〈観光最前線〉オリジナル日本酒を自宅で

2020年5月22日(金) 配信

女将たちが酒造りに携わった日本酒「女将」

 福井県あわら温泉の旅館・ホテルの女将らでつくる「あわら温泉女将の会」は、オリジナル日本酒「女将」の発送販売を始めた。

 日本酒「女将」は、女将の会が地元酒蔵と連携し、田植えや稲刈りなどの酒米作りから携わって作り上げた地酒。「あわら温泉でしか飲めない、買えない」をコンセプトに、2015年から宿泊客らに提供する人気商品。

 新型コロナウイルスによる自粛が続くなか、自宅で気軽に味わってもらおうと、8月末までの期間限定で電話注文による販売を行う。限定3千本で、種類は甘口と辛口の2種類。いずれも720㍉㍑で1本2千円(税別・送料別)。「女将の会」会員のうち、酒販免許を持つ宿8軒で取り扱う。事前連絡すれば各宿での購入も可能。リモート飲み会にいかが。

【塩野 俊誉】

終息後の観光需要喚起策、「Go Toトラベル」2カ月前後先に(田端観光庁長官)

2020年5月21日(木)配信

田端浩観光庁長官

 観光庁の田端浩長官は5月20日(水)に会見を開き、現在は新型コロナウイルス感染症の拡大防止に取り組む期間であり、観光需要の回復期に向けた助走期間であると強調した。そのうえで、コロナ終息後に反転攻勢に出るための大規模な観光需要喚起策「Go Toトラベル」事業の開始が2カ月前後先となる計画と、各業界が14日に取りまとめた「新型コロナウイルス対応ガイドライン」による環境づくりに期待を示した。

 田端長官は、感染症終息後に展開する国内旅行向けの観光需要喚起策「Go Toトラベル」事業の開始時期について、少なくとも2カ月前後先となる見通しを示した。今後、感染症予防と社会経済活動を両立し同事業を展開できるように、感染症の専門家の意見を基に検討していく必要があると伝えた。

 開始時期までの準備期間は、同事業の事務局を公募によって立ち上げると説明。全国の自治体や観光産業に向けて、事業内容の説明を行うことも計画している。また、観光業界や現場からは、同事業の早期開始をしてほしいとの期待感の声が寄せられていると述べた。

 田端長官は「強い要望を承っているので、少しでも早く事業の効果が発言できるようにしていきたい。そのために、しっかりと準備を進めて取り組んでいきたい」と意気込みを語った。

 「Go Toトラベル」事業は、2020年度補正予算に計上された「Go Toキャンペーン」のうち、観光需要喚起に関するもの。宿泊・日帰り旅行商品の割引と、地場の土産物店や飲食店、観光施設など幅広く使用できるクーポンの発行をセットで行う。長期旅行でも利用できるよう日数の上限を設けず、旅行代金の2分の1(1人当たり最大2万円)の割引が適用できる。これにより、地域経済の再活性化と今後の地域の観光振興につながるようにしていきたい考え。

観光業界の感染防止策、コロナ対応ガイドライン

 政府は14日、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針を改定し、39県に対して緊急事態宣言を解除した。会見では、同日付で各業界団体が公表した新型コロナウイルス対応ガイドラインについても触れた。

 同ガイドラインは、感染拡大予防と社会経済活動の両立をはかるため、観光関連では宿泊業界や旅行業界などが取りまとめた。観光庁は、これら業界団体によるガイドラインの作成にあたって、必要な情報提供や助言などを行ってきた。

 田端長官は「このガイドラインに基づき、感染拡大の予防をしつつ事業活動を行われることに期待する。観光庁としても安心安全に旅行を行っていただく環境づくりに取り組んでいきたい」と意気込んだ。

9割が「新型コロナが不安」、でも「旅行は重要」6割が回答 トリップアドバイザー調べ

2020年5月21日(木) 配信

イメージ

 トリップアドバイザーはこのほど、新型コロナウイルス感染拡大を受け、旅行者の意識がどのように変化しているかについてのアンケート結果を発表した。どの国でも9割以上が「新型コロナに不安を抱いている」一方で、「私にとって旅行は重要なものだ」が6割を超えるなど、旅行の重要性が明らかになった。

 アンケートは今年4月に実施。日本、アメリカ、シンガポール、オーストラリア、イギリス、イタリアの6カ国の、過去12カ月に1回以上旅行した各国約400人を対象に行われた。

