国内旅行は36%冬のボーナスの使い道(カカクコム)

 ボーナスの使い道で国内旅行は36%――。カカクコムが運営する「価格.com」が実施した「冬のボーナス2009」調査によると、冬のボーナス推定支給額は前年比1割減の52万2千円と大幅に減少。08年は58万円で、年代別では全世代で減額となる見通し。また、支給予定ボーナスのうち、税金やローン返済など必要経費を除いた、実際に自由に使える金額の平均は15万1677円となった。同サイトでのウェブアンケートで回答数は7897人。

 冬のボーナスの使い道では、「商品購入」が最も多く、78・0%を占めた。その平均金額は7万3812円。「貯金」も73・7%と多数を占めた。また、「国内旅行・外出」は36・4%で平均消費額は5万543円、「海外旅行・外出」は7・0%で平均消費額は11万7722円。旅行での消費は、国内・海外を合わせて4割強という結果となった。

 日本旅行業協会(JATA)がまとめた8、9月の苦情件数報告によると、8月の消費者からの受付件数は前年同月比57・5%増の274件(相談215件、あっ旋59件)、9月は同22・8%減の277件(相談210件、あっ旋67件)。

 8月は前年に比べると100件増と大幅に増加したが、一昨年は275件だったことから、昨年は燃油サーチャージの高騰などで買い控えがあり、相談の絶対数も減少したと推測する。相談内容の区分で最も多かったのは「取消料」の51件、次いで「一般的な相談」の25件、「申し込み・契約」の23件だった。

 一方、9月は、前年度に会員会社の倒産があったた反動で減少した。昨年の「倒産と弁済業務」件数を除くと30・8%増と増加傾向。多かった相談は「取消料」の35件、「申し込み・契約」の33件、「手配内容」の29件の順。

 最近の傾向として、消費者以外の照会で消費者センターからの相談が増えており、消費者相談室の小林二郎副室長は「今後も国民の窓口として増えてくるだろう。内容は、旅行業法の説明を行うことが多い」と報告した。また、新型インフルエンザに関する相談は減少し、10月に入るとほぼなくなったという。

「訪日3000万人」予算半減、事業仕分けで大幅削減

 11月27日に行われた行政刷新会議の事業仕分けで、観光庁が2010年度予算の概算要求として約189億円を要求していた「訪日外客3000万人プログラム第1期」事業が、「予算半減」と判断されたほか、約32億円を要求していた「観光を核とした地域の再生・活性化」事業は「8割減」を求められた。

 10年度の観光庁予算の概算要求では、09年度予算62億5700万円の約4倍に当たる251億円を要求したが、事業仕分けの判断を受けて、約130億円(前年度予算の2倍)程度となる見通しだ。

近場で短い旅行が主体、JTB年末年始の旅行動向

 JTBが発表した年末年始の旅行動向(09年12月23日―10年1月3日)によると、今年はカレンダーの曜日配列が良くないため、近場で短い旅行が主体となる傾向が強いという。海外旅行人数は前年同期比4.1%減の56万5000人、国内旅行人数も同2.5%減の2850万人とともに減少する見通し。

 海外旅行の出発のピークは12月29、30日。円高ウォン安が続く韓国の人気が高まっている。また、旅行代金が高い時期を避け、年始の3連休(1月9―11日)を利用するケースも目立つ。

 国内旅行はETC割引の定着で乗用車の利用が増加。高速道路からアクセスの良い観光地が客足を伸ばす傾向が強まっている。

観光立国推進本部を設置、国交省、関係省庁との連携強化

 国土交通省はこのほど、総務省や法務省など関係省庁の副大臣をメンバーにした「観光立国推進本部」を立ち上げ、12月9日に第1回の会合を開いた。本部長は前原誠司国土交通大臣が務める。

 観光立国の実現には政府として一体的、総合的な取り組みを推進し、さらなる省庁間の連携が不可欠との考えから設置。今後は、(1)外客誘致ワーキングチーム(2)観光連携コンソーシアム(3)休暇分散化ワーキングチームの3つに分かれ、それぞれの事業の検討や調整を行う。参加省庁は上記以外に外務省と財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省、防衛省など。

