未来塾」を開講してきた。呉市の地域活性化戦略を実際に担う民間プレイヤーの育成が主目的である。呉の新たな観光魅力づくりを是非とも早期に実現していきたい。

(東洋大学大学院国際観光学部 客員教授 丁野 朗)

「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(6月号)」

2019年6月22日(土) 配信

http://zoomjapon.info

〈巻頭言〉

クロード編集長

 かつて、あるフランス人コメディアンが「日本人は我われと違う」と言っていたとき、私たちは漠然とその言葉に同調していました。本誌でも創刊から9年間、これまで多様な角度から日本社会を取材しているうちに、この国とその国民性を知ったつもりになっていました。けれども、いざ「日本人であるということは?」と自問してみると、その答えが簡単には出てきません。昨今イギリスで出版された「日本人の生き方」という本が、ドイツ、フランス、イタリアそしてスペインで相次いで翻訳出版されたことが示すように、日本人は私たちにとってまだまだミステリアスな存在です。同書の仏語版の発行を機会に、本誌6月号では改めて「日本人とは」を特集。文化面では江戸川乱歩、グルメページでは江戸料理、そして旅ページでは埼玉スタジアムでの浦和レッズ戦を紹介しています。

(編集長 クロード・ルブラン)

特集 「21世紀に日本人であるということ」

ガリマール社から出版された仏語版表紙

 マルコ・ポーロが日本を「黄金の国」と称したのは1298年。欧州人の多くが日本に幻想と好感を抱く理由の根底には、このジパング伝説があるのではないだろうか。1958年、仏人ジャーナリスト M. ジュグラリスは、著書の中で「幾多の外国作品は日本の切腹や四季、着物にインスピレーションを得ているが、この国にいる9000万人の人々を知ろうとしていない」と指摘している。ゴーン日産前会長の一連の出来事が欧米人にとって不可解だったことは、まさにその結果の象徴だ。一方で、昨今訪日外客数は急増、日本への関心度が高まっている。社会学者J-M. ブイソーが指摘するように、日本人の特徴は個性の対極にある「協調性」に見られるものの、日本の工業やポップカルチャー、文学は世界レベルで、この矛盾に驚かされる。外国人労働者や観光客の急増が市民生活に大きく影響するなかで、国民が「日本人である」という意識の持ち方にも変化がでるだろう。国民性とは時代と共に変わるものという前提で、「21世紀の日本人」の姿を追った。■「日本人の生き方」著者・矢澤豊氏インタビュー。■日本人の習慣を知る。■一般家庭にホームステイ。■日本に帰化するには?

〈ZOOM・JAPON 編集部発 最新レポート〉相次ぐ地方物産展

リッツ・パリの会場での商談会

 6月に入って一気に夏の陽気になったパリ。日差しの強さと比例するように人々も活動的になるこの時期に、世界に名高い5つ星ホテル、リッツ・パリで日本の自治体のビジネス商談会が開催されました。このホテルを展示会場に選んだのは、石川県。広いレセプションホールには、日本酒、食材、そして工芸品を扱う合計21社が集合。パリで相次ぐ物産展の中で、今回は工芸品のプロモーションが印象的でした。何年も前からフランスに向けてアピールしてきた輪島塗は、フランス人の嗜好に応じたデザイン性を取り入れ革新を続けているようす。ナイフ・フォークの食文化のフランスで、お箸を前提として考案された食器が浸透しにくい一面があるなか、創業150年の歴史を持つ塩安漆器工房の輪島塗スピーカーなどは、その伝統技術の美しさを幅広く伝えられる商品として期待されます。そのほか、会場内では加賀友禅の絵付けや金箔貼りなどの体験ができ、 このB to B イベントとしては珍しい試みに来場者の積極的な参加が見受けられました。このような機会に観光面でのアプローチも行うことにより、地方の全体像が伝わり、地域の魅力を発信しやすくなるかもしれません。

 

フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旬刊旅行新聞 編集部〉