 日本では「1年以内には旅行に出たい」が61%、その中でも34%が「6カ月以内に近場で旅行したい」だった。

 日本人旅行者が目的地を決めるときに、「その地域における感染状況や、密を避けられる環境かどうか」や「地域単位で公衆衛生に取り組んでいること」が重要な点として挙げられる。そのほか、宿泊施設には手指消毒が置いてあるか、従業員や宿泊客の健康チェックをしているか、など。

 同社は「コロナ収束後の目的地を決定する基準は、まったく新しいものになる」とし、日本と他国の旅行者の意識を比べた。日本やアメリカが「感染者数の低下」を目的地の基準に挙げた一方で、その他の国では「地域単位で公衆衛生に取り組む姿勢」が高い水準となった。

 同社はアンケート結果を受け、新型コロナが旅行者の意思決定に与える影響が強いとして、「自粛緩和が始まれば、旅行需要は近場から回復していくことが期待できる」と分析。「何ができるのか、何をアピールしていけばいいのかを、事業者や施設はもちろん、地域単位で考えていく必要がある」と指摘した。

イベントはリアルから「リアル×オンライン」へ JTBがWebセミナー「ビジネスイベント革命 2020」実施 

2020年5月21日(木) 配信

同じスタジオにいる3人。左側はCGを合成。(画面のスクリーンショット)

 JTBの法人事業本部は5月15日(金)、イベント企画・運営担当者などを対象としたオンラインセミナー「Business Event 革命 2020 REAL×WEB=Live Convention」を実施した。新型コロナウイルス感染拡大を受け、会議やMICEなどのビジネスイベントが従来の「リアル」から「リアルとバーチャルの融合」になることを見据え、イベント内容に合わせたオンライン手法の選択や特徴などについて、同社社員が説明を行った。

 同社コミュニケーション事業推進担当部長の金井大三氏は、主なオンライン手法には①オンデマンド映像配信②ライブ映像配信③バーチャルイベント――の3種類があり、イベント内容によって使い分けることで視聴者により効果的にリーチできると述べた。

 「オンデマンド映像配信」は、事前に収録・編集した映像データをオンライン上で公開する方法で、多くの映像を配信したい場合に適している。視聴者の都合に合わせて視聴できる一方、視聴者全体での一体感はない。主に研修やセミナーに適している。

 「ライブ映像配信」は、ライブ映像をリアルタイムにオンライン上で公開することで、同時に映像を観てほしい場合や、ライブ配信限定にすることで注目度を上げたい場合に向いている。チャンネル数を調整することで分科会を実施する使用も可能だが、チャンネル数に応じて配信コストが上がるデメリットもある。入社式や全社キックオフイベントなどに適している。

 複数社・複数テーマ内容を取り扱うことのできる「バーチャルイベント」は、映像配信に加え、複合的な仕掛けを設定できるバーチャル展示が可能。総合展示会やプライベートカンファレンスに適しているが、他手法と比較してサイト構築までに時間とコストがかかる。

 これらのほか、同社では「ハイブリッド型バーチャル株主総会」の提案も行っている。株主総会の開催場所に在所しない株主が審議などを確認・傍聴できる「参加型」と、会社法上の出席として扱われる「出席型」の2通り(インターネットなどの手段を用いた株主総会への関与により異なる)においてサポートしている。

 同社はいずれも、非日常空間と進化を体感できる「リアル×ウェブ」と「エモーショナルな訴求力」、国内外のすべてがつながる「ワンチーム」感の3つの重要な価値を提供する。

 年間約1万3000件、1日平均35件のビジネスイベントを取り扱う同社では、今後のビジネス社会において生活や働き方に変化が起こり、新常態(ニューノーマル)化することが前提とみる。同社執行役員事業推進部長の檜垣克己氏は「ビジネスシーンも間違いなく変わる。ビジネスイベントも大きな変化と進化が遂げられる。これがビジネスイベント革命になる」と話す。

 今年夏以降は、未来へ向かう新たなビジネスイベントのカタチとして、「リアル×オンライン」が中心になると予測。「ピンチをチャンスに変えるためにも、いま企てることが大事。皆様に最適なソリューションを提案し、価値向上に貢献していく」と述べた。

 同イベントは、当初の定員300人を超える視聴希望があり、増枠を行った結果、登録数1350人、視聴数は1005人(視聴率74%)にのぼった。

エクスペディアグループ、医療従事者向けプラン販売 大幅割引で自主隔離や休息での利用はかる

2020年5月21日(木) 配信

病院や在宅ケアのほか、中央省庁、地方自治体なども対象

 エクスペディアグループは5月13日(水)、共立メンテナンスが運営する「dormy inn (ドーミーイン)」など日本全国のパートナーホテルと協力し、新型コロナウイルス感染者を治療する医療従事者に、大幅に価格を割り引いた「医療従事者サポートプラン」の提供を始めた。「エクスペディア」と「Hotels.com」から予約を受け付ける。医療従事者に自主隔離や休息などに使ってほしい考え。