ドアノブでCО2オフセットPR、伊香保の旅館全52軒、12月10日に一斉導入

 泊まって地球温暖化防止に協力――。群馬県・伊香保温泉旅館協同組合(福田朋英理事長)加盟の全52旅館は12月10日から、ドアノブでCO2オフセットをPRする「マメオフ ドアノブカード」を導入する。環境省の2009年度カーボンオフセットモデル事業で、JTB関東(坪井泰博社長)がPRなどで協力、ビリングシステム(江田敏彦社長)はエネルギー使用量の集計や温室ガス排出量の算定などを行う。

 「マメオフ ドアノブカード」は宿泊客にチェックイン時に渡す。滞在中に、カードのチェック項目にある省エネ活動に賛同し実践している宿泊客は、廊下側の客室のドアノブにカードを掲示する。チェックアウト時にカードをフロントに返却すると、5キログラム分の国連認証の排出権が日本政府に移転される。

 同カードは先着1万室に配布され、排出権移転目標は50トンに設定している。

合格者は25・5%に、09年度総合取扱管理者(JATA)

 日本旅行業協会(JATA)がこのほど発表した、2009年度総合旅行業務取扱管理者試験の結果によると、総受験者1万2664人のうち、合格者は3229人で合格率は前年度比8・8%減の25・5%だった。受験者は同88人減、合格者は同1080人減。

 合格者の内訳は旅行業従事者が38・9%を占めトップ。次いで大学生が21・7%、その他が15・0%の順。年齢別で合格者が最も多かったのは30―39歳の32・2%、次に19―23歳が29・6%、24―29歳が29・7%。

 受験区分別にみると、「全科目受験者」は前年度から723人増えたものの、合格率は5・3%低下し、15・1%となった。最も合格率が高かったのは、「国内旅行業務取扱管理者有資格者で総合旅行業務取扱管理者研修修了者」で93・9%だった。

 なお、「国内旅行実務」と「海外旅行実務」の2科目は、今回の試験で合格基準に達していれば、来年度に限り当該科目の試験が免除される。

TIJ、日観協との統合検討へ

 ツーリズムサミットであいさつに立ったTIJの舩山龍二会長は「本日開いた理事会で、日本観光協会との統合を視野に入れた組織の見直しを検討することを決定した」と発表した。観光立国推進に向け、民間がより主体的に考え方を示す必要性を語り、「観光庁が関係省庁と横断的な活動をしているなかで、民側のパートナーとしてさらに強い力を発揮すべきだと考えた。統合は簡単ではないが、速やかに検討していきたい」と述べた。

旅館5万846軒に―1449軒減少、ホテルは増加傾向

 旅館営業軒数は前年度比2・8%減の5万846軒に――。厚生労働省がまとめた2008年度の「衛生行政報告」によると、09年3月末現在の宿泊施設数(簡易宿泊施設、下宿を含む)は8万4411軒と、前年度に比べ1155施設減少。なかでも旅館は5万846軒と、この1年間で1449軒減少したことになる。一方、ホテルは161軒増加し、9603軒となった。旅館減少、ホテル増加の傾向が続いている。

 旅館数は5万846軒。この1年間で1449軒減少し近年も年間1500―2千軒程度減少しており、2009年度にはついに5万軒割れの可能性が高まった。1980年代に8万3226軒でピークを迎えたが、その後減少傾向に歯止めはかかっていない。客室数は80万7697室と、前年度の82万1870室から1万4173室が減少した。

 一方、ホテルの客室数は78万505室と、同1万5023軒増加し、旅館とホテルの客室数は近づいてきた。

 山小屋やユースホステル、カプセルホテルなどの簡易宿所は2万3050軒と、前年度に比べ162軒増えた。また、下宿は912軒で17軒の減少となった。

 都道府県別にみた旅館軒数は、静岡県が3661軒でトップ。次いで北海道(2844軒)、長野県(2832軒)、新潟県(2453軒)、三重県(1822軒)と続く。トップ5に順位の変更はなかったが、大分県(3軒増)を除いて軒並み減少した。