 同プランには5月13日時点で、共立メンテナンス保有の65施設が参加。対象者は病院や在宅ケア施設をはじめ、中央省庁、地方公共団体など新型コロナウイルスに対応するすべての医療従事者となる。ホテルはチェックインの際、医療従事者として働いていることを証明する書類の提示を求める。提供期間は20年6月30日までのチッェクイン。同プランの予約からの手数料は徴収しない。

 エクスペディアホールディングスのマイケル・ダイクス社長は「『医療従事者サポートプラン』に参加のドーミーインをはじめとするパートナーホテルと一緒に、新型コロナウイルス感染症と最前線で闘う医療従事者をサポートしたい」とコメントした。

ホテル椿山荘東京 公式サイトやSNSなどで飛翔する蛍の動画、画像を配信

2020年5月21日(木) 配信

庭園を舞う蛍(イメージ)

 ホテル椿山荘東京(東京都文京区)は5月18日(月)、今年初めて蛍が光り舞うようすを目視で確認し、翌日からホテル公式サイトやSNS(交流サイト)などで飛翔する蛍の動画、画像の公開を始めた。

 同ホテルでは、毎年5月中旬から6月中旬ごろまでの約1カ月、庭園内で羽化した蛍が「ほたる沢」や「古香井」など庭園内スポットで優雅に舞う姿が鑑賞できる。
 
 動画では、光を放ち、弧を描くように飛翔する神秘的なゲンジボタルの舞を定期的に配信する。

 担当者は「蛍の光り方のひとつには、ヒトに精神的な安らぎを与えてくれる癒しの効果があると言われています。新型コロナウイルスの感染拡大防止による外出自粛が続く中、木々の間から見られる光の軌跡や会話をするかのような多数の光が、少しでも癒しの優しい時間となることを願っています」と思いを語る。

 ホテル椿山荘東京の蛍の歴史は、藤田観光の創業者小川栄一氏による1954年のイベント「ほたる鑑賞の夕べ」から始まった。2000年からは、専門家の指導の下ゲンジボタルが産卵から飛翔までの生息ができる環境づくりに取り組んでいる。

「#層雲峡へのラブレター」プロジェクト始動 インスタ投稿で層雲峡温泉街を活気づける

2020年5月21日(木) 配信

ハッシュタグ ロゴ

 北海道・上川町はこのほど、層雲峡での思い出写真をインスタグラムに「#層雲峡へのラブレター」を付けて投稿するプロジェクトを始動した。

 「今すぐに行くことは難しくても、いつかまた足を運べる日をみんなで願うことで、新型コロナウイルス感染病の拡大を受け、経済的に大きな打撃を受けた層雲峡温泉街を活気づける」ことが狙い。

層雲峡火まつりのようす

  上川町役場が支所として東京都に設置しているKAMIKAWORK.Lab.TOKYO.SATELLITE(えい出版社内)が中心となり考案した。

 プログラムは6月末までで、投稿された写真は層雲峡観光協会のインスタグラム公式アカウントで随時リポストされる。

 現在、上川町に関わりのある著名人も次々と投稿している「#層雲峡へのラブレター」。さらに、数年前から上川町と共同でイベント開催もするガルテンは同プロジェクトをさらに盛り上げるため、コミュニティメディア「NEXTWEEKEND」の公式アカウントで、インスタグラム・ストーリーズ用テンプレートを作成・配布し投稿している。

「佐渡クリーン認証制度」始まる 観光需要の早い回復を目指す 佐渡DMO

2020年5月21日(木) 配信 

佐渡クリーン認証ステッカー

 新潟県の佐渡観光交流機構(佐渡DMO)は5月18日(月)から、新型コロナウイルス感染拡大収束後の観光需要の回復を早めるために、一定の衛生安全基準を満たした島内宿泊施設や飲食店などを対象に、「佐渡クリーン認証制度」を始めた。

 アフターコロナの観光施設や地域には、観光客の受入体制や公衆衛生の向上が重要になってくる。同機構は、新潟大学、国立がん研究センターなどの専門家の意見を取り入れながら、島内の公衆衛生に一定の基準を設けた。基準を満たした施設や店舗に対し、認証ステッカーの交付、掲示物やポスターの提供、ホームページでの情報提供などを行う。