 ホテル軒数の上位5都道府県は(1)東京都(691軒)、(2)北海道(660軒)、(3)長野県(535軒)、(4)兵庫県(402軒)、(5)静岡県(367軒)。

第5回観光交流空間のまちづくり、東京下町「谷根千」を研究(国際観光施設協会)

 国際観光施設協会(中山庚一郎会長)は12月7日、東京都台東区の谷中コミュニティーセンターで第5回観光交流空間のまちづくり研究会を開いた。

 「谷中・根津・千駄木研究~どうしてこの街に人びとが集まるのか」をテーマに、今なお東京下町の風情を残し、歴史と情緒があふれる地域として注目を受ける谷中・根津周辺の散策や、澤の屋旅館館主の澤功氏の基調講演などを行った。

 同研究会の座長を務める中山会長は「午前中の谷中・根津・千駄木周辺のエクスカーションに参加した感想は、ハード面では表示が良くできていた。ソフト面ではボランティアガイドがよく勉強していて、住んでいる人を巻き込んでいる交流空間としての印象を受けた」と語った。

 地元・谷中で外国人旅行者を受入れる澤の屋旅館の澤氏は「旅先の豪華な料理などはいずれ忘れてしまうけど、まちの人との触れ合いや小さな親切を受けたことなどはいつまでも心に残る」など、外国人旅行者の話を紹介。澤氏は「谷中の町並みにはそのままの暮らしがある。外国人旅行者の大半は、日本人が当たり前だと思っている日常の暮らしに関心があり、谷中にはそれがあるのだと思う」と語った。また、「『外国人だ』と特別扱いされないから、日本人の暮らしにすんなりと入り込むことができるのが特徴」と分析した。

 その後、各地域のまちづくりの報告や意見交換を行った。

 なお、午前中のエクスカーションは参加者約30人が4グループに分かれ、台東区観光ボランティアガイドが谷中コースを案内した。同ガイド団体が案内する区内のコース数は10コースほどで、各コースとも約2時間で散策するという。予約は2人から。

 問い合わせ=電話03(3842)5599。

視察ツアーで四国の魅力をPR、東アジアからの観光客誘致促進、四国インバウンド・フェア2009

「32人が4県の観光地視察、中国、韓国、台湾、香港の旅行会社など」  四国4県の魅力をPRし、東アジア地域からの外国人観光客増加をはかろうと、国土交通省四国運輸局と四国ツーリズム創造機構、四国ブロック広域観光振興事業推進協議会は11月16日から20日までの5日間、「四国インバウンド・フェア2009」を実施した。

 インバウンドフェアは国の訪日促進キャンペーン「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の一環として04年から毎年開いているもので、今回は中国、韓国、台湾、香港の旅行会社やマスコミなど32社32人を招へいし、国別に4泊5日(韓国は3泊4日)の視察ツアーを行った。

 道後温泉や高知城、大歩危・祖谷、栗林公園など4県の観光地を巡り、中国と台湾の一行は、大型ショッピングセンターも訪れ、品ぞろえなどをチェックした。

 19日には高松市内のホテルで商談会と歓迎レセプションを開き、四国のホテル・旅館や観光施設関係者、団体など約70社が集まり、四国への送客を呼びかけた。

 宮村弘明四国運輸局長は「世界的な景気後退などの影響で訪日旅行が大きく落ち込むなか、より強力な外客誘致策が必要だ。四国では今年7月、官民一体の新組織として四国ツーリズム創造機構が発足し、さまざまな取り組みを展開している。豊かな自然、歴史・文化、食、アートなど観光資源が豊富な四国への送客をお願いしたい」と呼びかけた。

 真鍋武紀香川県知事は「インバウンド事業を効果的に進めるには、市場の動向や旅行者のニーズの把握、受入態勢の整備などが重要で、単独の観光スポットではなくストーリーを持った広域的な展開が不可欠。香川県では来年7月19日から10月31日まで、現代アートの祭典、瀬戸内国際芸術祭を実施し、世界に向けて瀬戸内海を発信する」と話した。

 レセプションでは香川県の食材を生かした料理の提供や「讃岐国分寺太鼓とサヌカイト」の披露も行い、招へい者との交流をはかった。