 認証の目的は、観光客だけではなく、島民の安心安全を守り、並行して観光客の安心安全への啓発活動も行う。

 同機構は、国が予定する「Go To Travelキャンペーン」が実施されるときに向けて、「観光客と島民の両方が安心して利用・受け入れができるように、環境を整備していく」考えだ。

全旅連青年部 異例の書面総会を開く 「情報発信・共有で難局乗り越える」

2020年5月21日(木) 配信

「書面総会部長挨拶」動画から(全旅連青年部・鈴木治彦部長)

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(鈴木治彦部長)は5月17(日)―19日(火)までの3日間、異例となる書面総会を開催した。鈴木部長は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける業界に対し、「『青年部のおかげで助かった』と言っていただけるような情報を発信する」と今後の方針を説明した。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、4月15日開催予定だった2020年度定時総会を延期していた。5月15日のZOOM常任理事会において、3日間にかけて書面決議を行う、書面総会の開催に踏み切った。

 鈴木部長は、開催に先立って、総会のあいさつをユーチューブで公開した。新型コロナによる不況の煽りを受けた部員に、「日本だけではなく、世界中の方々が大変な時期を迎えている。この難局を乗り越えていくために、青年部でも色々な情報や活動をホームページで発信している」とし、「ぜひ部員の皆様を通して、各地の宿泊業者に共有してもらいたい」と協力を促した。

同総会の議題は①昨年度事業報告②昨年度一般会計収支報告③青年部基金運用④今年度事業計画案⑤今年度一般会計収支予算案――の5つ。

 各都道府県部長がメールで意見・質問を送信し、各委員会に回答をもらう形をとった。最終日の5月19日までに承認の是非をメールで送り、5つの議題すべてが賛成多数で承認された。

 監事の講評では、「今は誰しもが厳しい状況に立たされている。全旅連青年部の中で、情報共有できることで助かっている部員も多くいるかと思う。長丁場になるかもしれないが、もうひと踏ん張り、頑張っていきましょう」(渡邉玲緒監事)、「こんな時だからこそ、青年部の情報網を大いに活用してほしいし、多くの先輩や仲間の情報を共有し、見直しをする機会としていただきたい。この困難をともに乗り越えていきましょう」(木村大成監事)と、それぞれ激励の言葉を送った。

 

第1回宿フェスが延期 全国大会は来年2月17日予定

 他の議題としては、東京オリンピック・パラリンピック期間中の8月に開催を予定していた「第1回宿フェス」の延期を決めた。

 「青年部は連合会であり、47都道府県が参加するのが大前提」(鈴木部長)が最大の理由。新型コロナの影響で参加ができない、準備ができないという地域があるのに開催するのは妥当ではない、と委員会の中で意見が一致した。

 なお、現時点で宿フェスの中止は考えておらず、来年のオリパラの時期に向けて、新たな準備を進めていく予定だ。鈴木部長は「来年就任する次期部長にしっかりバトンをつなげ、来年の開催に向けて部員全員が一丸となり、協力してほしい」とし、素晴らしい形で成功を収めたいと意気込みを語った。

 来年2月17日の第25回全旅連青年部全国大会in東京(同時開催・第5回旅館甲子園)については、東京国際展示場・国際ホテルレストランショー会場内での開催を予定している。

 これから先の社会情勢や、東京オリパラとの会場使用の兼ね合いを考え、現時点で不確定な要素が多いことから、情報が確定し次第案内する。

せとうちDMO、コロナ対策支援サイト開設 瀬戸内7県の食品を販売

2020年5月21日(木) 配信

特設ページ「食べて応援!」

 せとうち観光推進機構と瀬戸内ブランドコーポレーションで構成されるせとうちDMOは、コロナ対策支援第1弾として通販サイト「島と暮らす」に特設ページ「食べて応援!」を開設した。サイトでは瀬戸内7県の食品を対象として掲載商品を募り、販売している。

瀬戸内7県で製造・生産された商品を取り扱う

 新型コロナウイルス感染症拡大による小売店や飲食店の営業自粛・時間短縮の影響を受け、売り場が失われた商品が数多く発生している。一方で家庭内での食事の機会は増加し、ネット通販サイトを利用した食品購入ニーズは高まっている。これらの状況を踏まえ、既存の自社通販サイトを活用した食品販売の場を新たに設けることとなった。

 「島と暮らす」は、瀬戸内7県の食品を販売すると共に、商品や製造・生産者の背景を伝えることで瀬戸内の魅力を発信している。